2010年04月27日
私信のような、そうでないような。
「人の心を傷つけてはいけない」という間違った考え - はてこはだいたい家にいる
というエントリについて、私は、はてなブックマークで以下のようなコメントをしました。
階層1
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kutabirehateko/20100424/Conscience
階層2
http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kutabirehateko/20100424/Conscience
それに対して、manysided-多面体さん、PledgeCrew-かつさん、y_arim-有村さんから、相次いでIDコールをいただきました。このエントリは三氏に対する返信です。
まずは簡単に、それぞれのコメントに対する直接の応答をします。
■多面体さんへ
はてこさんに悪意があると思ったからコメントを書いたのではありません。あのエントリのどの部分が「具体的な自衛手段」にあたるのか、私には読み取れなかったので疑問に思ったことを提示しただけです。はてこさんの内心については多面体さんはそう考えていらっしゃるのですね。としか申し上げることができません。
もうひとつのコメントは、なぜこの文脈でご自身の病気のことを開示されたのか、はてこさんの持病のことを示されたのか、また、そのことで何を伝えたかったのか理解できませんでした。申し訳ないですが、この件に関しては保留とさせてください。
■かつさんへ
どういった方が対象であるかについて、「確かに「信者」を集める危険性はあるけど」という言葉で、かつさんも指摘していらっしゃいます通り、あのエントリは一般向けと読まれる可能性が大きいことは間違いないでしょう。しかし、私はそのようには読んでいません。はてこさんのblogエントリはいわば「連作」ですので、前のエントリの流れを汲み、あるコメンターさんへの応答として書かれたものというふうに理解しています。その他に想定される読者として、DVや虐待、性暴力などの被害者が見込まれていることは同意です。
IDコールに先立つコメントに「宛先が違えば論理も変わる。」と書かれていることから、私が、はてこさんのこれまでのエントリとの矛盾を指摘していると受け取られたのではないかと考えたのですが、いかがでしょうか?
それを前提にお答えさせていただきますと、私は、はてこさんの「連作」には、ある主題が繰り返し登場すること(連作ですから、当り前なのですが)から、コメント中のリンクで示したエントリとの共通点、またblog全体を通しての一貫性に対し「ある意味で納得」と書きました。
また、批判は早いとのご意見に対するお返事として、最後であのコメントを書くに至った経緯を説明したいと思います。
■有村さんへ
私宛ではないですが、はじめに書かれたコメントも含め応答させていただきます。
有村さんの最初のコメントで、かのエントリは共依存やAC関連の書籍の内容に合致すると書いていらっしゃいましたが、私も同じような印象を持ちました。トラウマ治療等でよく使われている「認知療法」の理論を基に書かれているからなのだと思います。
冒頭の「人の心を傷つけてはいけない」だから「自分は誰からも傷つけられるべきでない」という思い込みを持つことで、「自分を傷つけるすべての人を断罪しなければならなくなる」に続く主張は、この思い込みを転換せよということですね。
ここで認知療法を使うならば、「人の心を傷つけてはいけない」から「人の心を傷つけてもいい」ではなく「時には人の心を傷つけることもある」に、「自分は誰からも傷つけられるべきではない」から「時には人に傷つけられることもある」に転換を図るのではないかと思います。はてこさんの論はちょっと極端だなと感じました。
また、「すべての人を断罪しなければいけなくなる」というのは論理の飛躍で、これに続く文章には無理があると言わざるをえません。
蛇足ですが、これらは、アンガー・マネージメント(怒りのコントロール)にも使われる手法です。怒りに関する問題を持った方が、人から傷つけられた(と自分が感じたときときに)自分の怒りを抑え、相手にぶつけないためにも使われます。怒りの感情そのものは悪ではありませんし、怒りは他者から傷つけられたというセンサーの働きもしますので、むやみに抑えこむのは危険ですけれども。(特に被害体験を持つ人は、このセンサーがうまく作動しないこともあります)
はてこさんの文章を読んで勇気をもらったり回復の役に立った人が沢山いることは幸いです。
あのエントリについては論理の飛躍は見られるものの、他に反論したいところはありません。
最後に、私がなぜコメントをしたのか、その経緯を書きます。
昨年の「曽野綾子騒動」は記憶に新しいと思います。最初に、はてこさんの文章に触れたのはその騒動の最中でした。
性暴力とがんや難病になりやすい性格論に見られる共通の問題-はてこはだいたい家にいる
へのブコメに「一緒に考えましょう。という言葉を拒む人はいないでしょう。これまでの議論は本当にそういうスタンスだったのでしょうか。ちょっと冷静になってからもう一度読みます。」と書きました。
私が乳癌の治療を受け始めたばかりだったということもあり、「がんの原因は性格説」(これに関しても反論はありますが、応答への趣旨から外れますので割愛します)を引用して、性暴力の自衛論と絡めて書かれていることに大きな苦痛を感じました。自分自身の状態から冷静な議論は無理だと判断し、疑問の提示にとどめ反論は控えました。このエントリへの消毒さんからの反論(というか批判というか…)を、後に読ませていただきましたが、私も同じように考えています。
続くエントリでは一転して、被害者への提案という被害者サイドに立ったもので、前のエントリとの落差に違和感を覚えました。
それ以来、はてこさんのエントリは殆ど読んでいます。なぜ読み続けたかといえば、(単独のエントリとして読めば同意できるものも多いのですが)エントリごとの、はてこさんのポジションの取り方が極端に違うことに対する「違和感」を払拭したいがためだったのだろうと思います。
読むうちにblog全体を通して、繰り返し表現されるいくつかの「主題」があることに気づきました。その「主題」に関しては、はてこさんの内面を忖度することになりますし、「主題」を私が語ることは、他の意味合いを持ってしまう可能性もあるので控えさせていただきたいのですが、かつさんへの応答で書きましたたように、blog全体を通しての「主題」の「共通性」「一貫性」に対し「ある意味で納得」し、先の違和感も解消しました。それを書いたのが階層2のコメントです。
ブコメでは批判らしい批判はしてないつもりですが、そのように受け取られてしまったのは私の表現の仕方にも問題があったのかもしれません。
今回、三人の方から一時にIDコールをされるという私にとっては非常に珍しい事態で、対応に時間がかかり申し訳ありませんでした。
※ラブログの操作画面のバグで、ところどころ文字化けしているところがありました。チェックはしましたが、まだ残っていたらごめんなさい。
というエントリについて、私は、はてなブックマークで以下のようなコメントをしました。
階層1
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kutabirehateko/20100424/Conscience
akira-2008 コミュニケーション この文章のどこから『性暴力からの具体的な自衛手段』を読み取ったらいいのか、どうしても分からない。/ひょっとしてここ?>『あなたはあなたの行動と良心に責任を持たなければなりません』2010/04/25
階層2
http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kutabirehateko/20100424/Conscience
akira-2008 http://d.hatena.ne.jp/kutabirehateko/20091229/1262062312 からぐるっと回って着地点がここ。ある意味で納得。 2010/04/25
それに対して、manysided-多面体さん、PledgeCrew-かつさん、y_arim-有村さんから、相次いでIDコールをいただきました。このエントリは三氏に対する返信です。
まずは簡単に、それぞれのコメントに対する直接の応答をします。
■多面体さんへ
manysided id:felis_azuriさんid:akira-2008さんは誤解されてる。はてこさんは本当に悪意ない。悲しんでるかも。確かに具体的な自衛手段と聞くと構えてしまうけど、例えば私が被害者のための具体的な法廷戦略を書くのと同じじゃないかな 2010/04/25
はてこさんに悪意があると思ったからコメントを書いたのではありません。あのエントリのどの部分が「具体的な自衛手段」にあたるのか、私には読み取れなかったので疑問に思ったことを提示しただけです。はてこさんの内心については多面体さんはそう考えていらっしゃるのですね。としか申し上げることができません。
もうひとつのコメントは、なぜこの文脈でご自身の病気のことを開示されたのか、はてこさんの持病のことを示されたのか、また、そのことで何を伝えたかったのか理解できませんでした。申し訳ないですが、この件に関しては保留とさせてください。
■かつさんへ
PledgeCrew id:akira-2008 DVや虐待、性暴力とかの被害者で「自己肯定感」の欠如に悩む人とかも多いのでは。そういう人らがこの文の対象なのでしょう。本人はハイクで「親子関係こじれてる人たち」と書いてます。批判はそれからでも 2010/04/25
どういった方が対象であるかについて、「確かに「信者」を集める危険性はあるけど」という言葉で、かつさんも指摘していらっしゃいます通り、あのエントリは一般向けと読まれる可能性が大きいことは間違いないでしょう。しかし、私はそのようには読んでいません。はてこさんのblogエントリはいわば「連作」ですので、前のエントリの流れを汲み、あるコメンターさんへの応答として書かれたものというふうに理解しています。その他に想定される読者として、DVや虐待、性暴力などの被害者が見込まれていることは同意です。
IDコールに先立つコメントに「宛先が違えば論理も変わる。」と書かれていることから、私が、はてこさんのこれまでのエントリとの矛盾を指摘していると受け取られたのではないかと考えたのですが、いかがでしょうか?
