April 21, 2006
私にとっての名作映画。
『四月の雪』をDVDで見直してみた。イェジン・ファンの母がDVDを買ったので、借りてきたのだ。
結論から言うと、映画館で見た時よりも数段よかった・・・とは言える。
というか、やっとわかった、みたいな感じです。
監督が描きたかったものも伝わったし、登場人物の気持ちの流れも今回は自然に思えたし。
ただやっぱり、この二人をヨンジュンとイェジンが演じなかったほうがいいとは思ったけどね。
もう少し地味な役者さんのほうがこの映画自体のファンをもっと作れたと思うんですよね。
ヨンジュンもイェジンも、俳優として自分ができることは精一杯出し切っているし、私の好みに合わないシーンがあったとしても、それは彼らの責任というより演出もしくは演出企画の問題かなあって。
あと、これほど美しくないベッドシーンは珍しいのではないかと・・・いや、すみません、でも本音。
中途半端すぎるのです。
はっきり見せないけど映像表現で素敵に想像させるか、それとも、そういう関係になってしまった様子を狂おしいほどのラブシーンで見せるか、どっちかにしてほしかった。
これはヨンジュンがいけないわけでもイェジンがいけないわけでもないし。(ヨンジュンは『スキャンダル』でのそういうシーンはとってもよかったもんねえ。)
ラストシーンですが、私は二人が車に乗っていての会話だと今回DVDを見て思いました。
でもまあ、どう想像してもいいことこそが監督のメッセージなんでしょうね。
今後の二人の行方を含め、どんな想像するかであなたの恋愛観がわかりますよ、みたいなものかなあと思いました。(笑)
で、爆弾発言です!
それでもある意味では『私の頭の中の消しゴム』よりも『四月の雪』のほうが出来はいいかも〜、と思わす部分があると思っちゃったのです。
娯楽性とか、好きか嫌いか、イェジンの魅力となると断然「消しゴム」のほうに軍配が上がるんだけど、映画が持ち得る永遠性のようなものね、または映像作家としての世界観の純度のようなものからすると、『四月の雪』のほうかもと思ったりしちゃったんですね。
それは、余韻かな。
登場人物のこれからと心などについて、見た人の中に無意識のうちに何かが残り、影響を与えるかもしれないものがあるという気がしてね。
・・・と、なんだかわかんねーことを書いてますか、私。
いや、よく思うことなんだけど、“名作”ってなんでしょうかと。
多くの人が感動したものが名作なんでしょうかって。
私は、たった一人であっても、その人の人生に何らかの影響を与えられたらそれが名作ではなかろうかと思うんですね。
だから名作って人によるんじゃないかなって。
例えば、感動と言うのは自分の中で絶対でしょうか? 年齢とともに変わったものはありませんか? 昔はあんなに感動したのにとかね。
また、感心する映画というのもありますよね。
感動とはちょっと違うの。ストーリーがなかなかだったとかね。
それから、とりあえず面白かったとか、笑ったとか、泣いたとかいう映画もたくさんありますよね。
例えば、『カサブランカ』は名作でしょうが、それでも人によってその理由って違う部分があるかもしれない。
『カサブランカ』を見て、人生に影響を与えられた人もいるだろうし、そういうのはないけれどもとにかく好きで、何十回でも見られるという人もいるだろうし。
「好きな映画」はもちろん私にも数え切れないほどあるんだけど、“名作”となると、自分に決定的な影響を与えた映画という気がしちゃうんですね。
で、それは次の映画でして。。。
それをちょっと紹介してみようかなと。
◆『レ・ミゼラブル』(1957年フランス・イタリア合作 監督:ジャン=ポール・ル・シャノワ)
何度か映画化や映像化されていますが、ジャン・バルジャンをジャン・ギャバンが演じた版です。
二十歳前後の頃、偶然にテレビで見ました。
実は、この物語の筋書きを知らなかったので、どうなっていくんだろうとドキドキワクワクしながら見ました。
しょっぱなのシーンから惹き込まれて普通に面白く見ていましたが、ラストシーンで感動が突然襲い・・・動けなくなりました。
ラストシーンに‘あれ’のカットをもってこられたとき、私の頭の上に光が点ったのです。
泣き出しちゃいました。
このラストシーンで泣くヤツはきっと、珍しいと思います。
だいたい泣く映画じゃないし・・・。
ユゴーの原作は中学生のときに読み始めたものの、そのときは最後まで読みきれませんでした。
それから数年後、この映画を見た翌日から改めて読みはじめました。
原作においてもところどころで深く感動し、途中でしばし本を閉じて思索にふけりました。
