2012年05月22日

80年代を10年にする作業

「“BAD”25周年記念デラックス・エディション」リリースという華々しいニュースの傍らに、「swing out sisterの1stアルバムit's better to travel、2CDデラックス・エディション」の文字を見つけて喜んだのも束の間、収録曲目を見たら、2010年日本限定紙ジャケ盤(17曲収録)にblue mood(12"mix)/fooled by a smile(12"mix)/who's to blameの3曲が加わっただけの微妙な代物であることが判明。初登場1位から25年目のタイミングでの2枚組デラックス・エディションなのだから、もうちょっとボリュームがあってもよかったように思う。

日本のファンにとっては、オフィシャル・サイト限定リリースだった2010年発表のprivate view日本盤及び2010年の来日公演を収録した(おそらくテレビ中継を再編集した)DVD“tokyo stories : live at billboard tokyo 2010”のほうがうれしいリリースかもしれない。

it's better to travel 2CD expanded edition(7月2日)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/5050154
private view +2(7月18日)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/5057877
tokyo stories : live at billboard tokyo 2010(DVD)(7月18日)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/5057592

swing out sisterと同じく、80年代後半にデビュー・アルバムで初登場1位となったcuriosity killed the catのkeep your distanceとjohnny hates jazzのturn back the clockもこれまでにリイシュー済みなのだが、それぞれfree(free style)やi don't want to be a hero(extended)といった本来入っていてしかるべき曲が未収録だったりもして、やはりいずれも中途半端な内容に留まっている。初登場1位といっても次の機会が容易に想定されるような存在でもないのだから、このリイシューで最後という姿勢で12インチ・ヴァージョン等についても出来る限り収録するようにしてもらいたいものだ。

しかしながら、インターネットによりこれだけ過去を振り返ることが日常化した現代にあっても、(多くはメディアの扱いのせいで)いまだに80年代が80年代前半で完結してしまっているような傾向に対しては、リイシュー自体が大きな意味を持っているという面もある。80年代後半ポップスの成熟期に、ひたすらメロディとサウンドを磨きあげた結果として、25年を経ても全く色あせない作品を残しえたということ、そして80年代がちゃんと10年間あったということを知らしめるためには、当時を経験したファンなればこそ中途半端なリイシューも、単に1枚のアルバムではなく80年代後半という時代のリイシューであるのだと肝に銘じておいて、ひとまず歓迎しなければならない。

curiosity killed the cat - keep your distance(2010年リイシュー)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3881932
johnny hates jazz - turn back the clock(2008年リイシュー)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2712447

breakout
http://www.youtube.com/watch?v=nnivOKYyWLY
ordinary day
http://www.youtube.com/watch?v=FelTbxSwuBw
i don't want to be a hero
http://www.youtube.com/watch?v=j3BLHd3fT_c
Posted by atons at 19:33  |Comments(0)TrackBack(0) | 80年代後半 , 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月07日

the very best of living in a box

2枚のアルバムと8枚のシングルしかリリースしていないために、2枚のアルバムからはボーナストラックを除き全曲を収録、そこにBサイドやリミックスが11曲(この手の廉価編集盤にしては異例ともいえるボリューム)も加わったことで、必然的に1st/2ndアルバムのデラックス・エディションが実現してしまったthe very best of living in a box。

日本でCMソングとしてシングル・リリースされたbed of rosesが外れたのは、いい曲であるだけにもったいないし、dance the mayonnaiseについてもどうせなら(bed of rosesとともに日本盤gatecrashingのボーナス・トラックでもあった)オリジナル・ヴァージョンを収録すべきだった。同様にroom in your heartもかなり甘めの味付けがなされたシングル・ヴァージョンよりも実はシンプルなアルバム・ヴァージョンのほうがいい。シングルに対応して出来る限り収録されたリミックスは、bobby womackをフィーチャーしたso the story goesを筆頭に80年代エクステンディッド・ヴァージョンを逸脱しない範囲であれこれと工夫が施されていていずれも聴き応え十分だが、ここでもお馴染みのliving in a box(the penthouse mix)よりもレアなblow the house down(conversion version)のほうを収録してほしかったという不満は残る。

