2007年04月15日
Meine Liebe Brahms, noch einmal
人間に対する深い郷愁を持ちつつ、同時に天上的憧れを抱きながら創作に心血を注いだブラームスについて再び触れたいと思います。
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ブラームスはモーッアルトの音楽について「モーッアルトの協奏曲のような、最良の音楽のよさはかならずしも誰にもわかるわけではない。私達の音楽がもてはやされるのは、そのおかげである。」と語っている。
過去の偉大な楽聖たちに限りない憧憬を抱いていたブラームス。その過去の作品を好み、敬愛してやまなかった。「ハイドン、モーッアルト、ベートーベンといった18世紀の神々のような音楽家たちに比べると、私達、19世紀の音楽家は普通に人間にすぎない」とまで言い切っている。
彼の音楽は、過去に倣い、それらへの憧れと何としても表現したいという情熱、そして慎みと忍耐によって深まっていった「成熟と完成」の音楽であった。
しかし時流はロマン派が台頭し、リスト、ベルリオーズ、ワーグナーなどに見られるように標題音楽、色彩的和音、無限旋律などの追求により大きく変化していた。
西欧音楽の根幹をなす調性の体系が崩れるところまで達し、古典派以来の音楽の形式感を大きく破壊するようになっていた。ブラームスは、その流れを音楽の危機と認識していた。
彼が目指した事は、音楽を感情のままの奔流とせず、形式、構成の美に戻すことであった。何よりもブラームスは、過去からの音楽の完成に心を傾けていた。
彼にとって交響曲が、あらゆる音楽の中で一番総合的で高度な音楽技法を必要とし、最も高度な表現を可能とするものであったと考えていた。加えて、ブラームスにとって特別な存在であったベートーベンが傑作を残した交響曲というジャンルの作品を書くことに極めて慎重にならざるを得なかった。実際に交響曲第一番の作曲にを1855年、22歳の時に着手したが途中挫折し、完成させたのは1867年、初演はその年に行ったが気に入らず、さらに幾度も手をいれ翌1877年に最終版とした。ブラームス44歳。何と22年の歳月の結晶であった。
このような志向、態度のブラームスに対して当時の進歩主義的な音楽家にとっては批難の対象であった。一方で一見新しさには向かわないブラームスの保守性、古風な様式を進歩として認めた人びともいた。
実際にその真価を認めたのはその世代やその次世代ではなく、20世紀の音楽家であり「12音階理論」を打ち立てたアーノルド・シェーンベルクであった。
彼はブラームス生誕100周年に「ブラームス、進歩主義者」と題した講演を行い、その進歩性を説いた。また、ベルグ、ストラビンスキー、ウェーベルンなどの現代作曲家もブラームスに強く深い関心を寄せていた。
ブラームスが過去を常に見つめ、倣いながら、実は未来につながっていたという事実。
新しさは外にある新奇さにはなく、本当の新しさは自らの内にあった。内に向かうことによって未来を捉えることができたという真実。ブラームスの姿勢に創作の本質を見る事が出来る。
57歳の折、自分のインスピレーション、体力の衰えを感じ、第一線を退く事を友人に伝えており、翌年、遺書状も管財人に託している。その時期に書かれた「クラリネット五重奏」は、自らの人生に対する諦観や悲しみや哀愁に満ちたものになっている。
1896年、63歳。自らの死を自覚するようになった誕生日に「四つの厳粛な歌」の楽譜を友人達に披露した。この歌曲には、ブラームスの死生観が吐露されている。優しい愛が最も偉大であると歌は語る。
この誕生日にクララからお祝いの手紙が届き、嬉しさに返事を書くが、その時にクララは発作を起し、この世を去り、返信が読まれる事はなかった。
その後を追うように1897年、64歳でブラームスはその生涯を終える。
ブラームスの棺は、敬愛するベートーベンの眠るウィーン中央墓地に埋葬されている。
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この記事へのコメント
おはようございます。
記事へのお誘いありがとうございます。
彼の音楽は、過去に倣い、それらへの憧れと何としても表現したいという情熱、そして慎みと忍耐によって深まって・・
新しさは外にある新奇さにはなく、本当の新しさは自らの内にあった。内に向かうことによって未来を捉える・・
これらの表現、感銘致しました。
ブラームスへの理解が、深まったように思います。
これをきっかけに私の中で何かが、開けるような予感がします。
記事へのお誘いありがとうございます。
彼の音楽は、過去に倣い、それらへの憧れと何としても表現したいという情熱、そして慎みと忍耐によって深まって・・
新しさは外にある新奇さにはなく、本当の新しさは自らの内にあった。内に向かうことによって未来を捉える・・
これらの表現、感銘致しました。
ブラームスへの理解が、深まったように思います。
これをきっかけに私の中で何かが、開けるような予感がします。
Posted by さちこ at 2007年04月17日 08:16
さちこさま
こんばんは
長い解説文、お読みくださって、ご苦労さまです。
さちこさん>これをきっかけに私の中で何かが、開けるような予感がします。
しかし、凄いコメントで恐れいっております。
敬服。
こんばんは
長い解説文、お読みくださって、ご苦労さまです。
さちこさん>これをきっかけに私の中で何かが、開けるような予感がします。
しかし、凄いコメントで恐れいっております。
敬服。
Posted by DBH at 2007年04月18日 00:58

