2008年05月27日
富者から貧者への”分配”が必要!
日本の財政は大きな赤字を抱えています。
今後、経済成長によって、この赤字を処理する事が難しくなって来ています( 理由については、前記、当ブログ「経済力・経済成長・精神性」を読んで下さい )。
今後、”大混乱の世界経済”からも考えて、財政収支を何とかするするためには「富者から貧者への分配」しかないでしょう。
現在(07年度)の”最高所得税率”は、40%です。86年、70%あったものが年々下がり、現在の40%になったのです。
”富者の為の政策”を象徴する変化です。
”市場原理主義”の流れの中、努力する者、能力のある者の報われる世の中のキャッチフレーズでとられた政策でもありました。
高収入を謳歌する人達が本当に、努力したり、能力があった結果の高所得なのか、疑問です。
今、米国で問題になっている金融危機。この金融危機をつくり出した米国の、上位企業CEO(最高経営責任者)の平均年収は10億円位あるそうです。一握りの富める階層の者たちが、国民総所得の半分以上を占めています。
米国で問題となっている金融危機をつくり出した金融関係者CEOの年収は、この上位企業の平均年収を遙かに上回っています。努力したり、能力があったりしたのでなく、逆に、所属企業や国や世界の経済システムを危機に陥れているにもかかわらず、このような収入を、現在や過去、得ています。
これはもう根本的におかしいと思います。
この現象は、米国だけでなく、規模は違いますが、日本でも起きている現象です。
バブル期、過剰融資などずさんな経営で、大手の銀行や証券会社をおかしくしたり潰した、頭取や社長などがいましたし、識者と呼ばれる人達で、優秀な者が高収入を得るのは市場原理で当然と、バブルやグローバル経済(市場原理主義)を煽り、高収入を得ました。
最近では、モラルなき経営で社員を路頭に迷わす経営者の話題に事欠きません。
別に能力があったりしての高所得ではないのですから、このような人達から、”税”と言う形で強制的に取り上げ、所得の低い階層に分配すべきでしょう( 高額所得者の、所得額に比例した消費活動の割合は低所得者より低いので、所得の再配分は、国内の消費活動を活発にするだろう。国内の景気回復に役立つ )。
「所得税」は、国の歳入のうち5分の1を占め、「法人税」や「消費税」など国税の中でも最も比重が高い、のですから、ここから取れば”国の財政健全化”にも役立ちます。
日本の07年度の「所得税」は、年収800万円位以上の人(全体の20%)が、所得税全体の75%位を納めているようです( 全体の80%位の低所得者の人達の納付は、所得総額の25%位 )。
所得税の最高税率の推移ですが、86年の70%から次第に下がり、現在(07年から)、40%になっています。
86年 70%
87年 60%
89年 50%
99年 37%
07年 40%
税金納付の大半を、高額所得者が占めているのですから、86年以降、こんなに税率を下げれば、税収減で国の財政が赤字になるのは当然です。
さらに、高額所得者の場合、低所得者に比べ、減税の大部分は貯蓄に回り、所得増の割に消費に回らないので国内の消費が低迷するのは当然のことです。
元の(86年)、70%に戻すか、もっと最高税率を上げるべきです( 高額所得者は税金と言う形で寄付してもらえば。欧米では、高額所得者は社会に寄付したりしています。金持ちも貧乏人もいないフラットな社会が良いのでは。
今まで、最高税率を下げて来た、政府や議員や政策審議委員の人達は、一応、高額所得者の部分に入りますから税率を下げても上げたくはないのだと。勘ぐりたくなりますね )。
高額所得者への税率アップは、低所得者が国民の大半を占めていますから、反対はないでしょう。
逆に、年収300万円以下の低所得者の税率は、もっと下げて良いと思います。
消費税は、食料品などの生活必需品は税率を0%にすべきです。そして、高級品については、現在の数%などとケチなことを言わず、20・30%位の高い税率にすべきです( 高級品を買うのは大部分高額所得者です。消費税で、少しくらい高くなっても、高額所得者にとっては50歩百歩です。欲しいと思えば買うでしょう )。
税収アップになります。
このような税率にすれば、低所得者が大部分の国民は反対するどころか、喜んで賛成するでしょう。
「消費税」や「所得税」が高くなると高額所得者は日本から出てゆく、と言うなら、次のように言わなければなりません。
今から始まる”反グローバル経済(反市場原理)”の時代は、フラットな社会を目指しますから、どこの国に行こうと、高額所得者にはそれなりの税率が待っています。又、現在のように、制限なくお金を海外に持ち出す事は出来なくなるかもしれません。
更に、21世紀以降の世界は、”精神レベル”を上げなければ、この地球で生存出来なくなる時代に入って来ています。
この地球は、今までの銭ゲバ的な人々は住む事が不可能な”高度な精神性”を持った人々の居住する惑星になります。
我々は、それほどの”時代的な転換点”にいるのです( 高度な精神性にならなければ最終的に、その社会は崩壊してしまうからです。詳しくは、前記、当ブログ「経済力・経済成長・精神性」を参照して下さい )。
「法人税」の引き下げが、世界的な傾向となっていますが、これは国家の枠を超え企業の活動の自由を促した”世界的なグローバル経済”が原因なのです。
現在のように物質文明が発達してなかっ時代は、それぞれの地域が一つの国家としての機能を持ち、そこで国としての経済活動をその範囲内で一応、完結させていました。
日本に例をとると、江戸時代、各藩が”国”としての機能を持ち、通貨は藩札があり、人の移動や生産活動などの経済活動はその藩の中で、一応完結していました。藩が「国民経済」として機能していたのです。
しかし、世界情勢(世界的な物質文明の発展)によって、藩での国家機能(国民経済)が時代にそぐわなくなり、単一国家としての「明治維新」を迎えます。
ところが、物質文明が更に大きく発展し、人やモノの移動や情報などが、地球的規模で大きく動くようになると、国家(国民経済)の枠組みを超え経済が動くようになりました。
この第1段階が、70年くらい前の世界的なグローバル経済でした( 現在のグローバル化した経済と同じ)。
しかし、実体経済は各国の「国民経済」が主体となっており、現実の国民経済を無視した経済政策( 世界的な規制緩和や金融緩和 )は、世界的なマネーゲームを誘発し、ニューヨーク・ウォール街の株暴落に端を発した世界恐慌へと入っていきました。
今回の、世界的なバブル崩壊も、世界的な規制緩和や金融緩和による「世界的なグローバル経済化」が原因となっています。
いくら企業活動が、国家の枠を超え活動を広げても、そこには、国家の枠組みが厳然と存在する「国民経済」があり、そこには各国独自の通貨があり、移住が簡単には出来ない人々が存在します。
さらに、異なる言語があり、教育レベルがあり、数年単位ではどうにもならない経済格差もあります。
人の移動にしても、地球の裏側に移動するにはジェット機で移動しても半日以上になり、大量の物資の移動は航空機ではどうにもならず数日をかけての船舶での移動となる、等々さまざまな問題が存在します。
世界を”完全なグローバル経済化”にする、ということになると、これらの障害をすべて排除する必要が出て来ます。
どう云う事かと言うと。
各国が州となった、「地球政府」を誕生させる必要が出て来ます。
まず単一通貨を持ち、言語を統一させ、地球政府誕生までに、各国の経済格差を縮小させる必要が出て来ます。
人々や大量の物資の移動を今以上に早くさせる必要が出て来ますし、環境の悪化を全く伴わないタダ同然で得られる新エネルギーが必要です( 現在の状態では、人類の食糧やエネルギー確保が不可能。モノの移動も瞬間的な移動と言ってよいので、現在の科学技術では不可能 )。
さらに、モラルの無い企業活動やマネーゲームをさせない”精神性の向上”が必要です( 現在の人類の精神レベルでは不可能 )。
このような状態にならなければ、地球のどのような地域に住んでいても、経済格差の無い”人間が主体の経済”を営んでするといった社会にはなりません。
”人の為の経済”とは言えないのです。
本当の意味での”グローバル経済”とは、この様になった時の「世界経済」の事を云います。
この様に世界経済がなってもいないのに、モラルの無い企業の利益活動(企業の論理)を優先させたり、投機家などの経済利益活動を放任させた、現在の”偽りのグローバル経済化”が、世界経済に様々な悪い現象を出現させています。
例えば。
外国から不足の人材確保の為の研修制度名目での”単純労働の受入”。
経営者にとっては、低賃金での不足労働者の確保。暇になれば首にできる( 日本人労働者にとっては、低賃金でおまけに重労働、希望者は少ない )。
介護を例にとると。
介護士になっても生活できない( 政府は、生活できる賃金を保障すべきです。政府も企業も、外国から安い賃金で雇おうとするからおかしくなる。高額所得者から税という形で少し分配し、これらの低所得者が4百万位の年収になれば十分生活できます。政治家や役人や諮問会議の議員は年収一千万以上の高額所得者です。自分達の所得の一部が削られるので税改正をしないのでしょう。低所得者である大部分の国民は、このような課税には反対しません。自分達の所得が削られるので国民が反対すると嘘の言い訳をするのです )。
外国人労働者は、日本での低賃金労働といえども、本国に送金、自国通貨に換えれば、自国では数倍から数10倍の所得に変化する( 高賃金の高級労働者に変化する。数年間働いて帰れば出稼ぎ御殿も可能 )。
人材輸出国は、過剰労働者の輸出によって経常収支の改善をはかろうとする。
* 政府は、企業の都合を優先させ、無知にも、今(08年5月)、「外国人定住法」や「移民庁」の設置を検討している(経済の本質を知らずに)。
”経済の奴隷”となった企業や投機家の行動。
企業は企業で、各国の国民が主体であるはずの「国民経済」を無視し、只、企業利益のみを考え、世界の低コスト国において利益行動を繰り返す( コストに問題が起きると、次の低コスト国え移動する。そこには、企業の利益のみで、その国の経済の主体である国民えの利益は無い。”モラルの無い企業活動である” )。
投資家や投機家は、自己の利益のみ考え行動し、自己の行為が投資・投機国にどのような経済的状況をもたらすのか考えず行動した。
これらの行為によって、各国の「国民経済」を破壊した( 南米の経済危機、ロシアの経済危機、アジアの経済危機等 )。
これらは、非常に不遜な行為で、自分勝手な経済行動だと思う。
米プリンストン大経済学教授ポール・グルーグマンも「グローバル化の正体」と題し、現在のグローバル経済を、次のように言ってます。
「 ― グローバル化をどう定義しますか。 ―
政府や自然による障害が減り、世界の人々と様々な仕事や取引をしやすくなったということだ。 ・・・19世紀半ば、鉄道と汽船、電報で遠隔地の経済が結ばれ、例えば英国がニュージーランドから肉輸入で食料をまかなうようになった。こうして世界経済が形成された時期が第1段階だ。
我々が直面しているのはグローバル化の第2段階だ。
これは70年以降のコンテナ輸送とファックスの急速な普及や、関税引き下げなどによるもので、はるか遠く離れた顧客の為に多くのモノやサービスをお互いに生産し合うような世界になった。その結果、たとえばipodの超小型演算処理装置が米国製で、表面画面は日本製、組み立ては中国だが部品は米国や日本からも、といったふうに、かって不可能だった分業がなされているわけだ。
― それが米国にもたらした変化は。 ―
経済をより効率的にした半面、所得分配を悪化させた。工業製品の生産を途上国に移転することで、値段が安くなった半面、高等教育を受けてない労働者の賃金を削減した。・・・
― グローパル化で企業の税金は軽減され、個人への課税に偏りがちです。 ―
企業の(生産拠点などの)決定が機動的になった現在、歳入を増やす手段として企業への課税を考えることは有効ではなくなった。国際競争の圧力で法人税を下げた例もある。高水準の福祉国家が所得や消費への課税で歳出の大きな部分をまかなっているように、そうした現実は認めなくてはならない。米国で十分な社会保障を築くにはかなりの歳入が必要で、消費税の導入が必要だが、政治的にとても困難だ。・・・
・・・米国モデルは90年代に成功したが、もはやうまくいってない。何でも米国のまねをしたいなどと思うべきでない。 」08・5朝日
英国は70・80年代、”英国病”に苦しんでいました( この老大国は、経済の衰えにより、長期の経済不振に陥っていたのです )。
米国も同様、同年代、経済力の衰えにより経済不振に陥っていました。
この時代、英米だけでなく世界中の国が、現在の石油価格の暴騰と同じく、オイルショックによって始まった世界的な経済不況に苦しんでいたのです( 資源国を除き )。
英国のサッチャー首相(79年−90年)や米国のレーガン大統領(81年−89年)は、経済不振を立て直すため自国の”規制緩和”に踏み切ります。
そして、”資金不足”の英米両国は、世界的な二大金融センター(シティ・ウォール街)を最大限に利用するため、世界に「金融の規制緩和」を求めて行くことになります。
この「金融の規制緩和」の成功が、「世界的なグローバル経済化」への大きな原動力になりました。又、この世界的な金融センターに、世界の資本が流入した事が”世界的なマネーゲームの道”を開くことになります( 規制緩和によって、世界をグローパル経済化させたことが、世界経済に様々な歪みをもたらし、今、世界的な金融危機を発生させた )。
実体経済の不振を規制緩和によって( 特に、金融の緩和 )不況からの脱出を図ったことが、技術革新や資源不足などにより成長要因が失われた世界経済に大きな混乱をもたらすこととなりました。
自国の実体経済の不振を、”金融緩和や規制緩和”によって経済不振からの回復を図ったことが、実体経済で使用する通貨を大きく上回る、大量の紙幣が世界を駆け巡る「マネーゲーム社会」をつくり出すことになります。
身体的精神的な不振を、覚せい剤を用いることによって、一時的にうまくやろうとする行為にほかなりません。切れそうになると投与して来たのが、今日の「世界経済」の状態です。
たびたびの投与(資金供給)は、”覚せい剤中毒”をもたらすこととなりました。
現在の世界経済の、「スタッグフレーション(不況とインフレの同時進行)化」は、覚せい剤の”禁断症状”と同じです。
禁断症状(金融危機)を抑えようと、覚せい剤を投与(資金供給)したのが覚せい剤中毒としての「経済のスタッグフレーション化」です( 欧米の銀行は、サブプライム問題で深刻になった金融不安解消の為、市場に大量の資金を供給した。この資金供給が、商品市場に向かい、原油などの暴騰を起こしている )。
禁断症状を抑えようと投与すればするほど病状が悪化します( 住宅などの証券化商品市場の安定にならず、資源などの商品市場の暴騰となり、「不況下のインフレ」となって、経済政策の執りようのない、経済破壊に向かって突き進んでいる )。
最後は”廃人(世界経済の崩壊)”です。
このまま行けば、世界は資源価格の高騰に耐えられなくなり、一挙にドカンと世界経済が失速します。
資源価格の高騰を抑えようと、資金の供給を止めればやめたで、禁断症状が起き、経済の血液である資金の周りが世界中で悪くなり、これまたバブル状態の世界経済が失速する。
ここまで来たら、どちらを取っても、”廃人の道”を免れないのです。
今、世界経済に起きている出来事は、このような事なのです。
今後、経済成長によって、この赤字を処理する事が難しくなって来ています( 理由については、前記、当ブログ「経済力・経済成長・精神性」を読んで下さい )。
今後、”大混乱の世界経済”からも考えて、財政収支を何とかするするためには「富者から貧者への分配」しかないでしょう。
現在(07年度)の”最高所得税率”は、40%です。86年、70%あったものが年々下がり、現在の40%になったのです。
”富者の為の政策”を象徴する変化です。
”市場原理主義”の流れの中、努力する者、能力のある者の報われる世の中のキャッチフレーズでとられた政策でもありました。
高収入を謳歌する人達が本当に、努力したり、能力があった結果の高所得なのか、疑問です。
今、米国で問題になっている金融危機。この金融危機をつくり出した米国の、上位企業CEO(最高経営責任者)の平均年収は10億円位あるそうです。一握りの富める階層の者たちが、国民総所得の半分以上を占めています。
米国で問題となっている金融危機をつくり出した金融関係者CEOの年収は、この上位企業の平均年収を遙かに上回っています。努力したり、能力があったりしたのでなく、逆に、所属企業や国や世界の経済システムを危機に陥れているにもかかわらず、このような収入を、現在や過去、得ています。
これはもう根本的におかしいと思います。
この現象は、米国だけでなく、規模は違いますが、日本でも起きている現象です。
バブル期、過剰融資などずさんな経営で、大手の銀行や証券会社をおかしくしたり潰した、頭取や社長などがいましたし、識者と呼ばれる人達で、優秀な者が高収入を得るのは市場原理で当然と、バブルやグローバル経済(市場原理主義)を煽り、高収入を得ました。
最近では、モラルなき経営で社員を路頭に迷わす経営者の話題に事欠きません。
別に能力があったりしての高所得ではないのですから、このような人達から、”税”と言う形で強制的に取り上げ、所得の低い階層に分配すべきでしょう( 高額所得者の、所得額に比例した消費活動の割合は低所得者より低いので、所得の再配分は、国内の消費活動を活発にするだろう。国内の景気回復に役立つ )。
「所得税」は、国の歳入のうち5分の1を占め、「法人税」や「消費税」など国税の中でも最も比重が高い、のですから、ここから取れば”国の財政健全化”にも役立ちます。
日本の07年度の「所得税」は、年収800万円位以上の人(全体の20%)が、所得税全体の75%位を納めているようです( 全体の80%位の低所得者の人達の納付は、所得総額の25%位 )。
所得税の最高税率の推移ですが、86年の70%から次第に下がり、現在(07年から)、40%になっています。
86年 70%
87年 60%
89年 50%
99年 37%
07年 40%
税金納付の大半を、高額所得者が占めているのですから、86年以降、こんなに税率を下げれば、税収減で国の財政が赤字になるのは当然です。
さらに、高額所得者の場合、低所得者に比べ、減税の大部分は貯蓄に回り、所得増の割に消費に回らないので国内の消費が低迷するのは当然のことです。
元の(86年)、70%に戻すか、もっと最高税率を上げるべきです( 高額所得者は税金と言う形で寄付してもらえば。欧米では、高額所得者は社会に寄付したりしています。金持ちも貧乏人もいないフラットな社会が良いのでは。
今まで、最高税率を下げて来た、政府や議員や政策審議委員の人達は、一応、高額所得者の部分に入りますから税率を下げても上げたくはないのだと。勘ぐりたくなりますね )。
高額所得者への税率アップは、低所得者が国民の大半を占めていますから、反対はないでしょう。
逆に、年収300万円以下の低所得者の税率は、もっと下げて良いと思います。
消費税は、食料品などの生活必需品は税率を0%にすべきです。そして、高級品については、現在の数%などとケチなことを言わず、20・30%位の高い税率にすべきです( 高級品を買うのは大部分高額所得者です。消費税で、少しくらい高くなっても、高額所得者にとっては50歩百歩です。欲しいと思えば買うでしょう )。
税収アップになります。
このような税率にすれば、低所得者が大部分の国民は反対するどころか、喜んで賛成するでしょう。
「消費税」や「所得税」が高くなると高額所得者は日本から出てゆく、と言うなら、次のように言わなければなりません。
今から始まる”反グローバル経済(反市場原理)”の時代は、フラットな社会を目指しますから、どこの国に行こうと、高額所得者にはそれなりの税率が待っています。又、現在のように、制限なくお金を海外に持ち出す事は出来なくなるかもしれません。
更に、21世紀以降の世界は、”精神レベル”を上げなければ、この地球で生存出来なくなる時代に入って来ています。
この地球は、今までの銭ゲバ的な人々は住む事が不可能な”高度な精神性”を持った人々の居住する惑星になります。
我々は、それほどの”時代的な転換点”にいるのです( 高度な精神性にならなければ最終的に、その社会は崩壊してしまうからです。詳しくは、前記、当ブログ「経済力・経済成長・精神性」を参照して下さい )。
「法人税」の引き下げが、世界的な傾向となっていますが、これは国家の枠を超え企業の活動の自由を促した”世界的なグローバル経済”が原因なのです。
現在のように物質文明が発達してなかっ時代は、それぞれの地域が一つの国家としての機能を持ち、そこで国としての経済活動をその範囲内で一応、完結させていました。
日本に例をとると、江戸時代、各藩が”国”としての機能を持ち、通貨は藩札があり、人の移動や生産活動などの経済活動はその藩の中で、一応完結していました。藩が「国民経済」として機能していたのです。
しかし、世界情勢(世界的な物質文明の発展)によって、藩での国家機能(国民経済)が時代にそぐわなくなり、単一国家としての「明治維新」を迎えます。
ところが、物質文明が更に大きく発展し、人やモノの移動や情報などが、地球的規模で大きく動くようになると、国家(国民経済)の枠組みを超え経済が動くようになりました。
この第1段階が、70年くらい前の世界的なグローバル経済でした( 現在のグローバル化した経済と同じ)。
しかし、実体経済は各国の「国民経済」が主体となっており、現実の国民経済を無視した経済政策( 世界的な規制緩和や金融緩和 )は、世界的なマネーゲームを誘発し、ニューヨーク・ウォール街の株暴落に端を発した世界恐慌へと入っていきました。
今回の、世界的なバブル崩壊も、世界的な規制緩和や金融緩和による「世界的なグローバル経済化」が原因となっています。
いくら企業活動が、国家の枠を超え活動を広げても、そこには、国家の枠組みが厳然と存在する「国民経済」があり、そこには各国独自の通貨があり、移住が簡単には出来ない人々が存在します。
さらに、異なる言語があり、教育レベルがあり、数年単位ではどうにもならない経済格差もあります。
人の移動にしても、地球の裏側に移動するにはジェット機で移動しても半日以上になり、大量の物資の移動は航空機ではどうにもならず数日をかけての船舶での移動となる、等々さまざまな問題が存在します。
世界を”完全なグローバル経済化”にする、ということになると、これらの障害をすべて排除する必要が出て来ます。
どう云う事かと言うと。
各国が州となった、「地球政府」を誕生させる必要が出て来ます。
まず単一通貨を持ち、言語を統一させ、地球政府誕生までに、各国の経済格差を縮小させる必要が出て来ます。
人々や大量の物資の移動を今以上に早くさせる必要が出て来ますし、環境の悪化を全く伴わないタダ同然で得られる新エネルギーが必要です( 現在の状態では、人類の食糧やエネルギー確保が不可能。モノの移動も瞬間的な移動と言ってよいので、現在の科学技術では不可能 )。
さらに、モラルの無い企業活動やマネーゲームをさせない”精神性の向上”が必要です( 現在の人類の精神レベルでは不可能 )。
このような状態にならなければ、地球のどのような地域に住んでいても、経済格差の無い”人間が主体の経済”を営んでするといった社会にはなりません。
”人の為の経済”とは言えないのです。
本当の意味での”グローバル経済”とは、この様になった時の「世界経済」の事を云います。
この様に世界経済がなってもいないのに、モラルの無い企業の利益活動(企業の論理)を優先させたり、投機家などの経済利益活動を放任させた、現在の”偽りのグローバル経済化”が、世界経済に様々な悪い現象を出現させています。
例えば。
外国から不足の人材確保の為の研修制度名目での”単純労働の受入”。
経営者にとっては、低賃金での不足労働者の確保。暇になれば首にできる( 日本人労働者にとっては、低賃金でおまけに重労働、希望者は少ない )。
介護を例にとると。
介護士になっても生活できない( 政府は、生活できる賃金を保障すべきです。政府も企業も、外国から安い賃金で雇おうとするからおかしくなる。高額所得者から税という形で少し分配し、これらの低所得者が4百万位の年収になれば十分生活できます。政治家や役人や諮問会議の議員は年収一千万以上の高額所得者です。自分達の所得の一部が削られるので税改正をしないのでしょう。低所得者である大部分の国民は、このような課税には反対しません。自分達の所得が削られるので国民が反対すると嘘の言い訳をするのです )。
外国人労働者は、日本での低賃金労働といえども、本国に送金、自国通貨に換えれば、自国では数倍から数10倍の所得に変化する( 高賃金の高級労働者に変化する。数年間働いて帰れば出稼ぎ御殿も可能 )。
人材輸出国は、過剰労働者の輸出によって経常収支の改善をはかろうとする。
* 政府は、企業の都合を優先させ、無知にも、今(08年5月)、「外国人定住法」や「移民庁」の設置を検討している(経済の本質を知らずに)。
”経済の奴隷”となった企業や投機家の行動。
企業は企業で、各国の国民が主体であるはずの「国民経済」を無視し、只、企業利益のみを考え、世界の低コスト国において利益行動を繰り返す( コストに問題が起きると、次の低コスト国え移動する。そこには、企業の利益のみで、その国の経済の主体である国民えの利益は無い。”モラルの無い企業活動である” )。
投資家や投機家は、自己の利益のみ考え行動し、自己の行為が投資・投機国にどのような経済的状況をもたらすのか考えず行動した。
これらの行為によって、各国の「国民経済」を破壊した( 南米の経済危機、ロシアの経済危機、アジアの経済危機等 )。
これらは、非常に不遜な行為で、自分勝手な経済行動だと思う。
米プリンストン大経済学教授ポール・グルーグマンも「グローバル化の正体」と題し、現在のグローバル経済を、次のように言ってます。
「 ― グローバル化をどう定義しますか。 ―
政府や自然による障害が減り、世界の人々と様々な仕事や取引をしやすくなったということだ。 ・・・19世紀半ば、鉄道と汽船、電報で遠隔地の経済が結ばれ、例えば英国がニュージーランドから肉輸入で食料をまかなうようになった。こうして世界経済が形成された時期が第1段階だ。
我々が直面しているのはグローバル化の第2段階だ。
これは70年以降のコンテナ輸送とファックスの急速な普及や、関税引き下げなどによるもので、はるか遠く離れた顧客の為に多くのモノやサービスをお互いに生産し合うような世界になった。その結果、たとえばipodの超小型演算処理装置が米国製で、表面画面は日本製、組み立ては中国だが部品は米国や日本からも、といったふうに、かって不可能だった分業がなされているわけだ。
― それが米国にもたらした変化は。 ―
経済をより効率的にした半面、所得分配を悪化させた。工業製品の生産を途上国に移転することで、値段が安くなった半面、高等教育を受けてない労働者の賃金を削減した。・・・
― グローパル化で企業の税金は軽減され、個人への課税に偏りがちです。 ―
企業の(生産拠点などの)決定が機動的になった現在、歳入を増やす手段として企業への課税を考えることは有効ではなくなった。国際競争の圧力で法人税を下げた例もある。高水準の福祉国家が所得や消費への課税で歳出の大きな部分をまかなっているように、そうした現実は認めなくてはならない。米国で十分な社会保障を築くにはかなりの歳入が必要で、消費税の導入が必要だが、政治的にとても困難だ。・・・
・・・米国モデルは90年代に成功したが、もはやうまくいってない。何でも米国のまねをしたいなどと思うべきでない。 」08・5朝日
英国は70・80年代、”英国病”に苦しんでいました( この老大国は、経済の衰えにより、長期の経済不振に陥っていたのです )。
米国も同様、同年代、経済力の衰えにより経済不振に陥っていました。
この時代、英米だけでなく世界中の国が、現在の石油価格の暴騰と同じく、オイルショックによって始まった世界的な経済不況に苦しんでいたのです( 資源国を除き )。
英国のサッチャー首相(79年−90年)や米国のレーガン大統領(81年−89年)は、経済不振を立て直すため自国の”規制緩和”に踏み切ります。
そして、”資金不足”の英米両国は、世界的な二大金融センター(シティ・ウォール街)を最大限に利用するため、世界に「金融の規制緩和」を求めて行くことになります。
この「金融の規制緩和」の成功が、「世界的なグローバル経済化」への大きな原動力になりました。又、この世界的な金融センターに、世界の資本が流入した事が”世界的なマネーゲームの道”を開くことになります( 規制緩和によって、世界をグローパル経済化させたことが、世界経済に様々な歪みをもたらし、今、世界的な金融危機を発生させた )。
実体経済の不振を規制緩和によって( 特に、金融の緩和 )不況からの脱出を図ったことが、技術革新や資源不足などにより成長要因が失われた世界経済に大きな混乱をもたらすこととなりました。
自国の実体経済の不振を、”金融緩和や規制緩和”によって経済不振からの回復を図ったことが、実体経済で使用する通貨を大きく上回る、大量の紙幣が世界を駆け巡る「マネーゲーム社会」をつくり出すことになります。
身体的精神的な不振を、覚せい剤を用いることによって、一時的にうまくやろうとする行為にほかなりません。切れそうになると投与して来たのが、今日の「世界経済」の状態です。
たびたびの投与(資金供給)は、”覚せい剤中毒”をもたらすこととなりました。
現在の世界経済の、「スタッグフレーション(不況とインフレの同時進行)化」は、覚せい剤の”禁断症状”と同じです。
禁断症状(金融危機)を抑えようと、覚せい剤を投与(資金供給)したのが覚せい剤中毒としての「経済のスタッグフレーション化」です( 欧米の銀行は、サブプライム問題で深刻になった金融不安解消の為、市場に大量の資金を供給した。この資金供給が、商品市場に向かい、原油などの暴騰を起こしている )。
禁断症状を抑えようと投与すればするほど病状が悪化します( 住宅などの証券化商品市場の安定にならず、資源などの商品市場の暴騰となり、「不況下のインフレ」となって、経済政策の執りようのない、経済破壊に向かって突き進んでいる )。
最後は”廃人(世界経済の崩壊)”です。
このまま行けば、世界は資源価格の高騰に耐えられなくなり、一挙にドカンと世界経済が失速します。
資源価格の高騰を抑えようと、資金の供給を止めればやめたで、禁断症状が起き、経済の血液である資金の周りが世界中で悪くなり、これまたバブル状態の世界経済が失速する。
ここまで来たら、どちらを取っても、”廃人の道”を免れないのです。
今、世界経済に起きている出来事は、このような事なのです。
【政治・経済・国際情勢の最新記事】
2008年04月29日
前回の「世界恐慌」より、経済変調に入りつつある今回の「世界的不況」の方が、遙かに深刻!