ただthe liam mccoy/dance the mayonnaise(part two)/when push comes to shove/ecstasy/get on the dog dozaといったシングルのカップリング曲がこうしてまとめられた意義は不満点を補って余りあるほどに大きい。ボーカルが乗らなかったのが惜しまれるthe liam mccoy、打ち込み主体のアルバムとは趣を変え生音でプログレッシヴかつユニークな音楽性を披露するdance the mayonnaise/get on the dog doza等、いずれもカップリングにしておくのがもったいないクオリティ。

ソウル・ミュージックを素地としたポップスを、80年代前半のごてごてした装飾を一度削ぎ落としたうえで改めてシンセ/ギターを中心にひたすら気持ちよさを追求したようなソリッドなサウンドで聴かせる1stから、それらに洗練を施すことでほとんどAORとしての風格さえ湛えた2ndといったとらえ方が一般的ではあるけれど、ハウスにbrian mayのギターとシンセブラスが交錯するblow the house downや重厚なエレクトロ・ファンクにラテン・グルーヴが舞い込んでくるgatecrashingのような曲もあり、さらにカップリング曲ではこんな風にもっと違う表情も覗かせていたわけである。

長らく入手困難だったカップリング曲が日の目を見ることで、多彩にユニークにクロスオーバーした一筋縄ではいかないliving in a boxの本質がついに顕わになり、その魅力が再認識されるという意味において、ディスコグラフィーのわびしさから図らずも充実してしまった廉価ベスト盤ではなく、やはり1stおよび2ndをひとまとめにした豪華なデラックス盤と呼んだほうが断然しっくりくる。CDを外すと2ndアルバムgatecrashignの最高にカッコいいジャケットが現れるのも個人的にはものすごくうれしかった。

the very best of living in a box
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4964848
http://www.amazon.co.jp/Very-Best-Living-Box/dp/B006ZGDBYA/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1333782052&sr=8-1

Posted by atons at 21:30  |Comments(0)TrackBack(0) | レビュー , 80年代後半 , 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月06日

viva hate remastered special edition/morrissey

“remastered special edition”と銘打たれてはいるものの、ボーナス・ディスクやDVDとは縁がなかったこれまでのmorrisseyリイシューからしてもさらに輪をかけて質素な仕様。もはやリイシューの恒例となりつつあったジャケットの変更もロゴのみに留まり、the ordinary boysと差し替えたtreat me like human beingは結局、昨年シングルglamorous glueに収録されたのと同じラフな音源のまま。基本質素なmorrisseyのリイシューにおいて最後の頼みの綱であるはずの写真さえリリース前に公開済みだったジャケット裏と見開きの2点に留まり、あとはchrissie hyndeによる序文が添えられ、late night, maudlin streetが微かに変わっているだけ。

当初レコード会社は、カップリング曲やデモ音源等からなるボーナス・ディスクに、あのウォルバーハンプトンでのライブ映像を収録したDVDまでつけて3枚組でリリースするつもりだったと聞けば余計に残念ではあるものの、それを悉く拒否してこのマイナー・チェンジをよしとするmorrisseyには笑ってしまう。

ただbona drag20周年記念盤に続きリマスターは良好。stephen streetが監修しただけあって、何かに追い立てられていたかと思うと振り返り開き直って居直るようなおぼつかなさと不安の裏返しのふてぶてしさが同居したようなこのアルバム特有の雰囲気もしっかり残っている。

またthe ordinary boysのところにtreat me like human beingが収まったことで、続くやけに景気のいいi don't mind if you forget meとの落差はさらに激しくなり、オリジナル盤以上に浮いてしまっているが、それがかえってi don't mind if you forget meらしさを増幅させることになっている点も興味深く、前後を気にしなければむしろ魅力は増しているといっていい。

i don't mind if you forget meは当時から好きな曲だったが、それでも浮いていたのは明らかだったし、音楽雑誌ではアルバムの後半、特にこの曲あたりが弱いなんて言われ方もしていて、単純にシングル曲以外で最もポップで、まだculture clubやduran duranしか知らなかった高校生にも容易に共感できる歌詞だからというだけでは好きとはいいにくい、morrisseyファンらしくない感じだった。


振り返ってみても何故音楽雑誌のカラーページにしかアーティストを見出せなかった田舎の高校生が、the smiths解散直後に聴いたlast night i dreamt that somebody loved meだけで、the smithsとmorrisseyに突っ走ることになったのかについては何度考えてみてもわからない。suedehead/everyday is like sunday/i don't mind if you forget meは十分にポップだったし、それまで聴いていたアーティストとは違うmorrisseyの雰囲気と歌詞はいかにも小賢しい高校生が珍しがって飛びつきそうではあるけれど、僕の人生においてあまりに大きな転換点となった事実に対してはそれでは全然説明が足りない。

