2012年01月18日
TPPの超人大陸問題
日本のTPP参加交渉には、大手新聞がこぞって、まるで大本営発表を一致結束して礼賛(らいさん)していた太平洋戦争末期の新聞のように、一致結束して応援しているように思える。
これは、いったいなぜなのだろうか。
アメリカは先日、このTPP参加交渉に先立ち、日本の「軽自動車」の規格をなくせと言ってきたようだ。この軽自動車は、当初の排気量限度が360ccだったものを660ccにまで増量させて日本国内に普及し、日本の経済、文化、社会のなかに定着してきたものだ。「軽自動車」の規格が、アメリカの小型車を日本で販売するための妨げになるという理由かららしい。
この「軽自動車」の規格を、アメリカが自己都合で、変えさせようと画策していることは、この先の日本のTPP交渉が困難を極めることを容易に想像させる。これは、かつて、アメリカの圧力により、日本の大規模店舗法が改悪させられ、日本各地にシャッター商店街を現出させてきたことなどを髣髴(ほうふつ)とさせるのだ。
この辺の事情を探るためにYouTubeの映像を検索していたところ、慶応大学経済学部教授の金子勝先生が、論理明快にTPP問題を解析している映像に出会った。
次のタイトルとURLの映像だ。シリーズのタイトルは「超人大陸」。
次をクリックして視聴することができる。
【金子勝】TPP参加表明は日本人の敗戦パターン
http://www.youtube.com/watch?v=MX4vRET6590
TPP交渉参加問題は、大手新聞などのマスコミの報道には踊らされないで、冷静沈着に、客観的に判断することが求められる。このYouTube映像での金子勝先生の見解は、たいへん参考になる。
FTAなどの二国間協議ですら困難を極めるのに、TPPによる多国間協議はもっと困難を極めることは、容易に予想されるのだ。そして、そこからの離脱が極めて困難になる。
日本は、アメリカとの間で、FTAなどの地道な二国間協議を進め、相手の腹を十分に探ったほうが得策ではなかろうか。日本の一部の輸出産業が栄えることとの交換に、日本の国力の衰退を招いてはならない。
これは、いったいなぜなのだろうか。
アメリカは先日、このTPP参加交渉に先立ち、日本の「軽自動車」の規格をなくせと言ってきたようだ。この軽自動車は、当初の排気量限度が360ccだったものを660ccにまで増量させて日本国内に普及し、日本の経済、文化、社会のなかに定着してきたものだ。「軽自動車」の規格が、アメリカの小型車を日本で販売するための妨げになるという理由かららしい。
この「軽自動車」の規格を、アメリカが自己都合で、変えさせようと画策していることは、この先の日本のTPP交渉が困難を極めることを容易に想像させる。これは、かつて、アメリカの圧力により、日本の大規模店舗法が改悪させられ、日本各地にシャッター商店街を現出させてきたことなどを髣髴(ほうふつ)とさせるのだ。
この辺の事情を探るためにYouTubeの映像を検索していたところ、慶応大学経済学部教授の金子勝先生が、論理明快にTPP問題を解析している映像に出会った。
次のタイトルとURLの映像だ。シリーズのタイトルは「超人大陸」。
次をクリックして視聴することができる。
【金子勝】TPP参加表明は日本人の敗戦パターン
http://www.youtube.com/watch?v=MX4vRET6590
TPP交渉参加問題は、大手新聞などのマスコミの報道には踊らされないで、冷静沈着に、客観的に判断することが求められる。このYouTube映像での金子勝先生の見解は、たいへん参考になる。
FTAなどの二国間協議ですら困難を極めるのに、TPPによる多国間協議はもっと困難を極めることは、容易に予想されるのだ。そして、そこからの離脱が極めて困難になる。
日本は、アメリカとの間で、FTAなどの地道な二国間協議を進め、相手の腹を十分に探ったほうが得策ではなかろうか。日本の一部の輸出産業が栄えることとの交換に、日本の国力の衰退を招いてはならない。
2011年11月07日
アメリカに追従するTPP交渉参加か?!
堤 未果氏著作の『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書、2008年1月、¥735)には、アメリカの国情が生々しく描かれている。貧富の差が激しく、低所得者層は、国家から遺棄されているかのようだ。
しかし、野田首相は、このアメリカから圧力を受けて、TPP交渉参加を声高に主張し、外圧を利用して日本の関税を撤廃し、日本の国情をアメリカに同化させようとしているかのようだ。これは、アメリカ追従政策の一環なのだろうか。
日本製の自動車や電気製品がいかにアメリカに大量に輸出できたとしても、日本が豊かにならないことは、今までの貿易統計やその他の経済統計から明らかであろう。日本からの輸出が増大すれば、その度ごとにアメリカは日本にさまざまな要求を突きつけ、揺さぶりをかけてきた。今の日本は、何の交換条件で、アメリカ側の言い分を呑もうとしているのだろうか。
日本のテレビや自動車のメーカーがアメリカをはじめとする海外に輸出攻勢をかけても、韓国や中国などからすぐに追いつかれ、日本のこれらの工業は衰退をやむなくされるだろう。
そして、日本は、天然資源が乏しく、食料自給率がカロリーベースで約40%しかないのだ。食料の多くを海外に依存している日本が、関税を撤廃したならば、その影響は農業どころか、全ての一次産業に及ぶであろう。食料自給率が大幅にダウンすることが当然予想される。野田政権は、食の安全や食料安全保障の問題をないがしろにしているように感じる。
ここにAkkiiの他のブログでも述べた内容を再度、UPする。
「TPPが実施されれば、まず日本の農業が各地で立ち行かなくなり、食料自給率は大幅に低下する。そして、各地で伝承されてきた農業技術が消失する。その後、TPPは失敗だったなどとして、農業を再生させようとしても、失われた技術は回復不能となるだろう。」
「また、日本の各地で水田がなくなり、河川の治水問題にも深刻な影響を与えるであろう。雪解け水で水位が上がる河川をどのようにコントロールするのか。日本の農業が崩壊すれば、日本の自然に大きな負荷を与えてしまうことが危惧されるのだ。そして、せっかく人工増殖により自然界に放鳥された特別天然記念物のトキも、自然界で自生することが困難になることであろう。日本の自然は、日本の農業と一体になって維持されてきたのだ。」
先に民主党でTPP参加を主張し、その後の地方選挙で自民党から大敗を喫した菅直人氏を、野田佳彦氏の名称に変えて、さらに続ける(この野田首相のこのスタンスでは、今後も地方選挙のみならず、国政選挙でも民主党の大敗が続くであろう。それが国民の意志の反映であると思うからだ)。
「今の野田佳彦氏が率いる民主党を中心とする政権は、日本を滅ぼそうとしているのだろうか。日本の領海から境界線をなくし、日本の国家としての枠組みである社会的、経済的基盤の境界をも、海外との間で溶解させようとしているように思える。国家が他国との境界をなくして、国家主権を守れるはずがない。」
「TPPを実施したら、日本の内需は大きく低迷するだろう。野田政権は、こんな自明のことが読めないのだろうか。農林水産業や商工業を含め、それに従事する個人や零細な事業者などが、大きな打撃を受けてしまうだろう。特に農林水産業は、壊滅的打撃を受けるだろう。」
ところで、日本の関税自主権は、西欧列強に強行に開国を促されてから締結させられた不平等条約の改定の過程で、苦労して獲得した歴史がある。歴史年表では、1911年に、小村寿太郎の奮闘により、やっと米国を相手に日本の関税自主権が確立したことになっている(参照:『読むだけですっきりわかる日本史』・「関税自主権の回復」、P282、宝島社文庫、2008年6月発行、\476<税別>)。
ところが、その丁度100年後の今年2011年に、関税自主権の放棄ともとれるTPP参加を野田政権は、国民に十分な情報開示や説明もしないで、強行しようと画策しているようだ。相手国としては、貿易品目の種別や貿易量からして、特にアメリカが意識されているようだ。
政治は、財界や経済界を説得できる力、そして、指導できる力を持つべきだ。一部の財界や経済界の要望に応え、外国に対して関税自主権を放棄したり、国境線や経済水域の譲歩と引き換えたりして、貿易の拡大を求めるなどの愚は、絶対にしてはならない。アメリカからやっと獲得した関税自主権を獲得後、丁度100年目にして、関税自主権の放棄と同様の事態を招く懸念があるTPP交渉参加は、外交上も弊害が多く、日本の国力の衰退を招くと危惧される。
しかし、野田首相は、このアメリカから圧力を受けて、TPP交渉参加を声高に主張し、外圧を利用して日本の関税を撤廃し、日本の国情をアメリカに同化させようとしているかのようだ。これは、アメリカ追従政策の一環なのだろうか。
日本製の自動車や電気製品がいかにアメリカに大量に輸出できたとしても、日本が豊かにならないことは、今までの貿易統計やその他の経済統計から明らかであろう。日本からの輸出が増大すれば、その度ごとにアメリカは日本にさまざまな要求を突きつけ、揺さぶりをかけてきた。今の日本は、何の交換条件で、アメリカ側の言い分を呑もうとしているのだろうか。
日本のテレビや自動車のメーカーがアメリカをはじめとする海外に輸出攻勢をかけても、韓国や中国などからすぐに追いつかれ、日本のこれらの工業は衰退をやむなくされるだろう。
そして、日本は、天然資源が乏しく、食料自給率がカロリーベースで約40%しかないのだ。食料の多くを海外に依存している日本が、関税を撤廃したならば、その影響は農業どころか、全ての一次産業に及ぶであろう。食料自給率が大幅にダウンすることが当然予想される。野田政権は、食の安全や食料安全保障の問題をないがしろにしているように感じる。
ここにAkkiiの他のブログでも述べた内容を再度、UPする。
「TPPが実施されれば、まず日本の農業が各地で立ち行かなくなり、食料自給率は大幅に低下する。そして、各地で伝承されてきた農業技術が消失する。その後、TPPは失敗だったなどとして、農業を再生させようとしても、失われた技術は回復不能となるだろう。」
「また、日本の各地で水田がなくなり、河川の治水問題にも深刻な影響を与えるであろう。雪解け水で水位が上がる河川をどのようにコントロールするのか。日本の農業が崩壊すれば、日本の自然に大きな負荷を与えてしまうことが危惧されるのだ。そして、せっかく人工増殖により自然界に放鳥された特別天然記念物のトキも、自然界で自生することが困難になることであろう。日本の自然は、日本の農業と一体になって維持されてきたのだ。」
先に民主党でTPP参加を主張し、その後の地方選挙で自民党から大敗を喫した菅直人氏を、野田佳彦氏の名称に変えて、さらに続ける(この野田首相のこのスタンスでは、今後も地方選挙のみならず、国政選挙でも民主党の大敗が続くであろう。それが国民の意志の反映であると思うからだ)。
「今の野田佳彦氏が率いる民主党を中心とする政権は、日本を滅ぼそうとしているのだろうか。日本の領海から境界線をなくし、日本の国家としての枠組みである社会的、経済的基盤の境界をも、海外との間で溶解させようとしているように思える。国家が他国との境界をなくして、国家主権を守れるはずがない。」
「TPPを実施したら、日本の内需は大きく低迷するだろう。野田政権は、こんな自明のことが読めないのだろうか。農林水産業や商工業を含め、それに従事する個人や零細な事業者などが、大きな打撃を受けてしまうだろう。特に農林水産業は、壊滅的打撃を受けるだろう。」
ところで、日本の関税自主権は、西欧列強に強行に開国を促されてから締結させられた不平等条約の改定の過程で、苦労して獲得した歴史がある。歴史年表では、1911年に、小村寿太郎の奮闘により、やっと米国を相手に日本の関税自主権が確立したことになっている(参照:『読むだけですっきりわかる日本史』・「関税自主権の回復」、P282、宝島社文庫、2008年6月発行、\476<税別>)。
ところが、その丁度100年後の今年2011年に、関税自主権の放棄ともとれるTPP参加を野田政権は、国民に十分な情報開示や説明もしないで、強行しようと画策しているようだ。相手国としては、貿易品目の種別や貿易量からして、特にアメリカが意識されているようだ。
政治は、財界や経済界を説得できる力、そして、指導できる力を持つべきだ。一部の財界や経済界の要望に応え、外国に対して関税自主権を放棄したり、国境線や経済水域の譲歩と引き換えたりして、貿易の拡大を求めるなどの愚は、絶対にしてはならない。アメリカからやっと獲得した関税自主権を獲得後、丁度100年目にして、関税自主権の放棄と同様の事態を招く懸念があるTPP交渉参加は、外交上も弊害が多く、日本の国力の衰退を招くと危惧される。
2011年08月18日
子供たちの甲状腺内部被曝があった!