FRB(米中央銀行)のバーナンキ議長はG7(先進7か国財務相・中央銀行総裁会議)の前日(4・10)講演会で、現在の金融危機が「 戦後最も深刻な出来事の一つであるが・・・米国の大恐慌(30年代の世界恐慌)や90年代の日本の金融危機とは少しも似ていない 」と楽観論を述べた、との事であるが・・・実際は、これら( 大恐慌や日本の金融危機 )より遙かに”深刻”である。
その理由。
1、 30年代の世界恐慌時、基軸通貨国米国の経済力は”最強(ドル通貨)”であった。
現在は、経済力衰退、経済は崩壊寸前である。
* 前回の世界恐慌時、当時の米国は経済力が非常に強く、現在と異なり基軸通貨国として不動の地位にあり、基軸通貨の揺らぎは全くなかった。米国は、真の意味で”独り勝ち”の状態であった。
現在、ドル基軸通貨は”風前の灯火”である。基軸通貨の揺らぎは世界経済にとって前回の大恐慌以上の破壊をもたらすだろう。
基軸通貨ドルの価値低下にともなって、スタグフレーション( 不況下の資源高 )が長く続く。
2、 証券化したことによって、不良債権の確定が出来ず”毀損”が分らない。不良債権の悪質化。
* 前回の大恐慌や日本の金融危機は、比較的不良債権の確定が出来やすかったが、今回の金融危機は、IT技術を駆使し高度な数学理論によって作り出された金融商品の証券化によって不良債権の毀損確定が出来にくい。
「・・・各社の業績悪化は、サブプライム債権を組み込んで高利回りを追求した債務担保証券を、自ら作ったり買ったりして保有し、多額の評価損を抱えたために起きた。・・・債権担保証券は、多い時には千の種類を超える債権を束ねて別の証券に仕立てている金融商品。あまりに複雑なので、商品の正確な価値判断が出来ない状況。損失覚悟で売却したくても買い手がつかず、傘下の投資ファンドなどに大量に塩漬けされている欧米の銀行や証券会社は多いとみられている。・・・ 」07・10読売
「 ― ベアー・スターンズは市場価格を大きく割り込む価格で叩き売られた ― 」08・3日経
「・・・市場を信用不安の波が襲うのは昨年夏、昨年末に続いて今回が3度目。
その度にFRB などが大量の資金供給などでしのいできたが、問題は解決せず、波は大きくなるばかり。そして今回、証券化業務を広く手がけていたベアー社が標的となり、のみこまれた。・・・
・・・ベアー社のほかにも危ない会社があるのでは、と(市場は)取引の手を引いてしまっている。・・・ 」08・3朝日
* 米証券大手ベアー・スターンズ社のJPモルガンによる救済は、最初の危機からわずか半年から1年で”日本の金融危機”と同じ段階に来たことを示している。崩壊の速度が非常に速い。
[ 日本のバブル崩壊は90年ころ。崩壊から5年たち、96年住専の問題が大きくなり、97年三洋証券や拓銀や山一証券の破綻があり、その後さらに銀行の破綻が続いた。 ]
IMF(国際通貨基金)は、09年までに、世界の金融機関で、90年代の日本の金融危機に匹敵する規模と同じ、100兆円位の損失が発生すると試算した( たった1年で、日本のバブル崩壊と同額の水準に達する )。
[ 資産デフレで重要な英米の不動産(住宅)価格の下落率:
”米国”の住宅先物市場は、今年秋まで住宅価格の下落が20%位になる、と見込んでいると云う( 含み益がなくなり、サブプライムからプライムに危機が広がる )。
”英国”、ロンドンの物件(住宅)価格はピークから半年で2割下落した。
( 日本の不動産価格は、バブル崩壊で地価がピーク時の半分くらいになった。
英米の資産価格の下落は、今の程度ではすまないのは確実だ。資産デフレは今から始まる。 ) ]
* 証券化商品の影響は、金融機関と関係ない一般の企業にまで及んできている。
「 ― 消費者金融大手の武富士が08年3月期に297億円の特別損失を計上する ―
・・・背景にあるのが、金融市場で長らく信用されてきたファンドのつまずき。
ファンドは”シグマ・ファイナンス”、SIVと呼ばれる一種のヘッジファンド。
”シグマ”は米シティーグループが設立。SIVの中でも最古参の一つ、トリプルAの格付けも守ってきた。1月下旬に米格付け会社が”シグマ”の発行する債券を格下げの方向で見直すと発表。武富士が運用していた金融商品に、このシグマ債が組み込まれていた。シグマ債の価格が額面の6割に下がり、金融商品全体の価格が急減した事が損失の実相。
”シグマ”に代表される債権は、武富士以外の様々な金融商品に組み入れられることが多かった、と言われる。そうならば問題は日本の消費者金融1社にとどまらず、他の企業の財務や業績にも影響を与えかねない。・・・武富士が損失を発表した直後、JPモルガンが同社の会計処理をしている日本企業のリストを作成、市場が動揺する場面がもあった。リストの1社に入った”ソフトバンク”は、すかさず火消しに動いた。・・・
[ SIV: 長短金利差に着目して利ザヤを稼ぐ特殊な資産運用会社。欧米の金融大手やヘッジファンドなどが特別目的会社として設立。
短期証券を発行して資金を調達。担保証券などの比較的長期の証券に投資した。高利回りを狙い、カネ余りによる運用難を背景に人気が高まった。長期の投資を短期の負債でまかなった構造的な弱みで、証券投資していた為、含み損が膨らんだ。 ] 」08・3日経
バブル崩壊の痛手を受け、大人しくしていた我が国の金融や企業が、こんな状態ならば、バブル真っ盛りを謳歌していた欧米の金融や企業の状態は、推して知るべし、でしょう。
G7合意で、世界の主要銀行への共同監視対象に、最悪の欧米はもとより、比較的軽いとされた日本の三メガバンク( 三菱UFJ・三井住友・みずほ )が含まれているのは、このような状況なら当然でしょう。
3、 グローバル経済化した世界経済の規模が当時よりはるかに大きくなっている。
当時(30年代)は、共産圏であったソ連が世界経済に入ってなかった。今は、グローバル経済の重要な一員になっている( 30年代の大恐慌は、共産圏は経済恐慌の圏外にあったが、今回は、世界全体がグローバル経済に組み込まれてしまった。真の意味で、”世界規模の経済恐慌”となる )。
4、 情報の伝達速度が当時に比べ遙かに大きくなり、衝撃度が増す。
* 当時に比べ、IT技術や移動手段の高度化。情報や人やモノが瞬時に世界を駆け巡る。
前回(30年代)のグローバル経済(世界的マネーゲーム)は「 数10人乗りの簡単な計器のプロペラ機 」だった。今回(2千年代)は、「 数百人乗りのハイテク化したジャンボジェット機 」。
崩壊時の範囲と衝撃度は遙かに大きなものとなる。
5、 「成長の限界」に世界経済が陥った。
* 人口増・エネルギー問題で、世界経済に”成長要因”が失われた。
不況からの脱出の為の「経済成長」政策をとることができない。
成長出来なければ、経済規模の拡大は無いので、前回(30年代の大恐慌)のように恐慌からの脱出が難しくなった。
70年代(オイルショック)に「成長の限界」の萌芽があり、2000年代の新興国(中国・インド)の勃興によって、08年「成長の限界」が現実のものになった( 70年代は、OPECのカルテルがあり、石油の供給を操作した。今回は、供給が限界点にあり、供給の操作不能 )。
これを解決するには、既成概念を白紙に戻して考えた、”新科学理論”しかない。
( 現代の人類の意識革命が必要で、これなくしては、環境を破壊せず、タダ同然に、しかも人類全体が使っても使い切れない膨大なエネルギーを人類が手にする事は出来ない。既成概念を白紙に戻して考えなければならないので、簡単ではないだろう。 )
< ”新理論”について知りたい方は、著書「世界的なバブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ >
6、 カリスマ投資家のジョージ・ソロスも現在の金融危機を「 第二次大戦後最大の金融危機 」と言っている( FRB のバーナンキ議長の楽観発言は、不安を煽らない為の発言である。もし本気で思っているとすれば、無知としか言いようがない )。
今回の「金融危機」の震源に大きく影響を与えることになったのは!
度々述べてきました(このブログで)、金融恐慌が起きた70年位前の”銀行業務や会計業務”の規制を、マネーゲームをやり易くするため市場原理や規制緩和で、再び改革(変更)した、世界的な金融ビッグバン( 銀行・証券業務の規制緩和等 )や会計ビッグバン( 会計制度を原価主義から時価会計基準への変更 )が原因です。
[ 金融ビッグバン: 英国が86年に実施した証券制度の抜本改正等。
「 (日本では)自由で、公正な、世界に開かれた金融市場を(の謳い文句で)。96年秋、橋本政権が打ち出した「日本版ビッグバン」。
目標は、01年に東京市場をニューヨーク、ロンドン並みの国際市場に。改革3原則として、フリー( 市場原理が働く自由な市場 )、フェア( 信頼できる市場 )、グローバル( 国際的で時代を先取りする市場 )が揚げられた。
護送船団方式による裁量行政からの決別を謳い上げた。 」07・11朝日 ]
日本の場合。
90年バブルが崩壊し、日本経済が「失われた15年」に入ったその時代( 96年、”住専”の破綻問題が国内で大問題になっていた )、逆の英米の”市場原理主義”を持ち込んで「金融ビッグバン」を進めたのですから、失われた15年に突き進んで当然の結果でした。
バブル崩壊後、不良債権の実態を把握しないまま、ノー天気に、大蔵省主導の”金融ビッグバン”を受け入れ、住専問題や97年の山一や拓銀の破たんが起きたのに、98年4月改正外為法施行、6月銀行法・証券取引法などビッグバン関連法を成立させた( その後もも長銀や日債銀の破綻が続く )。
金融危機が大きくなっているにもかかわらず、”金融ビッグバン”を押し進め、金融危機の震度を深めた。
[ 会計ビッグバン: 時価会計の世界統一基準づくり。
米国で、93年有価証券の評価に時価会計基準が導入。98年には国際会計基準にも同様の規定が導入される。01年、国際会計基準委員会(IASC)が日米欧の金融関係者によって発足。「世界統一基準」の国際会計基準づくりが行われている。 ]
米国で、”会計制度”が原価から時価会計に変わった時期は、ITバブルの始まる頃の93年( 2000年、ITバブル崩壊 )。
この会計制度(会計ビッグバン)は、短期的な経営収支と投資先の経営状態が明確になる会計処理によって投資・投機判断がやりやすい。投資家・投機家などのマネーゲームをする者に有利な制度なのだ( 主導している者は、マネーゲーム先進国の英米関係者 )。
金融サービス(マネーゲーム)にあっては、投機家保護の為、時価会計が有利ゆえに、マネーゲーム先進国英米主導で”会計ビッグバン”は始まった。
これに対し、債権者保護として商法の原価主義は長期的なモノ作りの企業に合う、これがこれまで日本で採用された理由である。
この意味するところは大きい。
日本の会計制度を、日本がこれまでの様に、モノづくりで生きて行くか( 債権者保護の商法か )、それとも、英米の様なマネーゲームの国に変えて行くのか( 投機家保護の証券取引法か )の大きな選択でもあったのだ。
それをマネーゲームの方向に向け動いた結果、金融システムがおかしくなり、今、”世界的バブル崩壊”の動きが始まった。
そして、今、世界的なマネーゲームの崩壊に直面、この”時価会計”を凍結する話し合いが始まっています(G7で)。
( この”時価会計”についても、当時、マスコミに警告したが取り上げられることはなかった。 )
< 会計ビッグバンの詳細(経緯)については、著書「世界的なバブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ >
G7規制強化に転換( 金融機関監視G7合意へ)。
「 G7( 7カ国財務相・中央銀行総裁会議 )の共同声明に盛り込む”金融安定フォーラムの提言”は、世界の金融当局が金融危機を未然に封じ込めるため規制強化に舵を切ることを意味する。・・・もっとも、提言中にはBSI( 国際決済銀行 )の新しい”自己資本比率規制”の適用を一時的に緩めたり、”時価会計”を事実上凍結したりする劇薬は盛り込まれなかった。・・・ 」08・4日経
この「G7」の規制強化の理由は。
銀行が新手の証券業務にのめり込んだ挙句の惨事は、30年の大恐慌の教訓と同じ。: 銀行・証券分離を定めた銀行法の規制緩和がアダになった。金融市場の危機的状況は、大恐慌に匹敵する。
自分達(英米)が、マネーゲームをやり易くするため、”市場原理の名の下”世界に規制緩和を要求。
世界中で、99年のグラス・スティーガル法(米国)廃止と同様の、法律が廃止され、”銀行と証券の垣根が外された”。その結果、マネーゲームによって金融市場がおかしくなると、今度は、”規制”だと言う。
そして、銀行(欧米の)は、サブプライム問題で不良債権が大きくなり”資本が毀損”したので、自分達が強力に推し進めた”自己資本比率の規制を緩めよう”と言う。
一体どうなっているんですかネ。
日本がバブル崩壊で”資本”が痛んで”銀行が潰れても”そんな話はでませんでした。
そのような恩恵もなく、必死で不良債権を処理し、バブル崩壊の痛手から日本は今、立ち直ろうとしています。
これまで、日本の政府や知識人やマスコミは、ハイ分りました、とばかりに(英米の)時流に追随し、国民を煽って英米のサル真似をしてきました。
その欧米は、自分達の都合が悪くなると、強引に日本に押し付けた金融や会計ビッグバンを一時停止や自己資本比率の規制を緩めようと言う。
自分勝手も極まれり、です。
日本の政府や知識人やマスコミは、経済政策を、云い様に、欧米から弄ばれたとしか言いようがありません。
更なる不況を、呼び込もうとしている現在の世界経済の状態では、国民はいい面の皮ですョ。
竹中平蔵元経財担当・総務大臣は「 福井元日銀総裁が日本を悪くした(文芸春秋08・4) 」と、福井総裁の金融政策を批判した。
確かにバブル崩壊から今日まで、福井総裁だけでなく歴代の日銀総裁の金融政策はヘマが多かったが、貴方がた( 市場原理主義者 )ほど罪深くはない。
あなたが師と仰ぎ、貴方が小泉政権下で大臣として活動する事に大きく影響を及ぼしたと言われている、貴方と同じくアメリカナイズされその先頭を走って来た、加藤寛氏達。
グローバル市場原理主義を米国から持ち込み、国民やマスコミを煽り、バブルを発生させ、この日本を”失われた15年”にした貴方がたこそ罪が重いと思います。
90年バブル発生の元凶をつくった「前川リポート」のメンバーの一人であった加藤寛氏。その後のバブル発生や、小泉政権下でマスコミと一緒になり、煽り煽られ、更なる日本経済崩壊に大きく影響を与えたのは貴方ではないか。
私に言わせれば、日銀は貴方がた( 市場原理主義者 )の犠牲者ですョ。
貴方がた( 市場原理主義者 )の誤った”政策”や”提言”によっておかしくなった経済を立て直すため、困難な金融政策に携らなければならなくなった犠牲者です。
< 同氏達の”提言”や”政策”の歴史的経緯を詳しく書いています。知りたい方は、著書「世界的なバブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ >
( * 著書の中「我々の対処法」で、”金”への投資を述べていますが、当時は、今ほど金価格が上昇していませんでした。現在は、かなり高騰し、マスコミなども”金”を取り上げています。こういう状況になると注意が必要です。
いずれ、世界経済が崩壊し、ドルの基軸通貨が崩れると日本は円を準基軸通貨にする為”金”の価値を基準に置いた通貨制度を執るようになるかも知れません( 金代替本位制 )。
そのようになると、政府の決定した”金”の価格が円の価値に固定されますから、円通貨を持っておれば良く、”金”を持つ必要はなくなります。 )
その理由。
1、 30年代の世界恐慌時、基軸通貨国米国の経済力は”最強(ドル通貨)”であった。
現在は、経済力衰退、経済は崩壊寸前である。
* 前回の世界恐慌時、当時の米国は経済力が非常に強く、現在と異なり基軸通貨国として不動の地位にあり、基軸通貨の揺らぎは全くなかった。米国は、真の意味で”独り勝ち”の状態であった。
現在、ドル基軸通貨は”風前の灯火”である。基軸通貨の揺らぎは世界経済にとって前回の大恐慌以上の破壊をもたらすだろう。
基軸通貨ドルの価値低下にともなって、スタグフレーション( 不況下の資源高 )が長く続く。
2、 証券化したことによって、不良債権の確定が出来ず”毀損”が分らない。不良債権の悪質化。
* 前回の大恐慌や日本の金融危機は、比較的不良債権の確定が出来やすかったが、今回の金融危機は、IT技術を駆使し高度な数学理論によって作り出された金融商品の証券化によって不良債権の毀損確定が出来にくい。
「・・・各社の業績悪化は、サブプライム債権を組み込んで高利回りを追求した債務担保証券を、自ら作ったり買ったりして保有し、多額の評価損を抱えたために起きた。・・・債権担保証券は、多い時には千の種類を超える債権を束ねて別の証券に仕立てている金融商品。あまりに複雑なので、商品の正確な価値判断が出来ない状況。損失覚悟で売却したくても買い手がつかず、傘下の投資ファンドなどに大量に塩漬けされている欧米の銀行や証券会社は多いとみられている。・・・ 」07・10読売
「 ― ベアー・スターンズは市場価格を大きく割り込む価格で叩き売られた ― 」08・3日経
「・・・市場を信用不安の波が襲うのは昨年夏、昨年末に続いて今回が3度目。
その度にFRB などが大量の資金供給などでしのいできたが、問題は解決せず、波は大きくなるばかり。そして今回、証券化業務を広く手がけていたベアー社が標的となり、のみこまれた。・・・
・・・ベアー社のほかにも危ない会社があるのでは、と(市場は)取引の手を引いてしまっている。・・・ 」08・3朝日
* 米証券大手ベアー・スターンズ社のJPモルガンによる救済は、最初の危機からわずか半年から1年で”日本の金融危機”と同じ段階に来たことを示している。崩壊の速度が非常に速い。
[ 日本のバブル崩壊は90年ころ。崩壊から5年たち、96年住専の問題が大きくなり、97年三洋証券や拓銀や山一証券の破綻があり、その後さらに銀行の破綻が続いた。 ]
IMF(国際通貨基金)は、09年までに、世界の金融機関で、90年代の日本の金融危機に匹敵する規模と同じ、100兆円位の損失が発生すると試算した( たった1年で、日本のバブル崩壊と同額の水準に達する )。
[ 資産デフレで重要な英米の不動産(住宅)価格の下落率:
”米国”の住宅先物市場は、今年秋まで住宅価格の下落が20%位になる、と見込んでいると云う( 含み益がなくなり、サブプライムからプライムに危機が広がる )。
”英国”、ロンドンの物件(住宅)価格はピークから半年で2割下落した。
( 日本の不動産価格は、バブル崩壊で地価がピーク時の半分くらいになった。
英米の資産価格の下落は、今の程度ではすまないのは確実だ。資産デフレは今から始まる。 ) ]
* 証券化商品の影響は、金融機関と関係ない一般の企業にまで及んできている。
「 ― 消費者金融大手の武富士が08年3月期に297億円の特別損失を計上する ―
・・・背景にあるのが、金融市場で長らく信用されてきたファンドのつまずき。
ファンドは”シグマ・ファイナンス”、SIVと呼ばれる一種のヘッジファンド。
”シグマ”は米シティーグループが設立。SIVの中でも最古参の一つ、トリプルAの格付けも守ってきた。1月下旬に米格付け会社が”シグマ”の発行する債券を格下げの方向で見直すと発表。武富士が運用していた金融商品に、このシグマ債が組み込まれていた。シグマ債の価格が額面の6割に下がり、金融商品全体の価格が急減した事が損失の実相。
”シグマ”に代表される債権は、武富士以外の様々な金融商品に組み入れられることが多かった、と言われる。そうならば問題は日本の消費者金融1社にとどまらず、他の企業の財務や業績にも影響を与えかねない。・・・武富士が損失を発表した直後、JPモルガンが同社の会計処理をしている日本企業のリストを作成、市場が動揺する場面がもあった。リストの1社に入った”ソフトバンク”は、すかさず火消しに動いた。・・・
[ SIV: 長短金利差に着目して利ザヤを稼ぐ特殊な資産運用会社。欧米の金融大手やヘッジファンドなどが特別目的会社として設立。
短期証券を発行して資金を調達。担保証券などの比較的長期の証券に投資した。高利回りを狙い、カネ余りによる運用難を背景に人気が高まった。長期の投資を短期の負債でまかなった構造的な弱みで、証券投資していた為、含み損が膨らんだ。 ] 」08・3日経
バブル崩壊の痛手を受け、大人しくしていた我が国の金融や企業が、こんな状態ならば、バブル真っ盛りを謳歌していた欧米の金融や企業の状態は、推して知るべし、でしょう。
G7合意で、世界の主要銀行への共同監視対象に、最悪の欧米はもとより、比較的軽いとされた日本の三メガバンク( 三菱UFJ・三井住友・みずほ )が含まれているのは、このような状況なら当然でしょう。
3、 グローバル経済化した世界経済の規模が当時よりはるかに大きくなっている。
当時(30年代)は、共産圏であったソ連が世界経済に入ってなかった。今は、グローバル経済の重要な一員になっている( 30年代の大恐慌は、共産圏は経済恐慌の圏外にあったが、今回は、世界全体がグローバル経済に組み込まれてしまった。真の意味で、”世界規模の経済恐慌”となる )。
4、 情報の伝達速度が当時に比べ遙かに大きくなり、衝撃度が増す。
* 当時に比べ、IT技術や移動手段の高度化。情報や人やモノが瞬時に世界を駆け巡る。
前回(30年代)のグローバル経済(世界的マネーゲーム)は「 数10人乗りの簡単な計器のプロペラ機 」だった。今回(2千年代)は、「 数百人乗りのハイテク化したジャンボジェット機 」。
崩壊時の範囲と衝撃度は遙かに大きなものとなる。
5、 「成長の限界」に世界経済が陥った。
* 人口増・エネルギー問題で、世界経済に”成長要因”が失われた。
不況からの脱出の為の「経済成長」政策をとることができない。
成長出来なければ、経済規模の拡大は無いので、前回(30年代の大恐慌)のように恐慌からの脱出が難しくなった。
70年代(オイルショック)に「成長の限界」の萌芽があり、2000年代の新興国(中国・インド)の勃興によって、08年「成長の限界」が現実のものになった( 70年代は、OPECのカルテルがあり、石油の供給を操作した。今回は、供給が限界点にあり、供給の操作不能 )。
これを解決するには、既成概念を白紙に戻して考えた、”新科学理論”しかない。
( 現代の人類の意識革命が必要で、これなくしては、環境を破壊せず、タダ同然に、しかも人類全体が使っても使い切れない膨大なエネルギーを人類が手にする事は出来ない。既成概念を白紙に戻して考えなければならないので、簡単ではないだろう。 )
< ”新理論”について知りたい方は、著書「世界的なバブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ >
6、 カリスマ投資家のジョージ・ソロスも現在の金融危機を「 第二次大戦後最大の金融危機 」と言っている( FRB のバーナンキ議長の楽観発言は、不安を煽らない為の発言である。もし本気で思っているとすれば、無知としか言いようがない )。
今回の「金融危機」の震源に大きく影響を与えることになったのは!