はっきりしているのはviva hateの時点ですっかりmorrisseyファンだったこと、それからずっとそうであり続けたということ。この何が何だかよく分からない四半世紀の本格的な始まりがviva hateだった。そんなことを思って聴くviva hateは、なるほどボーナス・トラックやDVDがなくても、必ずしもめでたい意味に限らず、もう十分にスペシャルという感じさえしてくるのだった。
Posted by atons at 21:00  |Comments(0)TrackBack(0) | morrissey , レビュー , 80年代後半 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月24日

スペシャルでレアなviva hate

EMIからmorrisseyのリマスター盤viva hate(4月2日リリース)についてのお知らせメールが届く。recordstore.co.ukで予約すると、テストプレスのヴィニール盤(2枚しか存在しないうちの1枚)と一枚刷りアートワークが当たるという内容とともに、そのアートワークも公開。

https://store.digitalstores.co.uk/media/ShopSplit1-shopStylesheet/value/ShopSplit1-shopStylesheet-852.jpg

リマスターとアートワークの変更と1曲差し替えでspecial editionと銘打つのはレコード会社の勝手であり、受け取る側の価値観にもよる。無論僕にとってはスペシャルに違いない。しかし昨年glamorous glueのカップリングとしてリリース済みのtreat me like a human beingをレア・トラックと呼ぶのはちょっといただけない。

viva hate special edition
https://www.recordstore.co.uk/recordstore/recordstore/Viva-Hate-Special-Edition-Win-Presentation-Frame-Of-Original-Vinyl-Test-Pressing-Artwork-Run-Offs/119PI0000000?back=search.html%3Fterm%3Dviva%2Bhate




春に夏がゆく歌を聴いて春の思い出に浸っていたら、テレビでも春なのにドラマ「ウォーターボーイズ」を再放送中。こちらは春にはね返ることなく夏に行ったままで季節感の無さはどうしようもないけれど、「ウォーターボーイズ」は大好きなドラマのひとつなので、春でもまだ冬でもいつでも何度でも再放送してもらって構わない。映画版でもなくましてやドラマ2作目でもなくこのドラマ1作目がいい、青春ものとして実によく出来ていると思う。青く熱く切なく可笑しい余韻を見事に受けとめる福山雅治の「虹」も素晴らしい。「虹」のようなきちんとしたポップ・ソングを書けるのが彼のすごいところだと思う。

「ウォーターボーイズ」がそうであるように夏といえば空に海にプールの青、春に夏が青に転じればたちまち青春、となると青春ものの傑作である「ウォーターボーイズ」の再放送にはむしろ今頃がふさわしかったりするのかもしれない...などと考えていたところに、sugarのcopper blue/beaster/file under:easy listeningの3作品がデラックス盤としてリリースされるという知らせ(copper blue 2CD+DVD http://www.amazon.co.jp/Cooper-Blue-Sugar/dp/B007KLY8VY/ref=sr_1_3?s=music&ie=UTF8&qid=1332572123&sr=1-3)。

僕にとってのsugarはif i can't change your mind(copper blue収録)であり、それは1993年放送の深夜ドラマ「青春もの」の主題歌で、その「青春もの」こそが自分のうちにあった青春もの好きを明確に意識するようになったきっかけでもあった。

個人的な思い入れに多少のこじつけもあったにせよ、季節感も脈絡もないわりには好きなものが気持ちいいほどにつながった。青春ものの甘めのテイストをさらにこじつけたり、昨晩から降り続いた雪を砂糖に見立てるまでもなかったのもよかった。

「青春もの」
http://www.youtube.com/watch?v=ycaioW3dGrc


Posted by atons at 19:49  |Comments(0)TrackBack(0) | morrissey , 音楽 , 80年代後半 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月22日

