2006年05月14日
スマッシュブラザーズX
ソフト的なサプライズは、今回のE3では完全にスマブラXでしたね!まさかこれだけのビッグタイトルを、あえてカンファレンスでは発表せず、その後のメディアとの合同インタビューで発表するとは思いませんでした。
一般的にはスネーク参戦がサプライズだった訳ですが、個人的にはモーションセンサーは使わず、GCコントローラで操作可能にすることを暗示したことが、今回のWii対応のゲームとしては唯一の例外で、非常に興味深かったです。
宮本&桜井氏のトークから、最新作『スマブラ』を探る【動画を追加】 / ファミ通.com
--桜井さんに質問なんですけど、『スマブラ』でWiiのコントローラーをどう活かしますか?
桜井 宮本さんのこういうお話をいただいたあとで恐縮なんですけれども、『スマブラ』を実際にたとえばヌンチャクでやるとかポインティングデバイスでやるとか、複雑にしすぎて操作がしにくいと、それはそれで問題があると思ってるんですよね。ものすごく変わったことは狙わないで、いちばん操作しやすい方法を検討しようかと思ってます。ゲームキューブのコントローラーも使えることですし、ゲームキューブコントローラーはまだ捨てないでくださいね(笑)。
宮本さんはWiiの商品群の中で、コントローラーを最大限に活かしたものを入れるというお話をされていたんですよね。だから自分の役割は、それを好んで入れるということよりも、それとは違うことをすることだと。少なくともスタンダードな商品群とは違うものになりえるので、バランスとしてそういう方向に行きつつあると考えてます。
任天堂としては、あえて従来のコントローラを捨ててまで新しいWiiリモコンを提案した訳ですから、その優位性を証明するためにも、Wiiリモコンを最大限活かすタイトルを開発していく方向にあると思います。しかし桜井さんは、スマブラはスマブラとして、そういった全体の戦略に囚われず、もっとも操作しやすい方法ということを最優先にしたいということのようです。
ではスマブラをWiiで出す最大の意義は何だということになるのですが、それはWi-Fi対応のようです。
--Wi-Fiコネクションを使う予定は?
桜井 はい、使う予定です。今回の『スマブラ』は、まずWi-Fiコネクションがある。Wi−Fiで『スマブラ』をやりたいというのが、日米ともに筆頭だったというのがあります。
でもたとえば、4人が戦って誰かがいちばんになるというのだけでは、きびしいと思ってるんです。そういう敷居は下げて、誰でも楽しく遊べるようにしたいですね。
このような企画の方向性は、容易に「マリオカートDS」を連想させるものです。マリオカートDSが、特に従来のゲーマー層に絶賛を浴びたことを考えると、桜井さんの判断は非常に合理的だと思います。
しかもマリオカートDSのように単に勝ち負けを競うようなものではなく、もっと大らかに楽しく遊べるようなものにしたいという意向のようです。これはとても良い方向性だと思いますし、買った人みんなが楽しめるためにも、本来オンラインゲームというのはそういうものであるべきだと思います。
■操作方法に選択の自由を
ただ一つ懸念材料なのが、もしもクラシックコントローラが本体に同梱されなかった場合は、「標準状態では遊べないソフト」という、極めてユーザーにとって不親切なソフトになってしまうということです。だから逆に言えば、クラシックコントローラ同梱を前提としているのかもしれません。
それと、ユーザー側からは以下のような声が出てくると思います。
わぱのつれづれ日記 - 任天堂、宮本茂氏と桜井政博氏によるRoundTableを開催。「スマブラX」制作秘話と、宮本氏の考えるWiiの理想形
とはいえ、Wiiリモコン+ヌンチャクを使わないと断言しているわけではないので、何らかのシンプルなギミックは入れてくれた方が個人的にはうれしいですけど。面倒や疲れてきたら通常コントローラに変えればいいわけで。DSのどうぶつの森などのように、ユーザに選択権を与えてほしいものです。
僕もまったく同感です。ただ桜井さんは、メテオスでボタン操作、タッチパネル操作の両方に対応していますから、充分期待できるのではないかと思います。
個人的には、Wiiリモコンを横に持って「FCコントローラへの回帰」というぐらいシンプルなボタン操作で、スマッシュ操作などをモーションセンサーで補う、というようなプレイヤーコントロールだったらいいなあ、と妄想してしまいます。桜井さんは、初代スマブラでアナログスティックをスマッシュ操作に使い、カービィのエアライドでは、GCコントローラの特徴である「大きなAボタン」を活かした、1ボタンゲームを成立させてきました。今回も、単にクラシックな操作のまま、何の工夫もしないということは無いのではないかと思います。他の人が思いつかない何かをやってくるんじゃないかなあ、と。
スマブラXは充分な時間をかけて、練り込まれて作られるようですから、どんな仕上がりになるのか、今から楽しみです。
2006年05月13日
E3雑感
さて、プレスカンファレンスの感想は一通り書き終えたので、まあWebの情報のみですが、今年のE3についての雑感を書いておこうと思います。この時は自分はこんなことを感じていた、という備忘録も兼ねて。
■PS3について
う〜ん、今回は失敗だったんじゃないでしょうか。もう少しインパクトのある展示を予想していました。自分で触っていないので確かなことは言えませんが、去年の360より少し良い程度、というように感じます。
プレイアブルタイトルでは「Heavenly Sword」が当たりタイトルで、「Resistance」も良かったみたいですね。サプライズタイトルが「Eye of Judgement」でした。ただ前2者はゲームとしてはとても良く出来ているようにプレイムービーからは伺えましたし、Eye of Judgementも非常に興味深いタイトルなのですが、いわゆる「次世代」を分かりやすく提示するタイトルでは無かったように思えます。
というか、今回、ショウ全体で最も分かりやすく「次世代」を感じさせたのは、「Far Cry」で一躍名を上げたCryteckの最新作「Crysis」ですね。
Crysisの詳細については4Gamer.netさんを参照してください。
※Cryteckのゲームのネーミングは面白いですよね。「ああCryteckの新作か」ということが`凄く分かりやすいです。今回、パブリッシャーがUBIからEAに移っているのですが、パブリッシャーよりもCryteckのネームバリューの方が全然前に出てきています。
E3開幕前の記事にも書きましたが、今回SCEがすべきだったのは、ただ単にタイトルの数を揃えることではなく、去年来場者の度肝を抜いたPS3のシアター展示から1年が経った今、その片鱗だけでもプレイアブル出展で実証することでした。それはたとえばCrysisのようなタイトルです。もしCrysisレベルのゲームが1本でもあったら、あとは粒よりタイトルが脇を支えれば、プレイアブル出展は5本ぐらいだったとしても、PS3に対しての印象は随分と違った物になっていたはずです。