度々述べてきました(このブログで)、金融恐慌が起きた70年位前の”銀行業務や会計業務”の規制を、マネーゲームをやり易くするため市場原理や規制緩和で、再び改革(変更)した、世界的な金融ビッグバン( 銀行・証券業務の規制緩和等 )や会計ビッグバン( 会計制度を原価主義から時価会計基準への変更 )が原因です。
[ 金融ビッグバン: 英国が86年に実施した証券制度の抜本改正等。
「 (日本では)自由で、公正な、世界に開かれた金融市場を(の謳い文句で)。96年秋、橋本政権が打ち出した「日本版ビッグバン」。
目標は、01年に東京市場をニューヨーク、ロンドン並みの国際市場に。改革3原則として、フリー( 市場原理が働く自由な市場 )、フェア( 信頼できる市場 )、グローバル( 国際的で時代を先取りする市場 )が揚げられた。
護送船団方式による裁量行政からの決別を謳い上げた。 」07・11朝日 ]
日本の場合。
90年バブルが崩壊し、日本経済が「失われた15年」に入ったその時代( 96年、”住専”の破綻問題が国内で大問題になっていた )、逆の英米の”市場原理主義”を持ち込んで「金融ビッグバン」を進めたのですから、失われた15年に突き進んで当然の結果でした。
バブル崩壊後、不良債権の実態を把握しないまま、ノー天気に、大蔵省主導の”金融ビッグバン”を受け入れ、住専問題や97年の山一や拓銀の破たんが起きたのに、98年4月改正外為法施行、6月銀行法・証券取引法などビッグバン関連法を成立させた( その後もも長銀や日債銀の破綻が続く )。
金融危機が大きくなっているにもかかわらず、”金融ビッグバン”を押し進め、金融危機の震度を深めた。
[ 会計ビッグバン: 時価会計の世界統一基準づくり。
米国で、93年有価証券の評価に時価会計基準が導入。98年には国際会計基準にも同様の規定が導入される。01年、国際会計基準委員会(IASC)が日米欧の金融関係者によって発足。「世界統一基準」の国際会計基準づくりが行われている。 ]
米国で、”会計制度”が原価から時価会計に変わった時期は、ITバブルの始まる頃の93年( 2000年、ITバブル崩壊 )。
この会計制度(会計ビッグバン)は、短期的な経営収支と投資先の経営状態が明確になる会計処理によって投資・投機判断がやりやすい。投資家・投機家などのマネーゲームをする者に有利な制度なのだ( 主導している者は、マネーゲーム先進国の英米関係者 )。
金融サービス(マネーゲーム)にあっては、投機家保護の為、時価会計が有利ゆえに、マネーゲーム先進国英米主導で”会計ビッグバン”は始まった。
これに対し、債権者保護として商法の原価主義は長期的なモノ作りの企業に合う、これがこれまで日本で採用された理由である。
この意味するところは大きい。
日本の会計制度を、日本がこれまでの様に、モノづくりで生きて行くか( 債権者保護の商法か )、それとも、英米の様なマネーゲームの国に変えて行くのか( 投機家保護の証券取引法か )の大きな選択でもあったのだ。
それをマネーゲームの方向に向け動いた結果、金融システムがおかしくなり、今、”世界的バブル崩壊”の動きが始まった。
そして、今、世界的なマネーゲームの崩壊に直面、この”時価会計”を凍結する話し合いが始まっています(G7で)。
( この”時価会計”についても、当時、マスコミに警告したが取り上げられることはなかった。 )
< 会計ビッグバンの詳細(経緯)については、著書「世界的なバブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ >
G7規制強化に転換( 金融機関監視G7合意へ)。
「 G7( 7カ国財務相・中央銀行総裁会議 )の共同声明に盛り込む”金融安定フォーラムの提言”は、世界の金融当局が金融危機を未然に封じ込めるため規制強化に舵を切ることを意味する。・・・もっとも、提言中にはBSI( 国際決済銀行 )の新しい”自己資本比率規制”の適用を一時的に緩めたり、”時価会計”を事実上凍結したりする劇薬は盛り込まれなかった。・・・ 」08・4日経
この「G7」の規制強化の理由は。
銀行が新手の証券業務にのめり込んだ挙句の惨事は、30年の大恐慌の教訓と同じ。: 銀行・証券分離を定めた銀行法の規制緩和がアダになった。金融市場の危機的状況は、大恐慌に匹敵する。
自分達(英米)が、マネーゲームをやり易くするため、”市場原理の名の下”世界に規制緩和を要求。
世界中で、99年のグラス・スティーガル法(米国)廃止と同様の、法律が廃止され、”銀行と証券の垣根が外された”。その結果、マネーゲームによって金融市場がおかしくなると、今度は、”規制”だと言う。
そして、銀行(欧米の)は、サブプライム問題で不良債権が大きくなり”資本が毀損”したので、自分達が強力に推し進めた”自己資本比率の規制を緩めよう”と言う。
一体どうなっているんですかネ。
日本がバブル崩壊で”資本”が痛んで”銀行が潰れても”そんな話はでませんでした。
そのような恩恵もなく、必死で不良債権を処理し、バブル崩壊の痛手から日本は今、立ち直ろうとしています。
これまで、日本の政府や知識人やマスコミは、ハイ分りました、とばかりに(英米の)時流に追随し、国民を煽って英米のサル真似をしてきました。
その欧米は、自分達の都合が悪くなると、強引に日本に押し付けた金融や会計ビッグバンを一時停止や自己資本比率の規制を緩めようと言う。
自分勝手も極まれり、です。
日本の政府や知識人やマスコミは、経済政策を、云い様に、欧米から弄ばれたとしか言いようがありません。
更なる不況を、呼び込もうとしている現在の世界経済の状態では、国民はいい面の皮ですョ。
竹中平蔵元経財担当・総務大臣は「 福井元日銀総裁が日本を悪くした(文芸春秋08・4) 」と、福井総裁の金融政策を批判した。
確かにバブル崩壊から今日まで、福井総裁だけでなく歴代の日銀総裁の金融政策はヘマが多かったが、貴方がた( 市場原理主義者 )ほど罪深くはない。
あなたが師と仰ぎ、貴方が小泉政権下で大臣として活動する事に大きく影響を及ぼしたと言われている、貴方と同じくアメリカナイズされその先頭を走って来た、加藤寛氏達。
グローバル市場原理主義を米国から持ち込み、国民やマスコミを煽り、バブルを発生させ、この日本を”失われた15年”にした貴方がたこそ罪が重いと思います。
90年バブル発生の元凶をつくった「前川リポート」のメンバーの一人であった加藤寛氏。その後のバブル発生や、小泉政権下でマスコミと一緒になり、煽り煽られ、更なる日本経済崩壊に大きく影響を与えたのは貴方ではないか。
私に言わせれば、日銀は貴方がた( 市場原理主義者 )の犠牲者ですョ。
貴方がた( 市場原理主義者 )の誤った”政策”や”提言”によっておかしくなった経済を立て直すため、困難な金融政策に携らなければならなくなった犠牲者です。
< 同氏達の”提言”や”政策”の歴史的経緯を詳しく書いています。知りたい方は、著書「世界的なバブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ >
( * 著書の中「我々の対処法」で、”金”への投資を述べていますが、当時は、今ほど金価格が上昇していませんでした。現在は、かなり高騰し、マスコミなども”金”を取り上げています。こういう状況になると注意が必要です。
いずれ、世界経済が崩壊し、ドルの基軸通貨が崩れると日本は円を準基軸通貨にする為”金”の価値を基準に置いた通貨制度を執るようになるかも知れません( 金代替本位制 )。
そのようになると、政府の決定した”金”の価格が円の価値に固定されますから、円通貨を持っておれば良く、”金”を持つ必要はなくなります。 )
2008年03月31日
「産業力」
”時流”にあまりにも追随しすぎると物事の本質が見えなくなってしまいます。そのよい例が、「昭和11年体制の呪縛(文芸春秋08・3)」でしょう。
「 ・・・(戦争に)工業生産の量や質で負けたという事は、太平洋戦争を開始する以前の日本の民間経済に問題があったか、もしくは民間経済がなかったということである。
実は、昭和11(1936)年から昭和30(1955)年の間、日本はその前とも後とも違い、自由経済ではなく”社会主義経済または統制経済”を採り、国民や民間企業の創意・工夫を否定していたのである。政治については政党政治を否定し、貿易や貿易外取引を国家の統制下に置き、自由な企業活動を制限した。
日本の近代史の中できわめて特異なこの期間の政治経済体制について、昭和11(1936)年体制と呼ぶことにする。・・・ 」
と言って、太平洋戦争の敗北は「社会主義・統制経済」が原因の産業力の無さがあったと述べている。
確かに、産業力に問題があったのではあるが、その原因は「社会主義・統制経済」が原因ではない。その事について述べてみたい。
昭和11(1936)年、その5年前から”世界恐慌”が始まっている。
昭和4(1929)年12月、ニューヨーク・ウォール街で株の大暴落が発生、世界は世界恐慌へと入って行った。
世界恐慌になって、日本だけでなく世界中の国々が、それまでの自由放任(市場原理主義)から規制強化(社会主義・統制経済)に入って行ったのです。
日本ほど強力な統制経済ではなかったが、多かれ少なかれ、世界中がそうでした。
日本の場合。
昭和6(1931)年満州事変、昭和12(1937)年日中戦争、昭和16(1941)年12月太平洋戦争へ突入。昭和20(1945)年終戦。この間”戦時経済”ですから当然、”強力な統制経済”になる。
特に、日本は、資源・資本・産業力無しですから、戦時経済になれば”強力な統制経済”に入らざるを得ない。
昭和6(1931)年満州事変以降、英米等の対日政策は厳しくなって来ます。
昭和12(1937)年の日中戦争によって、日本は欧米より経済制裁を受けるようになりました。
資源・資本無しの日本が経済制裁を欧米より受ければ、”強力な統制経済”しかありません。
この頃の日本の”産業力”は弱く、現在のように自力(自前)で産業に必要な機械( 製造装置; 部品などの製品をつくり出す為の機械 )をつくり出すことが出来なかった。
戦前の経済成長は。
紡績の産業力が大きく発達したことによる。
紡績業は「アジアの工場」と呼ばれるようになり、イギリスの紡績業を圧倒した。
理由は。
この頃、日本の紡績産業の力が強くなり、大正13(1924)年に、世界最高性能のG型自動織機を豊田佐吉(トヨタ自動車の祖)が完成させたことが大きい( 紡績業以外の産業力は弱かった )。
紡績以外の産業製品は、海外からの技術導入。ライセンス生産や新製品の輸入でした。
様々な産業の製品をつくり出すことのできる、自前の製造装置などは夢のまた夢であった。
戦後、日本の産業力が本当に強くなったのは、色々な製品をつくり出すことが出来る製造装置や工作機械を自分で日本がつくることが出来るようになってから、との事である。
この事は、現在の韓国や中国を見ることで分かる。
最近、パソコンのメモリー生産で世界のトップにある韓国のサムスン電子が、製造装置の生産について考え始めたことで分かるのだ。
[ * パソコンのメモリー生産で世界のトップにあるにもかわらず、そのメモリーをつくる製造装置をつくる技術力がない。だから日本などから製造装置を輸入している。この弊害に気付いたのだ。
この様な技術力がないから、韓国は日本から部品や製造装置を輸入し、対日貿易は赤字になっている。中国も同様で、韓国以上に、この様な技術力がない。
この様な技術力がなければ、恐れるに足りない。
只、逆も言える。韓国や中国が日本のように、自力で製造装置や工作機械をつくることが出来るようになった時、韓国や中国は、日本にとって本当の意味で脅威となるだろう。
― アップル社の携帯音楽プレーヤー”ipod”と同様で、いくらアイディアがあっても、技術力がなければ製品は日本につくって貰うしかない。米国は今や、原子力発電所さえ自力でつくることが出来なくなっているようだ。 ― ]
戦前の紡績産業の産業力は、最高性能の紡績機を日本が自力でつくることが出来るようになったからである。
戦前・戦中は、他の産業で優秀な製品を作り出す為の製造装置や工作機械を自力でつくる技術力がなかった(米国やドイツみたいに)。
だから戦前・戦中、国内製品はすぐに故障するので人気なく、外国製品に人気があった。
特に、昭和6(1931)年の満州事変以降厳しくなった経済統制は仕方のないことです。
当時の官僚が悪いわけではなく、当時の日本は、資源・資本力無く、満州事変により欧米からの経済制裁が厳しくなり「 ・・・石油製品や鉄くず輸入などの素材輸入に乏しい外貨を割り当て、新しい産業や技術開発に不可欠な工作機械の輸入・・・ 」まで手が回らなかった。
昭和12(1937)年の日中戦争になると、当然、さらに経済統制が厳しくなります。
「・・・昭和13(1938)年、近衛内閣によって国家総動員法が施行された。・・・ 」
昭和16(1941)年12月太平洋戦争に突入、世界中から経済封鎖され、限られた少ない資源や資本を軍事物資の生産に使う為、更なる経済統制に入らざるを得なくなって来ます。
このため、当然「 ・・・自由な経済競争による技術開発を妨げた・・・ 」。
「 ・・・外国資本の本邦進出や新規技術導入の忌避・・・ 」は、連合国の経済制裁と自国の資源・資本不足の為、”強力な経済統制”は当然の結果であった。
戦後は。
昭和22(1947)年、米国の西ヨーロッパに対するマーシャル・プラン(欧州復興計画)。
米国は、疲弊した西欧の戦後復興を積極的に支援したが、これに対し、日本の戦後復興には始めは積極的ではなかった。この結果「 ・・・日本の復興は同じ敗戦国の西ドイツやイタリアと比較しても・・・ 」遅れた。
共産主義の脅威が起きると、一転、日本に対し積極的な支援に乗り出した。昭和23(1948)年、米国の負担軽減措置(日本経済への復興援助)。
自由経済へ。
昭和25(1950)年、戦時統制の終わり。
昭和25年6月、朝鮮戦争勃発、この戦争特需によって日本経済は戦後復興を果たす。
エネルギーは、石炭から石油へと転換(石炭産業は斜陽産業へ)。
造船業は、コスト安の韓国にとって代わられる。
[ * 戦前・戦中、日本の併合時、日本の造船技術取得、韓国造船業戦後発展。”韓国・台湾、併合地の戦後の産業発展は凄まじい”。
戦前の経済統制時、戦艦建造技術の向上。戦後、技術力をつけた日本の造船業は世界を席巻します。
その後、韓国などに対し借款や技術協力を積極的に行います。はじめ、浦項製鉄所の支援がその後の韓国造船・自動車産業の発展につながった。
その結果、現在、韓国が造船業の世界トップにあります。
中央日報(韓国系時事サイト):
「 新日鉄の支援なしに今日のポスコ(浦項製鉄所)はない 」朴泰俊名誉会長
「 韓国造船業が三冠・・・受注量・残高、建造量で世界トップ 」
―掲示板―
明治以来、日本の軍艦建造技術は数々の苦労の末、いくつかの新工法を編み出し、戦後大きく飛躍しました、それを30年ほど前にそっくり韓国に移植し、当時韓国の技術者も熱心に学び日本の技術者の懇切丁寧な指導に感謝していたそうです。西洋からの技術移転ではこうはいかないこと、明治時代の日本が良く経験した事です。そのこと韓国の造船史に記しておいてください。(06・1投稿文)
日本の協力は、韓国だけでなく中国に対しても行われた。
故讃・燭蓮⊃憩甦の故稲山会長や松下電器の故松下后Ψ宗・に、精力邸λ中国の近代化への供οを求め、ソ。
日本は韓国と同様に、製造技術を懇切丁寧に指導、その成功が呼び水となり、その後、日米欧の企業が先を争って中国に進出した。
その結果の、現在の韓国や中国の発展がある。
高尚な精神で、同国等に惜しみなく技術援助した結果、現在、コスト安や技術の向上によって逆輸入が増え、日本の製造業が苦しめられる状況になってきた。
これとはまったく異なる、只単に、自己の企業の生き残りを賭けた、アパレルメーカー「ユニクロ」等に見られる企業進出による、逆輸入の結果による日本企業の衰退もあります。 ]
戦後、松下・ソニー・ホンダ等の日本企業は、世界的な企業に発展( 製品をつくる製造装置や工作機械が自力でつくれるようになってからである )。
米国は。
戦前・戦中は、強力な産業力・資本力国家、さらに資源は豊富。
過度の統制経済の必要は無く、大恐慌により、過剰な産業力と労働力を抱えていたので、逆に戦争が、大恐慌の米国に与えた恩恵は限りないものがあった。
”戦時経済化”によって、経済恐慌の過剰生産や過剰労働力からの脱却。大不況からの脱出が出来た。
以上から言える事は、日本の戦前・戦中の経済発展は。
経済力の、一つ、資本力無く。二つ、産業力(前記した紡績業のみ強かった)無く。経済力は無かったのです。
”経済統制”による民間経済力の有無とかに関係なく、工業生産力(産業力)などありませんでしたから、経済発展など望むべくもなし、です。
日本が”経済統制”に入ったのは、昭和5(1930)年の世界恐慌発生の頃からである( この”経済統制化”は、それまでの過度な市場原理主義による経済破綻に原因があります )。
昭和6(1931)年、満州事変、この頃になると、戦時経済に入って来ますから、当然、”戦争遂行の為の統制経済”となっていきます。昭和12(1937)年日中戦争、昭和16(1941)年太平洋戦争に突入、”戦争の為の経済”になりますから、”非常に強力な統制経済”となったのです。
国内産業も、戦争遂行(軍事産業のみ)に一点集中です。民間の自主的な経済活動などありえません。
欧米に対し、資源・資本・産業力無く世界戦争に突入したのですから無謀としか言いようがありませんでした。
日本の戦後の経済発展は。
一つ、世界的な”技術革新(イノベーション)”と、二つ、”成長要因(世界に)”があったことに加え、三つ、日本の”産業力( 技術力が大きく向上し、制造装置や工作機械などを自力でつくれるようになったから )”が強くなった事、と。
四つ、世界が、保護貿易体制から自由貿易体制へ動いて行った事、である。
* お詫び *
「・・・日本の協力は、韓国だけでなく中国に対しても行われた。
−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−
日本は韓国と同様に、製造技術を懇切丁寧に指導、その成功が呼び水となりその後日米欧の企業が先を争って中国に進出した。・・・」
上記の −−−−−− 間は、記載を中国人?と思われるハッカーに記事を書き換えられ正確に記載できません。「RSS」も可笑しくなってしまいました。( マカフィーのセキュリティーに一応入っているのですが ) あしからず
( 戦前から戦中の自由貿易から保護貿易、戦後の自由貿易への動き。この世界貿易の歴史的変化について、詳しく知りたい方は著書「世界的バブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ )
「 ・・・(戦争に)工業生産の量や質で負けたという事は、太平洋戦争を開始する以前の日本の民間経済に問題があったか、もしくは民間経済がなかったということである。
実は、昭和11(1936)年から昭和30(1955)年の間、日本はその前とも後とも違い、自由経済ではなく”社会主義経済または統制経済”を採り、国民や民間企業の創意・工夫を否定していたのである。政治については政党政治を否定し、貿易や貿易外取引を国家の統制下に置き、自由な企業活動を制限した。
日本の近代史の中できわめて特異なこの期間の政治経済体制について、昭和11(1936)年体制と呼ぶことにする。・・・ 」
と言って、太平洋戦争の敗北は「社会主義・統制経済」が原因の産業力の無さがあったと述べている。
確かに、産業力に問題があったのではあるが、その原因は「社会主義・統制経済」が原因ではない。その事について述べてみたい。
昭和11(1936)年、その5年前から”世界恐慌”が始まっている。
昭和4(1929)年12月、ニューヨーク・ウォール街で株の大暴落が発生、世界は世界恐慌へと入って行った。
世界恐慌になって、日本だけでなく世界中の国々が、それまでの自由放任(市場原理主義)から規制強化(社会主義・統制経済)に入って行ったのです。
日本ほど強力な統制経済ではなかったが、多かれ少なかれ、世界中がそうでした。
日本の場合。
昭和6(1931)年満州事変、昭和12(1937)年日中戦争、昭和16(1941)年12月太平洋戦争へ突入。昭和20(1945)年終戦。この間”戦時経済”ですから当然、”強力な統制経済”になる。
特に、日本は、資源・資本・産業力無しですから、戦時経済になれば”強力な統制経済”に入らざるを得ない。
昭和6(1931)年満州事変以降、英米等の対日政策は厳しくなって来ます。
昭和12(1937)年の日中戦争によって、日本は欧米より経済制裁を受けるようになりました。
資源・資本無しの日本が経済制裁を欧米より受ければ、”強力な統制経済”しかありません。
この頃の日本の”産業力”は弱く、現在のように自力(自前)で産業に必要な機械( 製造装置; 部品などの製品をつくり出す為の機械 )をつくり出すことが出来なかった。
戦前の経済成長は。
紡績の産業力が大きく発達したことによる。
紡績業は「アジアの工場」と呼ばれるようになり、イギリスの紡績業を圧倒した。
理由は。
この頃、日本の紡績産業の力が強くなり、大正13(1924)年に、世界最高性能のG型自動織機を豊田佐吉(トヨタ自動車の祖)が完成させたことが大きい( 紡績業以外の産業力は弱かった )。
紡績以外の産業製品は、海外からの技術導入。ライセンス生産や新製品の輸入でした。
様々な産業の製品をつくり出すことのできる、自前の製造装置などは夢のまた夢であった。
戦後、日本の産業力が本当に強くなったのは、色々な製品をつくり出すことが出来る製造装置や工作機械を自分で日本がつくることが出来るようになってから、との事である。
この事は、現在の韓国や中国を見ることで分かる。
最近、パソコンのメモリー生産で世界のトップにある韓国のサムスン電子が、製造装置の生産について考え始めたことで分かるのだ。
[ * パソコンのメモリー生産で世界のトップにあるにもかわらず、そのメモリーをつくる製造装置をつくる技術力がない。だから日本などから製造装置を輸入している。この弊害に気付いたのだ。
この様な技術力がないから、韓国は日本から部品や製造装置を輸入し、対日貿易は赤字になっている。中国も同様で、韓国以上に、この様な技術力がない。
この様な技術力がなければ、恐れるに足りない。
只、逆も言える。韓国や中国が日本のように、自力で製造装置や工作機械をつくることが出来るようになった時、韓国や中国は、日本にとって本当の意味で脅威となるだろう。
― アップル社の携帯音楽プレーヤー”ipod”と同様で、いくらアイディアがあっても、技術力がなければ製品は日本につくって貰うしかない。米国は今や、原子力発電所さえ自力でつくることが出来なくなっているようだ。 ― ]
戦前の紡績産業の産業力は、最高性能の紡績機を日本が自力でつくることが出来るようになったからである。
戦前・戦中は、他の産業で優秀な製品を作り出す為の製造装置や工作機械を自力でつくる技術力がなかった(米国やドイツみたいに)。
だから戦前・戦中、国内製品はすぐに故障するので人気なく、外国製品に人気があった。
特に、昭和6(1931)年の満州事変以降厳しくなった経済統制は仕方のないことです。
当時の官僚が悪いわけではなく、当時の日本は、資源・資本力無く、満州事変により欧米からの経済制裁が厳しくなり「 ・・・石油製品や鉄くず輸入などの素材輸入に乏しい外貨を割り当て、新しい産業や技術開発に不可欠な工作機械の輸入・・・ 」まで手が回らなかった。
昭和12(1937)年の日中戦争になると、当然、さらに経済統制が厳しくなります。
「・・・昭和13(1938)年、近衛内閣によって国家総動員法が施行された。・・・ 」
昭和16(1941)年12月太平洋戦争に突入、世界中から経済封鎖され、限られた少ない資源や資本を軍事物資の生産に使う為、更なる経済統制に入らざるを得なくなって来ます。
このため、当然「 ・・・自由な経済競争による技術開発を妨げた・・・ 」。
「 ・・・外国資本の本邦進出や新規技術導入の忌避・・・ 」は、連合国の経済制裁と自国の資源・資本不足の為、”強力な経済統制”は当然の結果であった。
戦後は。
昭和22(1947)年、米国の西ヨーロッパに対するマーシャル・プラン(欧州復興計画)。
米国は、疲弊した西欧の戦後復興を積極的に支援したが、これに対し、日本の戦後復興には始めは積極的ではなかった。この結果「 ・・・日本の復興は同じ敗戦国の西ドイツやイタリアと比較しても・・・ 」遅れた。
共産主義の脅威が起きると、一転、日本に対し積極的な支援に乗り出した。昭和23(1948)年、米国の負担軽減措置(日本経済への復興援助)。
自由経済へ。
昭和25(1950)年、戦時統制の終わり。
昭和25年6月、朝鮮戦争勃発、この戦争特需によって日本経済は戦後復興を果たす。
エネルギーは、石炭から石油へと転換(石炭産業は斜陽産業へ)。
造船業は、コスト安の韓国にとって代わられる。
[ * 戦前・戦中、日本の併合時、日本の造船技術取得、韓国造船業戦後発展。”韓国・台湾、併合地の戦後の産業発展は凄まじい”。
戦前の経済統制時、戦艦建造技術の向上。戦後、技術力をつけた日本の造船業は世界を席巻します。
その後、韓国などに対し借款や技術協力を積極的に行います。はじめ、浦項製鉄所の支援がその後の韓国造船・自動車産業の発展につながった。
その結果、現在、韓国が造船業の世界トップにあります。
中央日報(韓国系時事サイト):
「 新日鉄の支援なしに今日のポスコ(浦項製鉄所)はない 」朴泰俊名誉会長
「 韓国造船業が三冠・・・受注量・残高、建造量で世界トップ 」
―掲示板―
明治以来、日本の軍艦建造技術は数々の苦労の末、いくつかの新工法を編み出し、戦後大きく飛躍しました、それを30年ほど前にそっくり韓国に移植し、当時韓国の技術者も熱心に学び日本の技術者の懇切丁寧な指導に感謝していたそうです。西洋からの技術移転ではこうはいかないこと、明治時代の日本が良く経験した事です。そのこと韓国の造船史に記しておいてください。(06・1投稿文)
日本の協力は、韓国だけでなく中国に対しても行われた。
故讃・燭蓮⊃憩甦の故稲山会長や松下電器の故松下后Ψ宗・に、精力邸λ中国の近代化への供οを求め、ソ。
日本は韓国と同様に、製造技術を懇切丁寧に指導、その成功が呼び水となり、その後、日米欧の企業が先を争って中国に進出した。
その結果の、現在の韓国や中国の発展がある。
高尚な精神で、同国等に惜しみなく技術援助した結果、現在、コスト安や技術の向上によって逆輸入が増え、日本の製造業が苦しめられる状況になってきた。
これとはまったく異なる、只単に、自己の企業の生き残りを賭けた、アパレルメーカー「ユニクロ」等に見られる企業進出による、逆輸入の結果による日本企業の衰退もあります。 ]
戦後、松下・ソニー・ホンダ等の日本企業は、世界的な企業に発展( 製品をつくる製造装置や工作機械が自力でつくれるようになってからである )。
米国は。
戦前・戦中は、強力な産業力・資本力国家、さらに資源は豊富。
過度の統制経済の必要は無く、大恐慌により、過剰な産業力と労働力を抱えていたので、逆に戦争が、大恐慌の米国に与えた恩恵は限りないものがあった。
”戦時経済化”によって、経済恐慌の過剰生産や過剰労働力からの脱却。大不況からの脱出が出来た。
以上から言える事は、日本の戦前・戦中の経済発展は。
経済力の、一つ、資本力無く。二つ、産業力(前記した紡績業のみ強かった)無く。経済力は無かったのです。
”経済統制”による民間経済力の有無とかに関係なく、工業生産力(産業力)などありませんでしたから、経済発展など望むべくもなし、です。
日本が”経済統制”に入ったのは、昭和5(1930)年の世界恐慌発生の頃からである( この”経済統制化”は、それまでの過度な市場原理主義による経済破綻に原因があります )。
昭和6(1931)年、満州事変、この頃になると、戦時経済に入って来ますから、当然、”戦争遂行の為の統制経済”となっていきます。昭和12(1937)年日中戦争、昭和16(1941)年太平洋戦争に突入、”戦争の為の経済”になりますから、”非常に強力な統制経済”となったのです。
国内産業も、戦争遂行(軍事産業のみ)に一点集中です。民間の自主的な経済活動などありえません。
欧米に対し、資源・資本・産業力無く世界戦争に突入したのですから無謀としか言いようがありませんでした。
日本の戦後の経済発展は。
一つ、世界的な”技術革新(イノベーション)”と、二つ、”成長要因(世界に)”があったことに加え、三つ、日本の”産業力( 技術力が大きく向上し、制造装置や工作機械などを自力でつくれるようになったから )”が強くなった事、と。
四つ、世界が、保護貿易体制から自由貿易体制へ動いて行った事、である。
* お詫び *
「・・・日本の協力は、韓国だけでなく中国に対しても行われた。
−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−
日本は韓国と同様に、製造技術を懇切丁寧に指導、その成功が呼び水となりその後日米欧の企業が先を争って中国に進出した。・・・」
上記の −−−−−− 間は、記載を中国人?と思われるハッカーに記事を書き換えられ正確に記載できません。「RSS」も可笑しくなってしまいました。( マカフィーのセキュリティーに一応入っているのですが ) あしからず
( 戦前から戦中の自由貿易から保護貿易、戦後の自由貿易への動き。この世界貿易の歴史的変化について、詳しく知りたい方は著書「世界的バブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ )
2008年03月04日
米国はハイパーインフレになるか!
いま米国(世界)は、スタグフレーション(不況下の物価高)に入ろうとしています。
前回( 70年代から80年代にかけて )の世界的なスタグフレーションは、70年代前半の第一次オイルショックをきっかけに始まった。そして第二次オイルショック、多くの先進国は70・80年代、スタグフレーションに入って行きました。
日本は、70年代前半はスタグフレーションに入りかけましたが、70年代後半には直ぐに持ち直し、スタグフレーションに入りませんでした( 第二次オイルショックで再び、石油価格が高騰しましたが景気は下降しなかった )。
日本を除く、多くの先進国は、クラウディングアウト(不況下の金利高)を伴った景気の下降が起きました( 日本は、クラウディングアウトにもならなかった)。
この最初の世界的な不況に陥った先進国において、財政政策による経済破綻に至らないクラウディングアウト現象が起き、特に米国経済でこの現象(不況下の金利高)が顕著に表れました。
これまでのケインズ経済学では、不況下の財政政策は有効性を持つと説かれてきたのですが、財政政策の結果が、有効性を持つどころか、不況下の金利高( ケインズ経済学では、不況が回復するか、緩和され且つ、低金利になるはずが )になってしまったのです。
ケインズ経済学(ケインズ政策)への批判が起きることになりました( 特に、米国の経済学界で、ケインズ経済学から新古典派経済学への経済理論の変化が起き、シカゴ大学の故ミルトン・フリードマン教授たちの市場原理主義派の台頭が起きる )。
[ * クラウディングアウト: 国や地方自治体の公的資金需要増大に伴い国債や地方債が大量に発行された場合、民間経済主体が金融市場や資本市場から量的にまたは価格(金利)の面から締め出され、民間で利用可能な資金が削減される効果。このようなときには、たとえ呼び水としての赤字財政政策はその有効性を阻害される。この効果は、近年、新貨幣数量説の立場からケインズ政策への批判として指摘されてきた。 ]日本経済辞典 有斐閣新書
当時、財政政策によって大きな財政赤字になった日本で、これが起きるとマスコミや識者が騒いだが、日本では起きず、米国で顕著に表れたのです。
どうして、このようなクラウディングアウト現象が、日本を除く多くの先進国で起きたのか!