それを前提にお答えさせていただきますと、私は、はてこさんの「連作」には、ある主題が繰り返し登場すること(連作ですから、当り前なのですが)から、コメント中のリンクで示したエントリとの共通点、またblog全体を通しての一貫性に対し「ある意味で納得」と書きました。
また、批判は早いとのご意見に対するお返事として、最後であのコメントを書くに至った経緯を説明したいと思います。
■有村さんへ
y_arim メタブクマの翼, メタブクマに続く id:akira-2008氏へ:まず、これはid:manysided氏のブログタイトル「あなたは悪くない」に通じる話。「人の心を傷つけてはいけない」的考えのひとは自尊心が低い。性暴力被害に遭っても自分を責めるんですよ。(つづく) 2010/04/26
y_arim メタブクマの翼 (つづき)id:akira-2008 あと、これはデートレイプやDV、性的虐待からの自賊手段と考えるとわかりやすいかと。「あなたの愛する人があなたを深く傷つけ」ることに対しては、相手を傷つけてでもNOをつきつけねばならない。2010/04/26
私宛ではないですが、はじめに書かれたコメントも含め応答させていただきます。
有村さんの最初のコメントで、かのエントリは共依存やAC関連の書籍の内容に合致すると書いていらっしゃいましたが、私も同じような印象を持ちました。トラウマ治療等でよく使われている「認知療法」の理論を基に書かれているからなのだと思います。
冒頭の「人の心を傷つけてはいけない」だから「自分は誰からも傷つけられるべきでない」という思い込みを持つことで、「自分を傷つけるすべての人を断罪しなければならなくなる」に続く主張は、この思い込みを転換せよということですね。
ここで認知療法を使うならば、「人の心を傷つけてはいけない」から「人の心を傷つけてもいい」ではなく「時には人の心を傷つけることもある」に、「自分は誰からも傷つけられるべきではない」から「時には人に傷つけられることもある」に転換を図るのではないかと思います。はてこさんの論はちょっと極端だなと感じました。
また、「すべての人を断罪しなければいけなくなる」というのは論理の飛躍で、これに続く文章には無理があると言わざるをえません。
蛇足ですが、これらは、アンガー・マネージメント(怒りのコントロール)にも使われる手法です。怒りに関する問題を持った方が、人から傷つけられた(と自分が感じたときときに)自分の怒りを抑え、相手にぶつけないためにも使われます。怒りの感情そのものは悪ではありませんし、怒りは他者から傷つけられたというセンサーの働きもしますので、むやみに抑えこむのは危険ですけれども。(特に被害体験を持つ人は、このセンサーがうまく作動しないこともあります)
はてこさんの文章を読んで勇気をもらったり回復の役に立った人が沢山いることは幸いです。
あのエントリについては論理の飛躍は見られるものの、他に反論したいところはありません。
最後に、私がなぜコメントをしたのか、その経緯を書きます。
昨年の「曽野綾子騒動」は記憶に新しいと思います。最初に、はてこさんの文章に触れたのはその騒動の最中でした。
性暴力とがんや難病になりやすい性格論に見られる共通の問題-はてこはだいたい家にいる
へのブコメに「一緒に考えましょう。という言葉を拒む人はいないでしょう。これまでの議論は本当にそういうスタンスだったのでしょうか。ちょっと冷静になってからもう一度読みます。」と書きました。
私が乳癌の治療を受け始めたばかりだったということもあり、「がんの原因は性格説」(これに関しても反論はありますが、応答への趣旨から外れますので割愛します)を引用して、性暴力の自衛論と絡めて書かれていることに大きな苦痛を感じました。自分自身の状態から冷静な議論は無理だと判断し、疑問の提示にとどめ反論は控えました。このエントリへの消毒さんからの反論(というか批判というか…)を、後に読ませていただきましたが、私も同じように考えています。
続くエントリでは一転して、被害者への提案という被害者サイドに立ったもので、前のエントリとの落差に違和感を覚えました。
それ以来、はてこさんのエントリは殆ど読んでいます。なぜ読み続けたかといえば、(単独のエントリとして読めば同意できるものも多いのですが)エントリごとの、はてこさんのポジションの取り方が極端に違うことに対する「違和感」を払拭したいがためだったのだろうと思います。
読むうちにblog全体を通して、繰り返し表現されるいくつかの「主題」があることに気づきました。その「主題」に関しては、はてこさんの内面を忖度することになりますし、「主題」を私が語ることは、他の意味合いを持ってしまう可能性もあるので控えさせていただきたいのですが、かつさんへの応答で書きましたたように、blog全体を通しての「主題」の「共通性」「一貫性」に対し「ある意味で納得」し、先の違和感も解消しました。それを書いたのが階層2のコメントです。
ブコメでは批判らしい批判はしてないつもりですが、そのように受け取られてしまったのは私の表現の仕方にも問題があったのかもしれません。
今回、三人の方から一時にIDコールをされるという私にとっては非常に珍しい事態で、対応に時間がかかり申し訳ありませんでした。
※ラブログの操作画面のバグで、ところどころ文字化けしているところがありました。チェックはしましたが、まだ残っていたらごめんなさい。
2009年05月15日
裁判員選任手続き 問題は複雑
一昨日の記事の続きです。
前回は、裁判員の選任手続きにおいて、性犯罪被害者の個人的な情報が、多数の守秘義務のない候補者に開示されるという問題について書きました。しかし、当事者からすれば、守秘義務があろうとなかろうと(数十人から百人の)赤の他人が事件の内容や住所氏名を知っているというだけで、怖くてそこには住めなくなるのではないかと思います。
また、性犯罪だけでなく他の事件だとしても、多数の人に情報開示することの弊害は決して小さくはありません。
ネット上に情報が書き込まれてしまえば、あっという間に広まってしまいます。罰則があったとしても、いったん広まってしまえば取り返しがつきません。
あまりに人の善意を信じすぎているというか…。
このような記事もあります。
裁判員、暴力団員も選ばれる? 排除規定なし(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0119/TKY200901190167.html
暴力団員だからという理由だけでは、排除できないということです。(ま、あたりまえですけど)
法務関係者は「暴力団員が裁判員になる可能性はないとはいえないが、選任までの過程に複数のフィルターがあり、そうした人たちを外すことはできる」と話していますが、選任手続き時に、その人達にも被害者や被告人の情報はもたらされてしまうのです。
絶句・・・。
その他にも選任手続きの問題は沢山あります。
裁判員制度 みてなっとく!選任手手続き
http://www.saibanin.courts.go.jp/sennin_tetsuduki/index.html
リンク先の画像からの書き起こし
>3 あなた又は家族など身近な人が今回の事件と同じような犯罪の被害にあったことがありますか。
担当事件が性犯罪であれば、性暴力被害者は、自分に体験があることを書かなければならないのです。なぜ、こんなところで自己開示しなければいけないのかと本気で思いますし、正直に言わなければ、虚偽陳述の禁止で三十万円の過料か五十万円の罰金が課せられます。
また、虐待事件やDV事件だとしたらどうでしょう。
一般の人の中には、自分が虐待されていたことを気づいていない人もいます(かく言う私も33歳まで気づきませんでした)。年配の方の中に(だけではないけれど)は、DV=夫婦げんかぐらいに思っている人もいるので、当然この項目には、「被害にあったことはない」と書くでしょう。一般的には、ここからここまでという線引きが共有されていない分野なのです。
そもそも、「同じような犯罪の被害に」と書かれていますので、自分の体験が犯罪被害だったと認識できる人はまれです。
そのような人たちが裁判員になった時、過去のトラウマを思い出すこともあるでしょうし、さらなる傷を負う可能性が大きいのです。判断にもバイアスがかかるでしょうし。
同種ではないの事件(交通事故など)の遺族も、判断が厳しくなる傾向があるのかもしれません。
裁判員の個人的な体験が量刑に影響・・・?【追記有り】
http://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/7612768.html
さらにいうと、裁判員制度は裁判員が傷つくことが前提となっています。
だからこそ、早々に電話相談を用意しているのです。(大して役に立ちそうにはありませんが)
裁判員制度 心のケアに900万円!
http://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/7558515.html
選任手続きで行われる質問内容を、最高裁も法務省も日弁連も明らかにしようとはしていません。
それぞれのHPにある記述も曖昧なものばかりです。
(先の質問票はフラッシュ画像の画面ショットから書き起こしましたが、イメージですというキャプションがついていました)
「イメージ案」とか、「イメージです」とか、エクスキューズばかりで実際に何が聞かれるのか、国民に明らかにしないのはなぜでしょうか?
ここに来て様々な問題点がまたぞろ出てくるというのは、国民が正確な情報を知ることができないからだと思います。情報がなければ議論することもできません。
犯罪被害者ネットワークも犯罪被害者会も、これらの情報はつかんでいなかったということです。
現在「あすの会」が、選任手続きの問題点について最高裁判所に申し入れをするために具体的に取り組んでいると聞きました。
小さな声も、まとまれば大きくなります。
どうか、皆さんの力をお貸しください。
少しでも多くのかたに周知していただきたく、転載、記事へのリンクなど、よろしくお願いいたします。
↓TBさせていただいたサイト様↓
※ほとんどが関連記事でなく最新記事造のTBとなってしまい申し訳ありません。
七重のまったり日記
http://blog.livedoor.jp/nanae_ll/
かめ?
http://blog.livedoor.jp/gegenga/
たんぽぽのなみだ〜運営日誌
http://taraxacum.seesaa.net/
保坂展人のどこどこ日記
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto
正々堂々blog 衆議院議員川内博史の日記。
http://blog.goo.ne.jp/kawauchi-sori
参議院議員 森田 高 Blog
http://moritatakashi.sblo.jp/
県県GOGO
http://kengi-blog.cocolog-nifty.com/kengogo/
弁護士のため息
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/
モトケンブログ
http://motoken.net/
前回は、裁判員の選任手続きにおいて、性犯罪被害者の個人的な情報が、多数の守秘義務のない候補者に開示されるという問題について書きました。しかし、当事者からすれば、守秘義務があろうとなかろうと(数十人から百人の)赤の他人が事件の内容や住所氏名を知っているというだけで、怖くてそこには住めなくなるのではないかと思います。
また、性犯罪だけでなく他の事件だとしても、多数の人に情報開示することの弊害は決して小さくはありません。
ネット上に情報が書き込まれてしまえば、あっという間に広まってしまいます。罰則があったとしても、いったん広まってしまえば取り返しがつきません。
あまりに人の善意を信じすぎているというか…。
このような記事もあります。
裁判員、暴力団員も選ばれる? 排除規定なし(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0119/TKY200901190167.html
暴力団員が裁判員に選ばれるのではないか――。裁判員制度の開始を5月に控え、暴力団を取り締まる警察の内部で、そんな不安がささやかれている。暴力団関係の被告をかばったり、ほかの裁判員を脅したりする可能性があるからだ。裁判員に選ばれた場合、参加に意欲を見せる暴力団幹部もいるが、排除規定はない。
裁判員法によれば、裁判員には衆院選の選挙権を持つ人であれば原則としてだれでもなれる。しかし、暴力団員は反社会的存在で、ほかの裁判員が威圧される可能性もあり、公正な裁判が出来なくなる可能性を司法関係者は心配する。
暴力団員だからという理由だけでは、排除できないということです。(ま、あたりまえですけど)
実際の裁判に臨む裁判員は裁判長による面接などを経て決まる。この際、検察官や弁護人には、理由を示さずに候補者をそれぞれ4人まで不選任とする権限が与えられている。最高裁や法務省の関係者は「暴力団員が裁判員になる可能性はないとはいえないが、選任までの過程に複数のフィルターがあり、そうした人たちを外すことはできる」と話している。
法務関係者は「暴力団員が裁判員になる可能性はないとはいえないが、選任までの過程に複数のフィルターがあり、そうした人たちを外すことはできる」と話していますが、選任手続き時に、その人達にも被害者や被告人の情報はもたらされてしまうのです。
絶句・・・。
その他にも選任手続きの問題は沢山あります。
裁判員制度 みてなっとく!選任手手続き
http://www.saibanin.courts.go.jp/sennin_tetsuduki/index.html
リンク先の画像からの書き起こし
質問票(当日用)(強調部分はakiraによる)
【すべての質問について、全員が回答してください。】
1 あなたは、被告人又は被害者と関係があるなど、この事件と特別の関係がありますか。ある場合は具体的にお書きください。
2 今回の事件のことを報道などを通じて知っていますか。
3 あなた又は家族など身近な人が今回の事件と同じような犯罪の被害にあったことがありますか。
>3 あなた又は家族など身近な人が今回の事件と同じような犯罪の被害にあったことがありますか。
担当事件が性犯罪であれば、性暴力被害者は、自分に体験があることを書かなければならないのです。なぜ、こんなところで自己開示しなければいけないのかと本気で思いますし、正直に言わなければ、虚偽陳述の禁止で三十万円の過料か五十万円の罰金が課せられます。
また、虐待事件やDV事件だとしたらどうでしょう。
一般の人の中には、自分が虐待されていたことを気づいていない人もいます(かく言う私も33歳まで気づきませんでした)。年配の方の中に(だけではないけれど)は、DV=夫婦げんかぐらいに思っている人もいるので、当然この項目には、「被害にあったことはない」と書くでしょう。一般的には、ここからここまでという線引きが共有されていない分野なのです。
そもそも、「同じような犯罪の被害に」と書かれていますので、自分の体験が犯罪被害だったと認識できる人はまれです。
そのような人たちが裁判員になった時、過去のトラウマを思い出すこともあるでしょうし、さらなる傷を負う可能性が大きいのです。判断にもバイアスがかかるでしょうし。
同種ではないの事件(交通事故など)の遺族も、判断が厳しくなる傾向があるのかもしれません。
裁判員の個人的な体験が量刑に影響・・・?【追記有り】
http://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/7612768.html
さらにいうと、裁判員制度は裁判員が傷つくことが前提となっています。
だからこそ、早々に電話相談を用意しているのです。(大して役に立ちそうにはありませんが)
裁判員制度 心のケアに900万円!
http://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/7558515.html
選任手続きで行われる質問内容を、最高裁も法務省も日弁連も明らかにしようとはしていません。
それぞれのHPにある記述も曖昧なものばかりです。
(先の質問票はフラッシュ画像の画面ショットから書き起こしましたが、イメージですというキャプションがついていました)
「イメージ案」とか、「イメージです」とか、エクスキューズばかりで実際に何が聞かれるのか、国民に明らかにしないのはなぜでしょうか?
