2006年11月26日
MachineHead
先日、船橋所属氏のブログで話題にのぼっていた、DeepPurpleの「MachineHead」DVDを見た。余がハード・ロックの世界に足を突っ込むきっかけとなったMachineHeadアルバムがどのようにして製作されたかを、当時のメンバーやプロデューサー、フォトグラファーなどのインタヴューで構成したドキュメンタリーである。
このアルバムは、70年代を、また、ハードロックを代表する歴史的名盤である。マニア、ファンならずとも収録曲のうち、SmokeOnTheWarterやHighwayStarなど、何曲かは耳にしているはずである。
余はこれまでこのアルバムも、各パート毎にマルチ・レコーディングされたものだとばかり思っていた。例えばまずイアン・ペイスがクリック(メトロノーム)をモニターしながらドラムを叩くのを録音し、その音源に合わせて後から各メンバーが自分のパートを重ねていくといった、今では常識の方法で作られたと思っていたのである。
しかし、ベーシック・トラックの全てがメンバー全員によるライヴな一発録りであった。考えてみれば、当然だったのだ。SmokeOnTheWarterの歌詞は、このアルバム製作間に起こった事件をそのまま歌詞にしたものだ。その中に、「ローリング・ストーンズのモービル」というのが出てくる。これは、当時ストーンズの所有していた、大型トラックを改造した移動レコーディング・スタジオのことである。レコーディング・システムは16Ch。だから、当然現在のようなマルチ・トラック・レコーディングは不可能のはずである。なぜ、今まで気付かなかったのだろう。しかし、だからこそ、あのグルーヴが出たとも言える。(因みに例のS君の家にさえもメイン12Ch、サブ8Chのシステムがある)
SmokeOnTheWarterの歌詞といえば、「初め、俺達が使う予定だったカジノでフランク・ザッパと彼の『マザーズ』と言うバンドが演奏中、どこかのバカがフレアー・ガンでカジノに火を点けた。あたりは火の海、ローディー(バンドのアシスタント)のファンキー・クローディはキッズを非難させるのに大わらわ。湖上の煙、天には炎・・・。俺達は別の場所を探さなくてはならなくなった」と言う内容の一節がある。フレアー・ガンとは、溶接銃だとばかり思っていたのだが、インタヴューで、作詞者であるイアン・ギランは、「照明弾だった」と語っている。フランク・ザッパとマザーズの演奏に興奮したジャンキーがやったことらしいが、カジノは全焼。天井に火が走っているのを見たフランクは演奏を中断し、冷静に(ロジャー・グローバーによれば)「諸君をパニックにさせるつもりはないが・・・、火事だ〜!!逃げろー!!」
その後、レコーディング場所を失ったパープルは、地元のコーディネーターの手引きで「グラウンド・ホテル」を使うことになり、そのホテルのT字型になった廊下をマットレスなどでデッドニングし、急造のブースとして録音が開始された。T字の一番奥にセットされたペイスのドラム・キットが、ワン・タム、ワン・フロアのごくシンプルなセットであったことにも驚く。レコーディング風景の写真を見ると、よくもまあ、こんなセッティングであれだけのものができたものだと感心させられる。
DVDには、焼け崩れたカジノやグラウンド・ホテル外観の8ミリ映像も収められており、これも初めて見るもので興味深い。
「暗く、寒いこの場所では、少しの赤いライトと古ぼけたベッドだけが慰め。スイスでの時間はどんどん過ぎて行き、俺達は時間との競争に負けてしまいそうだった・・・」SmokeOnTheWarterに語られた切迫した状況の中で、あの名盤が生まれたのは、奇跡のようなものである。
このアルバムは、70年代を、また、ハードロックを代表する歴史的名盤である。マニア、ファンならずとも収録曲のうち、SmokeOnTheWarterやHighwayStarなど、何曲かは耳にしているはずである。
余はこれまでこのアルバムも、各パート毎にマルチ・レコーディングされたものだとばかり思っていた。例えばまずイアン・ペイスがクリック(メトロノーム)をモニターしながらドラムを叩くのを録音し、その音源に合わせて後から各メンバーが自分のパートを重ねていくといった、今では常識の方法で作られたと思っていたのである。
しかし、ベーシック・トラックの全てがメンバー全員によるライヴな一発録りであった。考えてみれば、当然だったのだ。SmokeOnTheWarterの歌詞は、このアルバム製作間に起こった事件をそのまま歌詞にしたものだ。その中に、「ローリング・ストーンズのモービル」というのが出てくる。これは、当時ストーンズの所有していた、大型トラックを改造した移動レコーディング・スタジオのことである。レコーディング・システムは16Ch。だから、当然現在のようなマルチ・トラック・レコーディングは不可能のはずである。なぜ、今まで気付かなかったのだろう。しかし、だからこそ、あのグルーヴが出たとも言える。(因みに例のS君の家にさえもメイン12Ch、サブ8Chのシステムがある)
SmokeOnTheWarterの歌詞といえば、「初め、俺達が使う予定だったカジノでフランク・ザッパと彼の『マザーズ』と言うバンドが演奏中、どこかのバカがフレアー・ガンでカジノに火を点けた。あたりは火の海、ローディー(バンドのアシスタント)のファンキー・クローディはキッズを非難させるのに大わらわ。湖上の煙、天には炎・・・。俺達は別の場所を探さなくてはならなくなった」と言う内容の一節がある。フレアー・ガンとは、溶接銃だとばかり思っていたのだが、インタヴューで、作詞者であるイアン・ギランは、「照明弾だった」と語っている。フランク・ザッパとマザーズの演奏に興奮したジャンキーがやったことらしいが、カジノは全焼。天井に火が走っているのを見たフランクは演奏を中断し、冷静に(ロジャー・グローバーによれば)「諸君をパニックにさせるつもりはないが・・・、火事だ〜!!逃げろー!!」