東京電力の福島第一原発事故により、子供の45%が甲状腺被曝していたという衝撃的なニュースが、今日の大手新聞の朝刊1面トップに載った。福島県の0〜15歳の1150人を3月下旬に内部被曝検査をした結果であるという。(参照:2011年8月18日発行、朝日新聞朝刊第1面<東京本社刊第13版>)
そのニュース記事でも明らかなように、福島原発事故では、3月12〜15日、16日ぐらいの間に集中して放射性ヨウ素が放出されたという。京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生は原発事故後、いち早くこのことを心配してデータの不備を指摘していたが、それが事実となってしまっていたのだ。しかし、日本政府も東京電力も、この事実の開示が遅すぎるのではないか。人の健康を蝕む「放射能」という見えない障害に対する注意喚起と的確な対応があまりにも遅すぎるのだ。この件は、当事者の責任の所在を明らかにして、後の世の教訓として残しておく必要があるであろう。
原発事故により飛散した放射線種や放射量などのデータの開示と除染や退避誘導などの的確な対応が遅すぎたことによって、放射線被曝による人の健康への影響が心配される。除染活動も端緒についたばかりだ。遅々として進んでいない。
また、除染活動により、本当にその環境が人の住める安全な環境に戻るのだろうか。そのまま避難しておいたほうが人の健康にとって安全な場合もあるのではなかろうか。
チェルノブイリ原発事故でもそうであったが、放射性ヨウ素を体内に取り込んだ場合に特に影響を受けやすいという子供たちに甲状腺ガンなどが多発することが懸念される。甲状腺に内部被曝した子供たちへの注意深い経過観察が必要だ。
この原発事故については、情報開示の意図的遅滞などの「情報隠し」や「事実の不告知」、「虚偽の事実の告知」などがあった場合に、これを不問に付すとなると、日本の刑事法体系の中で大きく権衡を失することになるだろう。また、原発事故がここまで深刻な事態になった原因に人の故意や注意義務違反があった場合に、それを不問に付す場合も同様である。
ところで最近、日本原子力学会という組織が、原子力発電所事故の責任逃れなどのために、原子力関係者の責任を追及しないで欲しい旨の声明を出した。
このことに対して、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生が疑問を述べているMP3TUBEの映像が、今日のYouTubeの人気の動画にランクインしている。
次のURLから視聴できる。
この東京電力の福島第一原発事故は、事故の原因、経過、対応、情報の開示の仕方などを含めて、一切の事実を再検証し、きちんと責任の所在を明らかにし、刑事事件としても、過失を含め、違法性と責任を検証すべきである。また、今後、同様の重大事故を惹き起こさないためにも、責任の所在をきっちりと追及するのみならず、事故対応の不備をしっかりと検証すべきである。
そのニュース記事でも明らかなように、福島原発事故では、3月12〜15日、16日ぐらいの間に集中して放射性ヨウ素が放出されたという。京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生は原発事故後、いち早くこのことを心配してデータの不備を指摘していたが、それが事実となってしまっていたのだ。しかし、日本政府も東京電力も、この事実の開示が遅すぎるのではないか。人の健康を蝕む「放射能」という見えない障害に対する注意喚起と的確な対応があまりにも遅すぎるのだ。この件は、当事者の責任の所在を明らかにして、後の世の教訓として残しておく必要があるであろう。
原発事故により飛散した放射線種や放射量などのデータの開示と除染や退避誘導などの的確な対応が遅すぎたことによって、放射線被曝による人の健康への影響が心配される。除染活動も端緒についたばかりだ。遅々として進んでいない。
また、除染活動により、本当にその環境が人の住める安全な環境に戻るのだろうか。そのまま避難しておいたほうが人の健康にとって安全な場合もあるのではなかろうか。
チェルノブイリ原発事故でもそうであったが、放射性ヨウ素を体内に取り込んだ場合に特に影響を受けやすいという子供たちに甲状腺ガンなどが多発することが懸念される。甲状腺に内部被曝した子供たちへの注意深い経過観察が必要だ。
この原発事故については、情報開示の意図的遅滞などの「情報隠し」や「事実の不告知」、「虚偽の事実の告知」などがあった場合に、これを不問に付すとなると、日本の刑事法体系の中で大きく権衡を失することになるだろう。また、原発事故がここまで深刻な事態になった原因に人の故意や注意義務違反があった場合に、それを不問に付す場合も同様である。
ところで最近、日本原子力学会という組織が、原子力発電所事故の責任逃れなどのために、原子力関係者の責任を追及しないで欲しい旨の声明を出した。
このことに対して、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生が疑問を述べているMP3TUBEの映像が、今日のYouTubeの人気の動画にランクインしている。
次のURLから視聴できる。
http://www.youtube.com/watch?v=t4r9z82AUCE
この東京電力の福島第一原発事故は、事故の原因、経過、対応、情報の開示の仕方などを含めて、一切の事実を再検証し、きちんと責任の所在を明らかにし、刑事事件としても、過失を含め、違法性と責任を検証すべきである。また、今後、同様の重大事故を惹き起こさないためにも、責任の所在をきっちりと追及するのみならず、事故対応の不備をしっかりと検証すべきである。
2011年08月01日
原発事故状況は事実を詳細に開示すべきだ!
このブログにUPしたYouTubeの動画に、なぜかアクセスできなくなった。一昨日にUPした動画である。メディアもほとんど取り上げていないこの衆議院厚生労働委員会での専門家の主張は、日本の一部の利害関係グループにとって、不利な意見なのだろうか。そして、YouTubeは、これに加担しているのだろうか。
衆議院厚生労働委員会で7月27日に参考人として、東京電力の福島第一原発事故による健康被害防止につき、満身の怒りを表し、政治の怠慢を指摘した専門家の情熱的な主張である。東京大学教授で東京大学アイソトープ総合センター長あり、放射線障害を長い間にわたり研究してきた医師の児玉龍彦先生の意見である。
日本政府も東京電力も、福島第一原発事故による放射性物質の飛散状況を詳細には発表していない。放射線障害を防止するには、飛散した放射性物質や、放射能で汚染された各地の線種や線量などのデータが欠かせない。しかし、その詳細なデータが開示されていないのだ。放射性セシウムが広範囲に拡散し、それに汚染された稲ワラを給餌されていた肉牛から高濃度の放射性セシウムが検出されている状況である。これは、肉牛が内部被曝しているということだ。農産物や水産物への放射能汚染が非常に危惧される。
肉牛ばかりでなく、人も筋肉などに放射性セシウムが蓄積し、内部被曝していることが懸念される。特に妊婦の体内にいる胎児や乳児、幼い子供たちが心配だ。なぜならば、彼らは成長するための細胞分裂が活発だからだ。
細胞分裂時に被曝するとDNAが破壊されやすい。内部被曝は、微量の放射線でも長い期間にわたり、被曝が続くのだ。それによって、白血病やガンに罹患する確率が高くなるのだ。子供たちが数年後に白血病などになるリスクがある。そして、20年、30年後にガンが発症する確率が高くなるのだ。放射線障害特有の晩発性の発症のリスクだ。除染を的確に、かつ、迅速に行うことなどによってそのリスクを速やかに軽減させる必要がある。また、そのための取り得る全ての施策をする必要がある。
次のURLのYouTubeの動画から、参考人としての児玉龍彦先生の主張が伺える。
URL: http://www.youtube.com/watch?v=eubj2tmb86M
その続きとしての質疑応答も見逃せない。次のURLから視聴できる。
URL:http://www.youtube.com/watch?v=LunV27H3oW8
福島第一原発事故による放射性物質の放出は、総量で広島原爆の20倍以上であるというのが、極めて深刻な内容である。そして、広島原爆の放射線総量は1年後には千分の一ほどに減衰するが、原発事故ではそれが十分の一ほどにしか減衰しないという。
日本の政治は国会を機能させ、この深刻な事実に直面し、逃げることなく真摯に国民に事実を開示し、この放射能汚染に対応しなければならない。メディアも真実を伝え、国民の知る権利に貢献すべきである。それは、民主主義の要諦だ。そして、それはこの深刻な原発事故の後処理としての除染活動や予算措置などの円滑化に結びつくことになるであろう。
衆議院厚生労働委員会で7月27日に参考人として、東京電力の福島第一原発事故による健康被害防止につき、満身の怒りを表し、政治の怠慢を指摘した専門家の情熱的な主張である。東京大学教授で東京大学アイソトープ総合センター長あり、放射線障害を長い間にわたり研究してきた医師の児玉龍彦先生の意見である。
日本政府も東京電力も、福島第一原発事故による放射性物質の飛散状況を詳細には発表していない。放射線障害を防止するには、飛散した放射性物質や、放射能で汚染された各地の線種や線量などのデータが欠かせない。しかし、その詳細なデータが開示されていないのだ。放射性セシウムが広範囲に拡散し、それに汚染された稲ワラを給餌されていた肉牛から高濃度の放射性セシウムが検出されている状況である。これは、肉牛が内部被曝しているということだ。農産物や水産物への放射能汚染が非常に危惧される。
肉牛ばかりでなく、人も筋肉などに放射性セシウムが蓄積し、内部被曝していることが懸念される。特に妊婦の体内にいる胎児や乳児、幼い子供たちが心配だ。なぜならば、彼らは成長するための細胞分裂が活発だからだ。
細胞分裂時に被曝するとDNAが破壊されやすい。内部被曝は、微量の放射線でも長い期間にわたり、被曝が続くのだ。それによって、白血病やガンに罹患する確率が高くなるのだ。子供たちが数年後に白血病などになるリスクがある。そして、20年、30年後にガンが発症する確率が高くなるのだ。放射線障害特有の晩発性の発症のリスクだ。除染を的確に、かつ、迅速に行うことなどによってそのリスクを速やかに軽減させる必要がある。また、そのための取り得る全ての施策をする必要がある。
次のURLのYouTubeの動画から、参考人としての児玉龍彦先生の主張が伺える。
URL: http://www.youtube.com/watch?v=eubj2tmb86M
その続きとしての質疑応答も見逃せない。次のURLから視聴できる。
URL:http://www.youtube.com/watch?v=LunV27H3oW8
福島第一原発事故による放射性物質の放出は、総量で広島原爆の20倍以上であるというのが、極めて深刻な内容である。そして、広島原爆の放射線総量は1年後には千分の一ほどに減衰するが、原発事故ではそれが十分の一ほどにしか減衰しないという。