ここに来て様々な問題点がまたぞろ出てくるというのは、国民が正確な情報を知ることができないからだと思います。情報がなければ議論することもできません。
犯罪被害者ネットワークも犯罪被害者会も、これらの情報はつかんでいなかったということです。
現在「あすの会」が、選任手続きの問題点について最高裁判所に申し入れをするために具体的に取り組んでいると聞きました。
小さな声も、まとまれば大きくなります。
どうか、皆さんの力をお貸しください。
少しでも多くのかたに周知していただきたく、転載、記事へのリンクなど、よろしくお願いいたします。
↓TBさせていただいたサイト様↓
※ほとんどが関連記事でなく最新記事造のTBとなってしまい申し訳ありません。
七重のまったり日記
http://blog.livedoor.jp/nanae_ll/
かめ?
http://blog.livedoor.jp/gegenga/
たんぽぽのなみだ〜運営日誌
http://taraxacum.seesaa.net/
保坂展人のどこどこ日記
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto
正々堂々blog 衆議院議員川内博史の日記。
http://blog.goo.ne.jp/kawauchi-sori
参議院議員 森田 高 Blog
http://moritatakashi.sblo.jp/
県県GOGO
http://kengi-blog.cocolog-nifty.com/kengogo/
弁護士のため息
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/
モトケンブログ
http://motoken.net/
2008年07月22日
毎日新聞ずっと読んでますが・・・。
もう10年近く毎日新聞を購読してます。その前は読売新聞でした。
なぜ、毎日に鞍替えしたか・・・。
署名記事が多いことと、「児童虐待」とか「教育」に力を入れていた(ほぼ過去形)から。
あと、個人的にお付き合いのある記者さんがいたから。
それと、読売新聞の記者さんにイヤな思いをさせられたから(個人的な恨みだな〜笑)。
などなどで、ずっと毎日新聞を読んでます。
最近、毎日新聞の英文サイトの記述が物議を呼んでいます。
私的には、特に興味ないけど。
今日の朝刊にこんな記事が・・・。↓
バスジャック:少年の通う山口・宇部の中学で、生徒の母親たちにPTSD症状
う〜〜〜〜。やめてくれ〜〜〜。
「PTSD」という言葉が、園田理事長の口からでたものか、取材記者がそう感じたから書いたものかは、判然としないのですが。(インタビューで出なかった言葉を書くとも思えないので)
PTSDというのは医学的な診断名なので、いちカウンセラーがクライアントに対して名付けるもんじゃありませんし、この記事の内容からすると、たとえこのような症状があったとしても、元になる「トラウマ」を体験していないのに「PTSD」はあり得ない。つまり見立て違いです。(医者の診断ではないから誤診とは書けない)
実名で取材に応じたカウンセラーさんが、この記事のことでなんと言われても仕方がないと思いますが、またしても「PTSD」が悪者になるのは、カウンセラーとしても当事者としても、やりきれない思いです。
すでに、このことで2ちゃんねるにはスレッドが立ってます。「何でもかんでもPTSDか」「甘えるな」「保証金めあて?」など、誤解と悪意に満ちた書き込みが多数ありました。
このNPO法人のHPも読んでみましたが・・・。
(一応同業者ではあるし、言いにくい事がいっぱい)
記事内容に戻ります。(苦笑)
事件発生後すぐに、容疑者の少年が通っていた学校に、「心のケアのために」(どうもこの言葉に拒絶反応が・・・)心理職を派遣すると報道されましたが。「ちょっと、待てや!」と叫びそうになりました。この学校の生徒が被害者なら、まだ、理解できるんですけどね。
このケースでは必要ないだろと思います。
生徒と先生や、子どもと親がしっかり話し合えばそれで良くないですか?わざわざ、心理職を派遣するようなケースではないと思うんですが。
何かがあるとすぐ「心のケア」っていう最近の風潮はどうにかならんですかね。過剰反応というか、本来なら大人がしっかり向き合わなければならい事を、耐えきれずに外注丸投げ、としか思えないんですけど。
で・・・。
周囲の過剰反応に煽られる形で、お母さん達は地域のカウンセリング協会の電話相談(HPには番号無かったけど)に電話したわけですね。
「不安」なら、誰かに聴いて貰うのは良いことです。ただ、これを協会が公表するとは思ってなかったでしょうね。少年が通う学校の父母だと特定して書いてるし。守秘義務はどこに行った?と同業者として憤りを感じるわけです。
どういう経緯から取材に至ったのかは分かりませんけど。
記事の最後の
に至っては言葉を失いました。
心理テストだけでは、な〜〜〜んも分からんし、そのデータが悪用されないとも限らないでしょ。
レッテル張りに使われるとか?(このカウンセラーさんは心理学を誤解していらっしゃるようだ)
園田さんという方が、山口県の教育委員会にどのぐらいの影響力を持っている方かは存じませんが、もし、こんな事が本当に行われたら大問題に発展するでしょうね。
この記事を読んで、「毎日新聞」の読者ですと公言するのが、ちょっと恥ずかしいと思いました。(赤面)「ソースがあれな新聞だから」と方々で書かれていることが、一読者として悲しいです。
良い記事も一杯あるんだけどなー。
毎日新聞さん、ぜひとも検証記事書いてください。m(__)m
(返事が来るかどうかは分かりませんが、一応、毎日新聞社に意見を送りました)
ちなみに、PTSDの症状等の詳細については↓をご参照ください。
PTSDと病院の選び方(その1)
トラウマと後遺症
なぜ、毎日に鞍替えしたか・・・。
署名記事が多いことと、「児童虐待」とか「教育」に力を入れていた(ほぼ過去形)から。
あと、個人的にお付き合いのある記者さんがいたから。
それと、読売新聞の記者さんにイヤな思いをさせられたから(個人的な恨みだな〜笑)。
などなどで、ずっと毎日新聞を読んでます。
最近、毎日新聞の英文サイトの記述が物議を呼んでいます。
私的には、特に興味ないけど。
今日の朝刊にこんな記事が・・・。↓
バスジャック:少年の通う山口・宇部の中学で、生徒の母親たちにPTSD症状
愛知県で発生したバスジャック事件で、逮捕された山口県宇部市の少年(14)が通う中学校の生徒の母親たちにPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が表れていることがNPO法人「山口カウンセリング協会」の調べで分かった。母親らは車が行き交う音におびえたり、不眠症になるなどの症状を訴えているほか、「我が子とのかかわり方が分からない」などの相談も事件前から倍増しているという。
同協会は宇部市を拠点に活動しているNPO法人で、うつや引きこもり、不登校などに悩む児童・生徒や親たちの心のケアを行っている。電話相談も受け付けているが、1日平均3、4件だった相談件数は16日の事件後、倍増しているという。
同協会の園田俊司理事長によると、17〜21日の5日間に29人から相談があり、このうち27人が少年と同じ中学校に我が子を通わせている母親だった。うち5人は「車が行き来する音や救急車のサイレン、扉が閉まる音がするたびに震えが出て止まらない」「夜中に突然目が覚める」などのPTSDとみられる症状を訴えた。「子どもとどうかかわればいいのか分からない」「キレない子にするにはどうすればいいのか」などと尋ねる母親も多かった。
母親以外の2人は少年と同学年の男女生徒で、同じ中学かどうかは分からないが、「車が行き交う音が怖い」「周りに(少年と)同じような生徒がいないか不安」などと話したという。
園田理事長は事件について「両親や学校側が少年の心理・精神状態を見抜けなかったのではないか」と指摘。「再発防止には『よい子』という表の顔に隠された裏の心理・精神状態の把握が不可欠」として、学校単位での心理テストの早期実施を県教委や市教委に近く要請する。【脇山隆俊】
う〜〜〜〜。やめてくれ〜〜〜。
「PTSD」という言葉が、園田理事長の口からでたものか、取材記者がそう感じたから書いたものかは、判然としないのですが。(インタビューで出なかった言葉を書くとも思えないので)
PTSDというのは医学的な診断名なので、いちカウンセラーがクライアントに対して名付けるもんじゃありませんし、この記事の内容からすると、たとえこのような症状があったとしても、元になる「トラウマ」を体験していないのに「PTSD」はあり得ない。つまり見立て違いです。(医者の診断ではないから誤診とは書けない)
実名で取材に応じたカウンセラーさんが、この記事のことでなんと言われても仕方がないと思いますが、またしても「PTSD」が悪者になるのは、カウンセラーとしても当事者としても、やりきれない思いです。
すでに、このことで2ちゃんねるにはスレッドが立ってます。「何でもかんでもPTSDか」「甘えるな」「保証金めあて?」など、誤解と悪意に満ちた書き込みが多数ありました。
このNPO法人のHPも読んでみましたが・・・。
(一応同業者ではあるし、言いにくい事がいっぱい)
記事内容に戻ります。(苦笑)
事件発生後すぐに、容疑者の少年が通っていた学校に、「心のケアのために」(どうもこの言葉に拒絶反応が・・・)心理職を派遣すると報道されましたが。「ちょっと、待てや!」と叫びそうになりました。この学校の生徒が被害者なら、まだ、理解できるんですけどね。
このケースでは必要ないだろと思います。
生徒と先生や、子どもと親がしっかり話し合えばそれで良くないですか?わざわざ、心理職を派遣するようなケースではないと思うんですが。
何かがあるとすぐ「心のケア」っていう最近の風潮はどうにかならんですかね。過剰反応というか、本来なら大人がしっかり向き合わなければならい事を、耐えきれずに外注丸投げ、としか思えないんですけど。
で・・・。
周囲の過剰反応に煽られる形で、お母さん達は地域のカウンセリング協会の電話相談(HPには番号無かったけど)に電話したわけですね。
「不安」なら、誰かに聴いて貰うのは良いことです。ただ、これを協会が公表するとは思ってなかったでしょうね。少年が通う学校の父母だと特定して書いてるし。守秘義務はどこに行った?と同業者として憤りを感じるわけです。
どういう経緯から取材に至ったのかは分かりませんけど。
記事の最後の
「再発防止には『よい子』という表の顔に隠された裏の心理・精神状態の把握が不可欠」として、学校単位での心理テストの早期実施を県教委や市教委に近く要請する。
に至っては言葉を失いました。
心理テストだけでは、な〜〜〜んも分からんし、そのデータが悪用されないとも限らないでしょ。
レッテル張りに使われるとか?(このカウンセラーさんは心理学を誤解していらっしゃるようだ)
園田さんという方が、山口県の教育委員会にどのぐらいの影響力を持っている方かは存じませんが、もし、こんな事が本当に行われたら大問題に発展するでしょうね。
この記事を読んで、「毎日新聞」の読者ですと公言するのが、ちょっと恥ずかしいと思いました。(赤面)「ソースがあれな新聞だから」と方々で書かれていることが、一読者として悲しいです。
良い記事も一杯あるんだけどなー。
毎日新聞さん、ぜひとも検証記事書いてください。m(__)m
(返事が来るかどうかは分かりませんが、一応、毎日新聞社に意見を送りました)
ちなみに、PTSDの症状等の詳細については↓をご参照ください。
PTSDと病院の選び方(その1)
トラウマと後遺症
2008年07月16日
留まる
心理学では、人が自分の周りに起きる出来事をどのように受け止めるかを「認知」といいます。
自分自身や大切な人がトラウマとなるような酷い出来事に見舞われた時、一番傷害されるのは、この「認知」なのだろうと個人的には思っています。