その後、レコーディング場所を失ったパープルは、地元のコーディネーターの手引きで「グラウンド・ホテル」を使うことになり、そのホテルのT字型になった廊下をマットレスなどでデッドニングし、急造のブースとして録音が開始された。T字の一番奥にセットされたペイスのドラム・キットが、ワン・タム、ワン・フロアのごくシンプルなセットであったことにも驚く。レコーディング風景の写真を見ると、よくもまあ、こんなセッティングであれだけのものができたものだと感心させられる。
DVDには、焼け崩れたカジノやグラウンド・ホテル外観の8ミリ映像も収められており、これも初めて見るもので興味深い。
「暗く、寒いこの場所では、少しの赤いライトと古ぼけたベッドだけが慰め。スイスでの時間はどんどん過ぎて行き、俺達は時間との競争に負けてしまいそうだった・・・」SmokeOnTheWarterに語られた切迫した状況の中で、あの名盤が生まれたのは、奇跡のようなものである。
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この記事へのコメント
こういう話題になりますと、わたしなど最早、度し難き縁無き衆生です。わたしが分かったのは(火事だ 逃げろ)だけでしたね。
Posted by hirokwns at 2006年11月26日 15:35
仰りたい事が、何となく解る様な、解らない様な…。環境如何より情熱と云う事ですか。
Posted by fugichan at 2006年11月26日 16:22
そうだったんですか。全く知りませんでした。そのDVD、ぜひ私も見たいです。
それにしてもそんな状況であの名曲が生まれたなんて! やっぱりすごい人たちです。
今、ちょうどSmoke On The Warterを聴いているところ。
この音がねえ、うううん、スゴイ!!
もう他に言葉が見つかりません。
それにしてもそんな状況であの名曲が生まれたなんて! やっぱりすごい人たちです。
今、ちょうどSmoke On The Warterを聴いているところ。
この音がねえ、うううん、スゴイ!!
もう他に言葉が見つかりません。
Posted by リンダ at 2006年11月27日 15:43
大兄
このアルバムに出会わなければ、大げさでなく、私のことですから、そのスジの者になって、今頃は大阪南港で海底人になっているか、六甲山中で地底人をやってるか、だったでしょう。DeepPurpleと小松左京と司馬遼太郎には、若いうちに出会え、です。
このアルバムに出会わなければ、大げさでなく、私のことですから、そのスジの者になって、今頃は大阪南港で海底人になっているか、六甲山中で地底人をやってるか、だったでしょう。DeepPurpleと小松左京と司馬遼太郎には、若いうちに出会え、です。
Posted by 酔狂居士 at 2006年11月28日 00:28
fugichan様
芸術は、金のためのみにあらず。貴兄がコメントなさったことと同じ趣旨がこのDVDの中で語られております。ドラマーのイアン・ペイスが「21や22歳であのバンドにいられたんだ。素晴らしくラッキーだった」と。
芸術は、金のためのみにあらず。貴兄がコメントなさったことと同じ趣旨がこのDVDの中で語られております。ドラマーのイアン・ペイスが「21や22歳であのバンドにいられたんだ。素晴らしくラッキーだった」と。
Posted by 酔狂居士 at 2006年11月28日 00:33
リンダ様
書きそこねましたが、SmokeOnTheWarterだけは、「パヴィリオン」という建物でレコーディングされたそうです。他にも書ききれないほど意外な事実が満載です。
ClassicAlbumシリーズのMachineHeadというDVDです。2500円程度のものですから、是非御覧になって下さい。海賊版ではありませんので、普通のお店においてあると思います。
書きそこねましたが、SmokeOnTheWarterだけは、「パヴィリオン」という建物でレコーディングされたそうです。他にも書ききれないほど意外な事実が満載です。
ClassicAlbumシリーズのMachineHeadというDVDです。2500円程度のものですから、是非御覧になって下さい。海賊版ではありませんので、普通のお店においてあると思います。
Posted by 酔狂居士 at 2006年11月28日 00:39
こんばんわ。
私の取り上げたDVDを楽しんでいただけたようで、とても嬉しいです。
PURPLEは確か「BURN」辺りまで、ライヴ一発撮りに近いレコーディングをしていたように思いました。
個人的にはマーティン バーチがミキシングコンソールの前でフェーダーを操作しながらソロの解説していたくだりが興味深かったですね。
私の取り上げたDVDを楽しんでいただけたようで、とても嬉しいです。
PURPLEは確か「BURN」辺りまで、ライヴ一発撮りに近いレコーディングをしていたように思いました。
個人的にはマーティン バーチがミキシングコンソールの前でフェーダーを操作しながらソロの解説していたくだりが興味深かったですね。
Posted by 船橋所属 at 2006年11月28日 00:58
船橋所属様
有難うございました。これからも良質な情報をよろしくお願いします。
有難うございました。これからも良質な情報をよろしくお願いします。
Posted by 酔狂居士 at 2006年11月28日 08:21
はい、是非購入したいと思います。今度の休みに必ず入手いたします!
この話をしたら、私より主人が「それは是非!」と乗り気です。
早く観たいです。
この話をしたら、私より主人が「それは是非!」と乗り気です。
早く観たいです。
Posted by リンダ at 2006年11月29日 02:15