心残りの1周年、楽しみな25周年

all you need is now完全盤リリースから1年。その3ヵ月前(2010年12月)の先行配信で1年を区切ったほうがしっくりくるけれど、震災からわずか10日後のリリースだったことを思えばやはりこちらの1年は、作品そのものとはまた別のところでむしろall you need is nowそっちのけで、より重くずしりと胸に応える。

all you need is nowそのものについて振り返ってみると...、今となってはとにかくgirl panic!がリリースされないまま過ぎ去った1年だったと言うほかない。ドイツのみで配信、レコード・ストア・デイにアナログ盤をリリース、さらにやたらと凝ったPVまで作っておきながら、結局配信さえされていないという状況はただただ不可解、それなりに賑やかだったこの1年もさておき大きな心残りとなっている。

david lynchがリミックス、凝ったPVをさらに解禁まで散々引ったことを合わせて考えれば、一体何のためのリミックス及びPVだったのかいよいよ判然としない。この流れが、(arctic monkeysのmatt heldersによるリミックスが無料配信され、mark ronsonもリミックスを手がけているといわれながら、ついに日の目を見なかった前作red carpet massacreからの2ndシングル)skin diversの繰り返しでしかないとなると、出し惜しみする積極的な理由や明確な戦略があってもおかしくないわけだが、長年のファンをしてもその辺は皆目見当がつかない。そういった不可解さをduran duranらしさとして片付けるのも、all you need is nowの“now”にこだわるのも、もういい加減飽きてきた。


marti pellowからのメールに“We have a lot ahead of us this year - including one or two very exciting new projects on the horizon, which I hope to be able to announce to you soon.”とあった。ひとつは昨年から製作中のソロ・アルバム(ケルティック・アルバム)に違いなく、もうひとつはきっと1stアルバムpopped in souled out25周年記念wet wet wet再始動であるはず。一方、graeme clarkはソロ・ライブ(3月15日 グラスゴー)で、tommy cunninghamとgraeme duffinと共演、lip service/put the light on/don't want to forgive me now/goodnight girlを披露している。

graeme clark live at kingtuts glasgow (with graeme duffin & tommy cunningham)
http://www.youtube.com/watch?v=kSwURJPC2LI
http://www.youtube.com/watch?v=FAd-EdC5V4Y
http://www.youtube.com/watch?v=t6GL1ni97bA


そしてwet wet wetと同じく25周年となるthe christiansの1stアルバム(the christians)と、2ndアルバムcolours(1990年)のデラックス・エディションがcherry redから5月1日リリース。ものすごくうれしいリイシューゆえに、せっかく2枚組の1stにborn againの12インチ・ヴァージョンが収録されないのがものすごく残念...。

the christians
http://www.cherryred.co.uk/shopexd.asp?id=3613
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4993924
colour
http://www.cherryred.co.uk/shopexd.asp?id=3614
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4993923

the christians - born again
http://www.youtube.com/watch?v=I_NWkzioKnw
the christians - words
http://www.youtube.com/watch?v=I6iYCMbyw-g

Posted by atons at 20:32  |Comments(0)TrackBack(0) | duran duran , wet wet wet , 80年代後半 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月13日

adeleのグラミー賞

最新のUKアルバム・チャート。lana del rey(born to die)が2週連続1位。2位はmarverick sabreのデビュー・アルバムlonely are the brave、3位はpaul mccartney(kisses on the bottom)がそれぞれ初登場。トップ10内ではもうひとつvan halenのa different kind of the truthが6位に初登場。pet shop boysのBサイド集formatは26位、big countryのデラックス盤the crossingが63位。

そして今週5位のadeleは、第54回グラミー賞にて見事主要3部門を含むノミネート6部門全てで受賞、あわせて喉の治療専念のため完全休養に入った昨年の秋以来となるステージ復帰(rolling in the deepを披露)も無事に果たした。

record of the year(rolling in the deep)
album of the year(“21”)
song of the year(rolling in the deep)
best pop solo performance(someone like you)
best pop vocal album(“21”)
best short form music video(rolling in the deep)

http://www.grammy.com/videos/adele-wins-record-of-the-year
http://www.grammy.com/videos/adele-wins-album-of-the-year
http://www.grammy.com/photos/adele-9

セールスに1位獲得数に作品の内容、誰がどこからどう見ても聴いても異論を挟む余地など端からない全くもって妥当な受賞ではあるけれど(それだけにbest short form music videoくらいはほかに譲るのではないかとも思っていた...)、四半世紀以上洋楽を聴き続けてきて贔屓のアーティストがグラミー賞でこれほど注目を集めるのが初めてであるのと、UKで1位を逃したのがいまだに釈然としていないrollign in the deepがrecord of the year/song of the yearを受賞したのとで、やっぱりものすごく興奮してしまった。