日本の政治は国会を機能させ、この深刻な事実に直面し、逃げることなく真摯に国民に事実を開示し、この放射能汚染に対応しなければならない。メディアも真実を伝え、国民の知る権利に貢献すべきである。それは、民主主義の要諦だ。そして、それはこの深刻な原発事故の後処理としての除染活動や予算措置などの円滑化に結びつくことになるであろう。
2011年07月30日
マスメディアが取り上げない満身怒りの訴え
なぜか、新聞などのマスメディアが取り上げないニュースがあります。東京電力の福島第一原発事故による放射性物質による深刻な広域にわたる拡散と高濃度の汚染の実態、幼い子供たちの内部被ばく(体内被曝)の危険性についてです。
この内部被曝を少しでも軽減させるべく、放射性物質の除染活動に懸命に勤しみ、努力している人たちがいます。放射能の恐ろしさを知っている大学教授などの学者グループです。
その一人で、東京大学教授で東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦先生が、満身の怒りを表しながら訴え、政治の無策ぶりを糾弾している映像があります。しかし、なぜなのか朝日新聞も読売新聞も、放射線障害の専門の研究者であり、医師である児玉先生が、満身で怒りを表しながら、訴えている事実を報道していません。
これは、7月27日に衆議院厚生労働委員会で、放射線医療の医者として、放射線障害の危険性を研究してきた経歴を踏まえ、参考人として意見を述べたときのYouTubeの映像です。胎児や乳幼児をはじめ、幼い子供たちの放射線による内部被ばくをたいへんに危惧し、政治の無策ぶりを糾弾している動画映像なのです。
この動画からは、児玉龍彦先生の満身の怒りと福島原発事故による放射能汚染の深刻さが見て取れます。
この動画は、今日現在のYouTubeの「人気の動画」のトップにあります。現在のアクセス数は180,751回です。タイトルとURLは次のとおりです。
『2011.07.27 国の原発対応に満身の怒り- 児玉龍彦』
URL:http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo
URLをクリックすれば、この動画にアクセスできます。
ぜひ、ご覧あれ。
この内部被曝を少しでも軽減させるべく、放射性物質の除染活動に懸命に勤しみ、努力している人たちがいます。放射能の恐ろしさを知っている大学教授などの学者グループです。
その一人で、東京大学教授で東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦先生が、満身の怒りを表しながら訴え、政治の無策ぶりを糾弾している映像があります。しかし、なぜなのか朝日新聞も読売新聞も、放射線障害の専門の研究者であり、医師である児玉先生が、満身で怒りを表しながら、訴えている事実を報道していません。
これは、7月27日に衆議院厚生労働委員会で、放射線医療の医者として、放射線障害の危険性を研究してきた経歴を踏まえ、参考人として意見を述べたときのYouTubeの映像です。胎児や乳幼児をはじめ、幼い子供たちの放射線による内部被ばくをたいへんに危惧し、政治の無策ぶりを糾弾している動画映像なのです。
この動画からは、児玉龍彦先生の満身の怒りと福島原発事故による放射能汚染の深刻さが見て取れます。
この動画は、今日現在のYouTubeの「人気の動画」のトップにあります。現在のアクセス数は180,751回です。タイトルとURLは次のとおりです。
『2011.07.27 国の原発対応に満身の怒り- 児玉龍彦』
URL:http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo
URLをクリックすれば、この動画にアクセスできます。
ぜひ、ご覧あれ。
2011年05月07日
原発事故と体内被曝の危惧
きのう(2011年5月6日)、日本政府は、菅直人首相が夕刻に緊急記者会見を開き、静岡県御前崎市の砂丘海岸に立地する浜岡原子力発電所の全ての原子炉停止を中部電力に要請したと発表しました。この発電所には、稼働中の原発2機と点検休止中の原発1機があります。
この原発は、近い将来に確実に発生する(30年以内にマグニチュード8程度の地震発生確率87%)とされている東海地震域の真上に立地しているため、最悪の事態を想定し、それを避けるためのようです。この地域は、東海地震のみならず、東南海地震、南海地震、そしてこれらが連動して発生したときに起きる懸念がある連動型地震が危惧されています。
事故レベル7と発表された東京電力の福島第一原発は、いまだ放射性物質を周辺環境に放出し続けているため、更なる放射能汚染が心配されています。海水の放射能汚染は、海流に乗って拡散しているのみならず、海底に沈殿し始めているようです。
政府は、海洋の観測地点数を今までの2倍以上に拡大して観測することを発表しました。この事故原発が放出している放射性物質には、ヨウ素131やセシウム137などのほか、ごく少量でも極めて有毒であるとされている放射性ストロンチウムなども含まれているのです。
放射性物質は、食物連鎖により、濃縮されて蓄積され、人体に取り込まれることが懸念されます。陸上で生産される農産物もさることながら、特に海洋生物である魚介類の放射能汚染が懸念されます。茨城沖で漁獲されたコウナゴ(小女子)からは未だに高濃度の放射線が検出されています。海の表層を泳ぐコウナゴは、それより大きな魚の餌となっており、大衆魚のサンマやアジ、サバ、イワシなどの好物です。
この放射能で汚染されたコウナゴを食べたそれらの大衆魚が、それより大型の回遊魚であるカツオやマグロなどの餌となり、食物連鎖により、体内に取り込まれた場合には、カツオやマグロなどにも放射能が濃縮されて蓄積することが懸念されています。これらをヒトが食べた場合には、ヒトの体内に放射性物質が取り込まれることが危惧されているのです。
また、この福島第一原発から50キロ以上も離れた地域にある幼稚園や小学校の校庭や水田や畑、牧草地などからも、高い放射線値が検出されています。校庭では子供たちが活発に動いて、放射能を帯びた砂塵などを吸い込む懸念が強いのです。
放射性物質が飲食や呼吸などを通じて、ヒトの体内に取り込まれた場合には、ごく弱いながら体内被曝が長期間に渡って起き、ヒトの染色体に異常が生じることが危惧されているのです。そして、これらは急性の症状として発現するのではなくて、年月を経過した後に現れる、晩発性の症状として発現することが多いとされているから厄介です。
そして、放射線被爆は、ヒトのDNAの遺伝情報を破損させ、染色体異常を招来させて、子々孫々までその異化した遺伝情報が残される懸念があるといわれています。
今問題となっている、焼肉店で提供されたユッケなどの生牛肉が原因で発生した集団食中毒事件では、4人が死亡しましたが、これは潜伏期間が3日から7日で発症するとされるO111という腸管出血性大腸菌による食中毒です。しかし、これは急性の症状です。
ところが、放射線の体内被爆による症状は、晩発性であることが多く、子供たちが30年、40年を過ぎてから、癌や白血病などを発症する確立が高くなることが危惧されているのです。
福島第一原発の事故は、可及的速やかに収束させ、放射能の周辺環境への放出を「終息」させてもらいたいものです。
東京大学大学院教授(放射線安全学)で内閣官房参与を務めていた小佐古教授の涙の辞意表明記者会見は、衝撃的でした。その一部映像は、次のYouTubeのURLから視聴できます。
URL: http://www.youtube.com/watch?v=1DQfFR4NsZM
また、その記者会見での発言内容は、次のURLから閲覧できます。ご参考までに・・・。
URL: http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/thisperson/110505.html
この原発は、近い将来に確実に発生する(30年以内にマグニチュード8程度の地震発生確率87%)とされている東海地震域の真上に立地しているため、最悪の事態を想定し、それを避けるためのようです。この地域は、東海地震のみならず、東南海地震、南海地震、そしてこれらが連動して発生したときに起きる懸念がある連動型地震が危惧されています。
事故レベル7と発表された東京電力の福島第一原発は、いまだ放射性物質を周辺環境に放出し続けているため、更なる放射能汚染が心配されています。海水の放射能汚染は、海流に乗って拡散しているのみならず、海底に沈殿し始めているようです。
政府は、海洋の観測地点数を今までの2倍以上に拡大して観測することを発表しました。この事故原発が放出している放射性物質には、ヨウ素131やセシウム137などのほか、ごく少量でも極めて有毒であるとされている放射性ストロンチウムなども含まれているのです。
放射性物質は、食物連鎖により、濃縮されて蓄積され、人体に取り込まれることが懸念されます。陸上で生産される農産物もさることながら、特に海洋生物である魚介類の放射能汚染が懸念されます。茨城沖で漁獲されたコウナゴ(小女子)からは未だに高濃度の放射線が検出されています。海の表層を泳ぐコウナゴは、それより大きな魚の餌となっており、大衆魚のサンマやアジ、サバ、イワシなどの好物です。
この放射能で汚染されたコウナゴを食べたそれらの大衆魚が、それより大型の回遊魚であるカツオやマグロなどの餌となり、食物連鎖により、体内に取り込まれた場合には、カツオやマグロなどにも放射能が濃縮されて蓄積することが懸念されています。これらをヒトが食べた場合には、ヒトの体内に放射性物質が取り込まれることが危惧されているのです。
また、この福島第一原発から50キロ以上も離れた地域にある幼稚園や小学校の校庭や水田や畑、牧草地などからも、高い放射線値が検出されています。校庭では子供たちが活発に動いて、放射能を帯びた砂塵などを吸い込む懸念が強いのです。
放射性物質が飲食や呼吸などを通じて、ヒトの体内に取り込まれた場合には、ごく弱いながら体内被曝が長期間に渡って起き、ヒトの染色体に異常が生じることが危惧されているのです。そして、これらは急性の症状として発現するのではなくて、年月を経過した後に現れる、晩発性の症状として発現することが多いとされているから厄介です。
そして、放射線被爆は、ヒトのDNAの遺伝情報を破損させ、染色体異常を招来させて、子々孫々までその異化した遺伝情報が残される懸念があるといわれています。
今問題となっている、焼肉店で提供されたユッケなどの生牛肉が原因で発生した集団食中毒事件では、4人が死亡しましたが、これは潜伏期間が3日から7日で発症するとされるO111という腸管出血性大腸菌による食中毒です。しかし、これは急性の症状です。
ところが、放射線の体内被爆による症状は、晩発性であることが多く、子供たちが30年、40年を過ぎてから、癌や白血病などを発症する確立が高くなることが危惧されているのです。
福島第一原発の事故は、可及的速やかに収束させ、放射能の周辺環境への放出を「終息」させてもらいたいものです。
東京大学大学院教授(放射線安全学)で内閣官房参与を務めていた小佐古教授の涙の辞意表明記者会見は、衝撃的でした。その一部映像は、次のYouTubeのURLから視聴できます。