以前、おかしい人を見分ける心理学という(いささかタイトルに難がある)本を紹介したことがあります。
本文から一部引用します。
「自分の悲しみは永遠に外からやってくると思ってしまうからだ」という指摘は、自身の経験やカウンセラーとしての経験からも、とても納得できるものです。
上記の文章には「悲しみは」と書かれていますが、人が被害感情(被害者意識と言った方が良いかもしれない)を抱くと、往々にして「悲しみ」など別の感情を「怒り」と誤変換してしまう事があります。
何故そのようなことが起こるかというと、子どもの頃に周囲から「怒り」以外の感情表現を許されなかった経験も持っていたり(特に男性に多いです)、被害体験によって傷害された認知からは「私には絶対○○(出来事)が起こるべきではない」などの無意識的な思考が生まれ、不必要な「怒り」がわき起こります。
そのように誤変換された「怒り」を何らかの形で表現(行動)する時「傷つけられたから」とか「(誰々が)怒らせるからだ」など、自分の「怒り」を正当化するためには、その感情は外部からやってきたと理由付けする必要があるのです。
無意識的に自我を守るための行動ですが、これをやり続けている限り、自分の本物の感情(傷)と向き合うことはできないでしょう。
被害からの回復は、どんなに苦しくともその人自身が成し遂げなくてはならないものです。周囲からの支援がいくらあっても、本人がそこに留まりたいと思っているうちは、回復は難しいと思います。
自戒を込めて。
自分自身や大切な人がトラウマとなるような酷い出来事に見舞われた時、一番傷害されるのは、この「認知」なのだろうと個人的には思っています。
以前、おかしい人を見分ける心理学という(いささかタイトルに難がある)本を紹介したことがあります。
本文から一部引用します。
不幸なことだが、つねに被害者意識としてのアイデンティティーをもちつづけることは、そのトラウマから回復する障害となる。自分の悲しみは永遠に外からやってくると思ってしまうからだ
「自分の悲しみは永遠に外からやってくると思ってしまうからだ」という指摘は、自身の経験やカウンセラーとしての経験からも、とても納得できるものです。
上記の文章には「悲しみは」と書かれていますが、人が被害感情(被害者意識と言った方が良いかもしれない)を抱くと、往々にして「悲しみ」など別の感情を「怒り」と誤変換してしまう事があります。
何故そのようなことが起こるかというと、子どもの頃に周囲から「怒り」以外の感情表現を許されなかった経験も持っていたり(特に男性に多いです)、被害体験によって傷害された認知からは「私には絶対○○(出来事)が起こるべきではない」などの無意識的な思考が生まれ、不必要な「怒り」がわき起こります。
そのように誤変換された「怒り」を何らかの形で表現(行動)する時「傷つけられたから」とか「(誰々が)怒らせるからだ」など、自分の「怒り」を正当化するためには、その感情は外部からやってきたと理由付けする必要があるのです。
無意識的に自我を守るための行動ですが、これをやり続けている限り、自分の本物の感情(傷)と向き合うことはできないでしょう。
被害からの回復は、どんなに苦しくともその人自身が成し遂げなくてはならないものです。周囲からの支援がいくらあっても、本人がそこに留まりたいと思っているうちは、回復は難しいと思います。
自戒を込めて。
2008年06月06日
裁判員制度と二次的トラウマ
前回の記事「問題だらけの裁判員制度」では、公正な裁判が行われるのかという視点から書きました。
今回は、裁判員制度はどのくらい国民に負担を強いるかという視点から、いくつかの問題点をあげてみます。
●拘束日数は言われているより長い。
広報では、裁判員になった場合の拘束日数は2〜4日(長くて1週間)といわれていますが、最高裁の資料で見ると、平成18年度の実績(対象事件数3111件)で、3回以内43.3%、4回〜6回33.6%、7回〜10回13.8%、11回〜20回7.3%、20回超1.9%となっています。
審理回数が7回(1週間)を超えるものは23%(約4分の1になります!)で、事件数では715件に上ります。土日、祝日は裁判所も休みなので、4〜6回でも2週に渡ってしまう事もあるでしょうね。
特に否認事件で審理回数が増加する傾向がありますので、裁判員の負担はどれほどのものでしょう。
裁判の迅速化を促すため公判前整理手続きもとり入れられましたが、人の一生を決める裁判であるのに、スピード化を図る余り審議が尽くされないのではないかという不安も残ります。
●認められる辞退理由が曖昧
最高裁HPのQ&A裁判員になることは辞退できないのですか。
Q&A【選任手続】を参照
・職業にもよるが仕事が忙しいだけでは辞退できない。
・自宅に要介護者がいても無条件では辞退できない。(要介護者がいれば辞退の申請はできるが、他に介護できる人がいるかなどを勘案して裁判所が判断する)
・託児は行わない。小さい子どもがいても(病気などで看病が必要な場合{他に看病できる場合は除く}以外は)辞退できない。
・(新婚旅行や海外旅行など)プライベート旅行の予定があっても辞退できない。なお、キャンセル料などは補償されない。
・辞退の申請をする時に、証明する書類を請求されることがある。(学生証の写し,診断書や介護保険の要介護認定に関する書類など)
裁判員選定(辞退申請)のタイムテーブルは、年末に次の年(1年間)の裁判員候補(約30万人!)を無作為にくじ引きで選定して、候補者名簿に載りましたという案内が来ます。同封されている質問票に記入することで、上記のような理由がある場合は辞退の申請ができます。
その候補者の中から、公判の約6週間前に(事件1件ごとに50〜100人)、呼び出し状が届きます。その時点でも辞退を申請できます。
辞退を申請しても認められなかった場合は、当日、裁判所まで行く必要があります。(正当な理由が無く行かなかった場合、10万円以下の過料)そこで、裁判官や検察官、弁護士による面接(選任手続における質問)を受けますので、もう一度、辞退したいと伝えるチャンスはあると思います。認められるかどうかは・・・。
もし小さな子どもがいる方が裁判員に選ばれてしまったら本当に大変ですね。
どこかに預けなければならないんですから。
当日に、子どもが元気でいてくれるかなんて保証はないし。
また、質問票に虚偽の内容を書いたり,選任手続における質問に対して嘘を言った場合は上記のQ&Aでは・・。
怖いですね。
●裁判員の二次的トラウマ
裁判員制度で扱う事件は、いわゆる凶悪事件が多い訳ですが、証拠調べでは、もちろん裁判員も悲惨な現場写真や遺体の写真も見なければならない場合もあるでしょう。
最近のニュースでも、裁判員の心のケアが話題になっていました。
(http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080512/trl0805120824000-n1.htmより引用)
ま、それは置いといて。
私は仕事柄、研修会や書籍などでそういった写真を見慣れてはいますが、最初見た時は相当なショックを受けました(昼ご飯が食べられなかった)。裁判員となって、初めてそういった写真を見る方はかなりショックを受けるんじゃないでしょうか。
写真を見るのも大変なことですけど、たぶん事件の内容を聞く方がダメージが大きいのではないかと思います。悲惨な話を聴く機会が多い精神科医や心理職、裁判所職員の方でも体調を崩す人が沢山います(二次的受傷とか二次的トラウマといいます)。専門家向けの二次的トラウマについての分厚い本が何冊もあるぐらいですからね。
裁判所が取り入れるという無料カウンセリングですが、電話相談ですし、委託業者の専門性に私はかなり疑問を持っています。また、ずっと受けられるわけではありません。医療機関の紹介ぐらいはしてくれるらしいですが。
裁判員は公務員扱いですから、裁判で体調を崩しても職務上の傷害として認められれば相応の保証はあるのでしょうけど・・・。
療養が長引けば仕事を失う危険はあるでしょうね。
私が一番心配しているのは過去にトラウマ体験を持っている方です。
治療中であれば診断書を出せますけど(つっても、自己負担だが)、DVや虐待がらみは意外と本人が自分の傷に気づいてないこともあるので・・・。
そういった古傷が開いてしまう危険性も十分にあります。
たぶん、そういった場合の治療費は保証されないんではないでしょうか。
●費用対効果を考えると・・・。
まず、今まで制度の導入にも結構な税金が投入されているんでしょうが(平成19年度予算案で裁判員制度広報費は約14億円増額されている。17年・18年は2年間で27億円の広報費)制度が始まれば毎年ランニングコストが掛かり続けるわけです。
どのぐらいの費用がかかるのか・・・。
いくら予算が計上されているか調べてないのでまだ予算は出てないですよね。ははは。akiraによる試算です。(数字が苦手で計算ミスがありそう)
・年に一度30万人の裁判員候補に往復書簡(通知書)を出すのに
160円×30万人=4,800万円(印刷費含まず)
・事件ごとに往復書簡(呼び出し状)を出すのに
160円×50~100人×3,100件(H18年ベースで)=2,480万円〜4,960万円(印刷費含まず)
・裁判員選定の面接に
(日当8,000円+交通費約2,000円として)×50~100人×3,100件=15億5000万円〜31億円
・裁判員の日当と交通費に
(日当10,000円+交通費約2,000円として)×(裁判員6人+補充員3人〜6人)×審理日数を4日として×3,100件=13億3,920万円〜17億8,560万円
上記はざっと実費だけを最低限に見積もって出した金額ですが・・・。
ふ〜〜〜。実費だけで毎年最低30億円ほど。すごい金額ですね。(一人の被告人が複数の事件を起こしていれば、それは別の裁判員が関わることになるので数字は増えます)
裁判員名簿作成や選定に係る膨大な人件費も必要です。
それにカウンセリングの委託費、もし裁判員が裁判のせいで体調不良に陥れば休業補償や医療費もかかります。
今まで通り裁判官は3人必要なので、従来かかっていた以外の費用です。
追記:
全司法HPによると
とあり、裁判員制度に伴う大幅な増員が図られたようです。
ブログあれこれ:裁判員選任と本籍地
こういった、細かい(といっても全国規模で見れば膨大な)予算が必要なのですね。
他にも多くの論点があると思います。
最近の厳罰化傾向が裁判員制度によってどう流れていくのか、憲法に抵触しないのかとか・・・。
目先のことを中心に(笑)ここまで考えてみて、裁判員に選ばれた人の負担もそれ以外の人の負担(税金他)も、どれほど大きいか、やっと実感を持って理解することができました。
ここまで負担やお金を掛けて、どれほどの効果が・・・。
というより、何を期待しているのか・・・。
マスコミや法曹界(の一部)では導入する前提で議論が進んでいます。
私にはリスクが大きすぎるように思えてなりません。
今年の年末には「裁判員候補通知」が30万人もの人に届きます。(私にも届くかもしれない)
自分自身の問題として、もう一度考えてみる必要があると思いました。
参考になるサイト
■裁判員制度Q&A(最高裁)
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/
■裁判員制度について(日弁連)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/citizen_judge/about/index.html
■刑事裁判の基礎知識
http://www.law.keio.ac.jp/~yasutomi/kiso/procedure3.html
■元検弁護士のつぶやき(カテゴリー裁判員制度)
http://www.yabelab.net/blog/100ueau/
トラックバックピープル:裁判員制度