しかし今回は、平林さんが「火消し」と「火付け」という巧い言い回しでSCEと任天堂を表現したように、単に「開発が遅れている」という世評を打つ消すことだけに気を取られすぎた感がありました。皆は「PS3は順調だ」ということを確認しにSCEブースに来るのではなく、「PS3って凄い」ということを期待して訪れたと思うのですが・・・。2chで「PS3クオリティ」という単語が流行りましたが、正にPS3クオリティのタイトルしか、ブースには並べてはいけなかったと思います。
そして多分そのようなAAAクラスのタイトルは、本来はファーストパーティーが用意しなければいけなかったのだと思います。「Eye of Judgement」のようなタイトルはありましたが、PS3はとにもかくにもまずは「圧倒的にパワフルな次世代機」というのがアイデンティティなのですから、そこを来場者に感じてもらうべきでした。極端な話、多少のトリックを使ってでも、です。あえて言えば「グランツーリスモHD」がそれだったのでしょうが(1080pでプレイアブル)、ショウ全体で言うと、「なんだ単に高解像度になっただけか」と、場を白けさせる効果しか与えなかったように思います。あれだったらむしろ出さない方が良かったのではないでしょうか。
※ただ先日の記事で、SCEJは開発力が落ちたと書きましたが、今回のE3で、僕はむしろSCEJを見直しました。Eye of Judgement、Africa(映像のみでしたが)など、ゲームの枠を広げてくれそうなタイトルを期待できそうです。
※あとWarhawkのプレイムービーを見ましたが、思っていたよりも次世代機らしさを感じない内容だったようですね。Warhawkはかなり次世代機らしさを感じる物になると予想していたので(敵機の数など)、これは予想が外れました。しかし2週間でモーションセンサーに対応したのは立派でした(笑)
[PS3] 『PS3』のコントローラは、開発者も驚きだった - ゲーマーホリック
「『Warhawk』は、任天堂のWiiのコントローラを真似た機能を使用するはじめてのタイトルです。『Warhawk』の開発チームの一人が、2週間前を切ってから新しいコントローラを手にしたという事実は、残念ながらソニーが土壇場で任天堂のコントローラに対抗すべく、傾き検知を加えただけに見えるという印象、を強めただけとしか思えません」
■Wiiについて
Wiiについては、プレイムービーを見ても分からないことが多く、やはり各タイトルの手応えは実際に触ってみないと何とも言えなそうです。E3から帰ってきた人に聞いてみる他無さそうです。
ただWiiについては、元々去年のTGSや今年のGDCで「UIを変えることでゲームを変える」とあらかじめ宣言していた訳ですから、それをプレイアブル出展で証明しなければならなかったのが今年のE3だったと言えます。そしてどうやら、それはある程度達成できたようです。
ただ先日の記事でも書きましたが、今回のE3で提示されたタイトルのほとんどは、従来のゲーマー層にしかアピールしないものです。というか「ヌンチャク」を付属させて使っているタイトルは、皆ゲーマー向きと言っても過言では無いと思います。そういう意味でゲーム人口拡大を狙えるのは、Wiiリモコンしか使わないタイトルだけになると思います。
※実はWiiのタイトルでは、事前に情報が出ていたコナミの「Elebits」にかなり期待していたのですが、これもヌンチャクを使う操作のようですね。この時点で僕的にはかなり減点です・・・。片手でお手軽に遊べるようにした方が良いと思います。
E3というゲーマーが多く集まる場でのアピールには、一定の成功を収めました。後は本当の勝負であるところの、ノンゲーマー層にいかにアピールするか、アピールできるタイトルを揃えられるかにかかってきます。タッチジェネレーションを成功させた岩田氏のことですから、当然そのことを最重要視はしていると思いますが・・・。
■Xbox360について
E3のプレイアブルタイトルとして一番の期待作だったGears of Warは、一般展示ではなくVIPにのみのプレイアブルだったのが残念でしたが、それ以外はライオットアクトやToo Human、カプコンの2作など粒よりのタイトルもプレイアブルで出展し、またHALO3、GTA4も発表され、年末、そしてそれ以降に向けて良い準備ができていると言えそうです。
マイクロソフトブースは、ハイクオリティーの50タイトル近くを出展! / ファミ通.com
あと個別のタイトルについてですが、様々なところで注目作として取り上げられていましたが、僕も「WORLD SERIES OF POKER TOURNAMENT OF CHAMPIONS」には今後に大注目です。米国でポーカーのテレビが大人気ということは聞いていたのですが、それをそのままストレートにゲーム化してきましたね。このフットワークの軽さは凄く良いと思います。GTAのロックスターゲームズが、超リアルな卓球のゲームを出してきたことも話題になっていますが、僕はこういう方向性は凄く良いと思っています。別に高性能になったからと言って、広大な世界を描かなければいけないって縛りがある訳でもありませんし。
■PCについて
GDCでDirectX10について発表がされ、PCゲームもにわかに活気付いてきましたが、今回のE3で改めてPCゲームがまだまだ底堅く、なおかつVistaの登場を期に逆に盛り返してくるかもしれなくなってきた、という風に感じました。ファミ通が取り上げるぐらいですからね。
ゲームに特化したマイクロソフトの新OS"ウインドウズVista"の詳細が判明 / ファミ通.com
360とPCの親和性は、CPUがx86で無くなってしまったことにより、一時的に下がってしまったのですが、今後はXNAという施策により、旧Xboxと同レベルにまで回復させたい意向のようです。360の周辺機器をPCでも使えるようにすることによるUIの統一も含めて(それでもPCではマウスとキーボードが標準UIとして君臨すると思いますが)、MSは着実に布石を打っています。急速にではありませんが、一歩一歩着実なのが、逆に将来性を感じさせます。
注目ソフトの方も、先ほど取り上げたCrysisだけでなく、去年のGDCで世界中の関係者を仰天させた「Spore」が、いよいよ完成に近い状態でプレゼンテーションされたようで、ゲームの最先端はPCだ!という以前のイメージが蘇ってきました。Half Life2がずっこけたため、一時的にPCゲームの先進性への期待が薄れたのですが、今後もゲームを未来へ引っ張っていってくれそうです。