URL: http://www.youtube.com/watch?v=1DQfFR4NsZM
また、その記者会見での発言内容は、次のURLから閲覧できます。ご参考までに・・・。
URL: http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/thisperson/110505.html
2010年08月19日
民主党は二大政党の一党になれずに沈没するのか
日本の民主党は、二大政党の一党たりえずに沈没してしまうのだろうか。今、菅直人首相が、民主党の代表戦に向けて、小沢一郎氏を排斥する方向で動いているようだ。しかし、昨年8月の総選挙で、民主党が勝利し、与党になりえた背景には、小沢一郎氏の功績があったからではないだろうか。菅直人内閣総理大臣や前原誠司国土交通大臣が主導した民主党では、総選挙の勝利という結果は導き出せなかっただろう。
菅直人首相や前原誠司国交相は、直球勝負が好きなようだが、政治の世界で直球だけを投げていたのでは、いずれ球筋が読まれ、動きが取れなくなることが目に見えている。それが今、米国との間で普天間基地問題の行く末が読めなくなっている背景にも思える。米国は、普天間基地の海兵隊約8千人をその家族約9千人と共に2014年までにグアム島に移転させることを、グアム島のインフラが整っていないことを理由に先送りする考えを示しているのだ。
それなのに、日本政府は、沖縄県の辺野古沖に米軍海兵隊の飛行場を造ろうという計画推進を変更しようとすら考えていないようだ。このままでは、普天間基地はそのままで、新たに辺野古基地という新設基地が増えるだけになってしまうのではないか。これでは日本国内に現在134箇所もある米軍基地や施設が、一箇所増えて135箇所となってしまう懸念があるのだ。それでは、沖縄の基地負担が増えるだけという結果をもたらすだけだろう。
このふらふらしているように見える民主党の方針は、菅首相の性格の現われなのかもしれない。官僚から言われるままに動いたのでは、従来の自公政権と同じになってしまうではないか。日本国民は、昨年の総選挙で民主党に、自公政権時代の政治的しがらみからの決別を期待して政権を託したのだ。民主党のマニフェストには、脱官僚政治という大きな目標が明示されていた。しかし、悲しいことに今、このマニフェストが全くの反古になりつつあるようだ。
また、先の参議院選挙で民主党が大きく得票数を減らした大きな原因の一つが、菅首相の消費税10%の導入発言であったことは、菅首相自らが認めているとおりである。首相は、財務官僚に言われるままで、ここでも直球勝負をしようとしたのであろうが、時宜を弁えない愚挙であったことは、否定し得ない事実である。
民主党の先の参議院選挙での敗退は、国民の多くが、このような菅首相の薄っぺらにも見える直球勝負に危険な臭いを感じた結果であろう。先日、菅首相が述べた、韓国に対する日本の過去の謝罪と、日本の宮内庁に保存されている文化文物を一方的に引渡すような申し出にも、その奇異さを感じた国民が多かったのではないか。それは、その行為の外交に与える影響と外交カードとしての価値を全く考慮していないように思えたからだ。
もし、それをするにしても、韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権の手柄にするなどの御膳立てがあっても良かったのではないか。そして今、菅首相が小沢一郎氏を政権中枢から外そうとしている件にも、その危険な臭いを感じる。政治は、直球勝負だけでは結果を出せない。小沢一郎氏の剛腕とも評されている政治手腕は、今の民主党にとって極めて重要であろう。
菅直人首相が小沢一郎氏外しを図るのであれば、むしろ民主党の代表の首を挿げ替えた方が、今後の民主党の党勢の維持発展のためにも、そして日本の国政のためにも良いのではないか。今、日本の国政には、内政、外交ともに強いリーダーシップが求められているのだ。小沢一郎氏が、9月の民主党代表選挙に出馬し、民主党内で従来の自公政権の方式から決別した政治方向へ、強いリーダーシップを発揮してくれることに期待したい。そして、民主党に、二大政党の一党たる確たる地位を固めてもらいたい。
菅直人首相や前原誠司国交相は、直球勝負が好きなようだが、政治の世界で直球だけを投げていたのでは、いずれ球筋が読まれ、動きが取れなくなることが目に見えている。それが今、米国との間で普天間基地問題の行く末が読めなくなっている背景にも思える。米国は、普天間基地の海兵隊約8千人をその家族約9千人と共に2014年までにグアム島に移転させることを、グアム島のインフラが整っていないことを理由に先送りする考えを示しているのだ。
それなのに、日本政府は、沖縄県の辺野古沖に米軍海兵隊の飛行場を造ろうという計画推進を変更しようとすら考えていないようだ。このままでは、普天間基地はそのままで、新たに辺野古基地という新設基地が増えるだけになってしまうのではないか。これでは日本国内に現在134箇所もある米軍基地や施設が、一箇所増えて135箇所となってしまう懸念があるのだ。それでは、沖縄の基地負担が増えるだけという結果をもたらすだけだろう。
このふらふらしているように見える民主党の方針は、菅首相の性格の現われなのかもしれない。官僚から言われるままに動いたのでは、従来の自公政権と同じになってしまうではないか。日本国民は、昨年の総選挙で民主党に、自公政権時代の政治的しがらみからの決別を期待して政権を託したのだ。民主党のマニフェストには、脱官僚政治という大きな目標が明示されていた。しかし、悲しいことに今、このマニフェストが全くの反古になりつつあるようだ。
また、先の参議院選挙で民主党が大きく得票数を減らした大きな原因の一つが、菅首相の消費税10%の導入発言であったことは、菅首相自らが認めているとおりである。首相は、財務官僚に言われるままで、ここでも直球勝負をしようとしたのであろうが、時宜を弁えない愚挙であったことは、否定し得ない事実である。
民主党の先の参議院選挙での敗退は、国民の多くが、このような菅首相の薄っぺらにも見える直球勝負に危険な臭いを感じた結果であろう。先日、菅首相が述べた、韓国に対する日本の過去の謝罪と、日本の宮内庁に保存されている文化文物を一方的に引渡すような申し出にも、その奇異さを感じた国民が多かったのではないか。それは、その行為の外交に与える影響と外交カードとしての価値を全く考慮していないように思えたからだ。
もし、それをするにしても、韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権の手柄にするなどの御膳立てがあっても良かったのではないか。そして今、菅首相が小沢一郎氏を政権中枢から外そうとしている件にも、その危険な臭いを感じる。政治は、直球勝負だけでは結果を出せない。小沢一郎氏の剛腕とも評されている政治手腕は、今の民主党にとって極めて重要であろう。
菅直人首相が小沢一郎氏外しを図るのであれば、むしろ民主党の代表の首を挿げ替えた方が、今後の民主党の党勢の維持発展のためにも、そして日本の国政のためにも良いのではないか。今、日本の国政には、内政、外交ともに強いリーダーシップが求められているのだ。小沢一郎氏が、9月の民主党代表選挙に出馬し、民主党内で従来の自公政権の方式から決別した政治方向へ、強いリーダーシップを発揮してくれることに期待したい。そして、民主党に、二大政党の一党たる確たる地位を固めてもらいたい。
2010年08月11日
ビンのフタ論とインテリジェンスの再検証
民主党の菅政権は、沖縄米海兵隊の普天間基地の移設先問題は、辺野古移設で決着を図ろうとしている。しかし、地元では反対運動が盛んだ。先の鳩山政権が進めようとした鹿児島県の徳之島移設案でも、民意は反対が大多数だった。
この際、米国には普天間基地の移転先としての受け入れを容認する自治体がないことを伝え、日本から撤退してもらうべきだろう。米国が、基地移転は地元の同意があることが条件であるとしているからだ。
そして、この際日本は、米国頼みではない独自の国防力を備え、米軍基地の縮小、撤退を早期に促すべきだろう。日本が、非核三原則を掲げながら米軍の核武装を認め、日本の安全保障を米軍の核の傘に頼ろうとするのは、米軍を道具として使い、核武装しているのと何ら変わりがない。これでは日本は、核武装の間接正犯ないしは、非核三原則違背を米国と共謀して行っている共同正犯だ。
今、米国が最も恐れているのは、日本が独自に核兵器の開発を行い、自ら核武装をして、米軍を日本から駆逐することであろう。日本の技術力をもってすれば、1〜2年で日本が核爆弾を開発し、核武装することが可能であろうからである。ミサイル技術や小型核弾頭の開発技術は、日本に十分備わっているのだ。特にナローエリア攻撃核爆弾などの開発は得意な分野だろう。
米国は、これを防ぐために、日本の国内世論に訴え、核爆弾使用の悲惨さや戦争の悲劇を煽ることで、日本に厭戦ムードを盛り上げ、武装を抑止させる方向に誘導しているように思える。しかし、米国は、核爆弾を大量に保有し、これを全面廃棄しようとはしていないのだ。
ところで、日本の安全保障は、米軍頼みの国防では心もとないのは言うまでもない。かつて、北朝鮮のミサイル発射により、ミサイルが日本列島上空を飛び越えて太平洋に落下したときの事例を考えても分かるだろう。米国は事前にこの情報を把握していながら、直ぐには日本には伝えてこなかった事実と、米軍高官のこの直後の言動からも明らかである。それは、北朝鮮ミサイルに対する迎撃は、米国に危害が及ばなければ米軍は対応しないといった言動だ。
日本の軍事力をそぎ落とす理論として、国際政治で論じられてきたものに「瓶の蓋(びんのふた)論」というのがある。これは米軍が日本に駐留することにより、日本の国防力を瓶(びん)の中に閉じ込め、日本の軍事力をなくしてしまおうという理論だ。日本の防衛力がビンの中に閉じ込められ、フタをされた結果が、戦後65年も経て日本国内に134箇所もあるとされる在日米軍基地や施設の存在なのだろうか。
多くのアジア諸国では、「日米安全保障条約により、日本の軍国主義化が防がれる」として瓶の蓋論を支持しているという。また、かつて在日米軍の司令官がそのような発言をして、物議を醸したことがあったという(参照:大江博 著、『外交と国益』、p172、2007年、NHKブックス)。
しかし、今でも日米安全保障の取り決めで、日本がこのレトリックに乗せられることにより、米国の掌(てのひら)の内で踊らされている懸念があるのだ。これには中国や北朝鮮も一体となって、日本の軍事力のそぎ落としに加担していることも想定しておく必要があるだろう。
韓国の哨戒艦が撃沈され、46人もの犠牲者がでた事件は、北朝鮮による魚雷攻撃であったと結論付けられている。しかし、これには、はなはだ疑問が残る。それは、こんな危険な挑発行為を北朝鮮がするのだろうかという疑問と、哨戒艦という敵からの攻撃を警戒するための最新装置を備えた軍艦が、何ら気付くことなく魚雷攻撃に曝されるだろうかという疑問からである。