この現象は前記( 「経済力・経済成長・精神性」の公債発行限度の算定式で述べた )した、”経済力”に関係があります。
日本の場合は、当時、経済力が非常に大きく(今も大きいが)。
経済力(産業力+資本力)− 消費 = 財政政策の可否(公債の発行限度)
で、ケインズ政策が可能であったため財政政策による金利の上昇はなかった。
米国などの場合は、当時から、経済力が低下していた為、財政政策によって金利の上昇が起きたのです。財政政策がとれなくなりました。このため、米国で金融政策や規制緩和が経済政策の主流になっていったのです。
今日まで、米国が世界に対し声高に規制緩和や金融政策を主張してきた理由です。
金融政策や規制緩和の主張は、自国に”経済力”がなくなった裏返しなのです。
[ * 彼ら(米国の経済学者)は、自国の経済がケインズ政策に絶えることができないくらい”弱い経済力”になっていることを理解できなかったのです。自分たちが執ったケインズ経済学に問題があると考えた。
その事が、米国においてケインズ経済学からフリードマン達の新古典派経済学へと変化していきます( 特に、フリードマンは市場原理主義派で最もマネーゲームを進めたノーベル賞学者です )。
そして米国は、自国の経済政策には”資本”が必要なことを痛感し、日本などに規制緩和( ”資本”の自由な移動や”金融”取引の自由 )を求めた。
これが世界を”クローバル経済”へと動かしていった理由です。
米国は、自国のおかれている経済状態や本来とるべき経済政策が全く分からず、自己中心的に世界を動かしていった結果が、今、表れている”経済反動”を生んでいるのです。
アメリカナイズされた日本の識者達は、このような理由がまったく分からずに、米国からの情報を日本に発信していたのです( 日本と米国では、”経済力”やその他の条件がまったく異なるのにもかかわらず )。 ]
80年代半頃になると、石油価格の下落によって物価が安定してきた( 90年、湾岸危機: イラクのクウェート侵攻による若干の石油価格上昇があったが )。先進国は、スタグフレーションが終わりました( クラウディングアウト: 不況下の金利高からも解消された)。
では何故80年半頃から、米国などの多くの先進国で、クラウディングアウトからも解消されたのか!
それは、石油価格の下落もあるが、世界的な規制緩和(グローバル経済化)によって世界の国際的な資本の移動が本格化した時期だからだ( 日本は、79年資本取引の自由化完了、90年代から金融システムの自由化に入っていった )。
特に、日本などの資本が、”資本の自由化”によって、米国などの資本不足国(債務国)に流れたことが大きい。日本などの資本力国(債権国)からの”資本”流入によって、米国の財政政策特に、金融政策が可能になった。
世界を規制緩和(グローバル経済化)する事によって、資本不足国(債務国)に起きるはずのクラウディングアウトからも解消された。
[ * 米国は70年代から家計部門を除き、資本不足の状態にあった。90年代半頃からは、家計部門も資金不足になり、2000年のあのITバブルの時だけ、政府部門だけ税収増で一時的に黒字になった。 ]
70・80年代の多くの先進国の”金利高”は。世界的な”資本”の規制緩和が行われてなく、米国などの資本不足国(債務国)に、経済活動に必要な資本の流入がなかったことが原因である( 国際間の資本移動が本格化したのは80年代の半頃からである )。
特に日本の、この”資本の規制緩和や80年代からの金融システムの規制緩和”が、英米に資本の流入をもたらし、90年代半ばからの「英米バブル」の始まりになった( 最終的に、現在の「世界的なバブル」を生むことになった )。
英米特に、米国経済のこれまでの好調は、世界的な規制緩和(グローバル経済)による資本の流入にあるのですから、この前提が崩れれば今の景気を維持する事は出来ない。
バブル崩壊によって、外国からの資本流入が難しくなれば、当然、今起こりつつあるスタグフレーションはもとより、景気の下降を防ごうと、財政・金融政策を実施すれば、金利が跳ね上がりクラウディングアウト現象が発生する。
景気後退を避けるため、なりふり構わずに行う更なる経済政策は、ドル暴落による外国製品の輸入困難に陥る( ドル高政策などによって、産業が外国に移転などし、生産力が失われた為、必要な物資を自国で生産できなくなっている。輸入困難になると消費物資の確保できなくなる )。
最終的に経済政策困難に陥る( 経済政策の執りようがなくなる )。
外国からの資本流入がなくなった政府は経済政策の為の資金不足を、ドル紙幣の印刷によって支払いを履行をしようとすると、1920年代のドイツで起きたあのハイパーインフレを出現させるだろう。
[ * ドイツのハイパーインフレ: 第1次大戦で敗戦国になったドイツは、膨大な賠償金の支払いを請求されたが支払えず、このため借金のカタに連合軍は大工業地帯のルール地方を占領した。
戦争経済でそれでなくてもモノ不足のインフレ経済になっているのに大工業地帯のルール地方を占領されたため一層のモノ不足に襲われた。
戦争経済で経済破綻寸前のところに、膨大な賠償金や重要な工業地帯を占領されてしまえば政府に国家を運営する能力はなくなります。
中央銀行が紙幣を印刷しジャブジャブ発行するしかなくなったのです。 ]
― ドイツのハイパーインフレについて詳しく知りたい方は、「ドイツのハイパー(超)インフレについて」「ハイパーインフレドイツの悲劇」等にアクセスして下さい。 ―
米国がハイパーインフレになる時は。
現在の、スタグフレーションがさらに進行し、世界中の国が発行されたドル紙幣の受け取りを拒否するようになったときです。
米国が今まで、それなりに経済政策をとりえたのは、世界的なグローバル経済の進展によって、壊滅的な状態になった生産力や資本力不足を基軸通貨ドルの信用の元、他国より借金でき、これによって国民の必要な消費物資を調達出来たからです。
サブプライム問題を契機に、様々な問題点が米国経済に表れてきました。
今、世界中の国が、ドル通貨を拒否する事態が起きつつあります。
世界は、膨大な経常赤字の返済(借金の返済の履行)を迫るようになるでしょう。
経済力の失われた米国には、支払う手だてはありませんから、価値のないドル紙幣をこれまでと同様に世界へバラ撒いても受け取る国は無くなります( 政府が大量に保管している「金」で支払うしかなくなる )。
国内のみで通用するドル紙幣に変わるこの紙幣は、当時のドイツと同じで、産業力・資本力の喪失した状態での紙幣発行は、不足の物を価値のない紙幣が追っかけると、いった状態になってしまいます。
経済が完全に破壊されてしまう。
やめればやめたで、経済破綻と失業の世界が待っている。
どちらを取っても、もうどうしようもないのです。何10年にも亘る、誤った経済政策がこのような事の原因なのですから今さらどうしようもありません。
グローバル経済(マネーゲーム経済)をつくり出した英米(世界)は、今から、その”反動期”に入ることになります。
ハイパーインフレが米国で起きる可能性は、半々だと思っています( ハイパーインフレまでにならなくても、それに近い状態にはなるだろう )。
この様な事が起きるときは、政府が自己の政権を維持する事に執念を燃やし、国家や国民の事を考えずに経済政策を執る時です。
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前回( 70年代から80年代にかけて )の世界的なスタグフレーションは、70年代前半の第一次オイルショックをきっかけに始まった。そして第二次オイルショック、多くの先進国は70・80年代、スタグフレーションに入って行きました。
日本は、70年代前半はスタグフレーションに入りかけましたが、70年代後半には直ぐに持ち直し、スタグフレーションに入りませんでした( 第二次オイルショックで再び、石油価格が高騰しましたが景気は下降しなかった )。
日本を除く、多くの先進国は、クラウディングアウト(不況下の金利高)を伴った景気の下降が起きました( 日本は、クラウディングアウトにもならなかった)。
この最初の世界的な不況に陥った先進国において、財政政策による経済破綻に至らないクラウディングアウト現象が起き、特に米国経済でこの現象(不況下の金利高)が顕著に表れました。
これまでのケインズ経済学では、不況下の財政政策は有効性を持つと説かれてきたのですが、財政政策の結果が、有効性を持つどころか、不況下の金利高( ケインズ経済学では、不況が回復するか、緩和され且つ、低金利になるはずが )になってしまったのです。
ケインズ経済学(ケインズ政策)への批判が起きることになりました( 特に、米国の経済学界で、ケインズ経済学から新古典派経済学への経済理論の変化が起き、シカゴ大学の故ミルトン・フリードマン教授たちの市場原理主義派の台頭が起きる )。
[ * クラウディングアウト: 国や地方自治体の公的資金需要増大に伴い国債や地方債が大量に発行された場合、民間経済主体が金融市場や資本市場から量的にまたは価格(金利)の面から締め出され、民間で利用可能な資金が削減される効果。このようなときには、たとえ呼び水としての赤字財政政策はその有効性を阻害される。この効果は、近年、新貨幣数量説の立場からケインズ政策への批判として指摘されてきた。 ]日本経済辞典 有斐閣新書
当時、財政政策によって大きな財政赤字になった日本で、これが起きるとマスコミや識者が騒いだが、日本では起きず、米国で顕著に表れたのです。
どうして、このようなクラウディングアウト現象が、日本を除く多くの先進国で起きたのか!
この現象は前記( 「経済力・経済成長・精神性」の公債発行限度の算定式で述べた )した、”経済力”に関係があります。
日本の場合は、当時、経済力が非常に大きく(今も大きいが)。
経済力(産業力+資本力)− 消費 = 財政政策の可否(公債の発行限度)
で、ケインズ政策が可能であったため財政政策による金利の上昇はなかった。
米国などの場合は、当時から、経済力が低下していた為、財政政策によって金利の上昇が起きたのです。財政政策がとれなくなりました。このため、米国で金融政策や規制緩和が経済政策の主流になっていったのです。
今日まで、米国が世界に対し声高に規制緩和や金融政策を主張してきた理由です。
金融政策や規制緩和の主張は、自国に”経済力”がなくなった裏返しなのです。
[ * 彼ら(米国の経済学者)は、自国の経済がケインズ政策に絶えることができないくらい”弱い経済力”になっていることを理解できなかったのです。自分たちが執ったケインズ経済学に問題があると考えた。
その事が、米国においてケインズ経済学からフリードマン達の新古典派経済学へと変化していきます( 特に、フリードマンは市場原理主義派で最もマネーゲームを進めたノーベル賞学者です )。
そして米国は、自国の経済政策には”資本”が必要なことを痛感し、日本などに規制緩和( ”資本”の自由な移動や”金融”取引の自由 )を求めた。
これが世界を”クローバル経済”へと動かしていった理由です。
米国は、自国のおかれている経済状態や本来とるべき経済政策が全く分からず、自己中心的に世界を動かしていった結果が、今、表れている”経済反動”を生んでいるのです。
アメリカナイズされた日本の識者達は、このような理由がまったく分からずに、米国からの情報を日本に発信していたのです( 日本と米国では、”経済力”やその他の条件がまったく異なるのにもかかわらず )。 ]
80年代半頃になると、石油価格の下落によって物価が安定してきた( 90年、湾岸危機: イラクのクウェート侵攻による若干の石油価格上昇があったが )。先進国は、スタグフレーションが終わりました( クラウディングアウト: 不況下の金利高からも解消された)。
では何故80年半頃から、米国などの多くの先進国で、クラウディングアウトからも解消されたのか!
それは、石油価格の下落もあるが、世界的な規制緩和(グローバル経済化)によって世界の国際的な資本の移動が本格化した時期だからだ( 日本は、79年資本取引の自由化完了、90年代から金融システムの自由化に入っていった )。
特に、日本などの資本が、”資本の自由化”によって、米国などの資本不足国(債務国)に流れたことが大きい。日本などの資本力国(債権国)からの”資本”流入によって、米国の財政政策特に、金融政策が可能になった。
世界を規制緩和(グローバル経済化)する事によって、資本不足国(債務国)に起きるはずのクラウディングアウトからも解消された。
[ * 米国は70年代から家計部門を除き、資本不足の状態にあった。90年代半頃からは、家計部門も資金不足になり、2000年のあのITバブルの時だけ、政府部門だけ税収増で一時的に黒字になった。 ]
70・80年代の多くの先進国の”金利高”は。世界的な”資本”の規制緩和が行われてなく、米国などの資本不足国(債務国)に、経済活動に必要な資本の流入がなかったことが原因である( 国際間の資本移動が本格化したのは80年代の半頃からである )。
特に日本の、この”資本の規制緩和や80年代からの金融システムの規制緩和”が、英米に資本の流入をもたらし、90年代半ばからの「英米バブル」の始まりになった( 最終的に、現在の「世界的なバブル」を生むことになった )。
英米特に、米国経済のこれまでの好調は、世界的な規制緩和(グローバル経済)による資本の流入にあるのですから、この前提が崩れれば今の景気を維持する事は出来ない。
バブル崩壊によって、外国からの資本流入が難しくなれば、当然、今起こりつつあるスタグフレーションはもとより、景気の下降を防ごうと、財政・金融政策を実施すれば、金利が跳ね上がりクラウディングアウト現象が発生する。
景気後退を避けるため、なりふり構わずに行う更なる経済政策は、ドル暴落による外国製品の輸入困難に陥る( ドル高政策などによって、産業が外国に移転などし、生産力が失われた為、必要な物資を自国で生産できなくなっている。輸入困難になると消費物資の確保できなくなる )。
最終的に経済政策困難に陥る( 経済政策の執りようがなくなる )。
外国からの資本流入がなくなった政府は経済政策の為の資金不足を、ドル紙幣の印刷によって支払いを履行をしようとすると、1920年代のドイツで起きたあのハイパーインフレを出現させるだろう。
[ * ドイツのハイパーインフレ: 第1次大戦で敗戦国になったドイツは、膨大な賠償金の支払いを請求されたが支払えず、このため借金のカタに連合軍は大工業地帯のルール地方を占領した。
戦争経済でそれでなくてもモノ不足のインフレ経済になっているのに大工業地帯のルール地方を占領されたため一層のモノ不足に襲われた。
戦争経済で経済破綻寸前のところに、膨大な賠償金や重要な工業地帯を占領されてしまえば政府に国家を運営する能力はなくなります。
中央銀行が紙幣を印刷しジャブジャブ発行するしかなくなったのです。 ]
― ドイツのハイパーインフレについて詳しく知りたい方は、「ドイツのハイパー(超)インフレについて」「ハイパーインフレドイツの悲劇」等にアクセスして下さい。 ―
米国がハイパーインフレになる時は。
現在の、スタグフレーションがさらに進行し、世界中の国が発行されたドル紙幣の受け取りを拒否するようになったときです。
米国が今まで、それなりに経済政策をとりえたのは、世界的なグローバル経済の進展によって、壊滅的な状態になった生産力や資本力不足を基軸通貨ドルの信用の元、他国より借金でき、これによって国民の必要な消費物資を調達出来たからです。
サブプライム問題を契機に、様々な問題点が米国経済に表れてきました。
今、世界中の国が、ドル通貨を拒否する事態が起きつつあります。
世界は、膨大な経常赤字の返済(借金の返済の履行)を迫るようになるでしょう。
経済力の失われた米国には、支払う手だてはありませんから、価値のないドル紙幣をこれまでと同様に世界へバラ撒いても受け取る国は無くなります( 政府が大量に保管している「金」で支払うしかなくなる )。
国内のみで通用するドル紙幣に変わるこの紙幣は、当時のドイツと同じで、産業力・資本力の喪失した状態での紙幣発行は、不足の物を価値のない紙幣が追っかけると、いった状態になってしまいます。
経済が完全に破壊されてしまう。
やめればやめたで、経済破綻と失業の世界が待っている。
どちらを取っても、もうどうしようもないのです。何10年にも亘る、誤った経済政策がこのような事の原因なのですから今さらどうしようもありません。
グローバル経済(マネーゲーム経済)をつくり出した英米(世界)は、今から、その”反動期”に入ることになります。
ハイパーインフレが米国で起きる可能性は、半々だと思っています( ハイパーインフレまでにならなくても、それに近い状態にはなるだろう )。
この様な事が起きるときは、政府が自己の政権を維持する事に執念を燃やし、国家や国民の事を考えずに経済政策を執る時です。
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2008年01月31日
経済力・経済成長・精神性
太田経財相は、18日開会した国会で。
「 06年の世界の総所得に占める日本の割合は、24年ぶりに10%を割、一人あたりのGDPはOECD加盟30カ国中18位に低下( * 93年頃、2位だった )、日本はもはや一流国ではない。今の日本に求められるのは、・・・成長強化、オープンな経済システムつくり、等・・・ 」と評した。
これらの説に呼応するかのようにマスコミも、「外国メディアの日本批判」を取り上げ、”ニッポン失望のワケ”と題し、追随する。
「 買収防止のための毒薬条項導入や企業の株持ち合い、株主軽視。米ファンド、カーライルグループがKDDIからPHS事業を買い取るのに2年かかり、従業員を解雇しない約束。外資系の日本進出の難しさを、”日本はまるで迷路”と描写[ウォールストリート・ジャーナル] 」08・1日経
* 今までの従業員の身を心配するのは当然で、投資家や会社の収益のみの考えは、欧米がマネーゲームに毒されすぎているのだ。
「 少子高齢化に無策[ファイナンシャル・タイム] 」08・1日経
* 現代の地球を見ると、これ以上の人口増加は不可能( 木を見て森を見ていない )。
「 技術革新で世界をリードする企業はソニーからアップル社へ変わった。理由は、携帯音楽プレーヤー”ipod”などは既存の部品を確信的に組み合わせ生まれた商品[ニューズウィーク] 」08・1日経
* 単にアイデアだけで、使用している部品のほとんどは日本製( 他人のフンドシで相撲をとっている )。今はグローバル経済で部品が簡単に手に入るが、今から起きる”反グローバル経済”では、自社で生産しなければ簡単に良い部品は手に入らなくなる( 今まで米国製グローバル経営と云う、人のフンドシで相撲を取る企業経営で世界を自己の都合のよいようにかき回してきたが、この歯車が逆転する時が来た )。
日本は、現在でも十分に経済において一流であり、大臣の”一流でない”の発言は学者が学生に目先の経済状態を講義するにはこの程度でよいかもしれないが、世界や将来の状態を認識し、経済政策をとる人物としは、ちょっと視点が狭すぎる。
外国の権威ある組織や外国の評論をあまりにも無定見に受け入れすぎます。
もういい加減に真似をやめて、日本独自の価値観や知識で新しくものを考えたり創り出していい時期ですよ。
日本は欧米と肩を並べたのですから、新しく創りだし、世界を引っ張ってゆかなければいけない時期に来ています。特に政策担当者や指導者はそうです。
「・・・06年の世界の総所得に占める割合やGDPの低下、・・・」 これは当然で、日本はバブル崩壊を経験し、今、病み上がりの状態。片や外国は今、バブル真っ盛り、当然ではないか( 世界中がバブルっているのです。日本が正常なのです。今、そのバブルが崩壊し始めた )。
日本がバブルの時、どの様でした。世界中のビルや土地を買いあさっていたではないですか。
今、世界的なバブルが崩壊しようとしています。
バブルが崩壊すれば、”以前の崩壊した日本の状態が”世界中に出現します。
英米ビジネスモデル( グローバル市場原理主義 )の崩壊が始まった。
OECDや外国政府は、この事がまだよく分かってない。今度は、今の順位が逆転し、日本がトップ近くに躍り出る。
経済成長には、イノベーション(技術革新)が必要です。
前にも述べましたが、今の既成概念を打破した全く新しい科学技術( 新科学理論とも呼べるもの )によるエネルギーや技術の発見の必要性に迫られています。
「地球という容器」は、人類にとって今や、ぎりぎりの住処となっています。現代の世界の人口や科学技術を考えると、”成長の限界”に近付いています。経済成長論者はこのことを良く理解しなければなりません。
なぜなら、”大人口国”のインドや中国の経済成長は食糧やエネルギーの高騰を招き、中国とインドの経済成長によって、この地球が”成長の限界”に達してしまったのです( 今、世界的なバブルが破裂しましたから、当分、世界経済が縮小することになりますが )。
「人類の新たな経済成長」には、地球の環境破壊を止め、人類がコストなくタダ同然に手に入るほどの、”まったく新たな科学技術によるエネルギー”が必要なのです。
人類全体が、先進国並みの経済成長をすれば、食糧や資源の確保が難しくなります( ファンドなどの投機も原因にありますが、インドや中国の2か国の成長であっても、現在、食糧や資源価格の高騰を招いている )。
この人類のエネルギー消費を考えると、現在の化石燃料や代替エネルギーでは到底まかなえません。環境破壊を止めることは困難です( 原子力は、放射能汚染や核物質の処理や保管が困難 )。
人類は、現代の科学技術のレベルにおいては、人口の抑制か産業活動の停止しかなく、これ以上の経済成長は、他の惑星への移住といった問題に直面する。
人類が宇宙に進出すれば、そこは、”移動何光年の世界”です。
地球上で、先端的と思われている通信や移動方法は、宇宙に出れば、戦国や江戸時代の通信や移動方法となんら変わりません。太陽系では何とか通信や移動はできても、太陽系を離れると、通信や移動は何百光年です。”宇宙旅行”などすれば、それこそ、「浦島太郎の世界」になります。
我々のいる銀河系の移動でもこのような状態です。現代の動力システムでは地球の重力圏を抜け出し大量の人員や物資を運ぶことは不可能です。さらに、行き先々にガソリンスタンドなどはありません。
”宇宙の時代”は、何光年かかる距離であろうと通信や移動は、瞬間的に伝達や移動をしたり、重力の制御が出来なければならなくなるのです( 今の人類に、この様な通信機器や科学技術やその基礎となる科学理論はありません。このようなものが人類の手に入っていないなら”地球の限界”を意識して、人類は地球で生活せざるを得ないのです )。 ― 話が脱線してきたので話をまた元に戻します ―
さらに「・・・オープンな世界の経済システム・・・」は崩壊の時を迎えてます。今や反グローバルの時代が出現しようとしている。
米政府は、08年1月、緊急経済対策を発表しました。
景気後退を防ぐため、15兆円位の減税策。しかし、市場は景気対策の効果を疑問視し米株式市場は大きな上昇はなかった。投資家はリスク回避を鮮明にしている。
いずれ米国は、大きく金融・財政政策に乗り出すだろうが、この政策は可能か。
いずれも不可能です。
金融の緩和は、資源価格の一層の投機を招く恐れが多い。大胆な金融緩和は難しい。
金融市場の混乱やインフレ懸念によって、だぶついた資金は、ドル資産を避け安全な金などの実物資産へ動く。金融緩和は、一層のドル暴落を招く。
財政政策は、どうか。
ドル通貨の信用が低下しているこの時、これ以上の資本流入(借金)は不可能です。世界の資金は、ドルから逃げることはあっても向かう事はありません。財政政策は不可能です( 米国債から逃げても買うものはいなくなる )。
公債発行限度(財政政策)の算定式[高橋亀吉算式]
産業力 + 資本力 − 消費 = 公債発行限度(財政政策の可否)
産業力は、主に貿易収支で判断。
資本力は、主に外貨準備など対外支払い資金となるもの。
消費は、国民や企業や国の消費活動全般。
* 国債の発行限度は、一般に言われている”GDP比”や”消化力”ではない。
今の米国経済は。
この式に今の米国経済を当てはめてみます(簡単に)。
産業力(なし)+ 資本力(なし)− 消費(多い)= 公債発行限度[財政政策](不可能)
このように、財政政策は不可能です。
これまでの米国( サブプライム問題以前の米国 )では。
産業力(なし)+ 資本力(なし)− 消費(非常に多い)= 公債発行限度[財政政策]( 外国からの資本流入により可能 )
今までは、米国に信用があり外国からの資本流入(借金)によって国債の発行が可能でしたが、サブプライム問題で信用喪失。外国からの資金流入(借金)が難しくなった。
要するに、経済力(産業力・資本力)がないので財政政策は無理なのです。
グローバル(市場原理主義)経済、本家の英米は、貿易収支や国際収支いずれも、”真っ赤っか”です。得意のマネーゲームが崩壊してきました。いったい将来何で国の経済を維持するつもりでしょうネ。
米国は今回(08年1月)の世界同時株安において景気対策のため、消費を刺激させる減税を行う事を議会と合意しました。国民に、小切手を配り、更なる狂った消費活動をさせる考えです。
米国政府が、本当にやらなければならないことは10数年前から決まっています。
マネーゲームを止め、狂った消費活動を止め、産業を強くし、不況を覚悟しても正常な経済活動に戻すべきだったのです。やれば、不況になり時の政権は、政権政党から転落は確実ですから、不況にならなければ良いの考えで、数10年に渡り、時の政権は問題の先送りを繰り返しました( 今もって、マネーゲームや狂った消費が悪いとは思っていないところがあります。まったくどうかしてますネ )。
その結果、とんでもない双子の赤字を抱えどうにもならなくなってしまいました。
世界は、はっきり「ドル通貨」からの逃避を始めましたので、米国の財政・金融政策は、近い将来、スタグフレーション(不況下の物価高)を通り越しハイパー・インフレの世界を出現させるだろう。
とんでもなく破壊された経済に国民は見舞われることになる。この「砂上の楼閣」の神輿を担いでいた世界も大きく困難な事態に陥るでしょう。
現在の日本は。
産業力(大きい)+ 資本力(非常に大きい)− 消費(普通)= 財政政策(非常に大きい)
現在の日本は、経済力が非常に大きく、現在、多額の国債発行が、まったく問題なく発行できている理由です。要するに、経済力(産業力・資本力)が非常に大きい。
一時、多額の国債発行が国内で大問題になりました。
この当時、アルゼンチンのディフォルト問題や経済小説「日本国債」などで、国内は明日にでも日本の財政は破綻するかのごとき議論が蔓延していました。
政府や知識人やマスコミが国民を巻き込み、今にも日本経済が崩壊するかの議論でした。
あるマスコミは、累積債務の電光掲示板を作り騒いでいたものです。
サブプライム問題で、格付け機関の批判が出ましたが、この時も誤り、日本国債は非常に低い格付けでした( 米国は非常に高い格付けです。今でも )。
まったく分かってなかったので、前記「国債発行限度の算定式」を示し、説明論文を各マスコミに投稿したところ、投稿によって、潮が引くように大げさな経済破綻論はなくなりました( この時、この論文が政界にも流れたようでした? )。
当時のアルゼンチンは。
農業国で、当時、農産物は世界的な価格低下に悩まされ、産業力なく、資本力無い状態でした。IMFなどの負債を抱え、これに、資本の自由化を実施したため若干の国内資本さえ海外に移ったため、対外支払い資金がなくなり、ディフォルト問題が起きたのです。
産業力(無し)+ 資本力(無し)− 消費(普通)= 財政政策(不可能)でした。
現在のアルゼンチンは。
最近の国際的農産物の価格高騰および、日本などの企業が、コスト安のアルゼンチン経済に自動車産業等の資本参入で産業力が強くなっています。
03年頃から、農産物などの価格の上昇によって経済が回復してきました。
04年頃から、国際収支も完全に好転、対外債務残高も減少。
06年、アルゼンチン政府は、IMFに対する債務残高全額を一括返済した。
産業力(良くなった)+ 資本力(良くなった)− 消費(普通)= 財政政策( 必要もないくらい経済回復 )です。要するに、経済力(産業力)
が付いて来たのです。
( * 参考資料 アルゼンチン:統計・基礎ゼータ[ジェトロ]。 詳しく知りたい方はここへアクセスして下さい )
財政政策後の財政再建のための”経済成長論”も、前回(70年代以前)までは十分に通用したのですが、今回(70年代以降)からは、簡単には行きません。
なぜなら、前に述べましたように、人類の経済活動による地球に与える影響が非常に大きくなり、”地球の限界”に近付いたからです( この限界を超えるには、まったく新しい科学理論にもとづく、新技術やエネルギーしかありません )。
これまでは(70年代以前)は、各国の経済成長(経済の拡大)は、数10年たつと10倍位になって累積債務は十分処理できたのです( 米国などの世界各国は、経済成長によって30年代の大恐慌の累積債務を無くした )。
今回(70年代以降)からは、経済成長による人類の物質的な発展(物質文明の拡大)という問題に、”地球の有限性”という大きな制約要因が出て来ました。
今までの様な、単なる”経済成長論”や”弱肉強食の市場原理のグローバル経済”では、人口の問題やエネルギーで、食糧や地球環境を破壊し、人類の生存が危ぶまれるようになったのです。
何故このような状況になったのか!
