2005年06月23日

プロジェクトのホームページ

ブラジル戦は興奮しました!ただ最後のヘディングが決まっていたら神だったのに・・・。昨晩は早く寝て3時30分に起き、見終わった後は興奮を引きずりつつも、何とか2時間ほど寝て、仕事に備えた次第です。

さて、今日は珍しくプロジェクトのマネージメントについて私見を書いてみようと思います。

プロジェクトのホームページ
ゲーム業界に限らず、何らかの長期プロジェクトをそれなりの人数で運営していく場合、プロジェクトの情報を共有するためのホームページを立ち上げることは少なくないだろうと思います。しかしそのホームページは、多くの場合、プロジェクト初期から中期までの、比較的スケジュールにゆとりのある時期は、きれいなレイアウトで頻繁に更新されるものですが、後期になりスケジュールが厳しくなると、徐々に掲載される情報が最新状況に追い付かなくなり、しまいにはホームページの情報は信頼しない方が良いということで、担当者に電話やメールで直接聞くことが横行しがちになります。本来は初期〜中期はホームページは余り重要ではなく、むしろ後期になってプロジェクト全体の情報量が増してきた時こそ、それらを把握するために最新の情報がまとめられていて欲しいものです。

このようなミス、ないしは本末転倒な事態は、「情報共有」についての意識の低さから招かれる物だと言えます。個人的に人が20人以上に達するようなプロジェクトを進める場合には、「情報共有」ということに対して、プロジェクトマネージャーが何らかの意識、方法論を持っていないと、確実に情報共有のミスによる作業の無駄が到るところで発生するようになります。

情報の3要素
情報共有ということを考える時に役立つのが、情報セキュリティの3要素と呼ばれることについてです。

(参考)
「企業のリスクと情報セキュリティ」
「教育の情報化と情報セキュリティ」

「教育の情報化と情報セキュリティ」より
○機密性(confidentiality)
:認可されたものだけが情報にアクセスできること

○完全性(integrity)
:正確であること、及び完全であることを維持すること

○可用性(availability)
:許可されたものが必要なときに情報にアクセスすることが可能であること

3要素の中で、機密性については、社内LANで運営されているホームページであれば、スタッフが秘守義務について常識的な知識を持ってさえいれば、あまり心配する必要は無いでしょう。問題なのは完全性、可用性です。

完全性は言うまでもなく、その情報が正しいことです。情報は正しくなければ、無益であるどころか、有害ですらあります。有害な情報を共有するぐらいなら、しない方がマシなぐらいです。ですから情報共有するなら、その情報が正しいことを情報発信者が責任を持たなければなりません。

可用性というのは、その情報にアクセス可能なだけでなく、いかにアクセスしやすいかまで含めて考えるべきです。重要な情報更新が、何の連絡も無く、何階層も奥深くのページで行われたとしても、誰もそれを目にしないでしょう。情報を更新した時は口頭やメールで連絡し、できればトップページからも更新案内が出ているべきです。

トップページ
このような問題が、もっとも端的に現れるのが、トップページだと思います。たとえばプロジェクトのトップページに、情報として特に有用ではないイラストや写真などがでで〜んと載っていたとします。たしかにページとしては綺麗かもしれないです。しかしそのようなトップページが、プロジェクトに何の利益をもたらすのか、プロジェクトの管理者は考えたことがあるのでしょうか?トップページはスタッフが仕事始めに最初に目にするページだと思われます。スタッフ全員が一番目にする機会が多い情報が、特に何の意味も無い画像だということは、それだけでプロジェクトにかなりの損失を与えていることを、管理者は自覚すべきです。