この韓国哨戒艦の撃沈により、東アジアの軍事的緊張関係が喧伝され、在日米軍基地の存在が容認されることに、強いレトリックの臭いを感じる。日本政府は、この事件に関し、日本にもたらされたインテリジェンスを自らが再検証してみる必要があるであろう。
この際、米国には普天間基地の移転先としての受け入れを容認する自治体がないことを伝え、日本から撤退してもらうべきだろう。米国が、基地移転は地元の同意があることが条件であるとしているからだ。
そして、この際日本は、米国頼みではない独自の国防力を備え、米軍基地の縮小、撤退を早期に促すべきだろう。日本が、非核三原則を掲げながら米軍の核武装を認め、日本の安全保障を米軍の核の傘に頼ろうとするのは、米軍を道具として使い、核武装しているのと何ら変わりがない。これでは日本は、核武装の間接正犯ないしは、非核三原則違背を米国と共謀して行っている共同正犯だ。
今、米国が最も恐れているのは、日本が独自に核兵器の開発を行い、自ら核武装をして、米軍を日本から駆逐することであろう。日本の技術力をもってすれば、1〜2年で日本が核爆弾を開発し、核武装することが可能であろうからである。ミサイル技術や小型核弾頭の開発技術は、日本に十分備わっているのだ。特にナローエリア攻撃核爆弾などの開発は得意な分野だろう。
米国は、これを防ぐために、日本の国内世論に訴え、核爆弾使用の悲惨さや戦争の悲劇を煽ることで、日本に厭戦ムードを盛り上げ、武装を抑止させる方向に誘導しているように思える。しかし、米国は、核爆弾を大量に保有し、これを全面廃棄しようとはしていないのだ。
ところで、日本の安全保障は、米軍頼みの国防では心もとないのは言うまでもない。かつて、北朝鮮のミサイル発射により、ミサイルが日本列島上空を飛び越えて太平洋に落下したときの事例を考えても分かるだろう。米国は事前にこの情報を把握していながら、直ぐには日本には伝えてこなかった事実と、米軍高官のこの直後の言動からも明らかである。それは、北朝鮮ミサイルに対する迎撃は、米国に危害が及ばなければ米軍は対応しないといった言動だ。
日本の軍事力をそぎ落とす理論として、国際政治で論じられてきたものに「瓶の蓋(びんのふた)論」というのがある。これは米軍が日本に駐留することにより、日本の国防力を瓶(びん)の中に閉じ込め、日本の軍事力をなくしてしまおうという理論だ。日本の防衛力がビンの中に閉じ込められ、フタをされた結果が、戦後65年も経て日本国内に134箇所もあるとされる在日米軍基地や施設の存在なのだろうか。
多くのアジア諸国では、「日米安全保障条約により、日本の軍国主義化が防がれる」として瓶の蓋論を支持しているという。また、かつて在日米軍の司令官がそのような発言をして、物議を醸したことがあったという(参照:大江博 著、『外交と国益』、p172、2007年、NHKブックス)。
しかし、今でも日米安全保障の取り決めで、日本がこのレトリックに乗せられることにより、米国の掌(てのひら)の内で踊らされている懸念があるのだ。これには中国や北朝鮮も一体となって、日本の軍事力のそぎ落としに加担していることも想定しておく必要があるだろう。
韓国の哨戒艦が撃沈され、46人もの犠牲者がでた事件は、北朝鮮による魚雷攻撃であったと結論付けられている。しかし、これには、はなはだ疑問が残る。それは、こんな危険な挑発行為を北朝鮮がするのだろうかという疑問と、哨戒艦という敵からの攻撃を警戒するための最新装置を備えた軍艦が、何ら気付くことなく魚雷攻撃に曝されるだろうかという疑問からである。
この韓国哨戒艦の撃沈により、東アジアの軍事的緊張関係が喧伝され、在日米軍基地の存在が容認されることに、強いレトリックの臭いを感じる。日本政府は、この事件に関し、日本にもたらされたインテリジェンスを自らが再検証してみる必要があるであろう。
2009年12月22日
民主党とメディア戦略
民主党は、この夏の総選挙で素晴らしいマニフェスト(政権公約)を掲げて戦った。そして、多くの国民が、このマニフェストを評価し、民主党を支持した結果、民主党に大勝がもたらされたのだ。
しかし民主党は政権発足後、100日にも満たないうちに、このマニフェスト破りを当然の如く行おうとしているようである。民主党は、きのう、ガソリン税等の暫定税率の撤廃をしないで、それを維持することを発表した。それより以前には、高速道路の無料化の公約を反故(ほご)にすることも発表している。
なぜ、こうも簡単に民主党は、マニフェスト違背を行おうとするのであろうか。これでは、すこぶるイメージが悪い。いかに正当な意見があろうとも、マニフェストは政権公約なのであるから、守ることが求められる。選挙戦において、掲げられた政権公約なのだ。
民主党は、どうしてこの政権公約を履行しようとする姿勢を見せられないのだろうか。これでは、国民は何を信じて政党を選べばよいのか戸惑うであろう。そして、次の選挙戦では、民主党には厳しい目が注がれるであろう。それは、民主党に対抗する勢力側にとっては、望むところであろう。
これは、民主党がメディアの世論調査結果等に踊らされている結果なのであろうか。一部の国民は、マニフェストに反しても良いというような意見を言ったり、車を使用しないからガソリン税等の暫定税率は撤廃しなくても良いと言ったりするかも知れない。また、高速道路は利用しないので、無料化は必要ないと言うかも知れない。そして、これが国の財政にとって良いのではと言うかも知れない。
しかし、そんなことは、マニフェストを掲げる前から分かっていたことである。今、ここで民主党にとって大事なことは、政権公約を守ろうとする姿勢を見せることだ。このままでは、メディアに叩かれ、国民の目線が厳しくなり、多くの国民の支持を失うことが目に見えている。
民主党が、いかに正論を吐いて国政の健全な運営を模索していようとも、イメージの悪化は避けなければならない。民主党は、メディア戦略が陳腐過ぎるのではないか。正論を述べても、多くの国民を説得することは困難であることは、民主党が長い野党時代を経験していて分かっている筈(はず)である。
そして、政府が子育て支援関連の補助をするにも、所得制限は設けるべきである。それは、国民に所得の再配分機能を政府が行うという姿勢を明示することになるからだ。多くの国民は、民主党に格差是正の政策も期待しているのだ。
ここは、たとえ政権公約実行に無駄な費用が掛かろうとも、民主党が公約を実行する姿勢を見せなければ、国民は離反していくであろう。財源論と公約の履行は、別次元の問題である。政権発足後、100日も経たないうちには、政権公約の履行が優先するのではないか。
民主党は、他の政党やメディアの術中に嵌って、国民の離反を招くべきではない。そして、この離反を期待している多くの対抗勢力があることを忘れてはならない。民主党は、国民の期待を裏切らないためにも、ここはしっかりとやるべきである。
しかし民主党は政権発足後、100日にも満たないうちに、このマニフェスト破りを当然の如く行おうとしているようである。民主党は、きのう、ガソリン税等の暫定税率の撤廃をしないで、それを維持することを発表した。それより以前には、高速道路の無料化の公約を反故(ほご)にすることも発表している。
なぜ、こうも簡単に民主党は、マニフェスト違背を行おうとするのであろうか。これでは、すこぶるイメージが悪い。いかに正当な意見があろうとも、マニフェストは政権公約なのであるから、守ることが求められる。選挙戦において、掲げられた政権公約なのだ。
民主党は、どうしてこの政権公約を履行しようとする姿勢を見せられないのだろうか。これでは、国民は何を信じて政党を選べばよいのか戸惑うであろう。そして、次の選挙戦では、民主党には厳しい目が注がれるであろう。それは、民主党に対抗する勢力側にとっては、望むところであろう。
これは、民主党がメディアの世論調査結果等に踊らされている結果なのであろうか。一部の国民は、マニフェストに反しても良いというような意見を言ったり、車を使用しないからガソリン税等の暫定税率は撤廃しなくても良いと言ったりするかも知れない。また、高速道路は利用しないので、無料化は必要ないと言うかも知れない。そして、これが国の財政にとって良いのではと言うかも知れない。
しかし、そんなことは、マニフェストを掲げる前から分かっていたことである。今、ここで民主党にとって大事なことは、政権公約を守ろうとする姿勢を見せることだ。このままでは、メディアに叩かれ、国民の目線が厳しくなり、多くの国民の支持を失うことが目に見えている。
民主党が、いかに正論を吐いて国政の健全な運営を模索していようとも、イメージの悪化は避けなければならない。民主党は、メディア戦略が陳腐過ぎるのではないか。正論を述べても、多くの国民を説得することは困難であることは、民主党が長い野党時代を経験していて分かっている筈(はず)である。
そして、政府が子育て支援関連の補助をするにも、所得制限は設けるべきである。それは、国民に所得の再配分機能を政府が行うという姿勢を明示することになるからだ。多くの国民は、民主党に格差是正の政策も期待しているのだ。
ここは、たとえ政権公約実行に無駄な費用が掛かろうとも、民主党が公約を実行する姿勢を見せなければ、国民は離反していくであろう。財源論と公約の履行は、別次元の問題である。政権発足後、100日も経たないうちには、政権公約の履行が優先するのではないか。
民主党は、他の政党やメディアの術中に嵌って、国民の離反を招くべきではない。そして、この離反を期待している多くの対抗勢力があることを忘れてはならない。民主党は、国民の期待を裏切らないためにも、ここはしっかりとやるべきである。
2009年11月11日
国防力と日本国憲法の修正条項
一国の国防としての安全保障は、ハード面で装備や人員を整えるだけばかりではない。ソフト面で国際関係を構築していくこともその一つである。これには、一般外交や民間外交、経済取引などを通して、その関係を深化させていくことも、それに貢献するであろう。
そして、ソフト面としては、他国のメディアや世論に働きかけ、戦争の悲惨さを訴え、軍備を整えることを敬遠させ、他国が戦争を仕掛けることを遠ざけることで、自国の安全保障対策としての、ある一定の効果を上げることもできるであろう。この後者のソフト面の安全保障対策は、日本も対外的に積極的に活動して行かねばならない分野である。
しかし、この分野では、日本は、近隣の東アジアの国々や米国から、してやられているのではないかと思う。それは、教科書の記述や歴史認識を問題にされることであったり、戦争の放棄を規定する日本国憲法第9条の条文解釈を通してであったり、また、米国との安全保障に関する取り決めがあり、核の傘に守られていることを喧伝することなどによってである。
ところで、自然人に正当防衛や緊急避難が認められているように、国家にもこれらが認められる。国家には、国家主権を他国から侵略された場合には、正当防衛として、当然、自衛の権利がある。また、当然、緊急避難が認められる。
主権国家が、これらの自己防衛の行為をするには、自衛のための国防力や戦闘能力は、最小限必要である。これは、現在の国際社会の治安や秩序を維持するための国際的な警察機構というものが無い以上、主権国家として自衛のため当然備えるべき軍備を含む人的組織が必要ということであり、いうなれば国防力が必要ということである。つまり、主権国家には国防力を備えた軍隊が必要なのである。