■携帯ゲーム機について
当然ながら、今回はビッグニュースも無く、淡々としていましたね。ただDS、PSP共に良作が出展されていたようですので、これだけ据置機の話題で盛り上がりながらも、今年の年末を制するのは結局携帯ゲーム機でした、というオチも充分あり得そうです。特に日本はポケモンがありますし(笑) 一昨年の年末商戦で、DQ8という大作がありながらも、DS、PSPはうまく市場を盛り上げることに成功しましたが、同じことが今年も求められるということですね。
携帯ゲーム機については、来年がまた山場になるでしょうね。MSが新携帯ゲーム機を発表するでしょうし、SCEもPSPに対して何らかのテコ入れ策を行うでしょう(PSP改良版?)。任天堂はGBA2を出してくる可能性があったのですが、対外的な発言を信じるならその可能性は無さそうです。
GBAの後継機は当分なし、Wiiのロンチタイトル数は2ケタ−岩田社長 - Nintendo iNSIDE
■携帯電話ゲームについて
今年はほとんどニュースが無いですね。スクエニのFF13アギトの発表ぐらいでしょうか。去年のE3では、携帯電話ゲームの出展が非常に目立ったことを良く記憶しているのですが。あまりに他にニュースがありすぎて、目だっていないのかもしれません。Live Anywhereによって、クロスプラットフォームで、ゲームデータが連動するタイトルは今後増えていくことが予想されますから、今後、重要性が高まることはあれ、低くなることは無いと思われます。
■まとめ。そして今後について
今回のE3ではWiiが成功しました。DSとPSPの時のアピール合戦の時(一昨年)と比べても、今回はWiiの方が評判が良かったと思います。一昨年のE3では、PSPはまともなプレイアブルソフトは無かったものの、ハードそのものに対する評価(液晶の綺麗さやデザイン)が非常に高かったのを記憶していますから。
しかし任天堂的に言うなら「次世代機」戦争、あれれ的に言うなら「ハイエンド」カテゴリーの競争の勝者は、今回はXbox360です。Wiiは任天堂的に言うなら「新世代」のアピール、あれれ的に言うなら「ミドルレンジ」カテゴリーでのアピールに成功したと表現するのが妥当です。ですので360とWii、両方ともに勝者と言えるでしょう。そしてSCEは、ハイエンド、ミドルレンジ、モバイルの3カテゴリー全てで劣勢という、非常に危険な状態に陥ってしまいました。2正面作戦ではなく、3正面作戦を迫られている状態です。
MSは噂されていた値下げの必要すら無いかもしれませんが、駄目押しでPS3にぶつける形で値下げをして、PS3の息の根を止めようとしてくると予想します。もしくは得意のソフト同梱パックで、買い得感をアピールしてくるかもしれません。ともかく、とりあえず360の北米での勝利はもう確定したと思います。HALO3とGTA4という、キラータイトル2本を手にしましたから。DQとFFを手にしたようなものです。次のターゲットは欧州、そしてその次にアジアですね。
任天堂は、DSの時のように、Wiiは初速は良いことが期待されますから、あとはその最初の勢いが衰えない内に、タッチジェネレーションシリーズのような、ノンゲーマー層の掘り起こしに成功するかどうかですね。普通に考えて、携帯機よりも据置機の方がノンゲーマーにとっては敷居が高いと思われますから、DSの時よりも掘り起こしは難しくなると予想します。その高い壁を任天堂がいかに乗り越えることができるかが、来年以降問われてくると思います。
SCEは、E3での不評を受けて、サードパーティーが360、Wiiに雪崩れ込まないよう、何らかの引き止め策を打ってくると予想します。開発機材やツール、ミドルウェアの値下げやロイヤリティの値下げなど、パブリッシャーにとって有利になる何かです。そうしたことは余り表舞台には出てこないでしょうが、非常に活発な駆け引きが展開されるようになるでしょう。
あと対Wiiについては、PS2の値下げで対抗してくるだろうと予想します。Wiiがかなり安い値付けをしたとしても、PS2がガツンと値下げをしてきたら、さすがに対抗できないでしょうから。
PSPは値下げはしないと思いますので、とにかくシステムソフトウェアのバージョンアップにより、ハード単体の魅力を上げることでDSに対抗していく戦略を継続するのではないかと予想します。
まあプラットフォーム3社については、大体こんな所でしょうか。ソフト開発については、PS3と360のマルチ、PS2とWiiのマルチが増えるのではないかと思います。
■おまけ:答え合わせ
ちなみに今回のE3については、先日下記のような予想をしていましたが、答え合わせをしてみますと、だいたいその通りになったのではないかなと思います。
しかしそれでも、実際にプレイアブル出展タイトルを遊んでみて「なんだ、PS3ってこんな程度か」と思われた瞬間に、まさに去年同じように思われてしまった360が、評価が一転して、逆に再評価される側に回ることになります。そしてその可能性が高いというのが、僕の現時点での予想です。
これはSCEの、というよりクタタンの悪癖なのですが、事前期待を煽るのは非常に上手いのですが、煽りすぎたため、実際にプレイアブルになった時に期待を下回り、ガッカリ感を感じさせてしまうということがあります。そして今回は、360という強力なコンペティターを相手に、「360より2倍パワフル」「こちらこそが真のHD時代の次世代機」など威勢の良い言葉を並べてきたことが、自分の首を絞めつつあります。BD再生機能や、PS1、2との互換性などは、ユーザーの期待に応えられそうですが・・・。
まとめますと、ゲームが充実してきた360、年末発売に向けて一抹の不安を残したPS3、ネットメディア上での両者の評価はこんなところになるのではないでしょうか。
しかし一抹の不安どころか、株価にまで影響してしまいました(笑) さすがにそこまでは予想できませんでした。僕はE3では価格発表をしないと思っていましたので、僕の悪い意味での予想すら下回る結果になってしまいました。
任天堂は価格の発表を夏にする予定だそうですし、MSも噂される値下げについて、E3ではカードを切りませんでした。完全にSCEの勇み足になってしまったと言えそうです。
※ちなみに岩田さんの「夏」発言のソースは2chです。誤報かもしれません。
1 :名無しさん必死だな :2006/05/12(金) 13:43:08 ID:hPCMY1ZF
岩田社長インタビュー
Q: ソニーのモーションセンサー付きコントローラについて
A: 両手で持つものと片手で持つのとでは違いが
彼らが我々のものをコピーしたと世界中のブロガーが書いているがそうは全く思わない
Wii のアドバンテージが失われたとも思わない
似たようなことをするということはそれに価値があるという外部からの表明
怒るよりも祝うべきことQ: 価格は?