人々の、経済的利益を求める貪欲な心が、強欲な経済活動をつくり出し「経済の奴隷」になった経済社会を出現させたからです。
その事が、バブルの発生を生み、経済破綻によって、世界恐慌への動きを強めています。
70数年前の大恐慌をもたらしたバブル経済は、人類の経済活動によって今回のように地球の環境に大きく影響を与え、地球環境を破壊するほどの産業力はありませんでした。
大恐慌は、第二次世界大戦を生んでしまいましたが、全人類や地球を破壊するほどの戦争の破壊力もありませんでした( 核兵器の発明は終戦直前 )。
しかし、今回は異なります。バブル経済の拡大は、地球環境に大きく影響を与え、二酸化炭素の増大によって気象の異常をつくり出し、人類の存亡が危ぶまれる事態に至ってしまいました。
北極の氷が融けることの影響は、海面の上昇ではなく、個体の氷が融けることによる地球のバランスの変化による影響を考える必要があります。
固定されていた膨大な量の氷が融けることによって地球の自転に影響を与えかねません。固定された膨大な氷が融けるという事は、膨大な地球の地殻が失われるとか移動するとかいった影響と同じですから、地軸の振れ(ブレ)が大きくなる( 最近世界各地で頻繁に起きる巨大な地震は、地軸の振れが大きくなってるからではないのでしょうか。揺れが、マントルや地殻に異常な圧力を与えている? この揺れが、北極の冷気の循環にも異常をもたらし最近の異常気象の原因になっている? )。
極の氷が失われれば失われるほど、地球の自転によって、マントルや地殻に新たな圧力が加わります。そうすると地球はバランスを保とうと動きますから、チョットした衝撃で、地軸が移動する。
極が移動でもすれば、新たな地球の自転の圧力はマントルや地殻に影響を与え、今ある陸地が海中に没し、新たに海中から土地が隆起する。
そうする事によって、地球は新たな回転軸(新たな極)で、”地球のバランス”を取り戻す。
とんでもない事態になるだろう。新たな地球儀が必要になる。
― 「EORC地球が見える(JAXA宇宙航空研究開発機構)」へアクセスすると動画の北極の氷の動きが見えます。 ―
更に、核戦争でも起きれば、核による破壊で同じく人類存亡の危機になります。
人類の物質文明が、初期の頃であれば経済活動の地球に与える影響は微々たるもので、争いであっても、一部の地域や一部の部族間の争いで済んでいました。人類の滅亡などという事とは無関係でおれたのです。
経済活動や戦いによる物の破壊や人命が失われても、地球全体から見ると一部の物質の消滅や一部の生命の消滅で済みました。
ところが、物質文明が高度に発達し、人類の活動が現代のように地球の環境に大きく影響を与える様になると、経済活動や戦争によって物の破壊や人命が大きく失われると、その物質文明の復元が困難になって来るのです。
その理由は。
文明が発達していない初期の段階では、人々の持つ知識は、広くて浅いのです。多くの人々が同じように、経済活動に使用する物の製造や使用の知識を共有する事ができます。
ところが、文明が発達すればするほど、経済活動における物の種類の増加とともにシステムが複雑になり、一人一人の持つ知識や技術は、狭くて深くならざるを得ません。
このため、何かの災害( 地球規模の大災害や戦争 )が起こり、多くの人命が失われると、一人一人の持つ知識や技術が、狭くて深い為、その文明を維持する事が出来なくなるのです。
数10年前、NHKのテレビアニメに「未来?少年コナン( * 題名よく覚えていません )」が放送されました。このアニメの内容は。
「 戦争か大災害によって、現在文明と同じレベルの文明が破壊され、地球の至る所にその文明の破壊された乗り物などが散乱。その中からなんとか使用できる一部の乗り物を使い、生き残った人々が生活する。
エネルギーは、太陽エネルギーを使用する発生装置は何とか残ったが、それを動かせる博士は一人だけ、その博士をめぐる生き残った者の争い( * 内容も良く覚えてませんが、このような内容だったと記憶しています )。 」
現代文明が破壊され、大部分の人命が失われると、これと同じ事が起きます。
残った物の操作が出来なくなったり、修理の部品が入手困難になったり、操作方法や修理の方法や製造方法を知る者が失われると、その文明を維持、復元する事が出来なくなるのです。
そうして、その偉大な物質文明は次第に失われ、最終的に、残った人々は洞窟などで暮らし、生き残った動物を食料にするため追いかけたり、原始農法の段階にまで落ちてしまうのです。
そして、ふたたび、新たな物質文明を築くための気の遠くなるような時間を生き残った人類が歩むことになります。
文明の初期段階では、人間の精神性にそれほど注意を払わなくとも、人々の知識や技術は皆が共有しており、誤りがあっても、小さな一部の地域のみの異変で済みました。”精神性や精神的な成長”を、それほど問題にする必要はありませんでした。
ところが、物質文明が発達すればするほど、人類が精神的に成長し、文明力を適切に使いこなせなければ、その誤用は、地球全体の危機存亡の事態に陥らせる状況をつくり出すことになります。
物質文明の高度化に、精神性が追い付かず、高度な物やシステムを誤用したり、自己の欲望を充たすことに使用してしまうのです。
ゆえに物質的な面が発達すればするほど、それに伴って、精神的な面も同じように発達させる必要が出て来ます。
現代文明は、”精神と物質のバランス”が取れていない。
物質面は大きく発達しているのにもかかわらず、精神性は全く発達していません。これは非常に危険なことです。
この宇宙は、”バランスの法則”で動いています( 中国の経書の「中庸」 )。
光と影、表と裏、プラスとマイナス、物質と反物質等々・・・
この様に人類の社会生活における面も、”物質的な面と精神的な面のバランス”が必要になります。特に、物質文明が高度に発達しているときほど、精神のバランスが必要なのです。
この解決は可能だと思います。
人類がこれまでの物質文明を見直し、精神性の向上に方向転換した”精神文明”に大きく舵を切る、ことです。
今までの価値観を、精神的にも、物質的にも、”既成概念を白紙に戻し”考え直す、ことでしょう。
もし人類が、今から起きる経済破壊によって、自己に起きた苦痛を他に対し転嫁する行動を止める事に忍耐出来なければ、社会は大きく混乱、市民は市民に対し、民族は民族に対し、国家は国家に対し、自分自身の苦痛を他に向け攻撃するようになるでしょう。
そして、近い将来、悪くすると、人類全体が滅び去るといった事態に直面することでしょう。その時間は、ほとんど無いと思っています。
今日の時代は、過去、人類が経験した事がないほどの歴史的な転換点の時代にある。
今、大きく世界同時株安に世界が揺れています。”何故この様になったのか !”
今起こっている出来事の、過去の歴史的経緯から今後の世界の動きまでや我々の対処法や新科学理論の方向性等を書いています。詳しく知りたい方は、著書「世界的バブルが破裂する(世界恐慌が始まる)」を読んで下さい。HP「経済気候」へ
「 06年の世界の総所得に占める日本の割合は、24年ぶりに10%を割、一人あたりのGDPはOECD加盟30カ国中18位に低下( * 93年頃、2位だった )、日本はもはや一流国ではない。今の日本に求められるのは、・・・成長強化、オープンな経済システムつくり、等・・・ 」と評した。
これらの説に呼応するかのようにマスコミも、「外国メディアの日本批判」を取り上げ、”ニッポン失望のワケ”と題し、追随する。
「 買収防止のための毒薬条項導入や企業の株持ち合い、株主軽視。米ファンド、カーライルグループがKDDIからPHS事業を買い取るのに2年かかり、従業員を解雇しない約束。外資系の日本進出の難しさを、”日本はまるで迷路”と描写[ウォールストリート・ジャーナル] 」08・1日経
* 今までの従業員の身を心配するのは当然で、投資家や会社の収益のみの考えは、欧米がマネーゲームに毒されすぎているのだ。
「 少子高齢化に無策[ファイナンシャル・タイム] 」08・1日経
* 現代の地球を見ると、これ以上の人口増加は不可能( 木を見て森を見ていない )。
「 技術革新で世界をリードする企業はソニーからアップル社へ変わった。理由は、携帯音楽プレーヤー”ipod”などは既存の部品を確信的に組み合わせ生まれた商品[ニューズウィーク] 」08・1日経
* 単にアイデアだけで、使用している部品のほとんどは日本製( 他人のフンドシで相撲をとっている )。今はグローバル経済で部品が簡単に手に入るが、今から起きる”反グローバル経済”では、自社で生産しなければ簡単に良い部品は手に入らなくなる( 今まで米国製グローバル経営と云う、人のフンドシで相撲を取る企業経営で世界を自己の都合のよいようにかき回してきたが、この歯車が逆転する時が来た )。
日本は、現在でも十分に経済において一流であり、大臣の”一流でない”の発言は学者が学生に目先の経済状態を講義するにはこの程度でよいかもしれないが、世界や将来の状態を認識し、経済政策をとる人物としは、ちょっと視点が狭すぎる。
外国の権威ある組織や外国の評論をあまりにも無定見に受け入れすぎます。
もういい加減に真似をやめて、日本独自の価値観や知識で新しくものを考えたり創り出していい時期ですよ。
日本は欧米と肩を並べたのですから、新しく創りだし、世界を引っ張ってゆかなければいけない時期に来ています。特に政策担当者や指導者はそうです。
「・・・06年の世界の総所得に占める割合やGDPの低下、・・・」 これは当然で、日本はバブル崩壊を経験し、今、病み上がりの状態。片や外国は今、バブル真っ盛り、当然ではないか( 世界中がバブルっているのです。日本が正常なのです。今、そのバブルが崩壊し始めた )。
日本がバブルの時、どの様でした。世界中のビルや土地を買いあさっていたではないですか。
今、世界的なバブルが崩壊しようとしています。
バブルが崩壊すれば、”以前の崩壊した日本の状態が”世界中に出現します。
英米ビジネスモデル( グローバル市場原理主義 )の崩壊が始まった。
OECDや外国政府は、この事がまだよく分かってない。今度は、今の順位が逆転し、日本がトップ近くに躍り出る。
経済成長には、イノベーション(技術革新)が必要です。
前にも述べましたが、今の既成概念を打破した全く新しい科学技術( 新科学理論とも呼べるもの )によるエネルギーや技術の発見の必要性に迫られています。
「地球という容器」は、人類にとって今や、ぎりぎりの住処となっています。現代の世界の人口や科学技術を考えると、”成長の限界”に近付いています。経済成長論者はこのことを良く理解しなければなりません。
なぜなら、”大人口国”のインドや中国の経済成長は食糧やエネルギーの高騰を招き、中国とインドの経済成長によって、この地球が”成長の限界”に達してしまったのです( 今、世界的なバブルが破裂しましたから、当分、世界経済が縮小することになりますが )。
「人類の新たな経済成長」には、地球の環境破壊を止め、人類がコストなくタダ同然に手に入るほどの、”まったく新たな科学技術によるエネルギー”が必要なのです。
人類全体が、先進国並みの経済成長をすれば、食糧や資源の確保が難しくなります( ファンドなどの投機も原因にありますが、インドや中国の2か国の成長であっても、現在、食糧や資源価格の高騰を招いている )。
この人類のエネルギー消費を考えると、現在の化石燃料や代替エネルギーでは到底まかなえません。環境破壊を止めることは困難です( 原子力は、放射能汚染や核物質の処理や保管が困難 )。
人類は、現代の科学技術のレベルにおいては、人口の抑制か産業活動の停止しかなく、これ以上の経済成長は、他の惑星への移住といった問題に直面する。
人類が宇宙に進出すれば、そこは、”移動何光年の世界”です。
地球上で、先端的と思われている通信や移動方法は、宇宙に出れば、戦国や江戸時代の通信や移動方法となんら変わりません。太陽系では何とか通信や移動はできても、太陽系を離れると、通信や移動は何百光年です。”宇宙旅行”などすれば、それこそ、「浦島太郎の世界」になります。
我々のいる銀河系の移動でもこのような状態です。現代の動力システムでは地球の重力圏を抜け出し大量の人員や物資を運ぶことは不可能です。さらに、行き先々にガソリンスタンドなどはありません。
”宇宙の時代”は、何光年かかる距離であろうと通信や移動は、瞬間的に伝達や移動をしたり、重力の制御が出来なければならなくなるのです( 今の人類に、この様な通信機器や科学技術やその基礎となる科学理論はありません。このようなものが人類の手に入っていないなら”地球の限界”を意識して、人類は地球で生活せざるを得ないのです )。 ― 話が脱線してきたので話をまた元に戻します ―
さらに「・・・オープンな世界の経済システム・・・」は崩壊の時を迎えてます。今や反グローバルの時代が出現しようとしている。
米政府は、08年1月、緊急経済対策を発表しました。
景気後退を防ぐため、15兆円位の減税策。しかし、市場は景気対策の効果を疑問視し米株式市場は大きな上昇はなかった。投資家はリスク回避を鮮明にしている。
いずれ米国は、大きく金融・財政政策に乗り出すだろうが、この政策は可能か。
いずれも不可能です。
金融の緩和は、資源価格の一層の投機を招く恐れが多い。大胆な金融緩和は難しい。
金融市場の混乱やインフレ懸念によって、だぶついた資金は、ドル資産を避け安全な金などの実物資産へ動く。金融緩和は、一層のドル暴落を招く。
財政政策は、どうか。
ドル通貨の信用が低下しているこの時、これ以上の資本流入(借金)は不可能です。世界の資金は、ドルから逃げることはあっても向かう事はありません。財政政策は不可能です( 米国債から逃げても買うものはいなくなる )。
公債発行限度(財政政策)の算定式[高橋亀吉算式]
産業力 + 資本力 − 消費 = 公債発行限度(財政政策の可否)
産業力は、主に貿易収支で判断。
資本力は、主に外貨準備など対外支払い資金となるもの。
消費は、国民や企業や国の消費活動全般。
* 国債の発行限度は、一般に言われている”GDP比”や”消化力”ではない。
今の米国経済は。
この式に今の米国経済を当てはめてみます(簡単に)。
産業力(なし)+ 資本力(なし)− 消費(多い)= 公債発行限度[財政政策](不可能)
このように、財政政策は不可能です。
これまでの米国( サブプライム問題以前の米国 )では。
産業力(なし)+ 資本力(なし)− 消費(非常に多い)= 公債発行限度[財政政策]( 外国からの資本流入により可能 )
今までは、米国に信用があり外国からの資本流入(借金)によって国債の発行が可能でしたが、サブプライム問題で信用喪失。外国からの資金流入(借金)が難しくなった。
要するに、経済力(産業力・資本力)がないので財政政策は無理なのです。
グローバル(市場原理主義)経済、本家の英米は、貿易収支や国際収支いずれも、”真っ赤っか”です。得意のマネーゲームが崩壊してきました。いったい将来何で国の経済を維持するつもりでしょうネ。
米国は今回(08年1月)の世界同時株安において景気対策のため、消費を刺激させる減税を行う事を議会と合意しました。国民に、小切手を配り、更なる狂った消費活動をさせる考えです。
米国政府が、本当にやらなければならないことは10数年前から決まっています。
マネーゲームを止め、狂った消費活動を止め、産業を強くし、不況を覚悟しても正常な経済活動に戻すべきだったのです。やれば、不況になり時の政権は、政権政党から転落は確実ですから、不況にならなければ良いの考えで、数10年に渡り、時の政権は問題の先送りを繰り返しました( 今もって、マネーゲームや狂った消費が悪いとは思っていないところがあります。まったくどうかしてますネ )。
その結果、とんでもない双子の赤字を抱えどうにもならなくなってしまいました。
世界は、はっきり「ドル通貨」からの逃避を始めましたので、米国の財政・金融政策は、近い将来、スタグフレーション(不況下の物価高)を通り越しハイパー・インフレの世界を出現させるだろう。
とんでもなく破壊された経済に国民は見舞われることになる。この「砂上の楼閣」の神輿を担いでいた世界も大きく困難な事態に陥るでしょう。
現在の日本は。
産業力(大きい)+ 資本力(非常に大きい)− 消費(普通)= 財政政策(非常に大きい)
現在の日本は、経済力が非常に大きく、現在、多額の国債発行が、まったく問題なく発行できている理由です。要するに、経済力(産業力・資本力)が非常に大きい。
一時、多額の国債発行が国内で大問題になりました。
この当時、アルゼンチンのディフォルト問題や経済小説「日本国債」などで、国内は明日にでも日本の財政は破綻するかのごとき議論が蔓延していました。
政府や知識人やマスコミが国民を巻き込み、今にも日本経済が崩壊するかの議論でした。
あるマスコミは、累積債務の電光掲示板を作り騒いでいたものです。
サブプライム問題で、格付け機関の批判が出ましたが、この時も誤り、日本国債は非常に低い格付けでした( 米国は非常に高い格付けです。今でも )。
まったく分かってなかったので、前記「国債発行限度の算定式」を示し、説明論文を各マスコミに投稿したところ、投稿によって、潮が引くように大げさな経済破綻論はなくなりました( この時、この論文が政界にも流れたようでした? )。
当時のアルゼンチンは。
農業国で、当時、農産物は世界的な価格低下に悩まされ、産業力なく、資本力無い状態でした。IMFなどの負債を抱え、これに、資本の自由化を実施したため若干の国内資本さえ海外に移ったため、対外支払い資金がなくなり、ディフォルト問題が起きたのです。
産業力(無し)+ 資本力(無し)− 消費(普通)= 財政政策(不可能)でした。
現在のアルゼンチンは。
最近の国際的農産物の価格高騰および、日本などの企業が、コスト安のアルゼンチン経済に自動車産業等の資本参入で産業力が強くなっています。
03年頃から、農産物などの価格の上昇によって経済が回復してきました。
04年頃から、国際収支も完全に好転、対外債務残高も減少。
06年、アルゼンチン政府は、IMFに対する債務残高全額を一括返済した。
産業力(良くなった)+ 資本力(良くなった)− 消費(普通)= 財政政策( 必要もないくらい経済回復 )です。要するに、経済力(産業力)
が付いて来たのです。
( * 参考資料 アルゼンチン:統計・基礎ゼータ[ジェトロ]。 詳しく知りたい方はここへアクセスして下さい )
財政政策後の財政再建のための”経済成長論”も、前回(70年代以前)までは十分に通用したのですが、今回(70年代以降)からは、簡単には行きません。
なぜなら、前に述べましたように、人類の経済活動による地球に与える影響が非常に大きくなり、”地球の限界”に近付いたからです( この限界を超えるには、まったく新しい科学理論にもとづく、新技術やエネルギーしかありません )。
これまでは(70年代以前)は、各国の経済成長(経済の拡大)は、数10年たつと10倍位になって累積債務は十分処理できたのです( 米国などの世界各国は、経済成長によって30年代の大恐慌の累積債務を無くした )。
今回(70年代以降)からは、経済成長による人類の物質的な発展(物質文明の拡大)という問題に、”地球の有限性”という大きな制約要因が出て来ました。
今までの様な、単なる”経済成長論”や”弱肉強食の市場原理のグローバル経済”では、人口の問題やエネルギーで、食糧や地球環境を破壊し、人類の生存が危ぶまれるようになったのです。
何故このような状況になったのか!
人々の、経済的利益を求める貪欲な心が、強欲な経済活動をつくり出し「経済の奴隷」になった経済社会を出現させたからです。
その事が、バブルの発生を生み、経済破綻によって、世界恐慌への動きを強めています。
70数年前の大恐慌をもたらしたバブル経済は、人類の経済活動によって今回のように地球の環境に大きく影響を与え、地球環境を破壊するほどの産業力はありませんでした。
大恐慌は、第二次世界大戦を生んでしまいましたが、全人類や地球を破壊するほどの戦争の破壊力もありませんでした( 核兵器の発明は終戦直前 )。
しかし、今回は異なります。バブル経済の拡大は、地球環境に大きく影響を与え、二酸化炭素の増大によって気象の異常をつくり出し、人類の存亡が危ぶまれる事態に至ってしまいました。
北極の氷が融けることの影響は、海面の上昇ではなく、個体の氷が融けることによる地球のバランスの変化による影響を考える必要があります。
固定されていた膨大な量の氷が融けることによって地球の自転に影響を与えかねません。固定された膨大な氷が融けるという事は、膨大な地球の地殻が失われるとか移動するとかいった影響と同じですから、地軸の振れ(ブレ)が大きくなる( 最近世界各地で頻繁に起きる巨大な地震は、地軸の振れが大きくなってるからではないのでしょうか。揺れが、マントルや地殻に異常な圧力を与えている? この揺れが、北極の冷気の循環にも異常をもたらし最近の異常気象の原因になっている? )。
極の氷が失われれば失われるほど、地球の自転によって、マントルや地殻に新たな圧力が加わります。そうすると地球はバランスを保とうと動きますから、チョットした衝撃で、地軸が移動する。
極が移動でもすれば、新たな地球の自転の圧力はマントルや地殻に影響を与え、今ある陸地が海中に没し、新たに海中から土地が隆起する。
そうする事によって、地球は新たな回転軸(新たな極)で、”地球のバランス”を取り戻す。
とんでもない事態になるだろう。新たな地球儀が必要になる。
― 「EORC地球が見える(JAXA宇宙航空研究開発機構)」へアクセスすると動画の北極の氷の動きが見えます。 ―
更に、核戦争でも起きれば、核による破壊で同じく人類存亡の危機になります。
人類の物質文明が、初期の頃であれば経済活動の地球に与える影響は微々たるもので、争いであっても、一部の地域や一部の部族間の争いで済んでいました。人類の滅亡などという事とは無関係でおれたのです。
経済活動や戦いによる物の破壊や人命が失われても、地球全体から見ると一部の物質の消滅や一部の生命の消滅で済みました。
ところが、物質文明が高度に発達し、人類の活動が現代のように地球の環境に大きく影響を与える様になると、経済活動や戦争によって物の破壊や人命が大きく失われると、その物質文明の復元が困難になって来るのです。
その理由は。
文明が発達していない初期の段階では、人々の持つ知識は、広くて浅いのです。多くの人々が同じように、経済活動に使用する物の製造や使用の知識を共有する事ができます。
ところが、文明が発達すればするほど、経済活動における物の種類の増加とともにシステムが複雑になり、一人一人の持つ知識や技術は、狭くて深くならざるを得ません。
このため、何かの災害( 地球規模の大災害や戦争 )が起こり、多くの人命が失われると、一人一人の持つ知識や技術が、狭くて深い為、その文明を維持する事が出来なくなるのです。
数10年前、NHKのテレビアニメに「未来?少年コナン( * 題名よく覚えていません )」が放送されました。このアニメの内容は。
「 戦争か大災害によって、現在文明と同じレベルの文明が破壊され、地球の至る所にその文明の破壊された乗り物などが散乱。その中からなんとか使用できる一部の乗り物を使い、生き残った人々が生活する。
エネルギーは、太陽エネルギーを使用する発生装置は何とか残ったが、それを動かせる博士は一人だけ、その博士をめぐる生き残った者の争い( * 内容も良く覚えてませんが、このような内容だったと記憶しています )。 」
現代文明が破壊され、大部分の人命が失われると、これと同じ事が起きます。
残った物の操作が出来なくなったり、修理の部品が入手困難になったり、操作方法や修理の方法や製造方法を知る者が失われると、その文明を維持、復元する事が出来なくなるのです。
そうして、その偉大な物質文明は次第に失われ、最終的に、残った人々は洞窟などで暮らし、生き残った動物を食料にするため追いかけたり、原始農法の段階にまで落ちてしまうのです。
そして、ふたたび、新たな物質文明を築くための気の遠くなるような時間を生き残った人類が歩むことになります。
文明の初期段階では、人間の精神性にそれほど注意を払わなくとも、人々の知識や技術は皆が共有しており、誤りがあっても、小さな一部の地域のみの異変で済みました。”精神性や精神的な成長”を、それほど問題にする必要はありませんでした。
ところが、物質文明が発達すればするほど、人類が精神的に成長し、文明力を適切に使いこなせなければ、その誤用は、地球全体の危機存亡の事態に陥らせる状況をつくり出すことになります。
物質文明の高度化に、精神性が追い付かず、高度な物やシステムを誤用したり、自己の欲望を充たすことに使用してしまうのです。
ゆえに物質的な面が発達すればするほど、それに伴って、精神的な面も同じように発達させる必要が出て来ます。
現代文明は、”精神と物質のバランス”が取れていない。
物質面は大きく発達しているのにもかかわらず、精神性は全く発達していません。これは非常に危険なことです。
この宇宙は、”バランスの法則”で動いています( 中国の経書の「中庸」 )。
光と影、表と裏、プラスとマイナス、物質と反物質等々・・・
この様に人類の社会生活における面も、”物質的な面と精神的な面のバランス”が必要になります。特に、物質文明が高度に発達しているときほど、精神のバランスが必要なのです。
この解決は可能だと思います。
人類がこれまでの物質文明を見直し、精神性の向上に方向転換した”精神文明”に大きく舵を切る、ことです。
今までの価値観を、精神的にも、物質的にも、”既成概念を白紙に戻し”考え直す、ことでしょう。
もし人類が、今から起きる経済破壊によって、自己に起きた苦痛を他に対し転嫁する行動を止める事に忍耐出来なければ、社会は大きく混乱、市民は市民に対し、民族は民族に対し、国家は国家に対し、自分自身の苦痛を他に向け攻撃するようになるでしょう。
そして、近い将来、悪くすると、人類全体が滅び去るといった事態に直面することでしょう。その時間は、ほとんど無いと思っています。
今日の時代は、過去、人類が経験した事がないほどの歴史的な転換点の時代にある。
今、大きく世界同時株安に世界が揺れています。”何故この様になったのか !”
