2009年04月15日

日本の防衛力

北朝鮮が打ち上げたのが宇宙衛星だったのか弾道ミサイルだったのか、いまだ判然としていない。衛星だとしたら速度が足りず失敗だったという説が強いが、北は衛星だったと発表している。発表通り衛星打ち上げの実験だったとしたら、非難する根拠があるとは思えない。世界的な宇宙衛星打ち上げ競争の中、北朝鮮だけは衛星打ち上げの実験まかりならぬという理屈が成り立つわけがない。これで北朝鮮を非難するなら、弾道ミサイルの実験だったという確実な証拠を上げる必要がある。今の情勢をみると、確たる証拠もないのに弾道ミサイルと決め付けて非難決議をしたがる日本と米国。慎重姿勢を崩さない中国とロシヤという構図になっている。素人にはわからない国際的な戦略謀略が渦巻く世界のことだ、各国の腹のうちなど解らない。にしても、日本は少々逸りすぎではないか。日本に歩調をあわせるかに見える米国にしたって、腹の底で何を考えていることやら。

一番狡猾に動いているのは、どうもアメリカのように思えてならない。アメリカと北朝鮮にいいように振り回されているのが日本ということにならないか。角度を変えて見れば、日本の一人芝居をうまく利用されている、と見えなくはない。隣国を仮想敵国に見立てて危ない危ないと騒ぎ立てる勢力があり、これに同調する世論もかなりの力を持っている。防衛力の増強はこの世論が支えだ。ここでチョットひねくれた視線で、日本の防衛力強化で一番得をするのはどこかと見れば、アメリカの軍事産業だ。イージス艦といい最新鋭軍用機といい国家が傾くほどの買い物である。アメリカにとって、日本が最上のお得意さんであることは衆目の一致するところだろう。

アメリカの軍事産業の側から見れば、北朝鮮のような無法者国家は至って好都合な存在ではなかろうか。彼らがあの手この手で周辺国を刺激してくれるからアメリカ製の武器がどんどん売れる。アメリカとしては笑いが止まらないのではないか。それも、べらぼうな値の割には期待したほどの性能のない代物のらしい。今度の騒ぎでその無能ぶりの一端をさらすことになってしまった。しかも、日本にとって絶壁の防衛力であるはずの高性能を誇る精鋭の兵器、肝心の頭脳の部分はアメリカに握られている。ということは、アメリカからの脅威に対しては全く無能ということだ。

アメリカの核の傘の下という属国状態に満足ならこれで何の問題もない。ただ、こんな状態でアメリカ批判はいただけない。不適切論文で更迭された元空幕長の田母神氏のように、急所を握られていることを百も承知で、勇ましいアメリカ批判をぶち上げるとは一体どういう神経だ。防衛の軸足を他国に預けながら、預けた国を誹謗するなど稚児の類だ。あの肩書きであの発言、日米同盟の上に胡坐をかいた甘えとしか言いようがない。なにしても、愛国者気取りで危機を煽る連中など、アメリカ軍需産業の走狗のようなもの。本人に自覚はないにしても、結果は走狗に成り下がっている。

日米同盟の枠の中では、日本が防衛力を強化すればするほど米国への隷属も強化されることになってしまう。重要な兵器はすべてアメリカ製なのだから当然である。真の自主防衛を目指すなら、機軸の兵器は自前で開発するべきものだ。それが出来なければ強国に隷属するよりほかに道はない。強国を天秤にかけての綱渡りという曲芸もあるが、綱渡りをするには日本の図体は大きすぎる。日本だけではない、強国の狭間で生きる国なら同じ悩みを抱えているものだ。世界を震え上がらせるほどの軍事技術も持たずに、身の程知らずの大法螺などお笑い草だ。

ところで、世界を震え上がらせるほどの軍事技術だが、そんな大それた力が日本に全くないかと言えば、そうでもないらしい。日本には世界の最先端をいくロボット技術がある。近い将来ロボット技術の躍進が戦争に革命をもたらすであろうことは容易に想像がつく。好むと好まざるとにかかわらず、日本の技術者もその方に傾斜せざるを得ないときが徐々に近づいているようだ。ロボット技術には防衛関係者も強い関心を寄せているようだから、今後なにが飛び出すかわからない。戦争には殊の外関心の強い国民性だから、いつまでもおとなしくしているかどうか。

日本がもし独自で強力な軍事技術を持つに至ったなら、日米が今のような友好国のままでいられるだろうか。軍事技術というやつ、貧弱だと他国の侮りを受け、強力にすぎると敵を増やす。悪魔の申し子とはこんなのを指して言うのだろう。

Posted by 36sabue74 at 07:58  |Comments(2) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
経済活動ではそこそこ抜け目がなく、世界と伍していけるのに、こと政治となると赤ん坊のような我が国。これはいったい……。近世に鎖国が長く続き過ぎたせいか、長年にわたって支配層の多くが世襲で、遺伝子が劣化しているせいか。いずれにしても、北朝鮮のように、生き残りを賭けて自分の命を張っている国に勝てるわけがありません。
Posted by ギャンブラー at 2009年04月16日 22:48
経済は一流というのもなんだか怪しくなってきましたね、ギャンブラーさん。日本人にやれることならどの民族でもやれるということは、既に実証されてしまいました。それどころか商売にかけては中国人のほうが一枚上のようです。今まで国としての体制が整っていなかっただけのことらしいです。

経済にしろ軍事にしろ日本人の自己採点は甘いと思いますねぇ。これは明治以来の伝統のようです。日露戦争で奇跡の勝利を果たしたことで、自己の実力を買い被り太平洋戦争へと突っ走った。これで完膚なきまでに叩きのめされたが、奇跡の経済復興を果たすことが出来た。ここでまたもや一流幻想に取り付かれてしまった。と、いった風に老人の我輩には見えるんですが。一流幻想が災いの因にならねばよいが、と懸念するのは老婆心なのでしょうか。
Posted by sabue at 2009年04月17日 11:30
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