A: 夏頃に発表したい
http://seattlepi.nwsource.com/business/269772_e3iwata11.html
2006年05月12日
各社のオンライン戦略について
今回のE3の特徴として、毎年必ず耳にする「不作」という言葉が聞かれないことがあげられますね。みなお祭りを、思い思いの方法、立場で、存分に楽しんでいるようです。本当に良いことです。
もちろん現地に行けた人こそがもっともエンジョイしたのでしょうが、今や容易には入れないメディアブリーフィングにも、ラグ無しでストリーミング中継されますし、どんなソフトが出展されて、どんな様子だったのか、行列に並ばずとも詳細に知ることができます。良い時代になったものです。
しかし、今回のE3の真の目玉は、プレイアブルタイトル以上に、プラットフォーム3社のオンライン戦略が垣間見えてきたことだと思います。
■SCEのオンライン戦略
当ブログでも何度も予測してきましたし、多くの方も同じ意見だと思うのですが、今のSCEのオンライン戦略は、Xbox Live!の後追いです。上回ろうとするのではなく、まずはキャッチアップすることが最大目的だと思われます。あえて言えば、利用料金では上回ろうとするかもしれませんが(サービスが安定するまでの間は無料という噂も流れていますね)。
ただ、SCEとは別系統ですが、新しい動きも出てきました。
ITmedia News:LaunchPadに見るPS3オンライン戦略のヒント
LaunchPad開始時には、ソニーの「エバークエスト」「エバークエスト2」「The Matrix Online」「Star Wars Galaxies」「PlanetSide」が提供される。月額24.99ドルの会員制プラン「Sony Station Access」を介して、これら5作品を無制限にプレイできる。
これはつまり、オンラインゲームのサブスクリプションサービスですね。構想としては、かつてのスクウェアのプレイオンラインとも似ています(プレイオンラインは利用料金は各ゲームごと個別ですが)。
ただオンラインサービスで課金をするなら、利用料は徴収せず、買い切り制で課金するのが最も利用者の抵抗感が少なく、結果的に成功するというのは、iTunes、ハンゲームなどで既に実証済みです。ですのでニッチサービスの域を出ないと予想します。買い切り制の方が良いというのは、マーケットプレイスの盛況も同じ理由で説明できますし、Wiiのバーチャルコンソールも同じですね。
話は脱線しましたが、SCEのオンライン戦略には独自のビジョンが無いため、どうしても競合に対して1周遅れになってしまっています。オンラインエンターテイメントに対する一定の見識を持ったビジョナリーがいないと、オンライン戦略で他社を上回ることは難しいと思います。ちょうどiPodに対してウォークマンが常に1周遅れなのと全く同じ状況が、ここでも再現されてしまっています。SCEの組織体制の課題の1つですね。
■MSのオンライン戦略
一方MSは、Xbox Live!というオンラインプラットフォームを、PC、携帯電話とのクロスプラットフォーム対応を実現させる「Live Anyware」構想を発表しました。
Xbox Live!がPCからも利用できるようになることは、XNA構想の頃から語られてきたことですので、それ程新味は無いのですが、MSが支配力を持っていない携帯電話とも連携させるという発表は、業界全体にとってはかなりのサプライズだったはずです。
GAME WATCH:ビル・ゲイツがE3初登場で訴えたLive Anywhereとはなにか〜ハードウェアの垣根にとらわれないネットワーク&ユーザー本意のゲームプラットフォーム戦略
この構想は、ゲーム機以外へのゲーム提供を本格化させている企業、たとえばEAやスクウェアエニックスのような企業にとって、喉から手が出るほど欲しい環境です。もちろんスクエニは「プレイオンライン」で、自社でそのプラットフォームを築こうとした訳ですが、今となってはそれも厳しいのが現状です。Live Anywhereがユーザー本位かどうかはともかく、コンテンツ企業を引き付ける力があるのは間違いありません。そういう意味での「サプライズ」です(もちろん、E3前から構想は聞いていたでしょうが)。
ですのでたとえばスクエニは、今回は360へのコミットメントを明らかにしませんでしたが、僕は確実にFF13は360にも供給してくると予想しています。今回のE3はPS3のお披露目でしたし、スクエニのメディアブリーフィングはSCEの直前でしたから、株主に対して水をかけるような真似はしませんでしたが、合併で保有割合も下がっていることですし、じきに360への供給を発表するでしょう。
記事中でも語られていますが、最近盛り下がってきているPCゲームに対しても、Windows Vistaで相当なテコ入れを行うようですし、最近MSが推し進めているオンラインせービス計画の中でも、Xbox Live!がかなり重要視されているなど、「WindowsでPCを支配するMS」ということが、ゲーム業界にとってもジワリと効いてきた感があります。特にその中でビジネスを行っているパブリッシャー各社にとっては、MSの存在感がかなり大きくなってきていると思います。身体はまだSCEを向いていたとしても、顔はもうMSを向いているんじゃないでしょうか。
そして、そのようにして大型コンテンツを惹きつけることでLive Anywhereの利用者が増えれば、オンラインサービス分野で遅れを取っていたMSにとっても、大変な利益になります。単にリビングルームの覇者となる以上の価値があることかもしれません。
■任天堂のオンライン戦略
任天堂のオンライン戦略は、今回のE3で「Wii Connect 24」というサービス名で紹介されました。具体的な内容はまだ不明ですが、スタンバイ状態で24時間オンラインに接続され、任天堂からデータがプッシュされたり、他の友達からのデータが届いたりなどの使い方が想定されているようです。そのようなサービスにより、毎日電源を入れたくなるような魅力を提供することを目指すと宣言されました。
このサービスが目指す方向性は非常に分かりやすいです。ゲームのマボロシ的に表現すれば、Wii Connect 24は「リッチコンテンツ」ではなく「ローコンテンツ」を目指していると言えます。

もしも最近こちらにやって来た方でしたら、1年弱前の記事になりますが、以下をどうぞ。
ゲームのマボロシ: 娯楽の世界の次の10年はどうなるか:最終回(11) 「ローコンテンツ」
上の記事は、ザックリ言えば「○年間かけて練り上げた極上のエンターテイメント」も良いけれど、これからの10年は「もっとパッと作れて、なおかつプレイヤーが自由にコンテンツを更新していけるような、テレビや2ch、ブログ、mixiのようなエンターテイメント」が伸びていくんだよ、という内容です。
僕の支離滅裂な文章よりも、UIEの中島さんが的確にWii Connect 24の意図を説明されていますので、下のエントリーをお勧めします。
CNET Japan Blog - 中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイル:毎日電源を入れるのが楽しみになるようなサービス
そしてそういうコンテンツというのは、ローコストで、ロークオリティで、ローボリュームであっても全然構いません(プレイヤーによるコンテンツの更新も含めるとハイボリュームとも言えます)。何と言っても更新頻度が命ですから。
ですからWiiが、他の次世代機よりもグラフィック能力が低い(HD非対応)のは必然とすら言えるのでしょう。それはローコンテンツには必要無い機能だからです。
ただ、そのような「毎日楽しむ」娯楽は、逆に言えば「毎日遊ぶのはおっくう」と思われたらおしまいです。ですので、とにかく利用者の生活の邪魔をしないよう、徹底的な配慮が求められます。それが岩田氏の言うところの起動時間の速さだったりする訳です。つまり「生活浸透型ゲーム」ですね。
ただ、そのようなビジョンに辿りついたからと言って、成功するという訳ではありません。ローコンテンツを実現する手段は、ゲーム機に留まらないからです。むしろPC、携帯電話、テレビなどの方が、遙かにその世界の近くにあります。ゲーム機という存在がその世界にチャレンジするというのは、簡単なことではありません。むしろ高性能により利用者を魅了する、従来の方法論の方が遙かにリスクが低いでしょう。
Wiiには、今追い風が吹いているように見えますが、それはあくまでゲーム業界という狭い世界の中で起こっていることでしかなくて、Wiiが本当にアピールしたい人々は、まだWiiという名前すら知らない状態です。そしてそういう人たちにアピールするゲームは、E3でのプレイアブルタイトルを見る限り、まだまだ全然足りません。まさしく、まこなこさんが指摘する通りです。岩田氏の言葉と裏腹に、ゲーマー向きのタイトルの割合が多かったと思います。この辺りをどう修正してくるか真剣に取り組まないと、任天堂の構想も絵に描いた餅になってしまいます。もし今の追い風に慢心することがあれば、容易に舞台からの退場を迫られるでしょう。
※ 蛇足になりますが、「生活浸透型」かそうでないかが、DSとPSPを分けた分岐点だった思うのですが、恐らくクタタンはそうは思っていないと思います。クタタンは典型的な「リッチコンテンツ」の崇拝者なのでしょう。かなり前のインタビューになりますが、ウェブがテキストベース主体であることを批判していました。しかし今となってみれば、たとえばGoogleはまさにテキストベースでここまで成長してきた企業なのです。
Ascii24:これがプレステ2だ!―SCE久多良木健氏インタビュー―
――1394とかUSBを付けた意図は?
