ものすご久っ々な増刊です。サボってすいません。
WWEがつまらんつまらんと書くと、かなり頻繁に攻撃されたモンですが、最近は全然攻撃も受けなくなりました。
それどころか純粋WWEファンの掲示板等でも、ファン自らWWEのつまらなさを討議しているのを見たりもします。
そんな中、「WCW化してるのでは」みたいな言い方がありましたので、ここは正確に述べておく必要があるのでは、と思いました。
全盛期、nWoというプロレスの枠を超えたスーパームーブメント、ゴールドバーグというホーガン以来のスーパースター登場で、WWFをがけっぷちまで追い込んだWCWは、マンデーナイトロの視聴率ではついにローを抜き去り、80週間以上に渡って君臨しました。
しかし大量引き抜き等で疲弊したWWFは、ビンス自らが盟友ストーンコールドとのドラマを演出し、アティチュード路線によってついに視聴率は逆転出来たわけです。またオーナー企業のWWFと違って、WCWはTBS(ターナー・ブロードキャスティング)の一部門に過ぎず、番組制作から予算管理までをすべて本社背広組が握るという拘束から脱しきれず、引き抜きによるギャラ高騰も手伝い徐々に番組は劣化していきました。
ついに2001年、ビンスの姿がナイトロのビジョンに映ったのです。これがマンデーナイトロ最後の日。伝説となったリック・フレアー最後のスピーチ「ビンス、お前に魂まで買うことは出来ない」とスティングの最後の一戦等々、WCWはECWとともに、すべての映像権や所属タレント(レスラーのこと)丸ごとWWFに買収され、終焉しました。
プロレスを語る上で、どうしても「猪木最強」とか「総格やらしたらカート最強」「エリック・ビショフが悪い」等々の、プロレスのストーリー上の役割と現実をごっちゃにする傾向があります。
しかしビンス自らストーリーの存在を認めているように、ドラマ上のキャラと実物は別物です。
WCW崩壊も、WCWの悪口は山のように出ましたが、ほぼすべてがマスコミ記事の受け売りで、真実は単に試合の劣化だけではないのです。
エリック・ビショフ著「Controversy Creates Cash」によれば、それらマスコミのソースで多く使われたのが、インサイダー情報と称する「ダートシート」と呼ばれるミニコミ(当時はネットが発達してなかった)であり、およそ本当の経営や内部を見ることが出来ない関係者の噂のタグイであったそうです。
私はWCW崩壊の最大の原因はプロレスそのものではなく、親会社TBSが、AOL・タイムワーナーという歴史に残る大合併を行い、単なるプロレス団体にすぎない(もちろん上場企業なのだが)WWEと比較し、世界的規模の、超巨大メディア帝国になってしまったことが大きいと思います。
ビショフの本では、EBITDAという経営指標ですべてを管理され、スタッフ採用すら出来ず、また番組制作は広告収入との連動を計算しつくされ、番組自体も過剰な介入を受けたと書いています。(外資系企業でマーケティングやマネジメントやってる人ならおなじみのアレです)
これは最大の賛辞として呼ぶ「プロレスきちがい」のオーナー・ビンスと、同じ狂人でも「雇われ支配人」に過ぎないビショフの立場の差が大きいといえるでしょう。
私はむしろ全盛期のWCWより2000年以後、終焉までのWCWが好きでした。
NBT(ナチュラル・ボーン・スリラーズ)みたいな若手も養成してたし、クロニックみたいな単体では売れなくともタッグで陽の当たったコンビもいるし。
本当に次に何が起こるかわからないワクワク感は最高でした。
もっともサムライ入ってなかったんで、テレビ埼玉と千葉テレビでのムリヤリ凝縮版での観戦でしたが。
ゴールドバーグが復活した時、その1ヶ月前から「出るぞ出るぞ」とあおって、本人は姿現さず、代わりにモンスタートラックだけ出てきたりとか、震えましたね。
そしてついに、ゴールドバーグがニセモノ・タンクバーグ(総格のタンク・アボット)に向かって行くシーンで流れたインベイジョンのテーマ。号泣です。
ビンスとストーンコールドが作ったアティチュードという路線とは違うものですが、あのころの、ワクワクして見ていたWCWもWWFも、本当におもしろく、次ぎ見たい、次ぎ見たいとそりゃ視聴率上がるわというオーバーっぷりでした。
何とかねー。WWEにもちゃんとして欲しいものです。