そして、これをその国の言葉で自衛隊と呼ぼうが軍隊と呼ぼうが、その実態は国防のための軍隊なのである。主権国家が、主権を維持するためには、他国からの侵略や侵害を許してはならない。これを一度許したり、宥恕したりすれば、その後の外交交渉に大きな負担をかけることになるからである。また、これを放置すれば、一国の存立すら危うくすることもあるであろう。中国や北朝鮮が、国家の記念行事のたびに国防力を誇示するのには、それなりの理由があるのだ。
ところが日本は、最近、中国が東シナ海のEEZライン付近を実行支配し始め、天然ガスの採掘基地を設け、それを採掘し続けている事態を阻止できないでいる。これに関し、日本政府は、中国に譲歩案を提示し、共同開発することを提案して条約締結を働きかけたが、中国はこれを無視し続けている。天然ガスやオイルサンドの鉱脈は、境界付近に留まらず、隣国側に深く入っている場合がある。これを中国は不法にも採掘し続けているのだ。これには、米国にも他人事であり、日本を擁護するという姿勢は感じられない。ここには米国との安全保障の取り決めが機能していないのだ。
この米国との安全保障の取り決めでは、米国は日本の安全保障に「寄与」するとしている。「寄与」とは「貢献」と同意義語であり、慈善事業者がその目的に使う「貢献」と同義である。ここで確認しておかなければならないのは、米国は、日本国内に米軍基地や米軍施設を134箇所も存在させていながら、それは米国の「義務」ではないということなのだ。さらに問題なのは、今の米国には、中国に嫌われてまで日本に「寄与」することなどは考えられない、ということである。それは、今の景気低迷する米国には、中国に敵対できないほどの、中国に対する深い経済的依存関係が存在するからである。今、米国債の最大の保有者は中国なのだ。
以上のような日本を取り巻く国際社会の現状を考えるならば、日本は、安全保障政策を再構築することが必要であろう。それにはまず、防衛力を行使することや、自衛のための装備を整えることの足枷(あしかせ)となっている日本国憲法9条を改正すべきであろう。そして、日本国憲法の改正は、その全面改正を考えるから難しくなるのであるから、部分的な修正条項として改正すべきであろう。これは、アメリカ合衆国憲法が、初期に制定された憲法を生かしながら、アメンドメント(修正条項)を加えながら、現在に適応させている例を習うべきである。
すなわち、平和国家を目指し、戦争の放棄を模索してきた日本国憲法の主旨を生かしながら、自衛のための戦争と紛争解決のための武力の行使、および国際社会における共同安全保障のため、また、集団的自衛権の行使のためには、軍隊を使用することの必要性を認め、これらを日本国憲法の修正条項として正面から認めていく必要がある、と考えられるのである。そして、日本も国防力を誇示して、他国からの侵略や侵害を未然に防ぐ備えとしたい。さらに、米軍の日本での基地縮小と撤退のための、条件整備の基礎固めとしたい。ここは、与党、民主党の政策実行に大いに期待されるところである。
そして、ソフト面としては、他国のメディアや世論に働きかけ、戦争の悲惨さを訴え、軍備を整えることを敬遠させ、他国が戦争を仕掛けることを遠ざけることで、自国の安全保障対策としての、ある一定の効果を上げることもできるであろう。この後者のソフト面の安全保障対策は、日本も対外的に積極的に活動して行かねばならない分野である。
しかし、この分野では、日本は、近隣の東アジアの国々や米国から、してやられているのではないかと思う。それは、教科書の記述や歴史認識を問題にされることであったり、戦争の放棄を規定する日本国憲法第9条の条文解釈を通してであったり、また、米国との安全保障に関する取り決めがあり、核の傘に守られていることを喧伝することなどによってである。
ところで、自然人に正当防衛や緊急避難が認められているように、国家にもこれらが認められる。国家には、国家主権を他国から侵略された場合には、正当防衛として、当然、自衛の権利がある。また、当然、緊急避難が認められる。
主権国家が、これらの自己防衛の行為をするには、自衛のための国防力や戦闘能力は、最小限必要である。これは、現在の国際社会の治安や秩序を維持するための国際的な警察機構というものが無い以上、主権国家として自衛のため当然備えるべき軍備を含む人的組織が必要ということであり、いうなれば国防力が必要ということである。つまり、主権国家には国防力を備えた軍隊が必要なのである。
そして、これをその国の言葉で自衛隊と呼ぼうが軍隊と呼ぼうが、その実態は国防のための軍隊なのである。主権国家が、主権を維持するためには、他国からの侵略や侵害を許してはならない。これを一度許したり、宥恕したりすれば、その後の外交交渉に大きな負担をかけることになるからである。また、これを放置すれば、一国の存立すら危うくすることもあるであろう。中国や北朝鮮が、国家の記念行事のたびに国防力を誇示するのには、それなりの理由があるのだ。
ところが日本は、最近、中国が東シナ海のEEZライン付近を実行支配し始め、天然ガスの採掘基地を設け、それを採掘し続けている事態を阻止できないでいる。これに関し、日本政府は、中国に譲歩案を提示し、共同開発することを提案して条約締結を働きかけたが、中国はこれを無視し続けている。天然ガスやオイルサンドの鉱脈は、境界付近に留まらず、隣国側に深く入っている場合がある。これを中国は不法にも採掘し続けているのだ。これには、米国にも他人事であり、日本を擁護するという姿勢は感じられない。ここには米国との安全保障の取り決めが機能していないのだ。
この米国との安全保障の取り決めでは、米国は日本の安全保障に「寄与」するとしている。「寄与」とは「貢献」と同意義語であり、慈善事業者がその目的に使う「貢献」と同義である。ここで確認しておかなければならないのは、米国は、日本国内に米軍基地や米軍施設を134箇所も存在させていながら、それは米国の「義務」ではないということなのだ。さらに問題なのは、今の米国には、中国に嫌われてまで日本に「寄与」することなどは考えられない、ということである。それは、今の景気低迷する米国には、中国に敵対できないほどの、中国に対する深い経済的依存関係が存在するからである。今、米国債の最大の保有者は中国なのだ。
以上のような日本を取り巻く国際社会の現状を考えるならば、日本は、安全保障政策を再構築することが必要であろう。それにはまず、防衛力を行使することや、自衛のための装備を整えることの足枷(あしかせ)となっている日本国憲法9条を改正すべきであろう。そして、日本国憲法の改正は、その全面改正を考えるから難しくなるのであるから、部分的な修正条項として改正すべきであろう。これは、アメリカ合衆国憲法が、初期に制定された憲法を生かしながら、アメンドメント(修正条項)を加えながら、現在に適応させている例を習うべきである。
すなわち、平和国家を目指し、戦争の放棄を模索してきた日本国憲法の主旨を生かしながら、自衛のための戦争と紛争解決のための武力の行使、および国際社会における共同安全保障のため、また、集団的自衛権の行使のためには、軍隊を使用することの必要性を認め、これらを日本国憲法の修正条項として正面から認めていく必要がある、と考えられるのである。そして、日本も国防力を誇示して、他国からの侵略や侵害を未然に防ぐ備えとしたい。さらに、米軍の日本での基地縮小と撤退のための、条件整備の基礎固めとしたい。ここは、与党、民主党の政策実行に大いに期待されるところである。
2009年09月17日
フライホイールの順回転と国際貢献
日本のGDPに60%以上の割合で寄与している内需が低迷している。これは、外需依存の経済政策を至上のものとしてきた従来の自公政権の施策の結果であろう。現在の経済状況は、経済のフライホイール(弾み車)が逆回転しているかのようだ。景気が沈んでいる。
経済は、財貨の移動、循環によって活性化する。これに今、即効性がある政策は、国民の懐を豊かにし、消費性向を活性化することである。しかし今、多くの国民が将来に不安を感じ、消費生活に極めて消極的で受動的な、生活防衛的な動きに徹している。市場に物やサービスが溢れているにもかかわらず、国民は物を買わないし、物が売れない。また、サービスも利用しない。
これを活性化させる対策には、健全な社会保障政策による将来の不安の払拭と、国民の可処分所得の平均的な底上げが必要である。特に低所得者の中でも、日常の生活に困窮する人々への可処分所得を増やすことに即効性があるであろう。これが増えれば、即、購買力に繋がるからだ。つまり、物が売れ、サービスが利用され、内需が拡大するのだ。
このような一見、地味と思われるような経済政策によって、経済のフライホイールを順回転させ、徐々にそれに弾みをつけて、加速させることが必要だ。これには民主党が主唱する子育て支援の施策や高校の授業料の無料化などの対策も有効だ。高速道路の原則無料化やガソリンの暫定税率の廃止などもその効果を上げるであろう。
経済のフライホイールが順回転して、ある程度の勢いで回りだせば、景気は自ずと上向く。景況感もよくなるであろう。しかし、逆回転したり、停止したりしているフライホイールを順回転させるのには、抵抗が大きく働き、相当な力が必要だ。
また、政策を通じて所得の再配分を適正に行うことも重要だ。一部の者に富を集中させて、実体経済から離反した金融市場で泡(あぶく)を膨らませるという愚を繰り返させてはならない。
従来の自公政権がとってきた小泉−竹中路線といわれる、いわゆる新自由主義経済路線は、国内に個人間の貧富の差を増大させ、地域間格差を増幅させてきた。一部の者の富のおこぼれに預かっても、貧者は貧者のままで、一層経済格差が大きくなることが実証されてきたのだ。これは竹中平蔵氏の説が間違いであったことを証明している。
きのう発足した民主党を中心とする与党政権には、人知を結集して、即効性と実効性のある積極果敢な経済対策をとることよって、この経済のフライホイールに徐々に弾みをつけ、スムーズな順回転に導くことに期待したい。そうすれば、内需が拡大し、国内景気は徐々に上向くことであろう。
このようにして、日本の国内の景気が回復すれば、これが世界経済にも良い影響を与える。すなわち、これが国際貢献にも繋がるのだ。
経済は、財貨の移動、循環によって活性化する。これに今、即効性がある政策は、国民の懐を豊かにし、消費性向を活性化することである。しかし今、多くの国民が将来に不安を感じ、消費生活に極めて消極的で受動的な、生活防衛的な動きに徹している。市場に物やサービスが溢れているにもかかわらず、国民は物を買わないし、物が売れない。また、サービスも利用しない。
これを活性化させる対策には、健全な社会保障政策による将来の不安の払拭と、国民の可処分所得の平均的な底上げが必要である。特に低所得者の中でも、日常の生活に困窮する人々への可処分所得を増やすことに即効性があるであろう。これが増えれば、即、購買力に繋がるからだ。つまり、物が売れ、サービスが利用され、内需が拡大するのだ。