ただその一方でwhitney houstonの突然の訃報も頭から離れない。80年代に洋楽を聴き始めた世代にとっては、michael jacksonとともにグラミー賞を象徴するような存在であったし、今回のグラミー賞はadele/mumford & sons/bon iver(best new artist/best alternative music album2部門受賞)等のノミネートによって、80年代以来となる関心を寄せまた楽しみにしていただけに、余計に悲しく寂しく複雑な思いがする。

洋楽の入り口がculture clubとduran duranだったために、しばらくはアメリカン・ロックやブラック・ミュージックにも相当な偏見があった。それをあっさりと取り払ってくれたのが、michael jacksonやwhitney houstonの有無を言わせないレベルの名曲であり圧巻のパフォーマンスであった。

最大のヒット曲であるi will always love youについては、beat ukやbillborad top40で毎週のように耳にしたせいで食傷気味だし、近年もゴシップ記事で見かけるだけではファンを名乗る資格もないけれど、特に80年代のエヴァーグリーンな輝きを湛えた名曲の数々は、僕等世代の初めてのスタンダードでもあった。

中でも印象に残っているのが、a-haやstingのパフォーマンス目当てで楽しみにしていた1986年の第28回グラミー賞授賞式でのsaving all my love for you。シンセサイザーや打ち込みやUK的なイメージにとらわれ、まだ広く音楽を楽しむことを知らなかった僕に、シンプルで力強く美しいバラードの魅力を教えてくれたのは間違いなくwhitney houstonだった。

A-ha - Take On Me (Live) Grammy Awards 1986
http://www.youtube.com/watch?v=FG8rrnbAbe0
Sting - Russians (Live) Grammy Awards 1986
http://www.youtube.com/watch?v=AvN_-VfCOrQ

Whitney Houston - 28th Annual Grammy Awards (1986) - Saving All My Love for You & Grammy Win
http://www.youtube.com/watch?v=QABNuJYCR08

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2012年02月12日

12インチ・モラトリアム

you spin me round(murder mix)のベスト盤収録以降、80年代の12インチ・ヴァージョンのCD化やデラックス・エディションについての熱も冷めつつある。欲しいものが全て手に入ったからというわけではなく、考えればまだあれもこれもとキリもないが、どうしても欲しいものとなるとculture clubのちゃんとしたデラックス・エディションまたはボックス・セットとboy georgeのソロ初期(virgin期)のデラックス盤か編集盤くらいのものだったりする。

もともと思い入れが強い80年代の作品に、さらにレコード会社の焦らしも手伝って特に12インチ・ヴァージョンのCD化に対する欲求は増幅されてしまう傾向にあった。ただ、ボーナストラック入りのCDを手にして夢が叶ったと喜んだところで、聴くものが限られていた80年代当時とは違い、聴くに事欠かない現在にあっては長いヴァージョンばかりにも集中していられず...、リリースの前の盛り上がりほどには聴きこむことなく...、それがデラックス・エディションの数だけ繰り返されるうちに、必然的にもうただ長いだけのダンス・レコードに踊らされるのは止しにしよう...などという心境になった。


一方でそれしきのことでは収まりがつかないのも80年代。例えばnik kershawのhuman racingのexpanded editionがリリースされるとなると、やっと落ち着いた分別もあっという間に12インチ仕様にextendされ、結末を先送りにするその手法の如くにモラトリアムな感覚へと引き戻され、もはやhuman racingに留まってなどいられるはずもなく、その先にあるかどうかさえわからないextende riddleやnobody knows extended mixやone step ahead indutrial mixのCD化、つまりthe riddle/radio musicola/the worksのデラックス・エディションについ思い至らずにもいられなくなる始末。