今回は、裁判員制度はどのくらい国民に負担を強いるかという視点から、いくつかの問題点をあげてみます。
●拘束日数は言われているより長い。
広報では、裁判員になった場合の拘束日数は2〜4日(長くて1週間)といわれていますが、最高裁の資料で見ると、平成18年度の実績(対象事件数3111件)で、3回以内43.3%、4回〜6回33.6%、7回〜10回13.8%、11回〜20回7.3%、20回超1.9%となっています。
審理回数が7回(1週間)を超えるものは23%(約4分の1になります!)で、事件数では715件に上ります。土日、祝日は裁判所も休みなので、4〜6回でも2週に渡ってしまう事もあるでしょうね。
特に否認事件で審理回数が増加する傾向がありますので、裁判員の負担はどれほどのものでしょう。
裁判の迅速化を促すため公判前整理手続きもとり入れられましたが、人の一生を決める裁判であるのに、スピード化を図る余り審議が尽くされないのではないかという不安も残ります。
●認められる辞退理由が曖昧
最高裁HPのQ&A裁判員になることは辞退できないのですか。
裁判員は,特定の職業や立場の人に偏らず,広く国民の皆さんに参加してもらう制度ですので,原則として辞退できません。認められそうな辞退理由でも、以下のような場合は認められないようです。
ただし,国民の皆さんの負担が過重なものとならないようにとの配慮などから,法律で次のような辞退事由を定めており,裁判所からそのような事情にあたると認められれば辞退することができます。
・70歳以上の人
・地方公共団体の議会の議員(ただし会期中に限ります。)
・学生,生徒
・5年以内に裁判員や検察審査員などの職務に従事した人,3年以内に選任予定裁判員(「同じ被告人がたくさんの事件を起こしたとして起訴された場合も,全て同じ裁判員が担当するのですか。」のQ&Aを参照してください。)に選ばれた人及び1年以内に裁判員候補者として裁判員選任手続の期日に出頭した人
・一定のやむを得ない理由があって,裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人
やむを得ない理由としては,例えば,以下のようなものがあります。
重い疾病や傷害
同居の親族の介護・養育
事業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じるおそれがある
父母の葬式への出席など社会生活上の重要な用務がある
Q&A【選任手続】を参照
・職業にもよるが仕事が忙しいだけでは辞退できない。
・自宅に要介護者がいても無条件では辞退できない。(要介護者がいれば辞退の申請はできるが、他に介護できる人がいるかなどを勘案して裁判所が判断する)
・託児は行わない。小さい子どもがいても(病気などで看病が必要な場合{他に看病できる場合は除く}以外は)辞退できない。
・(新婚旅行や海外旅行など)プライベート旅行の予定があっても辞退できない。なお、キャンセル料などは補償されない。
・辞退の申請をする時に、証明する書類を請求されることがある。(学生証の写し,診断書や介護保険の要介護認定に関する書類など)
裁判員選定(辞退申請)のタイムテーブルは、年末に次の年(1年間)の裁判員候補(約30万人!)を無作為にくじ引きで選定して、候補者名簿に載りましたという案内が来ます。同封されている質問票に記入することで、上記のような理由がある場合は辞退の申請ができます。
その候補者の中から、公判の約6週間前に(事件1件ごとに50〜100人)、呼び出し状が届きます。その時点でも辞退を申請できます。
辞退を申請しても認められなかった場合は、当日、裁判所まで行く必要があります。(正当な理由が無く行かなかった場合、10万円以下の過料)そこで、裁判官や検察官、弁護士による面接(選任手続における質問)を受けますので、もう一度、辞退したいと伝えるチャンスはあると思います。認められるかどうかは・・・。
もし小さな子どもがいる方が裁判員に選ばれてしまったら本当に大変ですね。
どこかに預けなければならないんですから。
当日に、子どもが元気でいてくれるかなんて保証はないし。
また、質問票に虚偽の内容を書いたり,選任手続における質問に対して嘘を言った場合は上記のQ&Aでは・・。
● 質問票に虚偽の内容を書いたり,選任手続における質問に対して嘘を言った場合,罰せられることはあるのですか。となっています。
法律上,裁判員候補者が,質問票に虚偽の内容を書いたり,裁判員等選任手続における質問に対して嘘を言ってはいけないこととされています。これに違反して質問票に虚偽の記載をしたり,裁判員等選任手続における質問に対して嘘を言った場合には,30万円以下の過料(行政処分としての制裁)に処せられることがあります。また,質問票に虚偽の記載をして裁判所に提出したり,質問に対して嘘を言った場合には,50万円以下の罰金に処せられることもあります。
怖いですね。
●裁判員の二次的トラウマ
裁判員制度で扱う事件は、いわゆる凶悪事件が多い訳ですが、証拠調べでは、もちろん裁判員も悲惨な現場写真や遺体の写真も見なければならない場合もあるでしょう。
最近のニュースでも、裁判員の心のケアが話題になっていました。
(http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080512/trl0805120824000-n1.htmより引用)
裁判員に「心のケア」 24時間の電話相談 2008.5.12 08:24なんでもかんでも「心のケア」ですが・・・(ため息)。
来年5月の裁判員制度導入に向け、最高裁は、殺人事件などの審理で精神的ショックを受けた裁判員を対象に、24時間態勢の無料電話相談窓口や心理カウンセラーによる面談を受けられる「心のケア・プログラム」を設ける方針を決めた。
審理の中で、遺体の解剖写真や凶器、残酷な犯行場面の再現などを見たり、被害者や遺族の話を聞いたりして、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になる可能性が指摘されている。
裁判員制度に対する最近の意識調査でも、参加に消極的な人の多くが理由として「心理的な不安」を挙げており、最高裁は不安を解消してもらうため、陪審制のある米国の複数の州でも採用されている類似の制度を参考に、プログラムを考案した。電話相談は民間の専門業者に委託する。
ま、それは置いといて。
私は仕事柄、研修会や書籍などでそういった写真を見慣れてはいますが、最初見た時は相当なショックを受けました(昼ご飯が食べられなかった)。裁判員となって、初めてそういった写真を見る方はかなりショックを受けるんじゃないでしょうか。
写真を見るのも大変なことですけど、たぶん事件の内容を聞く方がダメージが大きいのではないかと思います。悲惨な話を聴く機会が多い精神科医や心理職、裁判所職員の方でも体調を崩す人が沢山います(二次的受傷とか二次的トラウマといいます)。専門家向けの二次的トラウマについての分厚い本が何冊もあるぐらいですからね。
裁判所が取り入れるという無料カウンセリングですが、電話相談ですし、委託業者の専門性に私はかなり疑問を持っています。また、ずっと受けられるわけではありません。医療機関の紹介ぐらいはしてくれるらしいですが。
裁判員は公務員扱いですから、裁判で体調を崩しても職務上の傷害として認められれば相応の保証はあるのでしょうけど・・・。
療養が長引けば仕事を失う危険はあるでしょうね。
私が一番心配しているのは過去にトラウマ体験を持っている方です。
治療中であれば診断書を出せますけど(つっても、自己負担だが)、DVや虐待がらみは意外と本人が自分の傷に気づいてないこともあるので・・・。
そういった古傷が開いてしまう危険性も十分にあります。
たぶん、そういった場合の治療費は保証されないんではないでしょうか。
●費用対効果を考えると・・・。
まず、今まで制度の導入にも結構な税金が投入されているんでしょうが(平成19年度予算案で裁判員制度広報費は約14億円増額されている。17年・18年は2年間で27億円の広報費)制度が始まれば毎年ランニングコストが掛かり続けるわけです。
どのぐらいの費用がかかるのか・・・。
・年に一度30万人の裁判員候補に往復書簡(通知書)を出すのに
160円×30万人=4,800万円(印刷費含まず)
・事件ごとに往復書簡(呼び出し状)を出すのに
160円×50~100人×3,100件(H18年ベースで)=2,480万円〜4,960万円(印刷費含まず)
・裁判員選定の面接に
(日当8,000円+交通費約2,000円として)×50~100人×3,100件=15億5000万円〜31億円
・裁判員の日当と交通費に
(日当10,000円+交通費約2,000円として)×(裁判員6人+補充員3人〜6人)×審理日数を4日として×3,100件=13億3,920万円〜17億8,560万円
上記はざっと実費だけを最低限に見積もって出した金額ですが・・・。
ふ〜〜〜。実費だけで毎年最低30億円ほど。すごい金額ですね。(一人の被告人が複数の事件を起こしていれば、それは別の裁判員が関わることになるので数字は増えます)
裁判員名簿作成や選定に係る膨大な人件費も必要です。
それにカウンセリングの委託費、もし裁判員が裁判のせいで体調不良に陥れば休業補償や医療費もかかります。
今まで通り裁判官は3人必要なので、従来かかっていた以外の費用です。
追記:
全司法HPによると
人的充実について
裁判員法成立後3年間(05〜07年度)における増員は、判事120名、判事補105名、書記官468名となっています。ただし、他の一般職の減員数も合計455名に上ります。
07年度予算における増員分は、医療・建築等の複雑困難な事件の審理期間の短縮、早期解決が求められている刑事事件の重大事件、成年後見事件及び財産管理事件の処理等に向けられました。家事等に代表される現在の職場実態や政府の定員削減計画をふまえた場合、09年の裁判員裁判開始時にどの程度の人員を確保できるかは、全く見通せない状況にあると言えます。
公判廷における書記官複数立会の可能性等も視野に入れながら、書記官の積極的な純増要求を引き続き維持・拡大させるとともに、その育成を具体的に開始させるとりくみが求められています。
とあり、裁判員制度に伴う大幅な増員が図られたようです。
ブログあれこれ:裁判員選任と本籍地
住民基本台帳を裁判員選任にあわせ変更するソフトを自治体は購入する。
そのソフトの経費150万円全額が交付される。
いったい、住民基本台帳をどのように変更するの・・・
裁判員の候補者は、衆議院議員選挙の選挙人名簿から選挙管理委員会が選ぶことになっている。
その名簿には本籍は記載されていない。
そのため、本籍を記載した選挙人名簿に変更するということらしい。
裁判員制度選任にあたって、なぜ本籍が必要なのだろう。
どの自治体も同じ文字コードにするということだ、
各自治体から、選任者をくじで選び出すために、数字の組み合わせから選ぶということらしいのだが。。。
本籍はなぜ必要なのだろう・・・・・・
検察審査会委員の選任にも本籍が必要だったのだろうか。
意味がわからない。。。。。理解できない。
こういった、細かい(といっても全国規模で見れば膨大な)予算が必要なのですね。
他にも多くの論点があると思います。
最近の厳罰化傾向が裁判員制度によってどう流れていくのか、憲法に抵触しないのかとか・・・。
目先のことを中心に(笑)ここまで考えてみて、裁判員に選ばれた人の負担もそれ以外の人の負担(税金他)も、どれほど大きいか、やっと実感を持って理解することができました。
ここまで負担やお金を掛けて、どれほどの効果が・・・。
というより、何を期待しているのか・・・。
マスコミや法曹界(の一部)では導入する前提で議論が進んでいます。
私にはリスクが大きすぎるように思えてなりません。