このような一見、地味と思われるような経済政策によって、経済のフライホイールを順回転させ、徐々にそれに弾みをつけて、加速させることが必要だ。これには民主党が主唱する子育て支援の施策や高校の授業料の無料化などの対策も有効だ。高速道路の原則無料化やガソリンの暫定税率の廃止などもその効果を上げるであろう。
経済のフライホイールが順回転して、ある程度の勢いで回りだせば、景気は自ずと上向く。景況感もよくなるであろう。しかし、逆回転したり、停止したりしているフライホイールを順回転させるのには、抵抗が大きく働き、相当な力が必要だ。
また、政策を通じて所得の再配分を適正に行うことも重要だ。一部の者に富を集中させて、実体経済から離反した金融市場で泡(あぶく)を膨らませるという愚を繰り返させてはならない。
従来の自公政権がとってきた小泉−竹中路線といわれる、いわゆる新自由主義経済路線は、国内に個人間の貧富の差を増大させ、地域間格差を増幅させてきた。一部の者の富のおこぼれに預かっても、貧者は貧者のままで、一層経済格差が大きくなることが実証されてきたのだ。これは竹中平蔵氏の説が間違いであったことを証明している。
きのう発足した民主党を中心とする与党政権には、人知を結集して、即効性と実効性のある積極果敢な経済対策をとることよって、この経済のフライホイールに徐々に弾みをつけ、スムーズな順回転に導くことに期待したい。そうすれば、内需が拡大し、国内景気は徐々に上向くことであろう。
このようにして、日本の国内の景気が回復すれば、これが世界経済にも良い影響を与える。すなわち、これが国際貢献にも繋がるのだ。
2009年09月01日
民主党圧勝後の政策と安全保障
民主党が、総選挙で衆議院の308議席を獲得し、自民党に圧勝した。これまで長い間、与党政権として君臨してきた自民党と公明党が大敗を喫したのだ。
これは、国民がこれまでの与党であった自公政権に対し、ノーを突きつけた結果である。自民党の小泉・竹中路線と言われた新自由主義経済路線は、富めるものと貧しいものの格差を増幅させ、また、地域社会に格差を増幅させてきた。
農村や山村の地域経済を疲弊させた結果、地域のコミュニティーが崩壊している。また、都市部でも仕事につけない人たちが増え、個人をとりまく人間関係を希薄にさせ、社会不安を増大させてきた。
そして、その小泉・竹中路線を引き継いだ自民党の3人もの内閣総理大臣が、国民の信を問うことも無く、漫然と前例を踏襲し、政治を行ってきたのだ。
これは、道路行政であったり、大型土建プロジェクトであったり、また、特別行政法人に対する手厚い予算配分であったりしてきた。国民の税金が、莫大な金額で無駄に使われてきたのだ。
その結果、福祉関連予算が削減され、年金や福祉や医療、介護の分野に苦渋を強いて、国民の健康や安全や安心が大きく揺らいできだのだ。自殺者が増えて(日本では毎年3万人以上もの国民が自殺で死亡し、先進7カ国中で自殺死亡率がトップである)、麻薬や覚せい剤などの違法薬物依存者が増えた。そして、万引きや引ったくり、強盗事件が増え、治安が悪くなってきた。
なぜ、日本の治安を悪化させ、国民を無視したかのような政治が行われてきたのか。それは、政官業が癒着して、その意向に特に配慮した政治が行われてきたからだ。それへの予算配分を手厚くしてきた。自公政権は、政官業からの働きかけには良く反応したが、一般の国民からの働きかけには、無視するか冷たく反応することで、結果として国民の生活に犠牲を強いたのだ。
こんな自公政権の一般国民を無視しているようかの政治にノーを突きつけたのが、今回の衆議院選挙での民主党の大勝であり、自民党と公明党の大敗である。
今後は、民主党は今までの野党勢力を結集させて、より良い政策を模索すべきである。それには、共産党や社民党、国民新党などの意向も汲み上げて、できるだけ尊重し、自公政権の負の遺産を取り除くことから始めなくてはならないだろう。これは、国民世論に応えるための丁寧な説明と対応が求められるからである。
しかし、各党の意見が整わないからと言って、安全保障をないがしろにしてはならない。国民の安心・安全のためには、国防力も必要だ。これは、世界各国の警察に武器を持たない警察が無いように、現実には自国の国防のために武器を持たないで安全を維持できることは、考えられないからである。
現在は、国際社会を安泰にするための国際警察というものは無いのだ。これは、武力抗争を伴う国際紛争が多発している現状を見れば分かるが、国際紛争には国連も十分には機能していないのである。
そうである以上、核兵器を武器とする軍事国家に取り囲まれている日本には、国防力としては、現状では核の傘も必要だろう。つまり、現時点では日本は、米国の同盟国として、国防力の補完関係は必要な選択である。
しかし、今後は日本も、独自の国防力の保持に努力する必要がある。同盟国であるからと言っても、輸入している航空機のコントロール装置やコンピュータの基本ソフトが、ブラックボックスで提供されているなどの不都合は取り除く必要があるのだ。これらの自国の産業を育成するためには、武器輸出三原則などの見直しも必要であろう。
またこれには、航空機やコンピュータのシステムやプログラムも、国家的プロジェクトとして独自路線で開発することが急務であろう。日本の国防力には、日本の技術力と工業力を十分に活用すべきなのである。
また、自衛隊の指揮・コントロールの機能を米軍と共有するなどの、国家としての自己防衛機能を無視したような方策は改める必要があるのだ。人体に例えれば、個体において免疫機能を他人と共有するなどはないのだ。自己防衛機能は、他人とは相容れないからだ。この構図は国家も同様である。
国際社会における正当防衛や緊急避難にも、その行為を行うには、独自の防衛力が必要なのだ。安全保障では、理想論に走ることなく、現実路線で国民の安心と安全を確保してもらいたいものである。
これは、国民がこれまでの与党であった自公政権に対し、ノーを突きつけた結果である。自民党の小泉・竹中路線と言われた新自由主義経済路線は、富めるものと貧しいものの格差を増幅させ、また、地域社会に格差を増幅させてきた。
農村や山村の地域経済を疲弊させた結果、地域のコミュニティーが崩壊している。また、都市部でも仕事につけない人たちが増え、個人をとりまく人間関係を希薄にさせ、社会不安を増大させてきた。
そして、その小泉・竹中路線を引き継いだ自民党の3人もの内閣総理大臣が、国民の信を問うことも無く、漫然と前例を踏襲し、政治を行ってきたのだ。
これは、道路行政であったり、大型土建プロジェクトであったり、また、特別行政法人に対する手厚い予算配分であったりしてきた。国民の税金が、莫大な金額で無駄に使われてきたのだ。
その結果、福祉関連予算が削減され、年金や福祉や医療、介護の分野に苦渋を強いて、国民の健康や安全や安心が大きく揺らいできだのだ。自殺者が増えて(日本では毎年3万人以上もの国民が自殺で死亡し、先進7カ国中で自殺死亡率がトップである)、麻薬や覚せい剤などの違法薬物依存者が増えた。そして、万引きや引ったくり、強盗事件が増え、治安が悪くなってきた。
なぜ、日本の治安を悪化させ、国民を無視したかのような政治が行われてきたのか。それは、政官業が癒着して、その意向に特に配慮した政治が行われてきたからだ。それへの予算配分を手厚くしてきた。自公政権は、政官業からの働きかけには良く反応したが、一般の国民からの働きかけには、無視するか冷たく反応することで、結果として国民の生活に犠牲を強いたのだ。
こんな自公政権の一般国民を無視しているようかの政治にノーを突きつけたのが、今回の衆議院選挙での民主党の大勝であり、自民党と公明党の大敗である。
今後は、民主党は今までの野党勢力を結集させて、より良い政策を模索すべきである。それには、共産党や社民党、国民新党などの意向も汲み上げて、できるだけ尊重し、自公政権の負の遺産を取り除くことから始めなくてはならないだろう。これは、国民世論に応えるための丁寧な説明と対応が求められるからである。
しかし、各党の意見が整わないからと言って、安全保障をないがしろにしてはならない。国民の安心・安全のためには、国防力も必要だ。これは、世界各国の警察に武器を持たない警察が無いように、現実には自国の国防のために武器を持たないで安全を維持できることは、考えられないからである。
現在は、国際社会を安泰にするための国際警察というものは無いのだ。これは、武力抗争を伴う国際紛争が多発している現状を見れば分かるが、国際紛争には国連も十分には機能していないのである。
そうである以上、核兵器を武器とする軍事国家に取り囲まれている日本には、国防力としては、現状では核の傘も必要だろう。つまり、現時点では日本は、米国の同盟国として、国防力の補完関係は必要な選択である。
しかし、今後は日本も、独自の国防力の保持に努力する必要がある。同盟国であるからと言っても、輸入している航空機のコントロール装置やコンピュータの基本ソフトが、ブラックボックスで提供されているなどの不都合は取り除く必要があるのだ。これらの自国の産業を育成するためには、武器輸出三原則などの見直しも必要であろう。
またこれには、航空機やコンピュータのシステムやプログラムも、国家的プロジェクトとして独自路線で開発することが急務であろう。日本の国防力には、日本の技術力と工業力を十分に活用すべきなのである。
また、自衛隊の指揮・コントロールの機能を米軍と共有するなどの、国家としての自己防衛機能を無視したような方策は改める必要があるのだ。人体に例えれば、個体において免疫機能を他人と共有するなどはないのだ。自己防衛機能は、他人とは相容れないからだ。この構図は国家も同様である。
国際社会における正当防衛や緊急避難にも、その行為を行うには、独自の防衛力が必要なのだ。安全保障では、理想論に走ることなく、現実路線で国民の安心と安全を確保してもらいたいものである。
2008年07月23日
凄くインパクトが強い『拒否できない日本』と『アメリカの世界戦略』
新書版として発行されながら、学術書としても使え、凄くインパクトの強い内容の文献2点をここに紹介する。これら文献は、日本が世界の中に置かれている立場を考えるため、そして、その置かれた窮状の打開策を考えるために、たいへん参考になる文献である。
日本は、かの超大国の泥舟に同乗していては、一緒に沈没し、国民は溺死してしまう恐れがある。これは、日本が、かの超大国の同盟国として、国防や安全保障の点でも、かの超大国に大きく傾斜、依存し、また、経済政策や社会政策の点でも、日本の国情をかの超大国の国情と一致させるべく共同歩調をとっているように見えるからだ。
かの超大国がいいと主張し、提唱する経済システムは、今やほとんどが機能不全状態である。そして、かの超大国では、金融工学博士なる、まやかしの理論構築者が跋扈するウォール・ストリートは、今や心不全状態である。自然科学の世界には「エネルギー不変の法則」というのがある。しかし、経済システムでは、これを否定しているかのようである。デリバティブ取引や商品先物取引で、存在しない貨幣価値を作り出し、それに見合った資金流通量を市場に供給する。そして「投資」と称する「投機」を煽る。そんなことをしていたら、いずれ経済は破綻し、世界は大不況にみまわれるであろう。最後にババを引くのは誰であろうか。国土が狭く、資源に恵まれない日本などが一番の被害者になるのではないか。