まず最低限、どの情報が更新されているのかは、トップページから正確に把握できる必要があります。でないと、重要な情報更新を見落としてしまうかもしれないからです(もっともホームページは情報共有の最後の手段でしかありませんが、これについては後ほど)。次に、もしある程度決まっているのなら、見渡しやすいスケジュールが掲載されているべきでしょう。プロジェクトを運営していくにあたって、もっとも難しく、かつ重要なのがスケジュール管理だからです。スタッフには、毎日でもスケジュールを見る機会を与えて、頭にすりこませるぐらいで丁度良いです(現実にはそれでも全く充分でないので、定期的な進捗管理が必要になるわけですが・・・)。そして、もちろん重要な情報に素早くアクセスするための各種リンクも必要です。プロジェクトが大規模になれば、このリンクをどれにするかだけでも、取捨選択が必要になってくるぐらいでしょう。

ここまで情報を載せると、大体の場合はトップページが埋まってしまうと思います。もしもまだスペースがあるなら、ここで初めてプロジェクトの目標や方針、イメージビジュアルなど、2次的な情報を載せれば良いと思います。

スタッフが毎日目にするというのは、プロジェクトマネージャーにとって、Yahoo!のトップページ並に価値があります。こうした部分に気を使えるかどうかという部分だけでも、管理者としての資質が問われている思います。もしあなたが何らかのプロジェクトのスタッフだとして、プロジェクトのトップページがお粗末な状況であったなら、そのプロジェクトは後期から末期の段階で、情報共有のミスにより、無駄な作業があちこちに発生してしまうでしょう。何らかの予防措置が必要です。

ホームページは「まとめサイト」
もう一つプロジェクトのホームページ運営での間違った方針として良く見られるのが、ホームページを「情報発信」の道具として使ってしまう場合があるということです。

基本的にホームページは、スタッフが能動的に読まないと読まれません。当たり前ですが、それゆえ情報発信としては余りにも不確実です。しかもホームページの特性上、情報を一方的に発信するだけで、やり取りがそこにはありません。もし発信された情報に間違いがあってそれを誰かに指摘された場合は、わざわざページを修正する必要があります。

ですからホームページは、情報発信の場ではなく、「情報蓄積」の場としてのみ使われるべきです。情報発信はミーティング、メールなどのプッシュ型でやり取りができる方法でのみ行われるべきです。そしてホームページは、そのようなやりとりを得て、最終的に決まった物のみが載せられるべきです。つまり2ちゃんねるでいう「まとめサイト」です。

まとめサイトがそうであるように、なるべく無駄な情報はフィルタリングして、有用な情報のみを高い閲覧性でまとめるのが、ホームページ運営のルールとなります。情報発信は、あくまでも口頭やメール、最終的に決定した厳選された情報のみホームページに載っている状態を目指します。これはごく当たり前のことのように見えますが、実際には最初に述べたように、最終的に決定した事項が多いはずのプロジェクト後期〜末期に、ホームページの多くは機能不全になってしまうことが多いのです。

そのようにならないようにするためには、ホームページに載せるべき情報を、なるべく厳選することが大事になります。ちょっとした情報発信はミーティングやメールで充分。可能ならばメールはスタッフ全員に届くメーリングリストによって運営されると、情報共有ミスがかなり減るので望ましいでしょう。

情報共有の大切さ
これは僕の経験からの私見ですが、失敗するプロジェクトの多くは、まず情報共有がうまくいっていない場合が多いです。たしかにそもそも最初の方針が悪い場合もあります。しかし情報共有がうまくいっている場合は、3人寄れば文珠の知恵の諺の通り、誰かが方針に異議を申し立てたり、良い解決策をもたらしたりなど、何とかなるものです。情報共有を進めると、良いことばかりがあり、悪いことはほとんど無いと思います。

「可用性」という要素には、その情報にアクセスすることで何らかのメリットを得られる人は、「機密性」に深刻なダメージを与えない可能な限りアクセスできるようにする、という意味まで含めて捉えられるべきでしょう。たとえば他のプロジェクトの人にとっても、そのプロジェクトのホームページを閲覧することで何らかのメリットがあるのなら、そのホームページは公開されるべきです。それにより直接的なメリットはすぐに現れないとしても、長い目で見ると確実にその組織を強化しているだろうと思います。

※今回の記事から、コメント欄を開放してみました。


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