今年の年末には「裁判員候補通知」が30万人もの人に届きます。(私にも届くかもしれない)
自分自身の問題として、もう一度考えてみる必要があると思いました。
参考になるサイト
■裁判員制度Q&A(最高裁)
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/
■裁判員制度について(日弁連)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/citizen_judge/about/index.html
■刑事裁判の基礎知識
http://www.law.keio.ac.jp/~yasutomi/kiso/procedure3.html
■元検弁護士のつぶやき(カテゴリー裁判員制度)
http://www.yabelab.net/blog/100ueau/
トラックバックピープル:裁判員制度
2008年03月13日
精神鑑定結果
渋谷バラバラ事件(分かりにくいけど、わざわざセレブ妻と書く産経に腹立ててるもんで)で精神鑑定結果がでたのは先日書きました。
裁判傍聴記(鑑定人の証人尋問は第9回公判です)が産経に載っているのでご参照ください。(ただし、膨大な量ですので読むのは大変です)
http://sankei.jp.msn.com/topics/affairs/5961/afr5961-t.htm
今回の証人尋問では口頭での鑑定結果報告とされ、検察側、弁護側双方の鑑定人が一緒に証言台に立ち、2人同時に尋問する(対質)という方法がとられました。来年5月までに始まる裁判員制度を意識した試みだということです。
また、両鑑定人が合同で鑑定を行い、尋問では、弁護側鑑定人が犯行前の部分の証言、検察側鑑定人が犯行時とそれ以降の証言をするという異例ずくしの尋問となりました。
弁護側、検察側双方の鑑定結果がほぼ同じになり、両者とも犯行時は、「心神喪失状態」という結論です。
しかし、合同で鑑定したから同じ結果になったという訳ではないと思います。同じものを見聞きしても、それぞれの臨床経験と知識の累積に照らして鑑定しているはずで、結果が同じになったのは、それほど症状がはっきりしていたからだと思われます。(これまで様々な事件の裁判で出された精神鑑定の結果は、同じ検察側の複数の鑑定人でも違う結果がでることもありました。弁護側鑑定人もしかりです)
「心神喪失状態」との関係結果が出たのは、犯行時には以下のような状態であった為とされています。
父親からの虐待、被害者である夫からのDVによるPTSDの影響。
解離性障害(特に離人症状)、短期精神病性障害(朦朧状態、夢幻様状態、幻視、幻聴、幻臭など)。
また、鑑定では、被告人がなぜ犯行に至ったか、なぜ夫と別れることが出来なかったか等が細かく調べられており、この報告書はDV被害者一般に共通する心情を知るうえでも貴重な資料となるでしょう。
この報道に接して感じたことを・・・。私見だらけなので異論もあろうかと思いますが、とりあえず2点だけ書いてみます。
1点目は、(誤解を招くかと思い、これまで余り言ってこなかったことですが)どうしてDV被害者は逃げられないのかについて、一般的に言われている理由(以前に書いた記事を参照のこと)以外に生育歴の中で、親からの虐待(DV被害の目撃を含む)を受けていることが多いのではないかということ。
臨床経験、自分自身の体験、仲間達の証言などから、ずっとそう思ってきたのですが、今回の鑑定結果を得て一層その意を強くしました。
これはDVを受ける原因というわけではなく、逃げられない要因になっているということですので、誤解の無いようお願いします。
DV被害者が、かつて親からの虐待を受けていた場合、成人してからも確執を抱えていることが多く(親の反対を押し切って、あるいは実家から逃れるための早婚などもあり)、避難場所として実家に身を寄せることが難しいのです。(実家に身を寄せること自体、危険を伴いますので余りお勧めはしません)
また、親からの理解や援助が受けにくいこともあります。そういった親は心の拠り所としての機能を果たすことも出来ません。虐待による本人の自尊心低下という問題もありますね。
以上のような理由で、生育途中に虐待の問題があった被害者は、加害者の元から逃げ出すのが一層困難となります。
2点目は、この裁判では精神鑑定中に問診(聞き取り)他、心理検査や脳波、MRI検査もしています。つまり、犯行に至る心理状態の他に脳の機能に異常がないかを調べているのです。
ここで、光市事件のことを持ち出すのは不適切かも知れませんが・・・。
光市事件では、弁護側から被告である元少年は小さい頃に父親からの虐待によって頭を強打しており、その影響の可能性も考えられるため、脳の機質的検査をして欲しいむね申請が出されています。しかし、何故か未だに検査されてはいません。
また、光市事件では、一審判決では父親からの虐待経験やDVに耐えきれなくなった母親の自殺などが情状として考慮されていますが、最高裁からの差し戻しでは、弁護人の訴えもむなしく、あまり考慮されてない印象を受けます。
情状はともかくとしても、脳の機質的検査は早急に行うべきだと考えます。
過去には、脳の障害(記憶が定かではありませんが、前頭葉にできた腫瘍)から犯行に至ったことが、精神鑑定人が依頼したMRI検査で判明した事例もあります。
人を殺めてしまったこと自体、擁護する気持ちは全くありませんし、ご遺族の心情を考えると心が痛みます。
もし、犯行が本人のコントロールが及ばない事情によってなされたものだとしたら・・・。
精神障害者による犯罪という別の問題も考えなくてはならなくなります。これがまた難しい。(泥沼)
裁判傍聴記(鑑定人の証人尋問は第9回公判です)が産経に載っているのでご参照ください。(ただし、膨大な量ですので読むのは大変です)
http://sankei.jp.msn.com/topics/affairs/5961/afr5961-t.htm
今回の証人尋問では口頭での鑑定結果報告とされ、検察側、弁護側双方の鑑定人が一緒に証言台に立ち、2人同時に尋問する(対質)という方法がとられました。来年5月までに始まる裁判員制度を意識した試みだということです。
また、両鑑定人が合同で鑑定を行い、尋問では、弁護側鑑定人が犯行前の部分の証言、検察側鑑定人が犯行時とそれ以降の証言をするという異例ずくしの尋問となりました。
弁護側、検察側双方の鑑定結果がほぼ同じになり、両者とも犯行時は、「心神喪失状態」という結論です。
しかし、合同で鑑定したから同じ結果になったという訳ではないと思います。同じものを見聞きしても、それぞれの臨床経験と知識の累積に照らして鑑定しているはずで、結果が同じになったのは、それほど症状がはっきりしていたからだと思われます。(これまで様々な事件の裁判で出された精神鑑定の結果は、同じ検察側の複数の鑑定人でも違う結果がでることもありました。弁護側鑑定人もしかりです)
「心神喪失状態」との関係結果が出たのは、犯行時には以下のような状態であった為とされています。
父親からの虐待、被害者である夫からのDVによるPTSDの影響。
解離性障害(特に離人症状)、短期精神病性障害(朦朧状態、夢幻様状態、幻視、幻聴、幻臭など)。
また、鑑定では、被告人がなぜ犯行に至ったか、なぜ夫と別れることが出来なかったか等が細かく調べられており、この報告書はDV被害者一般に共通する心情を知るうえでも貴重な資料となるでしょう。
この報道に接して感じたことを・・・。私見だらけなので異論もあろうかと思いますが、とりあえず2点だけ書いてみます。
1点目は、(誤解を招くかと思い、これまで余り言ってこなかったことですが)どうしてDV被害者は逃げられないのかについて、一般的に言われている理由(以前に書いた記事を参照のこと)以外に生育歴の中で、親からの虐待(DV被害の目撃を含む)を受けていることが多いのではないかということ。
臨床経験、自分自身の体験、仲間達の証言などから、ずっとそう思ってきたのですが、今回の鑑定結果を得て一層その意を強くしました。
これはDVを受ける原因というわけではなく、逃げられない要因になっているということですので、誤解の無いようお願いします。
DV被害者が、かつて親からの虐待を受けていた場合、成人してからも確執を抱えていることが多く(親の反対を押し切って、あるいは実家から逃れるための早婚などもあり)、避難場所として実家に身を寄せることが難しいのです。(実家に身を寄せること自体、危険を伴いますので余りお勧めはしません)
また、親からの理解や援助が受けにくいこともあります。そういった親は心の拠り所としての機能を果たすことも出来ません。虐待による本人の自尊心低下という問題もありますね。
以上のような理由で、生育途中に虐待の問題があった被害者は、加害者の元から逃げ出すのが一層困難となります。
2点目は、この裁判では精神鑑定中に問診(聞き取り)他、心理検査や脳波、MRI検査もしています。つまり、犯行に至る心理状態の他に脳の機能に異常がないかを調べているのです。
ここで、光市事件のことを持ち出すのは不適切かも知れませんが・・・。
光市事件では、弁護側から被告である元少年は小さい頃に父親からの虐待によって頭を強打しており、その影響の可能性も考えられるため、脳の機質的検査をして欲しいむね申請が出されています。しかし、何故か未だに検査されてはいません。
また、光市事件では、一審判決では父親からの虐待経験やDVに耐えきれなくなった母親の自殺などが情状として考慮されていますが、最高裁からの差し戻しでは、弁護人の訴えもむなしく、あまり考慮されてない印象を受けます。
情状はともかくとしても、脳の機質的検査は早急に行うべきだと考えます。
過去には、脳の障害(記憶が定かではありませんが、前頭葉にできた腫瘍)から犯行に至ったことが、精神鑑定人が依頼したMRI検査で判明した事例もあります。
人を殺めてしまったこと自体、擁護する気持ちは全くありませんし、ご遺族の心情を考えると心が痛みます。
もし、犯行が本人のコントロールが及ばない事情によってなされたものだとしたら・・・。
精神障害者による犯罪という別の問題も考えなくてはならなくなります。これがまた難しい。(泥沼)
2008年02月19日
被害者の非を言い立てる人達へ
花岡氏はご自身のblogで、なにやら言い訳めいたことを再アップされた後、沈黙を続けていらっしゃいます。
そして、昨日、
vanacoralさん からのトラックバックで地元、福岡5区選出の衆議院議員、原田義昭氏がblogで、産経新聞に掲載された花岡氏の記事を賛美していることを知りました。
もう、批判する気力がありません。疲れました。
ただ、2年前まで原田議員の地元、太宰府市に住んでいましたので、ご紹介だけはしておこうと思いました。
で、今日は、こういった事件での被害者バッシングについて書こうと思います。(やっと書ける)
まず、大前提は、加害者が加害行為をしなければ被害は起きないということです。
加害者と被害者が出会った時点では、両者は加害者でも被害者でもありません。
加害行為が行われて初めて被害が生じるのです。
この前提さえ、分かっていない人がいるのですね。
でもって、被害者責任論を語る人達(男性も女性もいますが)は、被害者の落ち度として沢山の言説を持っています。
被害者になりたくなければ、女性は隙を見せてはならない。
隙を見せる=性的な被害を受けても仕方がないということらしい。
暗くなってから出歩くのは
露出度の高い服装や派手な服を着ているのは
未成年者のくせに化粧をしているのは
知らない人について行くのは
男性と2人きりでいるのは
口でイヤといっても抵抗しないのは
(まだまだ、あるでしょうね)
被害を受けた方にも落ち度があるということらしいです。
親は子どもをしっかりしつけないと叱咤されます。
被害者責任をいう男性諸氏にお尋ねしたいですが、あなた達は婦女暴行などしたことがない人達ですよね。
上のような状況になった時、あなたは女性を襲いますか?