映像化にはドラマ版もあるしアメリカ版もあり、私もそれらのいくつかの版を見ていますが、自分にとっては57年版にを勝るものはなく、ジャン・ギャバンのジャン・バルジャンが一番好きです。
二十歳の頃にこの映画を見たことは、私の人生にかなり影響を与えています。
◆『スタア誕生』(1954年アメリカ 監督:ジョージ・キューカー)
もちろんジュディ・ガーランドのです。
中学生のときに『ザッツ・エンタテインメント』という映画を観に行ったのがアメリカのショービズ物にのめりこむきっかけでした。
フレッド・アステアとともに大ファンになったのがジュディ・ガーランドです。
彼女のことを調べまくりました。
すると、彼女の伝記を読んだら必ずこの作品について大きく割かれており、この作品でオスカーを獲れなかった(グレース・ケリーにもっていかれた!)ことが、その後の彼女の人生に影を落としたというような記述まであったので、いつか『スタア誕生』を見れることを夢に見ていました。
しかし、当時は名画座で彼女が出演したミュージカル映画などはかかりませんから、テレビで放送してくれない限り(それも地上波しかなかったし)この映画を見るチャンスはありませんでした。
80年代になってから、アメリカ映画の輸入ビデオが入手できるようになり、私はまず、字幕なしの輸入ビデオで見たのが最初で、ほどなくレーザーディスクで字幕版を見ることができました。
ジュディの代表作であるし、彼女の歌のシーンはもちろん素晴らしいのですが、自分にとってこの映画が名作なのは、ジュディが演じたエスターとジェームズ・メイソンが演じた夫ノーマンとの関係にやられたからです。
そして、これまたラストシーンが・・・エスターの「私は○○です」というせりふね、泣いたね、そして考えさせられました、女としても。
◆『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』(1998年イギリス 監督:アナンド・タッカー)
最近もよくBSなどで放送されていますね。
それまでエミリー・ワトソンはあんまり好きな女優ではなかったのですが、この映画は名チェリストだったジャクリーヌ・デュ・プレの人生をリアルに映画化したものだと聞き、観ないわけにはいきませんでした。(あ、一応クラシック好きでして・・・)
でも、それはあくまでもきっかけで、見終わった後は、一映画としてとにかく言葉に出来ないような影響を私に与えちゃいました。
言葉に出来ないので説明できないんだけど・・・。(笑)
うまくいえないんだけど、きれいな部分や醜い部分という視点で人間を描いていないところが好きです。
家族、姉妹、夫婦の関係が大きなテーマとも思うんですが、その関係が決してよかったとは言えない主人公の人生において、それでもなぜかこの映画にはそこに救いがあるような気がするんですね、それで何度も見てしまいます。
この上ない悲劇なのに、見ていて救われるのは、ジャクリーヌよ、君の人生は間違っていなかったんだよって、映画が言ってあげている様でね、愛を感じるのです。
ジャクリーヌの人生に対しての監督が見つめる目が本当の意味で優しいからなのだと思います。
◆『八月の鯨』(1988年アメリカ 監督:リンゼイ・アンダーソン)
ベティ・デイビスとリリアン・ギッシュという往年の名女優が共演して、当時かなり話題になった映画ですが、ベティ・デイビスが79歳、リリアン・ギッシュは90歳! でした。
この年齢までがんばろう! と思えるという意味で、影響を与えてくれた?! というのは半分本当です。(笑)
でも、これまた言葉にしにくい影響を私に与えてくれました。
他の出演者もみんな、老人ばっかなんですけどね、彼らの一つひとつの動作、しぐさなどを見ているだけでなぜだか飽きないんです。
そこに映画がもつ力、というのを感じるんですね。
映像でしか成し得ないもの・・・そういう映画が私は好きです。
この映画を見ていると、理屈なく幸せな気持ちになります。不思議です。
老いって悲しい部分もいっぱいあるんだけど、それにセンチメンタルになるでしょ、でもそういうもの以上のものをこの映画は伝えてくれている気がしてね。
どっか「欲」というものが自分の中から薄れたというか、見終わった後、映画館から出たときの感触を今でも覚えています。
二人の名女優に「ありがとう!」です。
◆『ひみつの花園』(1996年日本 監督:矢口史靖)
日本映画ではこれなんですよ。意外かしらん?(笑)
何の予備知識もなく、当時見ました。
そして主人公のあっぱれさに感動し、こんな女性になってみたいと思いましたねえ。(笑)
もっと若い頃にこの映画があって、見れていればなあ・・・私の人生も違っていたのではないだろうか、なーんて思っちゃったくらいでしてね。