今起こっている出来事の、過去の歴史的経緯から今後の世界の動きまでや我々の対処法や新科学理論の方向性等を書いています。詳しく知りたい方は、著書「世界的バブルが破裂する(世界恐慌が始まる)」を読んで下さい。HP「経済気候」へ
2008年01月07日
"グローバル経済(市場原理主義)"から"反グローバル経済(反市場原理主義)"への動き「歴史的考察」ーP2ー
サブプライム問題の深刻化による米国バブル崩壊が始まった。これは、”反グローバル・反市場原理主義”への始まりとなる。
このだれの目にも分かる英米グローバル経済の経済変動が起こってきたのだから、政府やエコノミストなど知識人は、軌道修正を図らなければならないのに、まったくそのような動きが見られない。むしろ、更なるグローバル経済推進に向けての動きや、言動が見られる。
あのバブル崩壊時の時と今もって変わらない( あの時も、政府や知識人やマスコミに煽りやさらなる同調の動きが見られた )。・・・
金融庁は、12月31日金融・資本市場競争力強化プランを発表した。「上場投資信託の拡大や銀行証券の業務隔壁の緩和や金融センター化など」、更なるマネーゲーム化に向けて”英米化への改革”である。この”改革”に、マスコミも同調している。
「 ・・・スピードを持って取り組まないと、東京市場の出遅れは一段と深刻になりかねない。・・・96年に宣言された日本版ビッグバン(金融大改革)・・・第二次金融改革ともいえる今回の強化プラン・・・ 」07・12日経[「金融庁、競争力強化プラン発表」改革、スピードが重要に(市場環境、欧米並みに)]
「 ・・・なぜ改革が大切なのか。
世界が一つの市場に統合されつつあるグローバル化。その波にうまく乗った国は栄、乗り損ねた国は廃れる。・・・この改革を果たさないと、未来は開けない。 」07・12日経[「核心」アナス・ホリビス07(改革が根付かない国)]
世界のグローバル(市場原理主義)化による、経済好調15年の英国、10年の米国、これを見て、”金融業を経済のけん引役に育てていこうと政府が動き出す”。
英国の金融街「カナリー・ウォーフ」をモデルに日本橋、丸の内、六本木に「国際金融センター」をつくるという。いったいどこまでサル真似をするつもりだろう。
政府や知識人やマスコミは、無定見に”英米化”を受け入れている。無定見にマネーゲーム強化に動くと、とんでもないことになる。
「 ・・・この改革を果たさないと、未来を開けない。 」どころか、未来が破壊される。
グローバル経済をつくりだし、その波に一番先に乗って自国経済を好調に導いているが、この波が逆転し始める。マネーゲームの震源地にいるため、崩壊の波も非常に大きなものとなる。金融システムに大変動が発生すると、震源地に近いほど、金融被害は大きくなります。今、目の前にその時が近づいているのだ。
今、グローパル経済(市場原理主義)は崩壊の時を迎えました。
経済の崩壊が起きると、自らグローバル経済をつくり出し先頭を走って繁栄していた国は、奈落の底に突き落とされる事になる。
さらに悪いことに、実体経済の経済力が失われている英米両国は、マネー経済が失われると産業力・資本力が無い為どうにもならなくなります。いくら世界で一・ニの「金融センター」があっても、バブル崩壊によって外国からの投資・投機資金が入らなくなると、それを自国で贖うことが出来なくなるのです。
マネーゲームで繁栄をしている国は「砂上の楼閣」です。崩壊した途端、今度は、猛烈な逆回転が起きますから、実体経済の経済力が失われている国はどうすることも出来なくなります。虚の繁栄をしていただけに破壊の衝撃もまた大きい。破壊は非常に大きなものとなる。まさに、”禍福はあざなえる縄の如し”です。
悪い例の、英米の「金融改革」を、このような国の行動を、日本がどうして見習う必要があるのか。バブルが崩壊し、様々な議論が起きたが、日本がこの程度のですんでいるのは、”経済力”があるからです( 国の「経済力」の意味について、次回で詳しく述べてみたいと思います )。
”経済力”が失われてしまった、英米は、日本のようには行きません。大きく国内が混乱するでしょう。混乱しても政府はどうすることも出来ず、大混乱を只指を銜えて見ていることになります。世界経済は、70数年前と同じく崩壊の時を迎えた。
70数年前の世界は、経済崩壊後、前記した金融関係のみならず、一般の産業においても大きく規制がとられるようになったのです。
この事を、政府や知識人やマスコミがまったく理解してないのは、これらの人が経済史をまったく学んでないことに尽きる。
よって、どのような事が70数年前に起きていたのか。そして、その事によって世界は、日本は、どの様に変化したのか。
当時の状況を、検証してみたい( 昭和初期で、ちょっと、小難しい文言が出ますが、しばらく我慢して下さい )。
「 ・・・経済統制( * 反グローバル・反市場原理主義としての、当時の規制強化を云う )そのものの構想ないし実施は、早くすでに、昭和4(1929)年、浜口内閣が旧平価金解禁準備工作として、”産業合理化”運動を起こしたことに端を発しており、その後、”昭和5(1930)年以降の世界恐慌”に直面するや、その恐慌克服措置として、世界は各種の経済統制を実施するに至った。
わが国もまた、かかる意味と目的の下に、各種の経済統制を実施するに至ったが、特に金再禁止後においてそうであった。当時、我が国に、経済統制思想がいかに高潮していたかを指標的に語るものは、思うに、昭和7(1932)年企画され、8、9年にわたって刊行された改造社の日本統制経済全集十巻であろう。・・・
”経済統制は、いわば、資本主義経済を、恐慌の重患から救う一療法”としてであった。
そのために、若干の苦痛はあったが、しかし、その苦痛は自らの重患の治療上不可避のものとして受け止められ、そこに経済統制そのものに対する恐怖や不安は起こらなかった。・・・
・・・我が国において、経済統制思想が政府の経済政策の裡に具現した最初は、先にも言及した通り、金解禁準備工作として採られた”産業合理化”運動に、その萌芽を発している。というのは、当時わが経済は、産業の各方面において、過剰設備に悩み、その克服措置として、”企業の合同、乃至カルテル化等”による業者の自主規制を何よりも強く必要としていたのであった。
ここにおいて、商工審議会の産業合理化に関する特別委員会は、昭和4(1929)年12月6日、その答申中に、”企業連合其の他同業者協定の勧奨”措置の必要を強調し、”生産種目、生産額、販路、価格等につき適当なる協定をなし、同業者間における不必要なる競争を防止する”必要を認め”特に官民関係諸方面の連絡協調を図ること必要なり”としている。
この点は、昭和7(1932)年当時の商工大臣中島久万吉氏によって、一層明確に次の如く表現せられている。
[ 之を要するに、産業合理化の目的を以て、企業の統制による生産の高度化在りとするのは、実に大いなる謬見と謂わざるを得ぬ。寧ろ現在的資本制企業組織に伴う過剰生産を制して、生産消費の適合と需要供給の調節とを計ることが、其の目的とする所であらねばならぬ。
昔(* 1930年、経済恐慌以前)は、適者生存を以て自然生物界の理であるとなしたものだが、経済社会の経験より観るときは、適者生存の結果が必ずしも”自由競争(市場原理)”の間より生まれて来ないのみならず、其の競争の間に於いて不適者と同様に、而して同程度に、適者の損失する所のものが、決して容易なものではない。 ]
こうした資本家側の要望に政府が応えた代表的立法は、”重要産業統制法(昭和7年実施)”の制定であった。・・・重要産業統制法の主目的につき、臨時産業合理局の公表せるところをみるにつぎの如くである。
[ ・・・要するに、本法の企図する産業の統制は、無謀競争から生ずる斯業不安定の弊を是正し、同時に競争から生ずる無駄を排除して、良品を廉価に生産販売せしめんとする趣旨を有するのである。更に之を分解して考えて見ると、無統制な産業に対し、統制を与えるために、一定の条件の下に当業者の自治協定に由る統制に対して政府が助力することと、当業者の自治協定に対して、其の内容を公正ならしめる為に公益的見地からの監督をなすこととの、二個の眼目を持って居るのである。無統制混乱の状態に放任して、無謀不当の競争をなすことを抑止して、規制統制の下に、斯業の安定を図ると共に、更に他の反面に於いて、動もすれば、名を統制にかりて独占的横暴に陥るの虞なきを保証し難いから、公益擁護の見地から、監督取締を厳にする必要があるのである。 ]
これを要するに、重要産業統制法の制定によって、その適用産業は、当該カルテルや組合の協定事項を、一定の手続きを経て、全同業者に強制し、以て、所要の統制を確保し得ることとなったのである。・・・
わが重要産業のほとんど全部は、その生産及び販売につき、一種の統制下におかれるに至ったわけである。 」[「大正昭和財界変動史」高橋亀吉著 東洋経済出版]
「 ・・・”昭和5・6(1930・31)年、恐慌期”における最も注目に値する産業合理化運動は、過剰化せる設備の調整を主眼とする企業統制(単なる任意的なカルテル・トラストのみでなく、法的強制力をもった統制)の盛行であった。当時このような傾向を語るものは、当時の商工省務局長であった吉野信次氏が[経済往来]5年10月臨時号に”新工業政策の基調”と題して寄稿している論文であろう。 これによると
[ 最近、各産業国としては、事業の統制と云うことを工業政策の基調となすに至った。 ]
とさえ極論している。その結論的部分は次の如くである。
[ 従来の考え方に依れば産業の経営は原則として自由である。特定の事業に就いては生産設備が既に過剰であっても其の上に尚新たに同種の生産設備を起こすことも敢えてれを妨げない。同業者間に競争がへ行われ優良なるもののみが残り然らざるものは自然に淘汰せられて行く。其の間に技術の進歩もあれば、事業そのものの発展も行わるるのであるとせられて居る。所謂産業自由主義なるものは即ち之である。然るに今や自由主義では当面の難局が打開せられないと云うことを我々は目の当たりに見聞きして居る
寧ろ其の事業に規制統制を加えて、既存の設備に就いて改善なすべきものは之を施し、以て最合理に事業の生産設備を整理するに如かない。
斯の如き思想は必ずしも新しいものではない。”カルテル・トラスト”として戦前(第1次大戦)においても既に各国に於いて行われたる所である。唯戦前に於いては国家としては之に対し謂わば傍観的態度を執っていたに過ぎない。寧ろ之に依って生ずべき弊害矯正の為必要なる立法並びに行政の手段に訴へることに躊躇しない。けれども進んで之が助成促進を計ると云う様なことはなかった。
最近各産業国としては事業の統制といふことを工業政策の基調と為すに至った。重要な工業に就いては例へば独(ドイツ)炭鉱経営、英国の新炭鉱法案の如く法律を以て同業者の協定を行政する立法を為すものもある。伊太利(イタリア)の如きは独り重工業に限らず一般の産業に就き統制の為に方策を講じて居る。国家権力の直接の発動に依らないまでも或る業に対して利害関係を有する銀行等が其の事業の経営者に対して、其の業の統制を強制して居る国もある。英国に於ける合同が、最近に於いて非常な勢力を以て行われつつあるのは、銀行の積極的努力の結果だと伝へられて居る。
一方又国際間の関係に於いても世界経済の大局から見て、其の業に就いて或る種の協定を為す外に共に生きる途がない。茲に於いて重要なる国際的商品の製造工業に就いては各国の同業者の間に所謂国際的協定が頻りに行われて居る。鋼材、窒素、アルミ、銅等に於ける国際協定の如きは其の著しい例である。要するに同業者の協定に依って共同の犠牲負担の下に其の業の統制を図り以て需給の調整を為す外に世界経済の好転の途は無い。
依って各産業国の工業政策も之を中心として其の具体的方法を定るべきものと思ふ。工業に関する限りでは国内的にも国際的にも同業者の協定の一路に進みつつある。政府の政策も事業の統制を第一に置いて居る。 ]
政府のこの様な企業統制方針は必然的に、各種産業内部における任意的カルテル化又は合同を刺激したことはいうまでもない。事実、昭和5・6(1930・31)年恐慌によって、我が国の大部分は、或いはカルテルにより、或いは組合により、或いは法規によって、多かれ少なかれ企業は統制せられないものはむしろ稀であった。・・・ 」[「大正昭和財界変動史」高橋亀吉著 東洋経済出版]
要するに、当時(70数年前)の日本は、現代のように、バブルが破裂し10年くらい景気の低迷状態が続いていました。
世界は、グローバル経済・市場原理主義・規制緩和によって、米国を中心にマネーゲームの風が吹き荒れていたのです。ところが、1929年10月、ニューヨークウォール街の株大暴落をきっかけにバブルが弾け、世界中が、大不況に突入しました。
好況期の過剰投資は今度は大きな負債となり、世界の国々は、一転して、負の遺産に悩まされるようになります。サブプライム問題を見ても分かるように、金融機関の資金の流通がうまくゆかなくなり、世界で、国内で、資金の流通が滞るようになりました。”流動性・資本・資産の低下”が起きて来たのです。
この様になると、”市場原理主義”では、どうにもなりません。
政府が自ら乗り出し「企業や金融機関」の過剰設備や投資や不良債権をなんとかせざるを得なくなったのです( バブル崩壊で、政府が、おかしくなった銀行を国営にしたりしたのと同じです )。
世界中が、バブルが崩壊した日本のようになりました。こうなると、”政府が直接乗り出さざるをえません。” 世界中で、カルテルなどの企業の統制が始まったのです。
振り子と同じです。大きく振れれば振れるほど、逆転すると今度は逆に大きく振れるものです。
その結果、反市場原理・規制強化と、大きく”経済統制の時代”となっていったのです。”グローバル経済の終わりを迎えた。”
このような事が、今もって、まだよく分ってないのが指導的な地位や分野にある人々( 政府や経済連やマスコミ)です。
我々は、過去の歴史から学ぶ必要がある。雇用を守り、その雇用を作り出す企業を守るため、時流を百八十度転換しなければならない時に来ているのだ。
過剰設備や競争によって、グローバル経済に有利な一部の大企業などを除いて企業の収益力、体力が悪化してしまっている。リストラ的な方法ではもはや不可能であり、価格や需要面などの政策が必要とされている。
雇用問題は、就業能力の向上、新産業の育成、流動性ある安定雇用策、ワークシュアリング等々”失業問題に対するセーフティネットの整備”程度ではどうしょうもない状態にある。
いやまさに、そのような時代を迎えようとしている。
「 3年連続で過去最高のボーナスを支給したばかりの業績好調な大手企業はベースアップを復活する方針を決めたようだが大いに意義がある。・・・
我が国の大企業の多くは構造的に下請け企業に頼っている。
特に、我が国経済をけん引している素材メーカーなどにあっては現場作業の過半を下請けに任せている工場も少なくない。
その下請け企業で今何が起こっているのか。
圧倒的に優位な立場で実質的に発注メーカー側が決める、請負単価は管理費すら賄えないような安いものである。下請け企業にとって技術陣の充実などは夢物語、従業員の給料は大手と大きく差がついた。・・・もともと下請けの担当作業には環境の良くないところでのつらく危ない仕事が多い。その上での重労働である。人は定着しない。・・・これは頻発する労災と無関係でない。・・・大手企業の工場では請負企業は二次下請けを使い、あるいは安い賃金で人を集める為だけの別会社をつくる。これらが偽装請負の下地にもなっている。
史上最高といわれる収益の陰にはこの現実がある。
各企業ともこれからも下請け企業の力に頼っていかなければならない宿命がある。それでも稼いだ原資をつぎ込むべきは自社の従業員の給与アップだというのだろうか。
現場感覚と見識を大いに疑う。 」07・12朝日[「経済気象台」日本経団連の見識を大いに疑う。(啄木鳥)]
ワーキング・プアの問題の底流には、”グローバル化された経済”。この負の現実がある。
各国の「国民経済」を無視した企業経営の現実があるのだ。
今の、”グローバル経済”には、各国の国民に対する視点は無い。あるのは、”企業の利益と、その企業の一部の幹部や従業員の利益”のみだ。今、富裕者から貧者への分配の時を迎えている。
* 我々は、過去の歴史から現在起こっている状況の深い意味を学ぶ必要がある。
「 日(太陽)の下に、新しいものなど何もない! 」 のである。
これら、現代の世界経済のおかれた歴史的状況を深く知りたい方は、著書「世界的バブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ
このだれの目にも分かる英米グローバル経済の経済変動が起こってきたのだから、政府やエコノミストなど知識人は、軌道修正を図らなければならないのに、まったくそのような動きが見られない。むしろ、更なるグローバル経済推進に向けての動きや、言動が見られる。
あのバブル崩壊時の時と今もって変わらない( あの時も、政府や知識人やマスコミに煽りやさらなる同調の動きが見られた )。・・・
金融庁は、12月31日金融・資本市場競争力強化プランを発表した。「上場投資信託の拡大や銀行証券の業務隔壁の緩和や金融センター化など」、更なるマネーゲーム化に向けて”英米化への改革”である。この”改革”に、マスコミも同調している。
「 ・・・スピードを持って取り組まないと、東京市場の出遅れは一段と深刻になりかねない。・・・96年に宣言された日本版ビッグバン(金融大改革)・・・第二次金融改革ともいえる今回の強化プラン・・・ 」07・12日経[「金融庁、競争力強化プラン発表」改革、スピードが重要に(市場環境、欧米並みに)]
「 ・・・なぜ改革が大切なのか。
世界が一つの市場に統合されつつあるグローバル化。その波にうまく乗った国は栄、乗り損ねた国は廃れる。・・・この改革を果たさないと、未来は開けない。 」07・12日経[「核心」アナス・ホリビス07(改革が根付かない国)]
世界のグローバル(市場原理主義)化による、経済好調15年の英国、10年の米国、これを見て、”金融業を経済のけん引役に育てていこうと政府が動き出す”。
英国の金融街「カナリー・ウォーフ」をモデルに日本橋、丸の内、六本木に「国際金融センター」をつくるという。いったいどこまでサル真似をするつもりだろう。
政府や知識人やマスコミは、無定見に”英米化”を受け入れている。無定見にマネーゲーム強化に動くと、とんでもないことになる。
「 ・・・この改革を果たさないと、未来を開けない。 」どころか、未来が破壊される。
グローバル経済をつくりだし、その波に一番先に乗って自国経済を好調に導いているが、この波が逆転し始める。マネーゲームの震源地にいるため、崩壊の波も非常に大きなものとなる。金融システムに大変動が発生すると、震源地に近いほど、金融被害は大きくなります。今、目の前にその時が近づいているのだ。
今、グローパル経済(市場原理主義)は崩壊の時を迎えました。
経済の崩壊が起きると、自らグローバル経済をつくり出し先頭を走って繁栄していた国は、奈落の底に突き落とされる事になる。
さらに悪いことに、実体経済の経済力が失われている英米両国は、マネー経済が失われると産業力・資本力が無い為どうにもならなくなります。いくら世界で一・ニの「金融センター」があっても、バブル崩壊によって外国からの投資・投機資金が入らなくなると、それを自国で贖うことが出来なくなるのです。
マネーゲームで繁栄をしている国は「砂上の楼閣」です。崩壊した途端、今度は、猛烈な逆回転が起きますから、実体経済の経済力が失われている国はどうすることも出来なくなります。虚の繁栄をしていただけに破壊の衝撃もまた大きい。破壊は非常に大きなものとなる。まさに、”禍福はあざなえる縄の如し”です。
悪い例の、英米の「金融改革」を、このような国の行動を、日本がどうして見習う必要があるのか。バブルが崩壊し、様々な議論が起きたが、日本がこの程度のですんでいるのは、”経済力”があるからです( 国の「経済力」の意味について、次回で詳しく述べてみたいと思います )。
”経済力”が失われてしまった、英米は、日本のようには行きません。大きく国内が混乱するでしょう。混乱しても政府はどうすることも出来ず、大混乱を只指を銜えて見ていることになります。世界経済は、70数年前と同じく崩壊の時を迎えた。
70数年前の世界は、経済崩壊後、前記した金融関係のみならず、一般の産業においても大きく規制がとられるようになったのです。
この事を、政府や知識人やマスコミがまったく理解してないのは、これらの人が経済史をまったく学んでないことに尽きる。
よって、どのような事が70数年前に起きていたのか。そして、その事によって世界は、日本は、どの様に変化したのか。
当時の状況を、検証してみたい( 昭和初期で、ちょっと、小難しい文言が出ますが、しばらく我慢して下さい )。
「 ・・・経済統制( * 反グローバル・反市場原理主義としての、当時の規制強化を云う )そのものの構想ないし実施は、早くすでに、昭和4(1929)年、浜口内閣が旧平価金解禁準備工作として、”産業合理化”運動を起こしたことに端を発しており、その後、”昭和5(1930)年以降の世界恐慌”に直面するや、その恐慌克服措置として、世界は各種の経済統制を実施するに至った。
わが国もまた、かかる意味と目的の下に、各種の経済統制を実施するに至ったが、特に金再禁止後においてそうであった。当時、我が国に、経済統制思想がいかに高潮していたかを指標的に語るものは、思うに、昭和7(1932)年企画され、8、9年にわたって刊行された改造社の日本統制経済全集十巻であろう。・・・
”経済統制は、いわば、資本主義経済を、恐慌の重患から救う一療法”としてであった。
そのために、若干の苦痛はあったが、しかし、その苦痛は自らの重患の治療上不可避のものとして受け止められ、そこに経済統制そのものに対する恐怖や不安は起こらなかった。・・・
・・・我が国において、経済統制思想が政府の経済政策の裡に具現した最初は、先にも言及した通り、金解禁準備工作として採られた”産業合理化”運動に、その萌芽を発している。というのは、当時わが経済は、産業の各方面において、過剰設備に悩み、その克服措置として、”企業の合同、乃至カルテル化等”による業者の自主規制を何よりも強く必要としていたのであった。
ここにおいて、商工審議会の産業合理化に関する特別委員会は、昭和4(1929)年12月6日、その答申中に、”企業連合其の他同業者協定の勧奨”措置の必要を強調し、”生産種目、生産額、販路、価格等につき適当なる協定をなし、同業者間における不必要なる競争を防止する”必要を認め”特に官民関係諸方面の連絡協調を図ること必要なり”としている。
この点は、昭和7(1932)年当時の商工大臣中島久万吉氏によって、一層明確に次の如く表現せられている。
[ 之を要するに、産業合理化の目的を以て、企業の統制による生産の高度化在りとするのは、実に大いなる謬見と謂わざるを得ぬ。寧ろ現在的資本制企業組織に伴う過剰生産を制して、生産消費の適合と需要供給の調節とを計ることが、其の目的とする所であらねばならぬ。
昔(* 1930年、経済恐慌以前)は、適者生存を以て自然生物界の理であるとなしたものだが、経済社会の経験より観るときは、適者生存の結果が必ずしも”自由競争(市場原理)”の間より生まれて来ないのみならず、其の競争の間に於いて不適者と同様に、而して同程度に、適者の損失する所のものが、決して容易なものではない。 ]
こうした資本家側の要望に政府が応えた代表的立法は、”重要産業統制法(昭和7年実施)”の制定であった。・・・重要産業統制法の主目的につき、臨時産業合理局の公表せるところをみるにつぎの如くである。
[ ・・・要するに、本法の企図する産業の統制は、無謀競争から生ずる斯業不安定の弊を是正し、同時に競争から生ずる無駄を排除して、良品を廉価に生産販売せしめんとする趣旨を有するのである。更に之を分解して考えて見ると、無統制な産業に対し、統制を与えるために、一定の条件の下に当業者の自治協定に由る統制に対して政府が助力することと、当業者の自治協定に対して、其の内容を公正ならしめる為に公益的見地からの監督をなすこととの、二個の眼目を持って居るのである。無統制混乱の状態に放任して、無謀不当の競争をなすことを抑止して、規制統制の下に、斯業の安定を図ると共に、更に他の反面に於いて、動もすれば、名を統制にかりて独占的横暴に陥るの虞なきを保証し難いから、公益擁護の見地から、監督取締を厳にする必要があるのである。 ]
これを要するに、重要産業統制法の制定によって、その適用産業は、当該カルテルや組合の協定事項を、一定の手続きを経て、全同業者に強制し、以て、所要の統制を確保し得ることとなったのである。・・・
わが重要産業のほとんど全部は、その生産及び販売につき、一種の統制下におかれるに至ったわけである。 」[「大正昭和財界変動史」高橋亀吉著 東洋経済出版]
「 ・・・”昭和5・6(1930・31)年、恐慌期”における最も注目に値する産業合理化運動は、過剰化せる設備の調整を主眼とする企業統制(単なる任意的なカルテル・トラストのみでなく、法的強制力をもった統制)の盛行であった。当時このような傾向を語るものは、当時の商工省務局長であった吉野信次氏が[経済往来]5年10月臨時号に”新工業政策の基調”と題して寄稿している論文であろう。 これによると
[ 最近、各産業国としては、事業の統制と云うことを工業政策の基調となすに至った。 ]
とさえ極論している。その結論的部分は次の如くである。
[ 従来の考え方に依れば産業の経営は原則として自由である。特定の事業に就いては生産設備が既に過剰であっても其の上に尚新たに同種の生産設備を起こすことも敢えてれを妨げない。同業者間に競争がへ行われ優良なるもののみが残り然らざるものは自然に淘汰せられて行く。其の間に技術の進歩もあれば、事業そのものの発展も行わるるのであるとせられて居る。所謂産業自由主義なるものは即ち之である。然るに今や自由主義では当面の難局が打開せられないと云うことを我々は目の当たりに見聞きして居る
寧ろ其の事業に規制統制を加えて、既存の設備に就いて改善なすべきものは之を施し、以て最合理に事業の生産設備を整理するに如かない。
斯の如き思想は必ずしも新しいものではない。”カルテル・トラスト”として戦前(第1次大戦)においても既に各国に於いて行われたる所である。唯戦前に於いては国家としては之に対し謂わば傍観的態度を執っていたに過ぎない。寧ろ之に依って生ずべき弊害矯正の為必要なる立法並びに行政の手段に訴へることに躊躇しない。けれども進んで之が助成促進を計ると云う様なことはなかった。
最近各産業国としては事業の統制といふことを工業政策の基調と為すに至った。重要な工業に就いては例へば独(ドイツ)炭鉱経営、英国の新炭鉱法案の如く法律を以て同業者の協定を行政する立法を為すものもある。伊太利(イタリア)の如きは独り重工業に限らず一般の産業に就き統制の為に方策を講じて居る。国家権力の直接の発動に依らないまでも或る業に対して利害関係を有する銀行等が其の事業の経営者に対して、其の業の統制を強制して居る国もある。英国に於ける合同が、最近に於いて非常な勢力を以て行われつつあるのは、銀行の積極的努力の結果だと伝へられて居る。
一方又国際間の関係に於いても世界経済の大局から見て、其の業に就いて或る種の協定を為す外に共に生きる途がない。茲に於いて重要なる国際的商品の製造工業に就いては各国の同業者の間に所謂国際的協定が頻りに行われて居る。鋼材、窒素、アルミ、銅等に於ける国際協定の如きは其の著しい例である。要するに同業者の協定に依って共同の犠牲負担の下に其の業の統制を図り以て需給の調整を為す外に世界経済の好転の途は無い。
依って各産業国の工業政策も之を中心として其の具体的方法を定るべきものと思ふ。工業に関する限りでは国内的にも国際的にも同業者の協定の一路に進みつつある。政府の政策も事業の統制を第一に置いて居る。 ]
政府のこの様な企業統制方針は必然的に、各種産業内部における任意的カルテル化又は合同を刺激したことはいうまでもない。事実、昭和5・6(1930・31)年恐慌によって、我が国の大部分は、或いはカルテルにより、或いは組合により、或いは法規によって、多かれ少なかれ企業は統制せられないものはむしろ稀であった。・・・ 」[「大正昭和財界変動史」高橋亀吉著 東洋経済出版]
要するに、当時(70数年前)の日本は、現代のように、バブルが破裂し10年くらい景気の低迷状態が続いていました。
世界は、グローバル経済・市場原理主義・規制緩和によって、米国を中心にマネーゲームの風が吹き荒れていたのです。ところが、1929年10月、ニューヨークウォール街の株大暴落をきっかけにバブルが弾け、世界中が、大不況に突入しました。
好況期の過剰投資は今度は大きな負債となり、世界の国々は、一転して、負の遺産に悩まされるようになります。サブプライム問題を見ても分かるように、金融機関の資金の流通がうまくゆかなくなり、世界で、国内で、資金の流通が滞るようになりました。”流動性・資本・資産の低下”が起きて来たのです。
この様になると、”市場原理主義”では、どうにもなりません。
政府が自ら乗り出し「企業や金融機関」の過剰設備や投資や不良債権をなんとかせざるを得なくなったのです( バブル崩壊で、政府が、おかしくなった銀行を国営にしたりしたのと同じです )。
世界中が、バブルが崩壊した日本のようになりました。こうなると、”政府が直接乗り出さざるをえません。” 世界中で、カルテルなどの企業の統制が始まったのです。