たぶん襲わないでしょう?
(もし、襲ってしまいそうだという方は、きっちり治療を受けてくださいね)
被害者(となった人)がいくら気をつけていても、事件が起きる時は起きます。
被害者は若い女性ばかりではありません。実際に70歳過ぎの女性が襲われた例もあります。
被害者となるのは女性ばかりではありません。
加害者も男性ばかりではありません。
今まで、そういった被害を受けたことがない人は、単に運が良かっただけです。
あなたの手柄ではありません。
なぜ性被害が起きるのか、それはひとえに、加害行為をする者がいるからです。
被害者の非を言い立てることは、加害者の免責に繋がります。
いくら、加害者が悪いと前置きした上で言ったとしても同じ事です。
加害者と同じくらい(それ以上かも)被害者を痛めつけていると言うことに、いい加減、気づいてください。
不幸にも被害を受けてしまった方へ
「へんなことでフラバ」より引用
参考blogとエントリ
チラシの裏にでも書いとけ「政治家が主導する自己責任論」
http://writeinthebackofads.seesaa.net/article/84677524.html
かめ?「これじゃあ、わざわざ声高にいわなきゃいけないわけだ」
http://blog.livedoor.jp/gegenga/archives/51315599.html
そして、昨日、
vanacoralさん からのトラックバックで地元、福岡5区選出の衆議院議員、原田義昭氏がblogで、産経新聞に掲載された花岡氏の記事を賛美していることを知りました。
もう、批判する気力がありません。疲れました。
ただ、2年前まで原田議員の地元、太宰府市に住んでいましたので、ご紹介だけはしておこうと思いました。
で、今日は、こういった事件での被害者バッシングについて書こうと思います。(やっと書ける)
まず、大前提は、加害者が加害行為をしなければ被害は起きないということです。
加害者と被害者が出会った時点では、両者は加害者でも被害者でもありません。
加害行為が行われて初めて被害が生じるのです。
この前提さえ、分かっていない人がいるのですね。
でもって、被害者責任論を語る人達(男性も女性もいますが)は、被害者の落ち度として沢山の言説を持っています。
被害者になりたくなければ、女性は隙を見せてはならない。
隙を見せる=性的な被害を受けても仕方がないということらしい。
暗くなってから出歩くのは
露出度の高い服装や派手な服を着ているのは
未成年者のくせに化粧をしているのは
知らない人について行くのは
男性と2人きりでいるのは
口でイヤといっても抵抗しないのは
(まだまだ、あるでしょうね)
被害を受けた方にも落ち度があるということらしいです。
親は子どもをしっかりしつけないと叱咤されます。
被害者責任をいう男性諸氏にお尋ねしたいですが、あなた達は婦女暴行などしたことがない人達ですよね。
上のような状況になった時、あなたは女性を襲いますか?
たぶん襲わないでしょう?
(もし、襲ってしまいそうだという方は、きっちり治療を受けてくださいね)
被害者(となった人)がいくら気をつけていても、事件が起きる時は起きます。
被害者は若い女性ばかりではありません。実際に70歳過ぎの女性が襲われた例もあります。
被害者となるのは女性ばかりではありません。
加害者も男性ばかりではありません。
今まで、そういった被害を受けたことがない人は、単に運が良かっただけです。
あなたの手柄ではありません。
なぜ性被害が起きるのか、それはひとえに、加害行為をする者がいるからです。
被害者の非を言い立てることは、加害者の免責に繋がります。
いくら、加害者が悪いと前置きした上で言ったとしても同じ事です。
加害者と同じくらい(それ以上かも)被害者を痛めつけていると言うことに、いい加減、気づいてください。
不幸にも被害を受けてしまった方へ
「へんなことでフラバ」より引用
しかし、そういった傷を乗り越えて何とか生きようとしている人が沢山います。
抵抗できなかった、あるいは、あえて抵抗しなかった被害者もいます。
そんな被害者の一人として
生き残った人達に伝えたいメッセージがあります。
生きててくれてよかった。
あなたは、まったく悪くないです。
それで人生が終わってしまったわけでもありません。
もし、加害者に復讐したいと思ったとしたら、生き残ることが復讐です。
幸せをつかむことが最大の復讐です。
あなたの心は加害者の思い通りにはならなかったのだから。
性的な暴力は、見知らぬ人からの被害より、家族や親戚や親密な人からの被害の方がはるかに多いのです。
それは、見知らぬ人からの被害と同じだけ、場合によってはそれ以上の傷になるといわれています。
それは、なぜか・・・。
被害が繰り返されることが多いことと、抵抗せず我慢することで何とか生き延びようとする事が多いから。
見知らぬ人からの被害でも、身近な人からの被害でも、被害者は自分を責めます。
被害を防げなかった自分が許せないし、汚れてしまった、自分の人生もそこで終わってしまったとも思います。
それはひとえに、世間がそういうからなのです。
参考blogとエントリ
チラシの裏にでも書いとけ「政治家が主導する自己責任論」
http://writeinthebackofads.seesaa.net/article/84677524.html
かめ?「これじゃあ、わざわざ声高にいわなきゃいけないわけだ」
http://blog.livedoor.jp/gegenga/archives/51315599.html
2007年08月12日
急性ストレス障害とは
今話題の「急性ストレス障害」について今日は書いてみようと思います。
このblogでは今までずっと、トラウマとその後遺症について言及してきました。私自身もPTSD(PTSDについてはこちらをお読み下さい)の症状を持ち、カウンセラーとしてもトラウマとその後遺症のケアを専門分野としています。
あの横綱・朝青龍関の問題で「急性ストレス障害」という言葉が一人歩きは始めているように思えて非常に危機感を覚える一人です。(TVに出演する精神科医が、この診断に異を唱えないのが不思議でならないのですが・・・)
最初に診断した精神科医(色々あるようですがここでは言及しません)は、朝青龍関自身が(知人の紹介で)依頼して見て貰ったのだそうですが、その診断は‘神経衰弱’と‘うつ状態’で、しかも「あと数日でうつ病に移行する」ということでした。
この診断にマスコミは「今は神経衰弱等という診断名は存在しない」と反論していますし、コメントを寄せた精神科医は「あと数日でうつ病に移行する等と言うことはありえない。うつ病になるかどうかなど予言できない(要約)」といっています。(私も同感です)
売名行為とまでは言いませんが、メディアのインタビューで患者の診断名を喜々として話すというのは、医者としてどうなんでしょうか・・・。
今回話題になっている急性ストレス障害(以下ASDと表記)についても、私としては?が点っています。1回30分(メディアによっては40分となっていますが)の面接で、しかも本人は一言も発しない状況の中で、確固とした診断名を付ける精神科医がいること自体、驚きです。
一般の方は、精神科に受診すれば1回の受診であらかた診断が付くと思っていらっしゃる方も多いと思いますが、実際は診断名がつくまで、症状によって何回かの面接(アセスメント面接といいます)が必要です。
初回の面接でも(保険点数の関係で)とりあえず診断名は付けますが、その後に診断名が変わるのは良くあることです。ですので、初回の面接では、よほど確固たる症状がない限り差し障りのない診断名を付けます。
今回の診断名「ASD(アメリカの診断基準、DSM4−TRの基準)」では、まずは患者さんに「トラウマ」となる体験があるかどうかが基準になります。
トラウマという言葉も一般的になり、拡大解釈される傾向があるので、まずは医療機関で使われている診断基準(DSM4−TR)を引用して医療の世界ではトラウマをどうとらえているかを説明します。「ASD」の項のでトラウマについてはこう言っています。
PTSDやASDなどトラウマ関連の診断名ができたのはベトナム戦争がきっかけでした。
戦争から帰ってきた元軍人の多くが、トラウマの後遺症を抱えていたことから、トラウマ、PTSD、ASDなどの診断基準が作られました。
具体的なトラウマチックな体験とは、戦争体験、自然災害(今回の新潟の地震とか)、(命に関わるような)事件、レイプ、DV、児童虐待などを指します。’心身の危機’を体験し、しかも、その人の許容範囲をこ超えているという事です。
朝青龍関が体験したことが、これらに当てはまると思いますか?