でも、すっかり大人になりきった年齢で見てもね、なにかしら影響を与えてもらいましたよ。
現代の日本映画としては、珍しくテンポのよさとユーモアがあると思います。
とにかくこの映画は好きですねえ。
元気もらえます。
◆『ラスト・ワルツ』(1978年アメリカ 監督:マーティン・スコセッシ)
レコード的にいえば、擦り切れるくらい聴いた、観た、って感じですか。
公開当時は見れなかったので、リバイバルでかかったときはうれしかったですね。
ロックではなく、私はロックンロールが好きです。
この映画の中の音楽やインタビューで聞けるロックンロールのお話は、私の青春のすべてといっても過言ではないかも〜?! って感じなのね。
青春の15年間!?くらいは毎日、こんなサウンドの中で暮らしていましたぁ。
その影響たるやね・・・取り返しがつきません!(笑)
★テレビドラマ「北の国から〜巣立ち〜/〜秘密〜」(1992年/1995年日本)と「夏の香り」(2003年韓国)
テレビドラマは、この2本ですね。
見る前と見た後では、自分の何かが変わりました。
「北の国から」は全部ではなくて、私の場合、巣立ちと秘密の2本です。
四季シリーズは「秋の童話」のほうが世界観があって完成度も高いと思うのですが(そしてもちろん大好きですが)、「夏の香り」はなんと言っても私にとっては特別です。これはもうどうしようもありません。(笑)
このドラマのおかげで私は立ち直れたものですから・・・。
だからソクホさん! 「夏の香り」にも自信をもってくださいね。
うんと若い頃、そして幾分大人の年齢になった頃、それから最近と、その節々で名作に出会いました。
映画もいつ出合ったのかというのが重要かもしれないなあと思います。
そして、未来に出会う名作を楽しみに生きられるのは、映画やドラマが好きな人の喜びかもしれませんね。
【その他の最新記事】
この記事へのトラックバックURL
http://blogs.dion.ne.jp/3obri9/tb.cgi/3261886
※半角英数字のみのトラックバックは受信されません。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのコメント
こんばんは。
私は「四月の雪」、結構好きな映画です。
「八月のクリスマス」が100点だとしたら、50〜60点のできかなぁとは思うけれど。
日本公開当時、周りのブロガーさんたちがこぞってけなしていた時に
はっきり好きな映画だと書いちゃいました(笑。
ラストは、私もそう思いましたよ!ハッピーエンドですね、一応。
そして「私の頭の中の消しゴム」は、期待しまくってた割にあまり良くなかった映画でした。
いろいろ理由はあるのですが、あまりノレなかったです。泣きはしましたが。
こちらも、周りのブロガーさんたちがこぞって絶賛されていた時に
「イマイチだった」と書くのはすっごく勇気がいったけれど、書いちゃいました〜!
どちらも個人的な感想なので、ひとと違ってて当然だとは思っています。
映画もドラマも、出逢う時期によって心に響くものは違いますよね。
それも縁だと思います。
他のひとが絶妙のタイミングで出逢って心揺さぶられた作品が、
自分とは縁のないこともあるし、逆もある。
観た時はとっても感動したのに、なぜかすぐ忘れてしまうものもあるし、
逆に観た時はそうでもなかったのに、時間が経つほどに忘れられなくなる作品もある。
私はなぜか、どうしても「秋の童話」がダメなんですが、(ごめんなさい>スンホン)
「夏の香り」はやっぱり特別な作品です。
職場の韓流ファンの人たちにはスンホンのプロモーションフィルムよばわりされてますが、
私はたまたまノーカット版の「夏の香り」と運命の出会い(笑)をして、
忘れられない特別な作品になった。
それも、「夏香」をバカにする人たちではなく私にめぐってきた縁なんだわ〜
なんて思うことにしています(^^;
私は「四月の雪」、結構好きな映画です。
「八月のクリスマス」が100点だとしたら、50〜60点のできかなぁとは思うけれど。
日本公開当時、周りのブロガーさんたちがこぞってけなしていた時に
はっきり好きな映画だと書いちゃいました(笑。
ラストは、私もそう思いましたよ!ハッピーエンドですね、一応。
そして「私の頭の中の消しゴム」は、期待しまくってた割にあまり良くなかった映画でした。
いろいろ理由はあるのですが、あまりノレなかったです。泣きはしましたが。
こちらも、周りのブロガーさんたちがこぞって絶賛されていた時に
「イマイチだった」と書くのはすっごく勇気がいったけれど、書いちゃいました〜!