A あれは標準インターフェイスだから付けただけで、間違ってもUSBがあるからキーボードやマウスが繋がるとかWebブラウザを動かすとかぜんぜんぼくは考えていない。そもそもHTMLなんていう文字文化は20世紀で葬り去りたいと思っているわけ。HTMLとかブラウザはARPAnetとはまったく違う場で作られたものでしょ。それがあたかも一つのものであるかのように思われて、インターネットというとあれだと思われてること自体がおかしいと思う。
まあ今ではWebブラウザが標準で用意されるようになりましたけど(笑)
■まとめ
以上をまとめますと、SCEは、未だ他社の後追いをしている状態だということ、MSはオンラインサービスの覇者となるべく全社的に舵を切ろうとしていることが、Xbox Live!にとって明らかに追い風になってきていて、大規模パブリッシャーを惹きつけるだろうということ、そして任天堂は、ゲームのマボロシ的に言えば「ローコンテンツ」的な、もっと普通に表現すればWeb2.0的なオンラインサービスを目指してくるだろうということ、が今回のE3から読み取れることです。
この戦略の差異は、これから3社の行く末を大きく左右することになるだろう、というのが僕の考えです。
2006年05月10日
コントローラについて
さて、あえて先の記事では言及を避けましたが、任天堂のプレスカンファレンスで「Wiiリモコン」の使われ方も見えてきましたので、ここに触れない訳にはいかないでしょう。コントローラです。
■PS3コントローラ
今回のコントローラは振動機能が無いため、長く使われてきた「デュアルショック」という名称から変更される見込みですので、とりあえず「PS3コントローラ」と呼ばせていただきましょう。
巷では色々言われていますが、コントローラとしては振動機能が無くなったこと以外は、正統進化と言って良いのではないかと思います。訴訟問題で振動機能を外した方が賢明な情勢になっているため、振動を外す何らかのエクスキューズが必要でしたから、丁度良かったとも言えます(振動とモーションセンサーが干渉するというのは、良く分からない説明ですけどね。そんなのソフト的にどうとでもカバーできるのではないかと思うのですが)。あとL2、R2をストローク式にしたのは、360との互換性を考慮したためでしょう。
ただ両手持ちのゲームコントローラにモーションセンサーを組み込むのは、MSがサイドワインダーコントローラで何回かチャレンジしていました。そしてそれを活かしたレースゲームや飛行機ゲームも出たりしていたのですが、結果としてはあまり芳しくない評価に留まりました。この辺りはMSのシェーン・キム氏が発言しています。
XNEWS:PS3の発表会は目新しくも革新的でもない マイクロソフト シェーン・キム氏
また加速度を検知するPS3のコントローラについては、「(加速度検知は)我々も5、6年前にFreestyle Proで試しました。いくつかのゲームではうまくいきますが、汎用コントローラではありません。ソニーにとっては良いコントローラでしょうが、ユーザにとってはそうではありません。任天堂からアイデアを拝借したのでしょうが、任天堂ほど革新的ではありません」と語っています。
両手保持のコントローラにモーションセンサーの組み合わせは、相性が余り良くないのは事実だと思います。
ただ、全てのPCにフリースタイルプロが付いていた訳ではありませんが、PS3には標準搭載です。PS3ゲームは、遊ぶ人のコントローラの全てにモーションセンサーが搭載してあることをアテにすることができます。ここがPCとゲーム機の最大の違いであり、長所です。僕が散々「標準搭載ということには、途方も無い価値がある」と繰り返してきたのもそういうことです。
ですので、フリースタイルプロでは到達できなかった高みや、思いもしなかった使われ方をする可能性が、PS3のモーションセンサーにはあります。標準で付いているなら、たとえばゲーム中で1箇所だけモーションセンサーを使うといったような、贅沢な使い方もできますからね。少なくとも、あの最悪だった感圧式ボタンよりは、ずっとうまく機能するだろうと思います。
ただ、ほとんどの従来型のゲームでは、メインの操作で使われるよりも、サブ的な使われ方をする場合が多いだろうと予想します。メインの操作で使われるには、デュアルショック対応でサルゲッチュが出たような、モーションセンサーに特化したソフトが必要になるでしょう。
■Wiiリモコン
こちらについては、予想していた以上に、Wii対応ソフトは全て従来のゲームとは全く異なる操作になるようですね。よく言われる喩えですが、体感ゲーム的というか、アーケードゲーム的ですね。ゲーム画面よりも、遊んでいる人を見ている方が面白いというのが興味深かったです。
しかし、たぶんWiiリモコンの最大の特徴は、ブンブン振ったりすることではなくて、画面を直接ポインティングできることにあるのではないかと予想しています。
メディアブリーフィング 社長スピーチ抜粋(日本語訳) : E3 2006 : Nintendo
Wiiリモコンの片手での操作は、ちょうどDSのタッチスクリーンに相当するものです。これにより、ノンゲーマーやゲームをされなくなったユーザーへの障壁を取り払うことになります。全ての皆様にとって、これは快適なものです。
タッチスクリーンでは、当初は画面をこすったり、線を描くことによる新しいゲーム性の創出に心が砕かれていたのですが、今となってみれば、タッチパネルの真の恩恵は、何てこと無い、単に「画面の見たまま触るだけで遊べる」ということでした。
ですのでWiiリモコンでも、発売後1年ぐらい経ってみたら、コントローラをブンブン振り回すことよりも、単に画面にコントローラを向けるだけで選択肢を選択できる、ということの方が価値のあることになっているかもしれません。少なくとも岩田氏はそう考えているのではないかと思っています。
そして「片手での操作は」と前置きが付いていることからも分かる通り、ヌンチャクを付けた時のWiiリモコンは「ゲーマー仕様」ですね。プレスカンファレンスで操作方法が実演されたゼルダ、レッドスティールという両ソフトの性格からも、それは明らかです。
ローンチでは、恐らくDSと同様、コントローラを使い倒すタイトルが多くなるでしょう。中には無理矢理使ったようなタイトルも出てくると思われます。大事なのはむしろローンチの後で、DSのようにタッチパネルが当たり前の存在になった時にどんなコンテンツが出てくるか、ということだと思います。
■まとめ
PS3コントローラについては、巷で言われているよりも、僕は好意的に受け止めています。フリースタイルプロよりも、もっとずっと良い使われ方をするタイトルも出てくると思います。