振り子と同じです。大きく振れれば振れるほど、逆転すると今度は逆に大きく振れるものです。
その結果、反市場原理・規制強化と、大きく”経済統制の時代”となっていったのです。”グローバル経済の終わりを迎えた。”
このような事が、今もって、まだよく分ってないのが指導的な地位や分野にある人々( 政府や経済連やマスコミ)です。
我々は、過去の歴史から学ぶ必要がある。雇用を守り、その雇用を作り出す企業を守るため、時流を百八十度転換しなければならない時に来ているのだ。
過剰設備や競争によって、グローバル経済に有利な一部の大企業などを除いて企業の収益力、体力が悪化してしまっている。リストラ的な方法ではもはや不可能であり、価格や需要面などの政策が必要とされている。
雇用問題は、就業能力の向上、新産業の育成、流動性ある安定雇用策、ワークシュアリング等々”失業問題に対するセーフティネットの整備”程度ではどうしょうもない状態にある。
いやまさに、そのような時代を迎えようとしている。
「 3年連続で過去最高のボーナスを支給したばかりの業績好調な大手企業はベースアップを復活する方針を決めたようだが大いに意義がある。・・・
我が国の大企業の多くは構造的に下請け企業に頼っている。
特に、我が国経済をけん引している素材メーカーなどにあっては現場作業の過半を下請けに任せている工場も少なくない。
その下請け企業で今何が起こっているのか。
圧倒的に優位な立場で実質的に発注メーカー側が決める、請負単価は管理費すら賄えないような安いものである。下請け企業にとって技術陣の充実などは夢物語、従業員の給料は大手と大きく差がついた。・・・もともと下請けの担当作業には環境の良くないところでのつらく危ない仕事が多い。その上での重労働である。人は定着しない。・・・これは頻発する労災と無関係でない。・・・大手企業の工場では請負企業は二次下請けを使い、あるいは安い賃金で人を集める為だけの別会社をつくる。これらが偽装請負の下地にもなっている。
史上最高といわれる収益の陰にはこの現実がある。
各企業ともこれからも下請け企業の力に頼っていかなければならない宿命がある。それでも稼いだ原資をつぎ込むべきは自社の従業員の給与アップだというのだろうか。
現場感覚と見識を大いに疑う。 」07・12朝日[「経済気象台」日本経団連の見識を大いに疑う。(啄木鳥)]
ワーキング・プアの問題の底流には、”グローバル化された経済”。この負の現実がある。
各国の「国民経済」を無視した企業経営の現実があるのだ。
今の、”グローバル経済”には、各国の国民に対する視点は無い。あるのは、”企業の利益と、その企業の一部の幹部や従業員の利益”のみだ。今、富裕者から貧者への分配の時を迎えている。
* 我々は、過去の歴史から現在起こっている状況の深い意味を学ぶ必要がある。
「 日(太陽)の下に、新しいものなど何もない! 」 のである。
これら、現代の世界経済のおかれた歴史的状況を深く知りたい方は、著書「世界的バブルが破裂する」を読んで下さい。HP「経済気候」へ
2007年12月29日
"グローバル経済(市場原理主義)"から"反グローバル経済(反市場原理主義)"への動き「歴史的考察」ーP1ー
70数年前、あのニューヨーク(ウォール街)株大暴落に端を発する「大恐慌」が起きた時、日本は、世界は、どのような政策をとったのか。
現代と同様の、日本や世界で吹き荒れているグローバル経済(市場原理主義)の自由・規制緩和の思想は吹き飛び、180度変化、金融・企業統制の時代に入っていった。
少し前まで生きていた、雇用を守り、企業を倒産から守る”カルテル制度”や”ファイアウオール規制(銀行の他企業兼業の禁止)”等々、金融関係者にマネーゲームなどにかかわらせないような法律の整備が行われたのである。
”過度”の、自由・規制緩和による金融関係者のマネーゲームが世界経済を破壊したことをはっきり自覚したからだ。これにより、世界中の金融関係者は金融節度を持つにいたった。ところが、6・70年も経つと、もうすっかりその事を忘れてしまい世界は再び、マネーゲームの狂奔する中に身を置いている。政府は、バブル崩壊や円高、米国サブプライム問題の発生する中、無知にも経済崩壊や雇用悪化をさらに強める自由・規制緩和の動きをしている。
我々は、歴史に学ぶ必要がある。過去、70数年前の経済変化(自由から規制強化)はどの様なものであったか。
「 世界不況に直面するや、その克服措置として世界は各種の”経済統制”を実施するにいたった。国民もこれを受け入れ経済統制そのものに対する恐怖不安は起こらなかった。
昭和7(1932)年当時の商工大臣中島久万吉の産業論 [ ・・・昔は、適者生存を以て生物自然界の理であるとなしたものだが、経済社会の経験より観るときは、適者生存の結果が必ずしも自由競争の間より生まれて来ないのみならず、その競争の間に於いて不適者と同様に、しかして同様に、適者の損失するところのものが、決して容易なものでない。・・・ ]
こうして資本家側の要望に政府が応えた代表的立法が”重要産業統制法”の制定であった。・・・ 」大正昭和財界変動史(下)高橋亀吉著 東洋経済出版社
現代と同様の、日本や世界で吹き荒れているグローバル経済(市場原理主義)の自由・規制緩和の思想は吹き飛び、180度変化、金融・企業統制の時代に入っていった。
少し前まで生きていた、雇用を守り、企業を倒産から守る”カルテル制度”や”ファイアウオール規制(銀行の他企業兼業の禁止)”等々、金融関係者にマネーゲームなどにかかわらせないような法律の整備が行われたのである。
”過度”の、自由・規制緩和による金融関係者のマネーゲームが世界経済を破壊したことをはっきり自覚したからだ。これにより、世界中の金融関係者は金融節度を持つにいたった。ところが、6・70年も経つと、もうすっかりその事を忘れてしまい世界は再び、マネーゲームの狂奔する中に身を置いている。政府は、バブル崩壊や円高、米国サブプライム問題の発生する中、無知にも経済崩壊や雇用悪化をさらに強める自由・規制緩和の動きをしている。
我々は、歴史に学ぶ必要がある。過去、70数年前の経済変化(自由から規制強化)はどの様なものであったか。
「 世界不況に直面するや、その克服措置として世界は各種の”経済統制”を実施するにいたった。国民もこれを受け入れ経済統制そのものに対する恐怖不安は起こらなかった。
昭和7(1932)年当時の商工大臣中島久万吉の産業論 [ ・・・昔は、適者生存を以て生物自然界の理であるとなしたものだが、経済社会の経験より観るときは、適者生存の結果が必ずしも自由競争の間より生まれて来ないのみならず、その競争の間に於いて不適者と同様に、しかして同様に、適者の損失するところのものが、決して容易なものでない。・・・ ]
こうして資本家側の要望に政府が応えた代表的立法が”重要産業統制法”の制定であった。・・・ 」大正昭和財界変動史(下)高橋亀吉著 東洋経済出版社
2007年12月17日
「 反グローバル経済(反市場原理主義) 」への動きが始まる。
サブプライム問題をきっかけに、「反グローバル・市場原理主義」の波が世界中で広がる。
この動きに反発するかのように、今まで英米発の「グローバル経済・市場原理主義」を”構造改革”の名の元、主導してきた人々の「反グローバル・反市場原理主義」への、反論が始まっている。
「 規制改革・民間開放推進会議(小泉政権の元民間委員)の議長を辞した昨秋以降、十数カ国を訪れた。行く先々で身にしみるのは日本の地位の低下だ。・・・
日本は少子高齢化が加速するからこそ、生き生きとした成熟社会をつくらなければならない。それには”経済成長”が不可欠。なのに出てくるのは”分配”の話ばかりだ。分配がうまくゆかないとなると”増税”の話になる。誰も”成長”を語らない政治の貧困を感じる。首相が挙げる生活の安心たるにも”経済のパイを大きくする”必要がある。それなしには活力は出ない。海外からも取り残される。経済の効率を高めるために”構造改革”を営々と推し進め、抵抗勢力を打ち破る。いやな仕事だが、それしか方法はない。・・・あらゆることを政府にねだっていいんだという甘えが国民に強く残っている。政治家はおねだりにこたえようと”分配”に走る。・・・老後の自分の面倒はなるべく自分で見る。そうした自己責任の矜持が見られなくなった。日本の停滞を見抜いた海外投資家の日本売りで国富が失われ、私達は計り知れない損失を被っている。・・・ 」07・12日経[「逆走ニッポン」分配よりまず成長語れ(識者からの提言)オリックス会長宮内義彦]
「・・・政府の成長戦略でも、サービス産業の生産性向上は重要な課題になっている。・・・90年代半ば以降の米国では、製造業とともにサービス産業が経済成長を支える双発エンジンとして機能するようになった。・・・人口減少局面に入った日本経済は、・・・サービス産業の生産性をどれだけ引き上げられるかが、・・マクロ経済の好循環を生み出すカギとなるが、米国の経験は、それが決して不可能ではないことを示している。・・・ 」07・12日経[「経済教室」人口減少下のサービス産業(生産性向上に国民運動をウシオ電機・社会経済生産性本部会長牛尾冶朗)]
これらの人は、小泉政権で規制や諮問会議のメンバーであった人々でアメリカナイズされ企業経営者として会議を主導、グローバル経済(市場原理主義)を推し進めた。
これらの人の言論を検証したい。
「・・・日本は少子高齢化が加速するから、経済成長が不可欠・・・」との論。
少子高齢化は将来GDPの拡大にマイナスになります。このことゆえ、政府や識者は少子化対策をいっています。経済規模の拡大が人口の増加に頼れない以上、人口の増加によらない経済規模の拡大は”経済のパイを大きくする”経済成長が一番良いからです。
「経済のパイを大きくする」には”構造改革”だ、との事ですが。
私に言わせれば、何をどう構造改革するというのか分らない( 過去、識者と呼ばれる人達やマスコミは、只々構造改革・々と云って来ました。何をどうするかもわからずに。自分たちの考えに反対する者はすべて、単純に抵抗勢力にしてしまいました )。
世界経済が破壊されようとしている今、日本のように成長が低い方が安全なのです。
今この時期、経済成長が高くバブル状態になった中国やインド、さらに、マネーゲームを自らつくり出し金融立国として繁栄を謳歌している英米、バブル景気の資源高により繁栄の中東やロシアなど、このような時期、高成長・好景気の国は非常に危ういのです。
何故かというと、高速道路の走行で例えれば、高経済成長国やバブル景気の国は、高速道路を150キロから200キロの速度で走行している暴走車と同じです。この時期、大地震(世界経済の崩壊)が起きると、死亡事故などの大事故を起こしかねません。日本みたいに今、ノロノロ運転をしていればたとえ大地震が起きても軽い事故ですむのです。
さらに、少子化対策や高経済成長路線については。
現在の地球の状況を考えると、これ以上の人口増や経済成長は不可能です。膨大な人口の中国やインドなどが先進国並みの経済に成長すると、今でさえ不足の食糧や資源が完全に不足してしまいます。特に問題となっている二酸化炭素の問題は非常に深刻な状況になるでしょう( だからヘッジファンドなどが資源や食糧に投機し価格が大きく上昇しているのだ。人口対策や経済成長論者は、”木を見て森を、いな、地球を見ていない”)。
エネルギーの問題は、原子力は放射能、化石燃料は二酸化炭素の問題で使用できません。その他の自然・環境に負荷を与えないエネルギーは、コスト高や人類全体を贖うほどの膨大なエネルギーはつくり出せません。
新エネルギーに関しては、環境に負荷なく、コストが全く掛からず、全人類のエネルギーを簡単に贖える、全く新しい”新エネルギー”が21世紀のこの地球に必要なのです。
そのためには、現代の科学を超える”新たな科学理論”の必要性に迫られています。(「新たな科学理論」にもとづく”新エネルギー”について詳しく知りたい方は、著書「世界的なバブルが破裂する」HP「経済気候」へ)
「 ・・・経済成長が不可欠。なのに出てくるのは分配の話ばかりだ。分配がうまくゆかないとなると増税の話になる。・・・ 」と分配や増税を否定していますが。
今の日本は、バブル崩壊下の規制緩和や市場原理主義によって、中間層が減少し、持てる高所得者と持たざる低所得者に二分されてきました。国家国民の為と政策に参加し、大きく国政に関与してきたのだから自己の高額所得のほんの一部でも、低所得者に寄付する意識があってしかるべきと思われるが現実には、「 ・・・老後の自分の面倒は自分で見る。そうした自己責任の矜持が見られなくなった・・・ 」と切り捨てる。まあ、無理はないでしょう。規制改革在任中、地位を利用し、会社の株価をつり上げた等々、自己の会社の利益を図った、と色々批判されていたくらいですから。
この人達の影響かどうかは知らないが、政府は増税ではなかったが、低所得者の税金を元に戻しました。高額所得者は、そのままで所得税は低いままです。これでさらに格差が開いた( 低所得者の税を元に戻したのですから、当然、高所得者の税も元の高額の状態に戻すべきでしょう。”あなた方の構造改革とは”富裕の自分たちに優しく、貧者に厳しい、”改革”の事なのですか!
市場原理主義本家の米国経営者はもっと酷い、金融関係のトップの年収は、数十億から数百億円との事。それでいて、シティのオニール最高経営責任者のようにサブプライム問題でシティ銀行をおかしくしてしまいました、まったくどうかしていますネ )。
政府が増税するなら当然、高所得者は以前の高い所得税に戻すべきです。
消費税を高くするなら高級品に高い消費税を掛け、食品などの低所得者に絶対必要なものは無税にして良いと思います。( これだったら国民は消費税を上げるのに反対しないと思います。政府の諮問会議に出ていいる人達は、米国ほどの事は無くても、我々から見れば、かなりの高額所得者が多い、となれば無理でしょうネ )。
「 ・・・九十年代半ば以降の米国では、製造業とともにサービス産業が経済成長を支える双発エンジンとして機能するようになった。・・・ 」と、米国の好調は、製造業とサービス産業の生産性が引っ張っている旨論じていますが。
実は、米国は、英国と同様、金融立国(マネーゲーム立国)なのです。そのため、貿易の自由化(特に、金融サービスの自由化)を押し進め、今や、製造業は、壊滅的な状態になっています( 自由貿易やドル高によって、コスト高になった製造業は海外に移転してしまいました )。
自由貿易によって、安いそれなりに品質の良い中国製品により、まともな製造業は大きく減少してしまいました。日本などから米国に進出した生産性の高いトヨタなどの製造業や、何とか残った生産性の高い情報産業くらいなのです。
生産性の低い製造業が壊滅的な状態になり、進出したトヨタなどの生産性の高い一部の企業によって、統計上、製造業の生産性が高くなっているのです。
このような状態だから、対中国・日本の貿易赤字に悩まされ、特に、最大の貿易赤字国の中国に文句を言っているのです。
生産性が高いと、事情をよく知らない識者が持ち上げるような状況ではありません。むしろ、悪い例なのです。
サービス産業も、状況は同じで、サービス産業全体は、生産性は高くありません。生産性の高い”情報”や比較的高い”卸売業”のシェアは伸びていません。シェアが伸びて高い生産性のサービス産業は”金融”です。
要するに、生産性が高くシェアの伸びた”金融”とシェアの伸びた”不動産”によって米国は、経済成長を支えているのです。[ =参考資料= 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部(海外班)「調査レポート06/62」( 詳しくデータを知りたい方はここに、アクセスして下さい )]
”金融・不動産”いずれも、今の、”米国バブル”の主役産業です。
”金融と不動産”の好調はマネーゲームによる”バブル”ですから、なんら誇れたものでもなんでもなく、米国経済のあり方を日本が参考にするようなものではありません、むしろ”大変悪い例”として見るべきものなのです。
「 ・・・日本の停滞を見抜いた海外投資家の日本売り・・・ 」との論は。
日本の経済状態が悪いから日本株などを売っているのではなく、自分たち英米投資家達がマネーゲーム(サブプライム問題)で、痛い目に合い、資金の余裕がなくなったので、仕方なく、日本の株を売っているのです。
今までの政府(特に、小泉政権)は、このような人達によって、政府の政策が強力に成されて来たのです。
要するに、「木を見て森を見ず」どころか。”木も見えず森も見えない”人達(政府)が、”木も見えず森もみえない”人達(識者と呼ばれる人)を、政策審議員に選任して政策決定してきた。
今、米国バブルが崩壊したことは、日本にとって”不幸中の幸い”かもしれません。もし、このまま続いていたら、又、英米のサル真似をして、国民は更なるバブル崩壊のツケを払わせられるところでした( 日本の金融機関は、金融サービスを真似する直前で、米バブル崩壊が起こりましたので、若干の損失ですみそうです )。
バブル崩壊のツケは、バブル崩壊を体験した日本を見れば分りますが非常に大きなものになります。日本の場合、経済力(産業力・資本力)が非常に大きいので、外国から見れば非常に大きな国債発行でも金利の上昇などもなく、今、発効に何ら障害は無いのです。
このことが、不況・々と言われながら、外国から見ると「どこが不況だ」と見られる、この程度の”不況”ですんでいる部分もあるのです。
ところが、経済力(産業力・資本力)の無い、英米は、産業力が無くなったので金融サービスで景気回復をを図りました。資本力が無くなったので外国から資本を呼び寄せ景気回復を図ったのです。
しかし、今回のバブル崩壊で外国は資金を引き揚げるようになるでしょう。そうすると、自国に資金がなければいくら大きな「金融市場」を持っていても、”金融サービス”を続けることは出来なくなります。金融サービスで維持していた雇用や景気を維持出来なくなるのです。
金融サービス以外の産業は、金融サービスをこれまで重点的に経済政策として実行していた為、他の産業は壊滅状態になっています。これらの国は、産業力・資本力は壊滅的な状態になっている為、日本のように、大々的な赤字国債の発行もできません( 色々文句を言われている日本の国債ですが、経済力が非常に大きく、このため発行できる幸せを国民はかみしめるべきです )。
片や英米は、バブルが崩壊し不況になっても、景気回復のための経済政策を取れなくなります。景気の悪化を只、指を咥えて見てるだけになるでしょう。
今、英米はバブル崩壊の過程に入りつつあります。
この英米が完全に経済崩壊したときは、途轍もない被害が出るでしょう。国民の生活は大変苦しいものになります。
この世界的なバブルの崩壊は、世界中で”反グローバル・反市場原理主義・保護貿易・規制強化”などの動きを強めてくる。
なぜならば、世界経済がズタズタに破壊され、各国は、自国の事のみ専念し、他国を顧みる余裕が無くなるからです。
今から70年位前、世界は、現在のようにグローバルな経済、市場原理主義、自由貿易・規制緩和の風が吹き荒れていました。ところが、1929年10月、ニューヨーク(ウォール街)の株大暴落をきっかけに「世界恐慌」が始まりました。
経済の悪化は、”反グローバル・反市場原理主義・保護貿易・規制強化”と、それまでとは逆の風を起こし、市民は市民に、民族は民族に、国家は国家に対し、激しく攻撃の動きを強めるようになりました。
そして、あの最悪の「第二次世界大戦」を生んでしまったのです。
米バブル崩壊は、70年前と同様の”世界大混乱の火種”となる可能性が非常に高いのです。
振り子の振れと同様に、一方の方向に過度に振れすぎる経済は、バブルなどで崩壊すると、今度は、逆の方向へ大きく振れてしまう(理想は”中庸”)。そうして、さらに、大きな悲劇を生む。
今、世界で起きようとしている事は、この様な事なのです。
一方の方向に過度に動き、”過度な規制緩和や金融緩和”をして、更に,貪欲さまでもプラスさせ、「世界的バブル」を発生させてしまった結果なのです。
前記した論とは、対極をなす、私から見れば非常に示唆的な「論文」挙げてみたい。
「 世界全体のGDPを眺めると、今世紀に入り年平均3・5%の拡大だった。・・・世界貿易の年平均伸び率を見ると、7%という数字が目に引く。つまり実体経済の2倍の速度で物流経済が拡大したことを意味している。さらに世界株式市場の時価総額は、同時期に年平均14%で拡大した。過熱といえるほどの物流経済の拡大、それをはるかに上回る金融経済の拡大はどう理解すべきか? 今、欧州ではロンドンの金融市場にロシアのオイルマネーが流入している。と言う話があちこちで語られる。エネルギー価格の高騰を受けて、ロシアの外貨準備は五千億ドルを超える水準にある。そのうち二千億ドル以上がロンドン市場に流れている。
これは、一つの国に産業の実力以上のお金が流れ込むと、金融業と不動産業だけが拡大し、製造業は衰退するというモデルが示されているのかもしれない。・・・ 日本は今、サッチャー革命の後追いで「改革」を進めているが、本家の英国では12の電力会社のうち11が米独などの外国資本の傘下に収められ、製造業の虎の子と言える自動車産業はすべて外国企業の軍門に下った。英国のこの結末を見ると考えさせられるものがある。
欧州を分析している”日本のエコノミストの大半”は、サッチャー革命に成功した英国は”マル”で、資本に息苦しい政策を展開し成長を鈍化させた独は”バツ”と認識していた。ところが産業の観点で眺めると、現時点で先端的な研究は独企業が圧倒的に先行し、英国は目立つものがほとんどない。先の評価は果たして妥当なのかと疑問がわいてくる。・・・
今日本が、石油価格高騰にもかかわらず、パニックを起こしてないのは、製造業の努力の結果ともいえよう。
日本は円と云う通貨の国際的な価値を継続的に高め、パニックが起きても不思議でないエネルギー価格の高騰を吸収している。・・・産業力を梃子に円高へと誘導した日本と、オイルマネーの流入でポンド高となっている英国とは構造が異なっている。
現在の日本は、競争力の低下がいわれているが、個別要素を点検すると、すべてポテンシャルある基盤を持っている。ただ一つ欠けているのが、”総合エンジニアリング力”だ。・・・
IT、バイオ、ナノテク、環境および省エネ、新素材と国内に蓄積された技術を集大成し、発展させる事が出来れば、こうした大きな構想は実現可能性が高くなる。個別の企業努力だけでは難しい、新たな”産業プラットホォームの構築”こそ国がリードして進めるべきであろう。 」07・12日経[「日経ホーラム 講演」日本総研・三井物産研究所所長寺島実郎]
そのとおりだと思う。このような方は非常に少ない。私に言わせてもらえば、このような方こそ政策審議員にすべきです。
政府の政策というものは、過去、百年、いな、千年の長いスパンから将来を予測。政策は、数十年、数百年先を見透し行うものです。
このような能力を持った人に政府は、政策決定に参加してもらうべきでしょう。
それでなくても、今、米国バブルが崩壊し「世界恐慌」へと、世界経済が大きく動こうとしている現在、”世界の大変動”に対処でき、大きく世界を眺めることの出来る”人物”を求める時に来ています。
70年位前の、グローバル経済から反グローバル経済への動き。 今から再び起きる、反グローバル経済への動き。
”世界は、まったく性懲りもなく過去の歴史を学ばず、同じことを繰り返している”のです。
これらのことを詳しく知りたい方は、著書「世界的なバブルが崩壊する」を読んでください。HP「経済気候」へ
この動きに反発するかのように、今まで英米発の「グローバル経済・市場原理主義」を”構造改革”の名の元、主導してきた人々の「反グローバル・反市場原理主義」への、反論が始まっている。
「 規制改革・民間開放推進会議(小泉政権の元民間委員)の議長を辞した昨秋以降、十数カ国を訪れた。行く先々で身にしみるのは日本の地位の低下だ。・・・
日本は少子高齢化が加速するからこそ、生き生きとした成熟社会をつくらなければならない。それには”経済成長”が不可欠。なのに出てくるのは”分配”の話ばかりだ。分配がうまくゆかないとなると”増税”の話になる。誰も”成長”を語らない政治の貧困を感じる。首相が挙げる生活の安心たるにも”経済のパイを大きくする”必要がある。それなしには活力は出ない。海外からも取り残される。経済の効率を高めるために”構造改革”を営々と推し進め、抵抗勢力を打ち破る。いやな仕事だが、それしか方法はない。・・・あらゆることを政府にねだっていいんだという甘えが国民に強く残っている。政治家はおねだりにこたえようと”分配”に走る。・・・老後の自分の面倒はなるべく自分で見る。そうした自己責任の矜持が見られなくなった。日本の停滞を見抜いた海外投資家の日本売りで国富が失われ、私達は計り知れない損失を被っている。・・・ 」07・12日経[「逆走ニッポン」分配よりまず成長語れ(識者からの提言)オリックス会長宮内義彦]
「・・・政府の成長戦略でも、サービス産業の生産性向上は重要な課題になっている。・・・90年代半ば以降の米国では、製造業とともにサービス産業が経済成長を支える双発エンジンとして機能するようになった。・・・人口減少局面に入った日本経済は、・・・サービス産業の生産性をどれだけ引き上げられるかが、・・マクロ経済の好循環を生み出すカギとなるが、米国の経験は、それが決して不可能ではないことを示している。・・・ 」07・12日経[「経済教室」人口減少下のサービス産業(生産性向上に国民運動をウシオ電機・社会経済生産性本部会長牛尾冶朗)]
これらの人は、小泉政権で規制や諮問会議のメンバーであった人々でアメリカナイズされ企業経営者として会議を主導、グローバル経済(市場原理主義)を推し進めた。
これらの人の言論を検証したい。
「・・・日本は少子高齢化が加速するから、経済成長が不可欠・・・」との論。
少子高齢化は将来GDPの拡大にマイナスになります。このことゆえ、政府や識者は少子化対策をいっています。経済規模の拡大が人口の増加に頼れない以上、人口の増加によらない経済規模の拡大は”経済のパイを大きくする”経済成長が一番良いからです。
「経済のパイを大きくする」には”構造改革”だ、との事ですが。
私に言わせれば、何をどう構造改革するというのか分らない( 過去、識者と呼ばれる人達やマスコミは、只々構造改革・々と云って来ました。何をどうするかもわからずに。自分たちの考えに反対する者はすべて、単純に抵抗勢力にしてしまいました )。
世界経済が破壊されようとしている今、日本のように成長が低い方が安全なのです。
今この時期、経済成長が高くバブル状態になった中国やインド、さらに、マネーゲームを自らつくり出し金融立国として繁栄を謳歌している英米、バブル景気の資源高により繁栄の中東やロシアなど、このような時期、高成長・好景気の国は非常に危ういのです。
何故かというと、高速道路の走行で例えれば、高経済成長国やバブル景気の国は、高速道路を150キロから200キロの速度で走行している暴走車と同じです。この時期、大地震(世界経済の崩壊)が起きると、死亡事故などの大事故を起こしかねません。日本みたいに今、ノロノロ運転をしていればたとえ大地震が起きても軽い事故ですむのです。
さらに、少子化対策や高経済成長路線については。
現在の地球の状況を考えると、これ以上の人口増や経済成長は不可能です。膨大な人口の中国やインドなどが先進国並みの経済に成長すると、今でさえ不足の食糧や資源が完全に不足してしまいます。特に問題となっている二酸化炭素の問題は非常に深刻な状況になるでしょう( だからヘッジファンドなどが資源や食糧に投機し価格が大きく上昇しているのだ。人口対策や経済成長論者は、”木を見て森を、いな、地球を見ていない”)。
エネルギーの問題は、原子力は放射能、化石燃料は二酸化炭素の問題で使用できません。その他の自然・環境に負荷を与えないエネルギーは、コスト高や人類全体を贖うほどの膨大なエネルギーはつくり出せません。
新エネルギーに関しては、環境に負荷なく、コストが全く掛からず、全人類のエネルギーを簡単に贖える、全く新しい”新エネルギー”が21世紀のこの地球に必要なのです。
そのためには、現代の科学を超える”新たな科学理論”の必要性に迫られています。(「新たな科学理論」にもとづく”新エネルギー”について詳しく知りたい方は、著書「世界的なバブルが破裂する」HP「経済気候」へ)
「 ・・・経済成長が不可欠。なのに出てくるのは分配の話ばかりだ。分配がうまくゆかないとなると増税の話になる。・・・ 」と分配や増税を否定していますが。
今の日本は、バブル崩壊下の規制緩和や市場原理主義によって、中間層が減少し、持てる高所得者と持たざる低所得者に二分されてきました。国家国民の為と政策に参加し、大きく国政に関与してきたのだから自己の高額所得のほんの一部でも、低所得者に寄付する意識があってしかるべきと思われるが現実には、「 ・・・老後の自分の面倒は自分で見る。そうした自己責任の矜持が見られなくなった・・・ 」と切り捨てる。まあ、無理はないでしょう。規制改革在任中、地位を利用し、会社の株価をつり上げた等々、自己の会社の利益を図った、と色々批判されていたくらいですから。
この人達の影響かどうかは知らないが、政府は増税ではなかったが、低所得者の税金を元に戻しました。高額所得者は、そのままで所得税は低いままです。これでさらに格差が開いた( 低所得者の税を元に戻したのですから、当然、高所得者の税も元の高額の状態に戻すべきでしょう。”あなた方の構造改革とは”富裕の自分たちに優しく、貧者に厳しい、”改革”の事なのですか!