どちらも個人的な感想なので、ひとと違ってて当然だとは思っています。
映画もドラマも、出逢う時期によって心に響くものは違いますよね。
それも縁だと思います。
他のひとが絶妙のタイミングで出逢って心揺さぶられた作品が、
自分とは縁のないこともあるし、逆もある。
観た時はとっても感動したのに、なぜかすぐ忘れてしまうものもあるし、
逆に観た時はそうでもなかったのに、時間が経つほどに忘れられなくなる作品もある。
私はなぜか、どうしても「秋の童話」がダメなんですが、(ごめんなさい>スンホン)
「夏の香り」はやっぱり特別な作品です。
職場の韓流ファンの人たちにはスンホンのプロモーションフィルムよばわりされてますが、
私はたまたまノーカット版の「夏の香り」と運命の出会い(笑)をして、
忘れられない特別な作品になった。
それも、「夏香」をバカにする人たちではなく私にめぐってきた縁なんだわ〜
なんて思うことにしています(^^;
Posted by Mako at April 21, 2006 22:51
>Makoさん
コメントどうもありがとうございます! うれしいです。
「4月」と「消しゴム」についてのMakoさんのブログを読んできました。いや、当時も読んでいました。改めて読ませていただきました。
「4月」のほうは、かったるさはDVDでも同じだったんですが(笑)、それはこの監督と私のリズム感が合わないというだけで、人間の気持ちを描きたいという監督の思いは伝わりました。
「消しゴム」のほうは、私は泣かなかったんですよね。実はこれも母がDVDを買ったので、一緒にもう一度見たんですけれども、やはり泣けなくて、作品の評価も変らず・・・。そう、Makoさんが書かれていたとおり、きちんとまとめすぎという感じがします。その割には完璧でないというのが私には心に響いてこなかった理由かも。わかりやすすぎというか、引っかかるものなかったんですね。主演二人の演技がよかったことが余計にまとまりのよさという結果になったとも言え・・・クリエイトというのは難しいものです。
Makoさんの書くものがとても好きです。そして私と好みが全部同じわけではなく、楽しみ方も違うところがあると思うのですが、結果としてはどこか物の見方や感じ方に近いものがあるような気がしています。
Makoさんのブログとの出合いは「夏の香り」の連載の頃で、うれしいなと思ったのが「ニュアンスのあるドラマ」という言葉を見たときでした。おお、これはずっと読むぞーと思ったのです。(笑)
ネットで見たノーカット版はよかったですよね。
いつかテレビできちんとノーカット版を放送してほしいです。
「夏の香り」が今度はBS-iで始まりました。またスンホニのファンがたくさんできるでしょうね。
コメントどうもありがとうございます! うれしいです。
「4月」と「消しゴム」についてのMakoさんのブログを読んできました。いや、当時も読んでいました。改めて読ませていただきました。
「4月」のほうは、かったるさはDVDでも同じだったんですが(笑)、それはこの監督と私のリズム感が合わないというだけで、人間の気持ちを描きたいという監督の思いは伝わりました。
「消しゴム」のほうは、私は泣かなかったんですよね。実はこれも母がDVDを買ったので、一緒にもう一度見たんですけれども、やはり泣けなくて、作品の評価も変らず・・・。そう、Makoさんが書かれていたとおり、きちんとまとめすぎという感じがします。その割には完璧でないというのが私には心に響いてこなかった理由かも。わかりやすすぎというか、引っかかるものなかったんですね。主演二人の演技がよかったことが余計にまとまりのよさという結果になったとも言え・・・クリエイトというのは難しいものです。
Makoさんの書くものがとても好きです。そして私と好みが全部同じわけではなく、楽しみ方も違うところがあると思うのですが、結果としてはどこか物の見方や感じ方に近いものがあるような気がしています。
Makoさんのブログとの出合いは「夏の香り」の連載の頃で、うれしいなと思ったのが「ニュアンスのあるドラマ」という言葉を見たときでした。おお、これはずっと読むぞーと思ったのです。(笑)
ネットで見たノーカット版はよかったですよね。
いつかテレビできちんとノーカット版を放送してほしいです。
「夏の香り」が今度はBS-iで始まりました。またスンホニのファンがたくさんできるでしょうね。
Posted by ocyara at April 22, 2006 03:21