それもどうせ手にしただけで満足でろくに聴かないに違いないことも十分承知のうえで、でも欲しい、ただ長いのがいいと同じ過ちを繰り返さなければ、80年代はとりあえずの完結さえみないらしい。

extended riddle
http://www.youtube.com/watch?v=21UqrrKQE8k
nobody knows extended mix
http://www.youtube.com/watch?v=KW9cg-1sQLs
nobody knows 12inch promo mix
http://www.youtube.com/watch?v=M6oqamkEEms
one step ahead indutrial mix
http://www.youtube.com/watch?v=wH6IbildBcg

human racing (expanded edition)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4930077
Posted by atons at 20:32  |Comments(0)TrackBack(0) | 80年代 , 80年代後半 , 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月10日

johnny hates jazz新作完成間近

新作製作の意向が伝えられてから2年半、johnny hates jazzのニュー・アルバムがいよいよ完成間近らしい。ミックスも最終段階にあり、アルバム用のフォトセッションも間もなくとのこと。

johnny hates jazzとしては2ndアルバムtall stories以来21年ぶり、そしてclark datcheler在籍時の1stアルバムturn back the clockからは24年ぶり、...といっても80年代後半ポップスの成熟期を代表するバンドゆえに、80年代リヴァイヴァルの華々しさとも縁遠く地味な部類の再結成である。ただそれは、そういった賑やかしや懐古趣味に訴えることを端から必要としていないということでもあり、極上のメロディとアレンジの妙で聴かせるポップスの醍醐味を堪能できるという意味においては相当期待していい一枚、個人的にも数曲の断片だけで2012年ベストアルバム候補のひとつになっている。


まだ1ヶ月が過ぎたばかりで今年のベストアルバム云々というのもあまりに気の早い話だが、来週(13日)リリースのemeli sandeのour version of eventsでは試聴段階で全曲鳥肌が立ち、東京女子流の2ndアルバム「Limited addiction」(3月14日)には、この半年間ほかのどの曲よりも繰り返し驚異的なペースで聴き続けている「Limited addiction」と「Liar」が収録されているので、いずれもリリース前にも関わらず、もうすでに自分の中では2012年のベストアルバムに内定しているような状態。

さらに今年後半にはrobbie williamsとthe killersの新作がリリース予定、確定ではないもののculture clubとmorrisseyも控えている。近いところでは、4月に(前作serotoninが2010年のベストアルバムほひとつだった)mystery jetsの“LP4”もある。個人的に音楽の趣味や人格が180度変わりでもしない限り、ベストアルバムから外れるなんてことがそもそもありえないラインナップ。

2011年もやむを得ずベストアルバム5枚なんていう締まりも節操もないことになってしまったが、この分だと2012年のベストアルバムは5枚でも全然足りず、年末にはそれなりに頭を悩ませなければならないに違いない。少なくともとりあえず全部adeleにやっておけばいい今年のグラミー賞よりも選考は難航するものと思われる。
Posted by atons at 20:30  |Comments(0)TrackBack(0) | johnny hates jazz , 80年代後半 , 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月09日

実質デラックス

Music Club Deluxeシリーズのひとつとして3月12日にリリースされるliving in a boxの2枚組ベスト“the very best of living in a box”の収録内容が明らかに。たった2枚のアルバムと8枚のシングルしかリリースしていないので、必然的にBサイドやリミックスが多数収録されるものと思っていたが、その期待に違わぬ内容。2枚のアルバムからは1stのsuperheroesを除いて19曲(つまりほぼ全曲収録)、Bサイドやリミックスが11曲、つまりこの2枚組編集盤で1st/2ndアルバムのデラックス・エディションが手に入るようなものであり、それがたった1000円前後というのだから有難い。

日本のファンにとってはシングル・カットもされたbed of rosesが漏れているのは惜しい気がするし、dance the mayonnaiseについても(bed of rosesと同じく日本盤gatecrashingのボーナス・トラックでもあった)オリジナル・ヴァージョンのほうが断然カッコよかったりもする。無論リミックスを網羅できるはずもなく、blow the hosue down好きとしては、お馴染みのliving in a box(the penthouse mix)よりもblow the house down(conversion version)のほうがよかったという不満も残るが、the liam mccoy/dance the mayonnaise(part two)/when push comes to shove/ecstasy/get on the dog dozaといったシングルのカップリング曲はとにかく貴重、個人的にもdance the mayonnaise(part two)以外聴いたことがない。

ディスコグラフィーの侘しさがやむを得ず廉価編集盤を充実たらしめているといえばそれまでだが、やたら豪華なくせに収録曲に取りこぼしがあったり音質もいまひとつだったりする巷のデラックス盤よりはよほど好ましいと思う。

ちなみに同日リリースのthe very best of go westのほうは、(2008年のfuture nowの除く)1st/dancing on the couch/bangs & crashes/indian summerからの曲に、2010年の3Dシリーズから1曲(she lights me up)が紛れ込んだ平凡な内容となっている(http://www.amazon.co.jp/Very-Best-Go-West/dp/B006ZGDC1C/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1328838280&sr=1-1)。