市場原理主義本家の米国経営者はもっと酷い、金融関係のトップの年収は、数十億から数百億円との事。それでいて、シティのオニール最高経営責任者のようにサブプライム問題でシティ銀行をおかしくしてしまいました、まったくどうかしていますネ )。
政府が増税するなら当然、高所得者は以前の高い所得税に戻すべきです。
消費税を高くするなら高級品に高い消費税を掛け、食品などの低所得者に絶対必要なものは無税にして良いと思います。( これだったら国民は消費税を上げるのに反対しないと思います。政府の諮問会議に出ていいる人達は、米国ほどの事は無くても、我々から見れば、かなりの高額所得者が多い、となれば無理でしょうネ )。
「 ・・・九十年代半ば以降の米国では、製造業とともにサービス産業が経済成長を支える双発エンジンとして機能するようになった。・・・ 」と、米国の好調は、製造業とサービス産業の生産性が引っ張っている旨論じていますが。
実は、米国は、英国と同様、金融立国(マネーゲーム立国)なのです。そのため、貿易の自由化(特に、金融サービスの自由化)を押し進め、今や、製造業は、壊滅的な状態になっています( 自由貿易やドル高によって、コスト高になった製造業は海外に移転してしまいました )。
自由貿易によって、安いそれなりに品質の良い中国製品により、まともな製造業は大きく減少してしまいました。日本などから米国に進出した生産性の高いトヨタなどの製造業や、何とか残った生産性の高い情報産業くらいなのです。
生産性の低い製造業が壊滅的な状態になり、進出したトヨタなどの生産性の高い一部の企業によって、統計上、製造業の生産性が高くなっているのです。
このような状態だから、対中国・日本の貿易赤字に悩まされ、特に、最大の貿易赤字国の中国に文句を言っているのです。
生産性が高いと、事情をよく知らない識者が持ち上げるような状況ではありません。むしろ、悪い例なのです。
サービス産業も、状況は同じで、サービス産業全体は、生産性は高くありません。生産性の高い”情報”や比較的高い”卸売業”のシェアは伸びていません。シェアが伸びて高い生産性のサービス産業は”金融”です。
要するに、生産性が高くシェアの伸びた”金融”とシェアの伸びた”不動産”によって米国は、経済成長を支えているのです。[ =参考資料= 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部(海外班)「調査レポート06/62」( 詳しくデータを知りたい方はここに、アクセスして下さい )]
”金融・不動産”いずれも、今の、”米国バブル”の主役産業です。
”金融と不動産”の好調はマネーゲームによる”バブル”ですから、なんら誇れたものでもなんでもなく、米国経済のあり方を日本が参考にするようなものではありません、むしろ”大変悪い例”として見るべきものなのです。
「 ・・・日本の停滞を見抜いた海外投資家の日本売り・・・ 」との論は。
日本の経済状態が悪いから日本株などを売っているのではなく、自分たち英米投資家達がマネーゲーム(サブプライム問題)で、痛い目に合い、資金の余裕がなくなったので、仕方なく、日本の株を売っているのです。
今までの政府(特に、小泉政権)は、このような人達によって、政府の政策が強力に成されて来たのです。
要するに、「木を見て森を見ず」どころか。”木も見えず森も見えない”人達(政府)が、”木も見えず森もみえない”人達(識者と呼ばれる人)を、政策審議員に選任して政策決定してきた。
今、米国バブルが崩壊したことは、日本にとって”不幸中の幸い”かもしれません。もし、このまま続いていたら、又、英米のサル真似をして、国民は更なるバブル崩壊のツケを払わせられるところでした( 日本の金融機関は、金融サービスを真似する直前で、米バブル崩壊が起こりましたので、若干の損失ですみそうです )。
バブル崩壊のツケは、バブル崩壊を体験した日本を見れば分りますが非常に大きなものになります。日本の場合、経済力(産業力・資本力)が非常に大きいので、外国から見れば非常に大きな国債発行でも金利の上昇などもなく、今、発効に何ら障害は無いのです。
このことが、不況・々と言われながら、外国から見ると「どこが不況だ」と見られる、この程度の”不況”ですんでいる部分もあるのです。
ところが、経済力(産業力・資本力)の無い、英米は、産業力が無くなったので金融サービスで景気回復をを図りました。資本力が無くなったので外国から資本を呼び寄せ景気回復を図ったのです。
しかし、今回のバブル崩壊で外国は資金を引き揚げるようになるでしょう。そうすると、自国に資金がなければいくら大きな「金融市場」を持っていても、”金融サービス”を続けることは出来なくなります。金融サービスで維持していた雇用や景気を維持出来なくなるのです。
金融サービス以外の産業は、金融サービスをこれまで重点的に経済政策として実行していた為、他の産業は壊滅状態になっています。これらの国は、産業力・資本力は壊滅的な状態になっている為、日本のように、大々的な赤字国債の発行もできません( 色々文句を言われている日本の国債ですが、経済力が非常に大きく、このため発行できる幸せを国民はかみしめるべきです )。
片や英米は、バブルが崩壊し不況になっても、景気回復のための経済政策を取れなくなります。景気の悪化を只、指を咥えて見てるだけになるでしょう。
今、英米はバブル崩壊の過程に入りつつあります。
この英米が完全に経済崩壊したときは、途轍もない被害が出るでしょう。国民の生活は大変苦しいものになります。
この世界的なバブルの崩壊は、世界中で”反グローバル・反市場原理主義・保護貿易・規制強化”などの動きを強めてくる。
なぜならば、世界経済がズタズタに破壊され、各国は、自国の事のみ専念し、他国を顧みる余裕が無くなるからです。
今から70年位前、世界は、現在のようにグローバルな経済、市場原理主義、自由貿易・規制緩和の風が吹き荒れていました。ところが、1929年10月、ニューヨーク(ウォール街)の株大暴落をきっかけに「世界恐慌」が始まりました。
経済の悪化は、”反グローバル・反市場原理主義・保護貿易・規制強化”と、それまでとは逆の風を起こし、市民は市民に、民族は民族に、国家は国家に対し、激しく攻撃の動きを強めるようになりました。
そして、あの最悪の「第二次世界大戦」を生んでしまったのです。
米バブル崩壊は、70年前と同様の”世界大混乱の火種”となる可能性が非常に高いのです。
振り子の振れと同様に、一方の方向に過度に振れすぎる経済は、バブルなどで崩壊すると、今度は、逆の方向へ大きく振れてしまう(理想は”中庸”)。そうして、さらに、大きな悲劇を生む。
今、世界で起きようとしている事は、この様な事なのです。
一方の方向に過度に動き、”過度な規制緩和や金融緩和”をして、更に,貪欲さまでもプラスさせ、「世界的バブル」を発生させてしまった結果なのです。
前記した論とは、対極をなす、私から見れば非常に示唆的な「論文」挙げてみたい。
「 世界全体のGDPを眺めると、今世紀に入り年平均3・5%の拡大だった。・・・世界貿易の年平均伸び率を見ると、7%という数字が目に引く。つまり実体経済の2倍の速度で物流経済が拡大したことを意味している。さらに世界株式市場の時価総額は、同時期に年平均14%で拡大した。過熱といえるほどの物流経済の拡大、それをはるかに上回る金融経済の拡大はどう理解すべきか? 今、欧州ではロンドンの金融市場にロシアのオイルマネーが流入している。と言う話があちこちで語られる。エネルギー価格の高騰を受けて、ロシアの外貨準備は五千億ドルを超える水準にある。そのうち二千億ドル以上がロンドン市場に流れている。
これは、一つの国に産業の実力以上のお金が流れ込むと、金融業と不動産業だけが拡大し、製造業は衰退するというモデルが示されているのかもしれない。・・・ 日本は今、サッチャー革命の後追いで「改革」を進めているが、本家の英国では12の電力会社のうち11が米独などの外国資本の傘下に収められ、製造業の虎の子と言える自動車産業はすべて外国企業の軍門に下った。英国のこの結末を見ると考えさせられるものがある。
欧州を分析している”日本のエコノミストの大半”は、サッチャー革命に成功した英国は”マル”で、資本に息苦しい政策を展開し成長を鈍化させた独は”バツ”と認識していた。ところが産業の観点で眺めると、現時点で先端的な研究は独企業が圧倒的に先行し、英国は目立つものがほとんどない。先の評価は果たして妥当なのかと疑問がわいてくる。・・・
今日本が、石油価格高騰にもかかわらず、パニックを起こしてないのは、製造業の努力の結果ともいえよう。
日本は円と云う通貨の国際的な価値を継続的に高め、パニックが起きても不思議でないエネルギー価格の高騰を吸収している。・・・産業力を梃子に円高へと誘導した日本と、オイルマネーの流入でポンド高となっている英国とは構造が異なっている。
現在の日本は、競争力の低下がいわれているが、個別要素を点検すると、すべてポテンシャルある基盤を持っている。ただ一つ欠けているのが、”総合エンジニアリング力”だ。・・・
IT、バイオ、ナノテク、環境および省エネ、新素材と国内に蓄積された技術を集大成し、発展させる事が出来れば、こうした大きな構想は実現可能性が高くなる。個別の企業努力だけでは難しい、新たな”産業プラットホォームの構築”こそ国がリードして進めるべきであろう。 」07・12日経[「日経ホーラム 講演」日本総研・三井物産研究所所長寺島実郎]
そのとおりだと思う。このような方は非常に少ない。私に言わせてもらえば、このような方こそ政策審議員にすべきです。
政府の政策というものは、過去、百年、いな、千年の長いスパンから将来を予測。政策は、数十年、数百年先を見透し行うものです。
このような能力を持った人に政府は、政策決定に参加してもらうべきでしょう。
それでなくても、今、米国バブルが崩壊し「世界恐慌」へと、世界経済が大きく動こうとしている現在、”世界の大変動”に対処でき、大きく世界を眺めることの出来る”人物”を求める時に来ています。
70年位前の、グローバル経済から反グローバル経済への動き。 今から再び起きる、反グローバル経済への動き。
”世界は、まったく性懲りもなく過去の歴史を学ばず、同じことを繰り返している”のです。
これらのことを詳しく知りたい方は、著書「世界的なバブルが崩壊する」を読んでください。HP「経済気候」へ
2007年12月02日
「サブプライム問題」で、欧米の銀行の”自己資本比率”の低下が始まった(バブル崩壊後の日本と同じ)。
「サブプライム問題」で、金融市場の問題から”金融機関の健全性の問題”に混乱が広がっている。
その象徴的な出来事が、”アブダビ投資庁(アラブ首長国連邦)の米銀シティに対する75億ドル(8千億円)の出資”である。さらに、銀行合併の話も見られる。バブル崩壊後の日本の不良債権問題と同じで、”金融機関への資金注入や合併の推進”の動きが出始めた。
シティには、「SIV(約8兆8千億円)」の外にも似たような運用子会社(約4兆4千億円)があるといわれ、これらの隠れ損失会社が表面化すれば、昔の日本の金融機関と同様、隠れ借金(損失)がさらに表面化する(SIVは業界全体で約32兆円位有るといわれる)。
「 ・・・現在のところ、SIVは決算の連結対象外だが、銀行は傘下のSIVを債務保証している。SIVが破綻すれば、銀行は一気に巨額の損失を抱える。シティ傘下のSIVの総資産は約800億ドルもある。かって多くの邦銀が、系列のノンバンクなどに不良債権を飛ばしたものの、支えきれなくなり、損失処理で大赤字や破綻に追い込まれたのと同じ構図だ。世界の金融システムを揺るがす魔物を封じ込め、10年前の日本が経験した危機を阻止できるのか、世界は正念場を迎えている。 」07・11読売[金融危機10年]
米国の住宅価格は7−9月期80年以来過去最大の下げを記録したようです。
金融機関の融資も、住宅ローンの貸出は急減している。サブプライムローンはストップ状態、プライムとオルトAのローンは大幅に減っています。
米住宅価格の下げ止まらない下落は、比較的優良な住宅ローンもおかしくなる。現在いわれている経済協力開発機構(OECD)報告のサブプライム損失最大33兆円など、問題にならない金額になると思われます。
「 06年末時点の米住宅ローンの残高は約10兆ドル(1080兆円)。最も信用力の低いサブプライムローンは約15%を占め1兆5千億ドル(160兆円)程度の残高。信用力の高い人向けのプライムローンは75%、その中間のオルトAが約10%を占める。 」07・11日経[サブプライムABC]
これだけのローン残高があれば、いずれ日本のバブル崩壊後の不良債権額など問題にならないくらい大きな額となるでしょう。
ドルの大暴落は有るか否か? との議論がありますが。ドルの大暴落は不可避です。
米国経済に減速が起きると、大きな経常赤字と財政赤字では国家の経済政策をなんら執れなくなってしまいます。世界各国はドルの暴落は困りますので何としても阻止したいと考えますが、個人や企業や資金運用団体は自己の損失を犠牲にしてまでドル暴落阻止には付き合いません。当然なことで、自己の利益が一番となるからです。
実際、過剰消費減少の兆候が出始めた。
「・・・GDP全体の約3分の2を占める個人消費は、速報値を0・3ポイント下回る2・7%となった。 」07・11読売[米GDP年4・9%(7〜9月改定値)]
― バブル崩壊後の日本と同じで”合成の誤謬”(個々の個人や企業の対応は、全体として逆の効果を持つ)です。―
誰もドルの暴落を望まないにもかかわらず、個々の動きが全体として逆の効果をもたらし、ドルの大暴落となる。各国は売れなくとも、”個人や企業や資金運用団体が売る”からです。
[ * 日本のバブル崩壊後、景気低迷を誰も臨まないにもかかわらず、逆の個々の動きが全体として、景気低迷を深化させた、と同じです。 ]
さらに、世界経済は新興国経済の好調によって大きな経済の減速は無い、との議論があります。
中国(東アジア)・インド・中東などの勃興は、米国の過剰消費と金融緩和による世界経済の好調から始まった。
現在の世界的バブルは、米国の過剰消費と過度の規制緩和と金融緩和によって発生しました。
小泉政権が、円高対策のため、この金融緩和に加担したことも一つ原因があります。
[ * 小泉政権が、経常赤字の米国に不足のドル資金をファイナンスし、米国民の過剰消費を裏から支えた。
どう云う事かというと、政府が大きく赤字国債(実際は、政府短期証券を発行)を発行し、手にした円をドルに替え多くの米国債(運用の為)を購入した。小泉元首相は、就任時、「国民に痛みを求める・赤字国債の発行を減らす」をうたい文句に首相になりましたが、実際やったことは、逆のことをやり、米国と一緒になって、現在の世界的バブルをつくり出しました。やった事は、構造改革の名の下、ほとんど意味のない、郵便局を国から民間に変えただけです。 ]
今の、世界的な好景気の出発点は米国の過剰消費に原因がありますから、米国のこの状態が失われれば、中国(東アジア)やインドや中東がいくら好調であろうと、”米国の過剰消費”と云う「ハシゴ」が外されるのですから「砂上の楼閣」なのです。
実際、現在の世界経済は「砂上の楼閣」だ。
米国は、経常・財政赤字で、本当は、米国民は今のような過剰消費はできないのです。国として、双子の赤字になっている米国債を、外国の日本や中国や中東が買ってくれ、借金が出来るから、何とか”米国が・世界経済が”もっているのです。こんな状態をいつまでも続けることは出来ません。
現在の世界的バブルは、ITバブル崩壊などの過去の景気悪化を、米国や日本の政府などが金融や規制緩和によって、景気の悪化を防いで来た「ツケのツケの先送り」といった政策で、膨大な”ツケの負債”を増やして来たのです。
その結果、さらに大きな金融バブル(最終的バブル)を生む事となりました。特に、米国政府(グリーンスパン)や日本政府(小泉・竹中コンビ)による過度の金融や過度の規制緩和が最終的な経済破綻の元凶をつくり出したのです。
もう、今となってはどうしょうもないのです。
現在の、グローバル経済の起こり・歴史的背景。さらに、今後の世界経済の行方等知りたい方は、著書「世界的バブルが破裂する 松下功」を読んで下さい。HP「経済気候」へ
その象徴的な出来事が、”アブダビ投資庁(アラブ首長国連邦)の米銀シティに対する75億ドル(8千億円)の出資”である。さらに、銀行合併の話も見られる。バブル崩壊後の日本の不良債権問題と同じで、”金融機関への資金注入や合併の推進”の動きが出始めた。
シティには、「SIV(約8兆8千億円)」の外にも似たような運用子会社(約4兆4千億円)があるといわれ、これらの隠れ損失会社が表面化すれば、昔の日本の金融機関と同様、隠れ借金(損失)がさらに表面化する(SIVは業界全体で約32兆円位有るといわれる)。
「 ・・・現在のところ、SIVは決算の連結対象外だが、銀行は傘下のSIVを債務保証している。SIVが破綻すれば、銀行は一気に巨額の損失を抱える。シティ傘下のSIVの総資産は約800億ドルもある。かって多くの邦銀が、系列のノンバンクなどに不良債権を飛ばしたものの、支えきれなくなり、損失処理で大赤字や破綻に追い込まれたのと同じ構図だ。世界の金融システムを揺るがす魔物を封じ込め、10年前の日本が経験した危機を阻止できるのか、世界は正念場を迎えている。 」07・11読売[金融危機10年]
米国の住宅価格は7−9月期80年以来過去最大の下げを記録したようです。
金融機関の融資も、住宅ローンの貸出は急減している。サブプライムローンはストップ状態、プライムとオルトAのローンは大幅に減っています。
米住宅価格の下げ止まらない下落は、比較的優良な住宅ローンもおかしくなる。現在いわれている経済協力開発機構(OECD)報告のサブプライム損失最大33兆円など、問題にならない金額になると思われます。
「 06年末時点の米住宅ローンの残高は約10兆ドル(1080兆円)。最も信用力の低いサブプライムローンは約15%を占め1兆5千億ドル(160兆円)程度の残高。信用力の高い人向けのプライムローンは75%、その中間のオルトAが約10%を占める。 」07・11日経[サブプライムABC]
これだけのローン残高があれば、いずれ日本のバブル崩壊後の不良債権額など問題にならないくらい大きな額となるでしょう。
ドルの大暴落は有るか否か? との議論がありますが。ドルの大暴落は不可避です。
米国経済に減速が起きると、大きな経常赤字と財政赤字では国家の経済政策をなんら執れなくなってしまいます。世界各国はドルの暴落は困りますので何としても阻止したいと考えますが、個人や企業や資金運用団体は自己の損失を犠牲にしてまでドル暴落阻止には付き合いません。当然なことで、自己の利益が一番となるからです。
実際、過剰消費減少の兆候が出始めた。
「・・・GDP全体の約3分の2を占める個人消費は、速報値を0・3ポイント下回る2・7%となった。 」07・11読売[米GDP年4・9%(7〜9月改定値)]
― バブル崩壊後の日本と同じで”合成の誤謬”(個々の個人や企業の対応は、全体として逆の効果を持つ)です。―
誰もドルの暴落を望まないにもかかわらず、個々の動きが全体として逆の効果をもたらし、ドルの大暴落となる。各国は売れなくとも、”個人や企業や資金運用団体が売る”からです。
[ * 日本のバブル崩壊後、景気低迷を誰も臨まないにもかかわらず、逆の個々の動きが全体として、景気低迷を深化させた、と同じです。 ]
さらに、世界経済は新興国経済の好調によって大きな経済の減速は無い、との議論があります。
中国(東アジア)・インド・中東などの勃興は、米国の過剰消費と金融緩和による世界経済の好調から始まった。
現在の世界的バブルは、米国の過剰消費と過度の規制緩和と金融緩和によって発生しました。
小泉政権が、円高対策のため、この金融緩和に加担したことも一つ原因があります。
[ * 小泉政権が、経常赤字の米国に不足のドル資金をファイナンスし、米国民の過剰消費を裏から支えた。
どう云う事かというと、政府が大きく赤字国債(実際は、政府短期証券を発行)を発行し、手にした円をドルに替え多くの米国債(運用の為)を購入した。小泉元首相は、就任時、「国民に痛みを求める・赤字国債の発行を減らす」をうたい文句に首相になりましたが、実際やったことは、逆のことをやり、米国と一緒になって、現在の世界的バブルをつくり出しました。やった事は、構造改革の名の下、ほとんど意味のない、郵便局を国から民間に変えただけです。 ]
今の、世界的な好景気の出発点は米国の過剰消費に原因がありますから、米国のこの状態が失われれば、中国(東アジア)やインドや中東がいくら好調であろうと、”米国の過剰消費”と云う「ハシゴ」が外されるのですから「砂上の楼閣」なのです。
実際、現在の世界経済は「砂上の楼閣」だ。
米国は、経常・財政赤字で、本当は、米国民は今のような過剰消費はできないのです。国として、双子の赤字になっている米国債を、外国の日本や中国や中東が買ってくれ、借金が出来るから、何とか”米国が・世界経済が”もっているのです。こんな状態をいつまでも続けることは出来ません。
現在の世界的バブルは、ITバブル崩壊などの過去の景気悪化を、米国や日本の政府などが金融や規制緩和によって、景気の悪化を防いで来た「ツケのツケの先送り」といった政策で、膨大な”ツケの負債”を増やして来たのです。
その結果、さらに大きな金融バブル(最終的バブル)を生む事となりました。特に、米国政府(グリーンスパン)や日本政府(小泉・竹中コンビ)による過度の金融や過度の規制緩和が最終的な経済破綻の元凶をつくり出したのです。
もう、今となってはどうしょうもないのです。
現在の、グローバル経済の起こり・歴史的背景。さらに、今後の世界経済の行方等知りたい方は、著書「世界的バブルが破裂する 松下功」を読んで下さい。HP「経済気候」へ
2007年11月17日
欧米の経済状態は、「90年代の日本のバブル崩壊後」の状況に似てきた。
今回の、欧米のサブプライム関連の問題は、90年代の日本のバブル崩壊後の状態に良く似て来ました。
1つ、 NYダウ等世界中の株の下落傾向が顕著になって来た。
― 損失を被った多くのヘッジファンドが決算期末を12月末に控え、株などを売却し返還資金を手当てする。更なる株下落の可能性大。 ―
2つ、 米国住宅価格の下落が止まらない。 ― 更なる不良債権の発生大 ―
3つ、 欧米の主要銀行は、「SIV」と呼ばれる、特殊な運用会社を持ち多額の住宅関連証券を抱えている。資産価格の下落が止まらず、金融機関の損失拡大に歯止めがかからない。米国は、財務省が音頭を取って投げ売り防止の「サブプライム基金」を設立した。
― 住宅ローンに関する証券化商品はほとんど売り買いが成立しない。保有したまま市場価格が下がり続け、時間が経過すればするほど評価損が膨らむ最悪の状態になっている。さらに、安全だとされた米MMF商品にも元本割れの恐れが出てきた。 ―
バブル崩壊後、日本で問題になった「住専」のような不良債権の発生の恐れが大きくなった。
日本のバブル崩壊初期、不良債権額は、一般に8兆円位と言われていました。ところが、時間が経過するにつけ、実際は10倍位に膨らんだのです。同じ人間がやっていることです。いずれ同じ様な状態になるでしょう。
4つ、米銀はサブプライムで財務が悪化。企業、個人向けの両方で、”融資基準を厳しくし始めた”。欧米の金融機関は、今後、「流動性」や「自己資本比率」や「資産」の”低下の問題”に直面する。 ― 貸し渋りは、今後、世界中でМ&Aの縮小、企業・個人の経済活動を圧迫する。―
この様な、「日本のバブル崩壊後の状況」と同じ事態に直面している原因は。
欧米の金融機関が、”市場原理だ金融ビッグバン”だと言って、規制緩和による競争の激化や成功報酬高や株主資本主義の高まりなどによる利益重視のためマネーゲームをし、過激にリスクを犯した為です。
米銀大手メリルリンチのオニール最高経営責任者やシティグループのプリンス最高経営責任者の引責辞任も、日本のバブル崩壊後の状況と良く似ています。
特に、このオニール氏は、債務担保証券の販売で巨額の評価損を出した。日本のどこかの大手銀行の頭取もバブル期、「向う傷を恐れるな」と言い、それいけドンドンと貸付をし、同じように多大な不良債権をつくり辞任した例と良く似ています。
( * 日本の識者やマスコミは、これまで欧米の金融や金融ビッグバンを称賛して来ましたが、実際は、この程度の人達がトップにいたり、この程度の金融システムだったのです。さらに、政府までもが「貯蓄から投資」と言って規制緩和し囃し立てた為、超ハイリスクのFX外国為替証拠金取引などで主婦が大損をして後悔している姿がテレビに出ていました。
政府や識者やマスコミは、マネーゲームを囃し立てた責任をどう取るのでしょうか。バブルを囃し立てその後崩壊した時のように、又、口を拭って素知らぬ顔をするのでしょうネ。)
過去、ブラックマンデー・米LTCM危機・ITバブル危機など乗り越えて来ましたが、この頃と、今の世界経済の状態は一変しています。
いまは、世界全体がバブル状態で、米国自身、多大な財政赤字や経常赤字でドル大暴落不安。
金融政策は数10年にわたる過剰な流動性をつくり出し、これ以上の金融緩和をとれなくしています(米国の過剰な金融緩和はドルの大暴落につながる)。
世界を過剰流動性漬けにし、過剰マネーによって原油や商品相場の高騰を招いています。
今までの、付けが回ってどうしょうもない状態になってしまいました(70年代と同じ様な状態)。
今や、米国経済がどのように悪化しようと、有効な経済政策が取れなくなってしまっているのです。
「我々の対処法」を詳しく知りたい方は、著書「世界的なバブルが破裂する 松下功」を読んで下さい(HP「経済気候」へ)
1つ、 NYダウ等世界中の株の下落傾向が顕著になって来た。
― 損失を被った多くのヘッジファンドが決算期末を12月末に控え、株などを売却し返還資金を手当てする。更なる株下落の可能性大。 ―
2つ、 米国住宅価格の下落が止まらない。 ― 更なる不良債権の発生大 ―
3つ、 欧米の主要銀行は、「SIV」と呼ばれる、特殊な運用会社を持ち多額の住宅関連証券を抱えている。資産価格の下落が止まらず、金融機関の損失拡大に歯止めがかからない。米国は、財務省が音頭を取って投げ売り防止の「サブプライム基金」を設立した。
― 住宅ローンに関する証券化商品はほとんど売り買いが成立しない。保有したまま市場価格が下がり続け、時間が経過すればするほど評価損が膨らむ最悪の状態になっている。さらに、安全だとされた米MMF商品にも元本割れの恐れが出てきた。 ―
バブル崩壊後、日本で問題になった「住専」のような不良債権の発生の恐れが大きくなった。
日本のバブル崩壊初期、不良債権額は、一般に8兆円位と言われていました。ところが、時間が経過するにつけ、実際は10倍位に膨らんだのです。同じ人間がやっていることです。いずれ同じ様な状態になるでしょう。
4つ、米銀はサブプライムで財務が悪化。企業、個人向けの両方で、”融資基準を厳しくし始めた”。欧米の金融機関は、今後、「流動性」や「自己資本比率」や「資産」の”低下の問題”に直面する。 ― 貸し渋りは、今後、世界中でМ&Aの縮小、企業・個人の経済活動を圧迫する。―
この様な、「日本のバブル崩壊後の状況」と同じ事態に直面している原因は。
欧米の金融機関が、”市場原理だ金融ビッグバン”だと言って、規制緩和による競争の激化や成功報酬高や株主資本主義の高まりなどによる利益重視のためマネーゲームをし、過激にリスクを犯した為です。
米銀大手メリルリンチのオニール最高経営責任者やシティグループのプリンス最高経営責任者の引責辞任も、日本のバブル崩壊後の状況と良く似ています。
特に、このオニール氏は、債務担保証券の販売で巨額の評価損を出した。日本のどこかの大手銀行の頭取もバブル期、「向う傷を恐れるな」と言い、それいけドンドンと貸付をし、同じように多大な不良債権をつくり辞任した例と良く似ています。
( * 日本の識者やマスコミは、これまで欧米の金融や金融ビッグバンを称賛して来ましたが、実際は、この程度の人達がトップにいたり、この程度の金融システムだったのです。さらに、政府までもが「貯蓄から投資」と言って規制緩和し囃し立てた為、超ハイリスクのFX外国為替証拠金取引などで主婦が大損をして後悔している姿がテレビに出ていました。
政府や識者やマスコミは、マネーゲームを囃し立てた責任をどう取るのでしょうか。バブルを囃し立てその後崩壊した時のように、又、口を拭って素知らぬ顔をするのでしょうネ。)
過去、ブラックマンデー・米LTCM危機・ITバブル危機など乗り越えて来ましたが、この頃と、今の世界経済の状態は一変しています。
いまは、世界全体がバブル状態で、米国自身、多大な財政赤字や経常赤字でドル大暴落不安。
金融政策は数10年にわたる過剰な流動性をつくり出し、これ以上の金融緩和をとれなくしています(米国の過剰な金融緩和はドルの大暴落につながる)。
世界を過剰流動性漬けにし、過剰マネーによって原油や商品相場の高騰を招いています。
今までの、付けが回ってどうしょうもない状態になってしまいました(70年代と同じ様な状態)。
今や、米国経済がどのように悪化しようと、有効な経済政策が取れなくなってしまっているのです。
「我々の対処法」を詳しく知りたい方は、著書「世界的なバブルが破裂する 松下功」を読んで下さい(HP「経済気候」へ)
2007年11月02日
経済の振幅が大きくなって来た。
ー サブプライムローンの痛手を少なくしようとする中央銀行の行為が別の問題を大きくする( 経済破壊を逃れようとする行為が、別の経済破壊の動きを強める)。ー
住宅ローンを基にした証券化商品は、ほとんど買い手がつかない。政府(中央銀行)の金融ビジネス救済の為の金融緩和が、今度は、資源価格の高騰を招く( ファンドなどの資金が金融市場から商品市場に動いている )。
政府が、金融ビジネス救済の金融緩和を行うと、今度は、ドル安やインフレを招き、米国経済自身や世界経済を崩壊させる。
今の世界は、どちらに転んでも、もうどうしょうもない状態にある。
これは、数十年に渡る過度の「規制緩和と金融緩和」による"世界的なマネーゲーム"の結果である。
住宅ローンを基にした証券化商品は、ほとんど買い手がつかない。政府(中央銀行)の金融ビジネス救済の為の金融緩和が、今度は、資源価格の高騰を招く( ファンドなどの資金が金融市場から商品市場に動いている )。
政府が、金融ビジネス救済の金融緩和を行うと、今度は、ドル安やインフレを招き、米国経済自身や世界経済を崩壊させる。
今の世界は、どちらに転んでも、もうどうしょうもない状態にある。
これは、数十年に渡る過度の「規制緩和と金融緩和」による"世界的なマネーゲーム"の結果である。