かの超大国では、ニューヨークのマーカンタイル取引所で、テキサス地域で取れる中質油であるWTIの先物取引に、実際の産出日量の100倍を超える架空取引を行わせ、これが世界の原油市場の取引価格の指標となり、世界的バブルを煽っているように見える。また、例えば競馬の勝ち馬の出る確率に掛けるみたいな、実際の勝敗からかけ離れた、つまり、派生したゲームを作り出し、これを「デリバティブ取引」なる、さも合法化されたシステムであるかのように主唱して、投機目的物を作り出すなど、架空世界の取引を、さも実体的な取引であるかのごとく仮装し、煽っているように見える。これらの取引は、一世代前から考えれば、詐欺罪などの犯罪構成要件を充足する内容に思える。これらが、なぜ、犯罪でなくなってしまったのであろうか。
世界的な原油高騰や食料高騰の中で、また、かの超大国が震源地となっているサブプライム問題やバブル崩壊の景況悪化の中で、かの超大国の泥舟に同乗していて、一緒に沈没するのを已むなしとしていてよいのであろうか。
日米構造協議や日米経済協議などを通して、かの超大国から日本に突きつけられた様々な要求により、日本は、固有の伝統や文化、社会構造や人的関係までもが、ずたずたにされ、経済システムのみならず、頻発する無差別殺傷事件などの凶悪事件に象徴されるように社会システムまでもが、ずたずたに切り裂かれ、破壊されているように思えるのだ。これは、かの超大国が主張するグローバル・スタンダードという価値観が、日本の伝統や文化を破壊し、日本の安定していた繁栄と平和を基礎から突き崩していると考えるからだ。
日本政府は、この超大国の要求に対して、それに沿うべく様々な努力をしてきた。それは、あたかもかの超大国の主張や要求がまるで金科玉条であるかのごとくに、また、その主張に対する日本の国家としての意地をかなぐり捨てたがごとくに、唯々諾々(いいだくだく)として追従しているように見えるのだ。
後記(1)の文献は、これに関し、アメリカが日本に突きつけた様々な要求を、アメリカで公開された公文書で検証しながら、「アメリカの日本改造が進んでいる」と表現している。そして、その要求の背景にある、かの超大国のロビイスト(政治圧力団体)や、その目論見をも解析している。
そして、東西冷戦の終結後、かの超大国の外交姿勢に対しては、世界の多くの国際政治学者から、単独行動主義である、とか、一国行動主義であるとの批判がなされている。この単独行動主義は、かの超大国の世界戦略の帰結である。
後記(2)の文献は、これに関し、サブタイトルを「戦争はどう利用されるのか」として、かの超大国が戦争を仕掛ける動機やプロセスなどにもメスを入れ、解析している。
(1)2004年4月 『拒否できない日本(アメリカの日本改造が進んでいる)』 関岡英之 著、文春新書、\700(税別)、文芸春秋社
この本のカバーの袖には、次のように書かれている。
―――建築基準法の改正や半世紀ぶりの商法大改正、公正取引委員会の規制強化、弁護士業の自由化や様々な司法改革・・・・。
これらはすべてアメリカ政府が彼らの国益のために日本政府に要求して実現させたもので、アメリカの公文書には実に率直にそう明記されている。近年の日米関係のこの不可解なメカニズムのルーツを探り、様々な分野で日本がアメリカに都合のいい社会に変えられて来た経緯を、アメリカの公文書に則して明快平易に描く。―――
著者の関岡英之氏は、異色の経歴を持つ。この本では、大学法学部を卒業後、銀行で国際金融取引などをした知識と経験を踏まえ、また、その後、大学院で建築に関する工学を研究した学識と経験を踏まえて、明快で言葉巧みな表現により、日本の置かれた立場を検証し、解析している。現在は、評論家として活躍し、大学客員教授をしている。
(2)2008年3月 『アメリカの世界戦略(戦争はどう利用されるのか)』
菅 英輝 著、中公新書、\780(税別)、中央公論新社
この本のカバーの袖には、次のように書かれている。
―――2003年3月、ブッシュ政権は対イラク戦争に踏み切った。世界の平和と安全を説く国がなぜ先制攻撃を仕掛けるのか。そこには、冷戦終結後、EUと中国の挑戦を受けるなか、圧倒的な経済力と軍事力をもとに世界一極支配を目指すアメリカの戦略がある。本書では朝鮮戦争からヴェトナム戦争、そして「ブッシュの戦争」に至るアメリカ式戦争の特徴と問題点を、政策決定者たちの証言を交えて分析し、「帝国」の今後を展望する。―――
この本の著者、菅 英輝氏は大学教授である。この文献は正規の学術論文としての体裁をとっているため、表現が難解に感じられる部分もあるかも知れない。しかし、この文献は、目次を見て、興味を持てるタイトルの章から読み進めると、分かりやすいであろう。巻末の「アメリカの戦争」という関連年表も参考にしたい。
これらの文献は、新書版であり、廉価であるうえ、ボリュームも少ないが、それぞれが名著であり、学術書である。日本の今を取り巻く安全保障問題や国際間の経済問題などの世界情勢を考えるうえでも、ぜひ、読んで参考にしていだだきたいと思う。
日本は、かの超大国の泥舟に同乗していては、一緒に沈没し、国民は溺死してしまう恐れがある。これは、日本が、かの超大国の同盟国として、国防や安全保障の点でも、かの超大国に大きく傾斜、依存し、また、経済政策や社会政策の点でも、日本の国情をかの超大国の国情と一致させるべく共同歩調をとっているように見えるからだ。
かの超大国がいいと主張し、提唱する経済システムは、今やほとんどが機能不全状態である。そして、かの超大国では、金融工学博士なる、まやかしの理論構築者が跋扈するウォール・ストリートは、今や心不全状態である。自然科学の世界には「エネルギー不変の法則」というのがある。しかし、経済システムでは、これを否定しているかのようである。デリバティブ取引や商品先物取引で、存在しない貨幣価値を作り出し、それに見合った資金流通量を市場に供給する。そして「投資」と称する「投機」を煽る。そんなことをしていたら、いずれ経済は破綻し、世界は大不況にみまわれるであろう。最後にババを引くのは誰であろうか。国土が狭く、資源に恵まれない日本などが一番の被害者になるのではないか。
かの超大国では、ニューヨークのマーカンタイル取引所で、テキサス地域で取れる中質油であるWTIの先物取引に、実際の産出日量の100倍を超える架空取引を行わせ、これが世界の原油市場の取引価格の指標となり、世界的バブルを煽っているように見える。また、例えば競馬の勝ち馬の出る確率に掛けるみたいな、実際の勝敗からかけ離れた、つまり、派生したゲームを作り出し、これを「デリバティブ取引」なる、さも合法化されたシステムであるかのように主唱して、投機目的物を作り出すなど、架空世界の取引を、さも実体的な取引であるかのごとく仮装し、煽っているように見える。これらの取引は、一世代前から考えれば、詐欺罪などの犯罪構成要件を充足する内容に思える。これらが、なぜ、犯罪でなくなってしまったのであろうか。
世界的な原油高騰や食料高騰の中で、また、かの超大国が震源地となっているサブプライム問題やバブル崩壊の景況悪化の中で、かの超大国の泥舟に同乗していて、一緒に沈没するのを已むなしとしていてよいのであろうか。
日米構造協議や日米経済協議などを通して、かの超大国から日本に突きつけられた様々な要求により、日本は、固有の伝統や文化、社会構造や人的関係までもが、ずたずたにされ、経済システムのみならず、頻発する無差別殺傷事件などの凶悪事件に象徴されるように社会システムまでもが、ずたずたに切り裂かれ、破壊されているように思えるのだ。これは、かの超大国が主張するグローバル・スタンダードという価値観が、日本の伝統や文化を破壊し、日本の安定していた繁栄と平和を基礎から突き崩していると考えるからだ。
日本政府は、この超大国の要求に対して、それに沿うべく様々な努力をしてきた。それは、あたかもかの超大国の主張や要求がまるで金科玉条であるかのごとくに、また、その主張に対する日本の国家としての意地をかなぐり捨てたがごとくに、唯々諾々(いいだくだく)として追従しているように見えるのだ。
後記(1)の文献は、これに関し、アメリカが日本に突きつけた様々な要求を、アメリカで公開された公文書で検証しながら、「アメリカの日本改造が進んでいる」と表現している。そして、その要求の背景にある、かの超大国のロビイスト(政治圧力団体)や、その目論見をも解析している。
そして、東西冷戦の終結後、かの超大国の外交姿勢に対しては、世界の多くの国際政治学者から、単独行動主義である、とか、一国行動主義であるとの批判がなされている。この単独行動主義は、かの超大国の世界戦略の帰結である。
後記(2)の文献は、これに関し、サブタイトルを「戦争はどう利用されるのか」として、かの超大国が戦争を仕掛ける動機やプロセスなどにもメスを入れ、解析している。
(1)2004年4月 『拒否できない日本(アメリカの日本改造が進んでいる)』 関岡英之 著、文春新書、\700(税別)、文芸春秋社
この本のカバーの袖には、次のように書かれている。
―――建築基準法の改正や半世紀ぶりの商法大改正、公正取引委員会の規制強化、弁護士業の自由化や様々な司法改革・・・・。
これらはすべてアメリカ政府が彼らの国益のために日本政府に要求して実現させたもので、アメリカの公文書には実に率直にそう明記されている。近年の日米関係のこの不可解なメカニズムのルーツを探り、様々な分野で日本がアメリカに都合のいい社会に変えられて来た経緯を、アメリカの公文書に則して明快平易に描く。―――
著者の関岡英之氏は、異色の経歴を持つ。この本では、大学法学部を卒業後、銀行で国際金融取引などをした知識と経験を踏まえ、また、その後、大学院で建築に関する工学を研究した学識と経験を踏まえて、明快で言葉巧みな表現により、日本の置かれた立場を検証し、解析している。現在は、評論家として活躍し、大学客員教授をしている。
(2)2008年3月 『アメリカの世界戦略(戦争はどう利用されるのか)』
菅 英輝 著、中公新書、\780(税別)、中央公論新社
この本のカバーの袖には、次のように書かれている。
―――2003年3月、ブッシュ政権は対イラク戦争に踏み切った。世界の平和と安全を説く国がなぜ先制攻撃を仕掛けるのか。そこには、冷戦終結後、EUと中国の挑戦を受けるなか、圧倒的な経済力と軍事力をもとに世界一極支配を目指すアメリカの戦略がある。本書では朝鮮戦争からヴェトナム戦争、そして「ブッシュの戦争」に至るアメリカ式戦争の特徴と問題点を、政策決定者たちの証言を交えて分析し、「帝国」の今後を展望する。―――
この本の著者、菅 英輝氏は大学教授である。この文献は正規の学術論文としての体裁をとっているため、表現が難解に感じられる部分もあるかも知れない。しかし、この文献は、目次を見て、興味を持てるタイトルの章から読み進めると、分かりやすいであろう。巻末の「アメリカの戦争」という関連年表も参考にしたい。
これらの文献は、新書版であり、廉価であるうえ、ボリュームも少ないが、それぞれが名著であり、学術書である。日本の今を取り巻く安全保障問題や国際間の経済問題などの世界情勢を考えるうえでも、ぜひ、読んで参考にしていだだきたいと思う。