しかし仮にSCEがWiiリモコンをパクったのだとしても、任天堂にとって一番肝心なところはパクれませんでした。PS3では、ポインティングは従来通り、アナログスティックか方向ボタンでやることになりますから。
しかしSCEのプレスリリースを読む限り、パクれなかったのではなく、あえてパクらなかったようです(笑)
SCE: PLAYSTATION(R)3専用コントローラ発表
新たに搭載する高精度・高速応答の6軸検出システムは、コントローラ以外の外部装置の設置を必要としない、従来にない画期的なものです。これにより、テレビ等への専用機器の取付けなどの煩わしいシステムの設置作業が不要になりました。
これはつまり、Wiiの「センサーバー」に対するあてつけのようです。
Wiiの概要 [コントローラ] : E3 2006 : Nintendo
※ページ中央の右側の2つの写真が、SCEが言うところの「テレビ等への専用機器の取り付け」を必要とする機器のようです。
センサーバーについて、既に何かで発表があったのかもしれませんが、少なくともSCEは任天堂が何をやろうとしているのか、ほぼ完全に知ったうえで、対抗策として「6軸」センサーを打ち出してきたものと思われます。任天堂は「3軸」センサーのようですから(その代わりヌンチャクにもセンサーが付いていますが)。この辺りの情報戦は、なかなか熾烈な物があるのでしょうね。
まとめますと、あれれの見解としては、SCEの立場からすると「Wiiの独占長所を1つ潰すことができた。PS3用ゲームにも良い影響が出ることが期待される」、任天堂の立場からすると「SCEは一番肝心なところはパクらなかった。良かった良かった」となり、両者とも良かったという、もっとも収まりの良い結果に落ち着いたのではないか・・・、と思っている次第です。
■おまけ
さて、次回は遂にオンライン機能についてですね。個人的には、実はコントローラよりもこっちの方が、E3全体ではサプライズが多かったと思っています。特に任天堂とMSですね。
これについては、シリーズ記事の「生活浸透型ゲーム」とも密接に繋がりそうなので、ちょっと気合入れて記事を書かないと、と思ってます。
※すみません、PS3とコントローラについては、徒然と書いてしまいました。
2006年05月09日
SCEプレスカンファレンス
ITmedia +D Games:PS3価格発表――発売日は11月11日に決定
発売日、価格はTGSの頃か、プライベートな発表会で発表するものとばかり思っていたので、今日の発表には非常に驚きました。もちろん、その内容にもです。
■発売日
とは言え、PS3の発売日をねちっこく予想し続けてきた当ブログとしては、まずは答え合わせでしょう!(笑)
ゲームのマボロシ: PS Business Briefing 2006 Marchについて(1)
とまあ悲観論ばかりでは何なので、改めて発売日を予想してみますと、11月初旬という言葉を額面通り受け取れば11月11日(土)大安、ワールドワイドの発売日順の関係から若干遅れることがあれば、11月22日(水)大安の可能性も多いにあります。
やった!アタタ!\(^o^)/
・・・すみません、これを外す人はいませんよね。しかも22日という保険までかけてるし(笑) まあ、PS3発売日予想については 「 完 敗 」 ということで一つ。
■HDD
こちらは結局、廉価版の方にも20GBのHDDを搭載することで決着を見たようです。社内では相当もめたと思われますが、最終的には、くたたんはe-distributionの可能性に賭けたのでしょうね。先行している360で、マーケットプレイスが予想以上に盛り上がっているのが、最大のポイントになったと思われます。
MMORPGが対応しやすくなったことも含めて、PS3はオンラインゲーム機としては、かなりのポテンシャルを持つようになりました。これからは、あらゆる電子機器がオンライン化していく流れにありますから、そういう点ではゲーム機として正しい進化だと思います。
ただPS3はこれで、コスト的には相当重い重石を強いられることになりました。一方の360はHDD非搭載でもOKという構成ですから、これからの価格競争では相当有利な立場に立ったと言えそうです。またWiiの場合はフラッシュメモリーですから、こちらもHDDと比較するとコストダウンが効きやすい部材と言えます。
で、次の話題となるのですが・・・。
■価格
何もお祭りであるE3で、しかもプレゼンテーションの最後に捨て台詞的に紹介しなくても・・・、と思いました。あれでは完全に冷や水をぶっかけられたようなもので、もう価格のことしか頭に残りませんよ。これで10日にカンファレンスを開く任天堂、MSに、思う存分突け入る隙を与えてしまいました。
北米は・・・、もうほぼ終わったと言っていいでしょう。360がシェアで逆転するのは日を見るより明らかです。この価格設定では、PS3にソフトを独占供給しようという欧米のサードパーティーはいないでしょうし(魅力的な独占契約があれば別でしょうが)、マルチになるということはPS3の能力をフルに活かすのが難しくなり、結果的に360との差別化が更に困難になり、するとより360寄りのサードパーティーが増えて・・・、と完全に負のスパイラルに陥るからです。
まあ、PS3と360では、圧倒的な価格差が付くだろうというのは、皆が予想していたことではあったのですが・・・。
本体のピークパワーではPS3が上回っているかもしれませんが、恐らく11月発売のソフトの質、量で、PS3はXBOX360に完敗します。それは今年のE3で明らかになるでしょう。そうなった時に、元々心情的にXBOX寄りの北米で、なおかつ価格的にも恐らく360の方が圧倒的に安く、なのにゲームのボリューム、クオリティは360の方が高いとなれば、結果は目に見えています。
欧州は全世界でもっともPSが強い地域ですが、欧州も今回は厳しいでしょうね。特に欧州のマーケットリーダーである英国では、Xboxがなかなか強い勢力を持っていますから。
ただ個人的には、この価格設定でも、日本では当分は問題無いと思います。200万台までは、かなりのハイペースで売れ続けるでしょう。ただハード普及の目安と言われる300万台から、更にそれを越えて500万台に達するまでの時間は、たとえばPS2の時の39800円の時よりも、かなりスローペースになるだろうと思います。今回はただでさえ、PS2の時のような期待感、ワクワク感が無いですからね。
ただそもそも日本市場で、需要に追いつけるほどハードを供給するのか?という問題もあります。
■出荷台数
PS3の出荷台数については、下記の記事で予想してみていました。
06年11月〜07年3月まで5ヶ月間+毎月100万台出荷+07年3月までに600万台
=ローンチ時(11月)にワールドワイドで200万台を出荷 量産開始時期は最短で9月(2ヶ月で200万台) 立ち上げ時のトラブルや輸送の手間を考えると8月(3ヶ月で200万台)