The Very Best Of Living In A Box
http://www.amazon.co.jp/Very-Best-Living-Box/dp/B006ZGDBYA/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1328838209&sr=1-1

disc 1
1.living in a box
2.blow the house down
3.scale of justice
4.gatecrashing
5.love is the art
6.unique
7.generate the wave
8.touch sensitive
9.live it up
10.from beginning to end
11.day after tomorrow night
12.the liam mccoy *シングルso the story goes収録
13.dance the mayonnaise(part two) *シングルblow the house down収録
14.blow the house down(keith cohen mix)
15.living in a box(club mix)

disc 2
1.room in your heart
2.so the story goes
3.different air
4.living in a box(the penthouse mix)
5.all the difference in the world
6.human story
7.mistaken identity
8.going for the big one
9.can't stop the wheel
10.when push comes to shove *シングルroom in your heart収録
11.ecstasy *シングルscale of justice収録
12.get on the dog doza *シングルgatecrashing収録
13.love is the art(love)
14.gatecrashign(diesel mix)
15.so the story goes(club mix)

blow the house down conversion version
http://www.youtube.com/watch?v=5MDz8Ce99FQ



morrisseyに続き、james morrisonも来日決定。4月12日にビルボードライブ東京で一夜限りのステージ。...と聞くとつい、morrissey来日正式発表前にtwitter上で見かけた噂は案外「morrissey」と「morrison」の勘違いが発端だったのかもしれない...なんて思ってしまう。あれはそんなくだらないオチでもない限りありえない話だったので。

http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8031&shop=1
Posted by atons at 20:43  |Comments(0)TrackBack(0) | 80年代後半 , morrissey , james morrison | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月29日

room in your heart

これまでとは違った選曲がうれしいculture clubのthe hits collection(2月13日リリース)。

http://blogs.dion.ne.jp/atonsdemo/archives/10591911.html

そのMusic Club Deluxeシリーズの3月5日のリリース予定にliving in a boxとgo westが名を連ねている。まだレーベルのオフィシャルサイトには掲載されていないがUKのamazonで確認できる。3月はそのほかにchina crisis/pat beneter、4月にはsheena easton/paula abdul/maxi priest等の名前もある。

The Very Best Of Living In A Box [Double CD]
http://www.amazon.co.uk/Very-Best-Living-Box/dp/B006ZGDBYA/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1327729089&sr=1-1
The Very Best Of Go West [Double CD]
http://www.amazon.co.uk/Very-Best-Go-West/dp/B006ZGDC1C/ref=sr_1_11?s=music&ie=UTF8&qid=1327729255&sr=1-11

living in a boxについては、たった2枚のアルバムしかリリースしていないために、それを全曲収録したところで30曲以上収録可能な2枚組には全然足りず、必然的にリミックスやBサイド等の収録が見込まれる。go westは2008年のfuture nowや最新作の3Dシリーズからの曲が外れたとしても、3枚のアルバムとリミックス・アルバムbangs and crashesでそれなりのボリュームになってしまうけれど、king of wishful thinkingとfaithfulのリミックスが入っていたらうれしい。


living in a boxのgatecrashingは、内容に加えジャケットも気に入っていて、リリースから20年以上経っても手放なさずにいる特に思い入れのあるアルバム。例えば同時期のcuriosity killed the catやthis way upなどは程無くして処分し、最近になって中古やリイシューで買いなおしていて、culture club/duran duran/the smiths/morrisseyを除けば、そんな風に手放せずに大事に取っておいたCDはめずらしい。

blow the house downのCDシングルでしばらく我慢して(そのCDシングルも手放さずに残っているうちの大切な一枚)、gatecrashingを手にしたのはリリースから半年以上経った3月のことだった。それを買った通りすがりの町のCDショップの雰囲気や、春らしく穏やかなその日の空も覚えている。gatecrashingに限ったことではなく、当時少ない小遣いをやりくりして手にしたレコードやCD、その一枚一枚については、それにまつわるあれこれを今でも幸せな気持ちとともに思い出せる。通販やダウンロードにはそれがなくてたまにちょっと寂しい。
Posted by atons at 19:43  |Comments(0)TrackBack(0) | 音楽 , 80年代 , 80年代後半 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする