2010年03月14日

脳卒中麻痺に強い慈恵病院

日本人の死亡原因の1位はがん、2位に心臓病、3位に脳卒中となっていて、この10年ほど変わっていません。この中で脳卒中になる人は年間130万人以上、治療費に使われる費用は年間2兆円以上とも言われていて、国民病とも言われるほど多いのです。脳卒中は、昭和26年から昭和55年までの30年間、日本の死亡原因の1位 を占めていたそうですが、昭和40年代後半から死亡率は減少していったそうです。しかしその内訳をみると、この40年間で 脳卒中の主流は脳内出血から脳梗塞へと変化してきているそうです。死亡率が減少しているのですが、患者数はむしろ増加していることから、今後は発症予防や発症した後のリハビリテーションが重要になると言われています。

そのリハビリに関しての第一人者に安保正弘医師がいます。東京慈恵会医科大学附属病院の先生で、脳卒中によるリハビリが専門です。この先生にかかると麻痺して箸がもてなかったような人も箸が持てるようになっているのです。それに使われているのが磁気治療器です。これを脳に当て刺激するだけなのですが、それが世界の常識を破るほどの画期的なことだったのです。人間の体は右の脳が左半身をつかさどり、左の脳が右半身をコントロールしているのです。だから右の脳に損傷を受けると左半身に麻痺が現われ、左の脳に損傷を受けると体の右半身に麻痺が現われるのです。

そのため今の治療は右半身麻痺のときには左の脳に治療を施していて、その反対の麻痺の時には右の脳に治療をしているのです。ところがこの先生はそれはおかしいと考えたのです。それは右の脳が損傷を受けると左の脳がそれを補おうとすると考えられているのですが、ところがこの先生はそうすると損傷した脳自身が自分で回復しようとする力を奪ってしまうのではと考え、損傷を受けていない脳に磁気をかけるようしたのです。正常な脳に磁気をかけると言うことはその脳が損傷した脳を助けようとする力を制限させるためだったのです。そうすることで損傷した脳の自助能力を高めたのです。するとその目論見は見事成功し麻痺した患者の手が動くようになったのです。

麻痺で指が動かなくなった人の場合、治療6日目に鉛筆が持てるようになり、文字まで書けるようになったのです。また10年間、右半身麻痺の人の場合、指が動かないためホークを挟んで食事をしていましたが、治療を20分受けリハビリをしたところすぐ変化が出て、麻痺していた左手で棒が持てました。4日目には手が上がり、指は曲げたり伸ばしたり大きく開いたりすることができるようになったのです。そして14日後に退院したときには茶碗を持って食べれるようにもなっていたのです。さらに驚くことに1ヵ月後には好きなゴルフができるまで回復しているのです。それまでは4ヶ月たてば95%よくならないという定説があったのですが、その定説が覆されたのです。

現在この治療は保険が適用されないので自己負担ですが、特別に病院側で治療費の一部負担をしているそうです。また今はこの治療は指と手の治療には有効ですが、足にはまだ治療の効果が出ていません。と言うのも指と手については脳の表面に手や指を動かす部位があるので磁気が届くのですが、足については脳の奥にその部位があるので届かないのです。そこで電気にすれば届くのではと実験を繰り返しているところです。こうした治療効果もあって入院待ちが2〜3年待ちになってきたので、全国に普及させようと考えているところでもあるそうです。また失語症の人の場合でも効果があると言います。と言うのも脳への刺激を2年間したら単語で会話ができるようになったからです。7割の確立で良くなっているということで自信を深めているそうです。

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