まあ予想というか、小学生でもできる算数なのですが、やっぱりほぼこの通りでしたね(さすがに生産時期は分かりませんが)。
初期出荷を200万台、2006年末にまで400万台、2007年3月末までに600万台出荷が予定されているとのこと。
ただ微妙に違うのは、初期出荷が200万台というのはビンゴなのですが、年末までに400万台ということは、11月下旬〜12月までの1ヶ月強の間に、更に200万台を上乗せするということです。その代わり、1〜3月は200万台しか出荷しないそうです。毎月100万台出荷なのでは・・・?ま、色々事情がありそうですね。
まあ、この出荷台数を宣言通りに達成できると思っている業界関係者はほとんどいないと思われますが、それでも半減ということも無いでしょうから、400〜600万台として、問題なのは日米欧にどのような割合で配分するかですね。僕は以下のように予想しました。
北米100万台、欧州60万台、日本40万台ぐらいが、ローンチ時に出荷されるのではないか、ということになります。同様の理屈で、07年3月までだと、北米300万台、欧州180万台、日本120万台が出荷される、ということになります。
このような予想をしているため、日本では来年一杯でやっと300万台ぐらいの出荷なので、あの価格でもそれほど大きな問題は出ないだろうと考えているという次第です。300万台を越えるところぐらいで値下げをすれば、500万台までは何とかなるのではないでしょうか。
■スペックダウン
余りにもネタが多いので言及に困るぐらいなのですが、PS3の更新されたスペックシートも見所が多いです。
巷で言われている接続端子数の削減だけでなく、コントローラの接続数が7→4になったり、外形寸法が旧Xboxよりも大きくなったりと、かなりスペックダウンしました。
そしてシステムクロックも、どうやら下げる方向のようですね。スペックシートからクロック数の表記が綺麗さっぱり消えてしまいました。360に対抗して無理に3.2GHzにこだわらなければ良かったのに・・・。
その代わり、今回のスペックシートは本気度も伺えますので、これが量産スペックとなるのでしょう。
しかし本当に、廉価版は買う気が失せるスペックですね・・・。PSPは単にアクセサリーのある/無しでしたから、むしろ単品の方が買い得感があったのですが。これなら出荷台数に極端な偏りがあったとしても、誰も文句は言わないでしょう。
■コンテンツ
トレイラーの中では、個人的には「Africa」が興味深かったです。結局トレイラーだけで、物にならずに終わるベイパーウェアになるような気がしないでも無いですけど、高性能の使い方としては「正しい」と感じる映像でした。
余り評判は良くないですが、僕は魚群デモが結構好きなんです。まあ誰もが一度は考える、アクアノートの休日の正統進化なのですが、単純に気持ち良さそうで。ああいうソフトなら、6軸センサでまったりと遊ぶのが似合いそうです。
あとプレイアブルタイトルはそう多くないだろうと予想しましたが、結果的には当たったような外れたような、でしたね。
しかしプレイアブル出展とは言っても、パッと見て360より劣って見えるゲームは、逆に出展自体をSCEは制限しようとするでしょう。間違っても「360の方が画面が綺麗だね」という印象を、来場者に与えてはいけないからです。これは「360よりも遙かにパワフルだ」というイメージ作りをしてきたことによる、一種の「縛り」です。ですのでパッと見た時の印象が非常に良い数タイトルを前面に出し(WAR HAWKなど)、他は誤魔化しの効くビデオ出展でラインナップの豊富さを誇る(リッジレーサー7など)ことになるでしょう。
ITmedia +D Games:やっとすべてを発表できた――SCE久夛良木健氏プレスイベント直後インタビュー
ちなみに試遊コーナーでは、「グランツーリスモHD」、「GENJI 2」、「singstar」、「Formula 1 06」、「Heavenly Sword」、「WARHAWK」、「SONIC THE HEDGEHOG」などが体験できた。
スクリーンショットが物議をかもしたコーエーの「フェイタル・イナーシャ」のようなゲームは、恐らくプレイアブル出展可能だと思われるのですが、こういったソフトは恐らくSCEはプレイアブル出展を許可しなかったと思われます。
しかし問題なのは、「パッと見た時の印象が非常に良い数タイトル」が、どうやら余り無さそうだということです。明らかにE3間に合わせに過ぎない「グランツーリスモHD」を全面に押し出すことからも、それは明らかです。だから本当は「GENJI 2」のようなタイトルを出展すべきでは無いのですが、「GENJI 2」ですら、試遊可能なタイトルの中では、まだ出来が良い方なのでしょう。明らかに360以下でしたが・・・。
あと「WARHAWK」はプレイアブルだろうというのは当たりましたね。これは恐らく来るだろうと思っていました。
■まとめ
僕は以前「成功を受け継ぎ、失敗を反省する」というE3帰りの記事で、PS3はPS2の成功要素を受け継いでいるからこそ、成功するだろうと予想していました。もちろん360との競争は熾烈になるという前提での話ですが。
しかし今では、完全に逆を行ってしまいました。
1つは発売日。360に対抗するための北米発売日のデッドエンドは、僕は夏だったと思っています。今年の年末では360に対抗できません。そういう意味では、確かに当初予定の春発売は、よく考えられた設定でした。
もう1つは、もちろん価格。PS2の成功を受け継ぐには、北米では360豪華版と同じ$399が限界だったと思います(それでもPS2よりも$100高いのですが)。
日本、欧州はまだ情勢がはっきりしていませんが、北米については、あとは10日のMSのプレスカンファレンスの盛り上がり次第では、ほぼ決着が付くだろうと思います。
Wiiに関しても、10日のカンファレンスの内容次第ですが、個人的にはPS3とWiiは直接的には競合しないと予想しているので、PS3如何に関わらず、Wii自身がどれだけ魅力をアピールできるかですね。日本市場は、欧米と比べると性能への欲求が薄い市場だと思いますから、DSのようにうまくアピールできれば、成功への道は見えてくると思います。
PS3は、とにかく後はコンテンツ次第ですね。ただ今は、SCEJにソフト開発力が無くなってきているので、MSのようにとにかくソフトを開発しやすい環境を整えて、サードパーティーの頑張りに期待したいところです。結局のところ、ハードが良く売れるのは「そのハードを買わないと遊べないソフトが出た時」ですからね。
2006年05月04日
ゲーム機における3つのカテゴライズ
いよいよ来週はE3ですね!