私には、そうは思えません。
以下にDSM4−TRの「ASD」の診断基準を引用しておきます。
以上のような症状が2日以上4週間未満続くのが「ASD」です。
同じような症状が4週間以上続けばPTSDと言う診断に変わります。
件の医師は面接時に一言も話さなかった朝青龍関から、これらのこと全てを見立てたのす。
見た目にボーっとしている(中核症状ではあります)。とか、付け人の証言から「余り眠れないようだ。食欲もない」程度のことしか聞けていないのに、「ASD」と確定診断をした医師。
先ほど言及したトラウマがあるかどうか以外にも、
「外傷的な体験を家族に話すことで必要な助けを得たり、人的資源を動員するなど、必要な課題を遂行する能力を障害している」についても疑問です。
朝青龍関は知人の紹介で最初の精神科医に診てもらっていますし、連日、友人知人の来訪を受け入れています。
また、今日のデイリースポーツの記事では
と書いているのが事実だとすれば「薬物乱用」もしているわけですね。
またこの記事には、次のようなことも書いてありました。
医師ではなく一般の人がいったことなので、この記事にある「妄想」「支離滅裂」などは割り引いて聞く必要があるでしょう。
しかし、若い衆に対する暴力や窓から物を投げようとしたなどは、少なくとも「ASD」の診断基準からは大きくはずれているのではないでしょうか。
・・・・。
私がここで異を唱えたとしても、私は医者ではありませんし、直接面談したわけでもありませんので、殆ど説得力はありません。
ですが、診断名のASDはPTSDの前駆症状と言えるものでもあります。PTSDは訴訟に深く関わっており、その信憑性が問われる事も多い診断名なのです。
ここで、朝青龍関に下された「急性ストレス障害」という診断名の信憑性が問われることで、本来の「ASD」や「PTSD」(DVや犯罪被害者の訴訟)に実際的な悪影響が及ぶことを危惧しています。
だれか、きちんとした精神科医がコメントを出してくれることを祈って止みません。
このblogでは今までずっと、トラウマとその後遺症について言及してきました。私自身もPTSD(PTSDについてはこちらをお読み下さい)の症状を持ち、カウンセラーとしてもトラウマとその後遺症のケアを専門分野としています。
あの横綱・朝青龍関の問題で「急性ストレス障害」という言葉が一人歩きは始めているように思えて非常に危機感を覚える一人です。(TVに出演する精神科医が、この診断に異を唱えないのが不思議でならないのですが・・・)
最初に診断した精神科医(色々あるようですがここでは言及しません)は、朝青龍関自身が(知人の紹介で)依頼して見て貰ったのだそうですが、その診断は‘神経衰弱’と‘うつ状態’で、しかも「あと数日でうつ病に移行する」ということでした。
この診断にマスコミは「今は神経衰弱等という診断名は存在しない」と反論していますし、コメントを寄せた精神科医は「あと数日でうつ病に移行する等と言うことはありえない。うつ病になるかどうかなど予言できない(要約)」といっています。(私も同感です)
売名行為とまでは言いませんが、メディアのインタビューで患者の診断名を喜々として話すというのは、医者としてどうなんでしょうか・・・。
今回話題になっている急性ストレス障害(以下ASDと表記)についても、私としては?が点っています。1回30分(メディアによっては40分となっていますが)の面接で、しかも本人は一言も発しない状況の中で、確固とした診断名を付ける精神科医がいること自体、驚きです。
一般の方は、精神科に受診すれば1回の受診であらかた診断が付くと思っていらっしゃる方も多いと思いますが、実際は診断名がつくまで、症状によって何回かの面接(アセスメント面接といいます)が必要です。
初回の面接でも(保険点数の関係で)とりあえず診断名は付けますが、その後に診断名が変わるのは良くあることです。ですので、初回の面接では、よほど確固たる症状がない限り差し障りのない診断名を付けます。
今回の診断名「ASD(アメリカの診断基準、DSM4−TRの基準)」では、まずは患者さんに「トラウマ」となる体験があるかどうかが基準になります。
トラウマという言葉も一般的になり、拡大解釈される傾向があるので、まずは医療機関で使われている診断基準(DSM4−TR)を引用して医療の世界ではトラウマをどうとらえているかを説明します。「ASD」の項のでトラウマについてはこう言っています。
1)実際にまた危うく死ぬまたは重傷を負うような出来事を、1度または数度、あるいは自分または他人の身体の保全に迫る危険を、その人が体験し、目撃し、または直面した。
2)その人の反応は強い恐怖、無力感または旋律絶に関するものである。
PTSDやASDなどトラウマ関連の診断名ができたのはベトナム戦争がきっかけでした。
戦争から帰ってきた元軍人の多くが、トラウマの後遺症を抱えていたことから、トラウマ、PTSD、ASDなどの診断基準が作られました。
具体的なトラウマチックな体験とは、戦争体験、自然災害(今回の新潟の地震とか)、(命に関わるような)事件、レイプ、DV、児童虐待などを指します。’心身の危機’を体験し、しかも、その人の許容範囲をこ超えているという事です。
朝青龍関が体験したことが、これらに当てはまると思いますか?
私には、そうは思えません。
以下にDSM4−TRの「ASD」の診断基準を引用しておきます。
A.その人は、以下の2つがともに認められる外傷性の出来事に暴露されたことがある。
1)実際にまた危うく死ぬまたは重傷を負うような出来事を、1度または数度、あるいは自分または他人の身体の保全に迫る危険を、その人が体験し、目撃し、または直面した。
2)その人の反応は強い恐怖、無力感または旋律絶に関するものである。
B.苦痛な出来事を体験している間、またはその後に、以下の解離性症状の3つ(またはそれ以上)がある。
1)麻痺した、孤立した、または感情反応がないという主観的感覚。
2)自分の周囲に対する注意の脆弱(例=“ぼうっとしている”)
3)現実感消失。
4)離人証
5)解離性健忘。すなわち、外傷の重要な側面の想起不能)
C.トラウマとなった出来事は、少なくとも以下の一つの形で体験され続けている。:反復する心像、思考、夢、錯覚、フラッシュバックのエピソード、またはもとの体験を再体験する感覚:または外傷的な出来事を想起させられるものに暴露されたときの苦痛。
D.外傷を想起させる刺激(例=思考、感情、会話、活動、場所、人物)の著しい回避。
E.強い不安症状または覚醒亢進。(例=睡眠障害、いらだたしさ、集中困難、過度の警戒心、過剰な驚愕反応、運動性不安)
F.その障害は、臨床上著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている、または外傷的な体験を家族に話すことで必要な助けを得たり、人的資源を動員するなど、必要な課題を遂行する能力を障害している。
G.その障害は、最低2日間、最大4週間持続し、外傷的出来事の4週間以内に起こっている。
H.障害は、物質(例=乱用薬物、投薬)または一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものでなく、短期精神病性障害ではうまく説明されず、すでに存在していた1軸または2軸の障害の単なる悪化でもない。
以上のような症状が2日以上4週間未満続くのが「ASD」です。
同じような症状が4週間以上続けばPTSDと言う診断に変わります。
件の医師は面接時に一言も話さなかった朝青龍関から、これらのこと全てを見立てたのす。
見た目にボーっとしている(中核症状ではあります)。とか、付け人の証言から「余り眠れないようだ。食欲もない」程度のことしか聞けていないのに、「ASD」と確定診断をした医師。
先ほど言及したトラウマがあるかどうか以外にも、
「外傷的な体験を家族に話すことで必要な助けを得たり、人的資源を動員するなど、必要な課題を遂行する能力を障害している」についても疑問です。
朝青龍関は知人の紹介で最初の精神科医に診てもらっていますし、連日、友人知人の来訪を受け入れています。
また、今日のデイリースポーツの記事では
「アドマイヤ」を冠とする馬主として知られる近藤利一氏(64)が10日、2場所出場停止などの厳罰で急性ストレス障害などと診断された横綱朝青龍(26)=高砂部屋=を訪れ、本人と1時間50分、面談後、「睡眠薬を1回10錠ほど食べるようにのんでいる」などと横綱の“異常行動”を証言した。
と書いているのが事実だとすれば「薬物乱用」もしているわけですね。
またこの記事には、次のようなことも書いてありました。
“日本の父”という有力後援者は「まげはなく伸びた髪は洗わず、やせた様は戦国の野武士。妄想にからまり、発言は支離滅裂。1週間前には若い衆に乱暴し、窓から物を投げようとした姿を目撃した」と衝撃発言を連発。同席した高砂親方に「4回目の訪問だが、さらに悪化した。とても会見できる状態にない」と進言したという。
医師ではなく一般の人がいったことなので、この記事にある「妄想」「支離滅裂」などは割り引いて聞く必要があるでしょう。
しかし、若い衆に対する暴力や窓から物を投げようとしたなどは、少なくとも「ASD」の診断基準からは大きくはずれているのではないでしょうか。
・・・・。
私がここで異を唱えたとしても、私は医者ではありませんし、直接面談したわけでもありませんので、殆ど説得力はありません。
ですが、診断名のASDはPTSDの前駆症状と言えるものでもあります。PTSDは訴訟に深く関わっており、その信憑性が問われる事も多い診断名なのです。
ここで、朝青龍関に下された「急性ストレス障害」という診断名の信憑性が問われることで、本来の「ASD」や「PTSD」(DVや犯罪被害者の訴訟)に実際的な悪影響が及ぶことを危惧しています。
だれか、きちんとした精神科医がコメントを出してくれることを祈って止みません。
2005年12月05日
忘れない
今朝の毎日新聞に
「戦後60年の原点:第二次大戦で精神障害の元軍人ら、84人が今も入院−−厚労省調査」
という記事が出ていました。
一部を引用しますと
今まで余り取りざたされたことはありませんが、戦争の悲惨な体験から精神に障害を負った軍人(ら)は、1937〜45年度に1万人以上に達したのだそうです。
どういった障害かは書いてありませんが、トラウマやその後遺症に類するものだったと想像します。
トラウマやPTSDの概念はフロイトの時代からあったものの、その後の長い間、再発見と忘却の繰り返しの歴史でした。
研究が飛躍的に進んだのは、ベトナム戦争帰還兵の精神的な不調、不適応などの調査研究があったからです。
続きを読む
「戦後60年の原点:第二次大戦で精神障害の元軍人ら、84人が今も入院−−厚労省調査」
という記事が出ていました。
一部を引用しますと
第二次世界大戦中、戦地での過酷な経験や軍隊生活によって精神障害を負った元軍人・軍属が、全国各地の病院に84人(今年3月末現在)入院していることが、厚生労働省の調査で分かった。戦後60年たった現在も心に深い傷を負ったまま、多くは家族との交流もない状態という。研究者らは「あまり知られていない戦争の悲劇の一つだ。ぜひ記録にとどめるべきだ」と訴え、今後、実態調査に乗り出すことも検討している。
今まで余り取りざたされたことはありませんが、戦争の悲惨な体験から精神に障害を負った軍人(ら)は、1937〜45年度に1万人以上に達したのだそうです。
どういった障害かは書いてありませんが、トラウマやその後遺症に類するものだったと想像します。
トラウマやPTSDの概念はフロイトの時代からあったものの、その後の長い間、再発見と忘却の繰り返しの歴史でした。
研究が飛躍的に進んだのは、ベトナム戦争帰還兵の精神的な不調、不適応などの調査研究があったからです。
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