今年の年末商戦の趨勢が、ほぼE3で見えてくるでしょうから、現地に行ける人が羨ましい限りです。とりあえず僕はネットの情報待ちですが(笑)、せっかくのお祭りですし、自分なりにE3への予想コメントを書いてみたいと思います。
E3への事前コメントとしては、忍之閻魔帳さんのこのエントリーが興味深かったです。ちなみに僕にとっての「瞬間」は、バーチャ3が思ったほどインカムが上がっていないという報告を聞いた時だったと思います。そんなようなことを、この記事でも書きました。
■PS3とXbox360
PS3とXbox360の、いわゆるHDを売りにした次世代機対決については、過去記事で下記のようなコメントを書きましたが、その時と感じ方は一緒です。
ゲームのマボロシ: PS Business Briefing 2006 Marchについて(1)
確かに発売が先延ばしになれば、ソフトの質、量は上がります。しかし同じ11月に発売される360ソフトは、すでにローンチからゆうに1年を経過し、ディベロッパーは開発に完全に習熟しています。本体のピークパワーではPS3が上回っているかもしれませんが、恐らく11月発売のソフトの質、量で、PS3はXBOX360に完敗します。それは今年のE3で明らかになるでしょう。そうなった時に、元々心情的にXBOX寄りの北米で、なおかつ価格的にも恐らく360の方が圧倒的に安く、なのにゲームのボリューム、クオリティは360の方が高いとなれば、結果は目に見えています。
去年のE3でXbox360は、PowerMac G5ベースの開発機で、可能な限りプレイアブルで出展して、来場者に実際に触って評価してもらうよう頑張っていました。しかし「なんだ次世代機ってこんなものか」と思われてしまった一方、ビデオ出展のみだったPS3が派手なムービーにより効果的にアピールしていたため、結果的には裏目に出てしまいました。東京ゲームショウでも、プレイアブル出展が多かった360に対して、MGS4のムービー1つでPS3はイメージ戦略で優位に立ちました。
しかし、今度はPS3が同じ立場に追い込まれる番になってしまいました。
Xbox360は気楽なものです。すでに市場に実際に発売されているハードですから、過剰な期待もありませんし、ゴッサム3やゴーストリコンのような次世代機らしいグラフィックも既に実現済みです。そしてE3では「Gears of War」のような、更に一段とグラフィッククオリティを上げてくる期待作や、HALO3のような欧米地域でのキラータイトルも控えています。「Viva Pinata」のような、新規性のある注目タイトルもプレイアブル出展されるでしょう。
そのような360陣営に対して、PS3が対抗できるかどうかは、プレイアブル出展タイトルで360よりも美麗で迫力のあるゲームを出すことができるかどうかにかかってきます。さすがにもう、ムービーだけでは期待感を煽るのは難しいです。
しかしプレイアブル出展とは言っても、パッと見て360より劣って見えるゲームは、逆に出展自体をSCEは制限しようとするでしょう。間違っても「360の方が画面が綺麗だね」という印象を、来場者に与えてはいけないからです。これは「360よりも遙かにパワフルだ」というイメージ作りをしてきたことによる、一種の「縛り」です。ですのでパッと見た時の印象が非常に良い数タイトルを前面に出し(WAR HAWKなど)、他は誤魔化しの効くビデオ出展でラインナップの豊富さを誇る(リッジレーサー7など)ことになるでしょう。
しかしそれでも、実際にプレイアブル出展タイトルを遊んでみて「なんだ、PS3ってこんな程度か」と思われた瞬間に、まさに去年同じように思われてしまった360が、評価が一転して、逆に再評価される側に回ることになります。そしてその可能性が高いというのが、僕の現時点での予想です。
これはSCEの、というよりクタタンの悪癖なのですが、事前期待を煽るのは非常に上手いのですが、煽りすぎたため、実際にプレイアブルになった時に期待を下回り、ガッカリ感を感じさせてしまうということがあります。そして今回は、360という強力なコンペティターを相手に、「360より2倍パワフル」「こちらこそが真のHD時代の次世代機」など威勢の良い言葉を並べてきたことが、自分の首を絞めつつあります。BD再生機能や、PS1、2との互換性などは、ユーザーの期待に応えられそうですが・・・。
まとめますと、ゲームが充実してきた360、年末発売に向けて一抹の不安を残したPS3、ネットメディア上での両者の評価はこんなところになるのではないでしょうか。
■PS2とWii
さて、もう1つの次世代機、任天堂のレボリューション改め「Wii」ですが、WiiをPS3、Xbox360との「三つ巴」と表現するのが正しいのだろうか?という考えを僕は持っています。最近、Wiiのゲームタイトルの情報がいくつか出てきていますが、面白いのがPS2とのマルチタイトルがあることです。
かめはめ波も!『ドラゴンボールZ スパーキング ネオ』がレボリューションに - Nintendo iNSIDE
PS3、Xbox360とのマルチではなく、PS2とのマルチであるというところがミソです。
僕は以前から、次世代機は現行機ほど急速には普及しないという見解を持っていますが、仮にそうなったとしたら、パブリッシャーはPS2に対し、あと3年ぐらいはメインプラットフォームとしてゲームを販売していきたいところです。実際SCEも、PS2プラットフォームをこれからも強力にサポートしていくことを明言します。
プレイステーション2は「3〜5年は現役のハード」 / ファミ通.com
しかしPS3が発売されれば、どうしても「旧世代機」というイメージになり、ソフトの販売数の落ち込みは避けられません。ハード末期の今ですら落ち込んできていますから。
そこで、PS2とWiiとのマルチプラットフォームという戦略が浮上してきます。もちろんコントローラが大きく異なりますから、単なるベタ移植では無理ですが、逆に言えば操作系だけWiiのコントローラに合わせれば、もっとも開発コストのかかるリソース作成やゲームシーケンスはそのまま流用できるからです。
市場が充分に大きいPS2と、操作系の新しさを売りにできるWiiという2つのマルチプラットフォームは、たとえばPS2、GCというほとんど違いがなかった2機種に対するマルチプラットフォームよりも両方のソフトを出す意義があり、パブリッシャーとしては願ってもない話です。
このような観点から、僕はWiiはPS3やXbox360と競合するのではなく、むしろWiiがPS2の既存客層をいかに引き込むかという競合になってくるのではないか、と予想しています。そしてそれがうまくいくかどうかが、今回のE3で見極められるのではないか、と思います。
ちなみに旧Xboxはどうなるのかということですが、北米での売上をみても旧Xboxは未だによく売れているのですが、PS2とは違い、長期的なサポートは期待できないと見ています。PS2とは違い、旧Xboxは非常にコスト効率が悪いハードだからです。チップが自社生産ではなく買い取りなので、シュリンクなど大胆なコストダウン策が取れないなどが、その理由です。ですのでチップの自社生産に踏み切ったXbox360に、いずれは完全に移行してしまいたいのが、MSの本音だと思われます。
■PSPとDS、そして新たな携帯機
今回のE3は明らかに据置機が主役となるショウですが、PSP、DSといった携帯機も少なからず存在感を見せ付けることになるでしょう。そしてMSの携帯機の発表も予想されるところです。
もはや携帯機は、子供用のゲーム機ではなく、テレビというモニターに縛られない自由度の高いゲーム機として、確固たる地位を獲得しつつあります。PSP、DS、そして新たな携帯機など、この分野の競合は、これから益々激しくなってくるでしょう。その片鱗も、今回のE3で伺うことができるでしょう。しかしこの動きがより前面に出てくるのは、むしろ来年のE3になると思われます(特にソニーはPSPへの何らかのテコ入れ策を、来年のE3で発表してくるでしょう)。
■ゲーム機における3つのカテゴライズ
さて、このようにまとめると、ゲーム機を3種類にカテゴライズすることができることが分かります。つまりPS3、Xbox360という「ハイエンド」、PS2、Wiiという「ミドルレンジ」、そしてPSP、DSという「モバイル」です。
「ハイエンド」は、端的に言えば「PS2に飽き足らなくなった人向け」です。
「モバイル」は、「テレビの前以外でゲームを楽しみたい人向け」と言えるでしょう。
そして「ミドルレンジ」は、言うならば「PS2で満足している人向け」です。
そして業界を俯瞰してみると、MSはハイエンドに専念しています。そしてゆくゆくはモバイルも取りに来るでしょう(もっともこちらは、ゲームよりはiPodの方が目障りでしょうが)。任天堂はミドルレンジとモバイルを物にしようとしていて、ハイエンド(HD対応など)には興味が無いようです。そしてソニーは、ハイエンド、ミドルレンジ、モバイルの3つのカテゴリー全てをカバーしようとしている、唯一のプラットフォーマーだと言えます。
近年では最大の盛り上がりを見せるであろう今年のE3。どのような評判を呼ぶことになるのかで、3つのカテゴリーがどのような進展を見せていくか、未来が垣間見えることになると思います。

