2012年05月22日
レニーニ『未知との遭遇の日々』
ブラジルの知性派コンポーザー/ミュージシャンと評されるレニーニの音楽がマイブーム復活である。
きっかけは、以前ここでも書いた“究極のジプシーオーケストラ”のチケットを購入した時のことだった。この時のブログの写真の片隅に、究極のジプシーオーケストラとは無関係なCDが1枚写り込んでいるのだが、これはこのチケットを購入した際、主催のプランクトンさんがおまけにプレゼントしてくれたCDだ。
チェカというアフリカ人シンガーの『ロンジ』というアルバムなのだが、実は私、このアーティストは知らなかった。
プレゼントは事前にカタログの中から選ぶことが出来たのだが、私がこのアルバムを希望した理由はプロデューサーがレニーニだったから。
いわゆる“プロデューサー買い”ってやつですな。買ってないけど。(笑)
私がレニーニを知ったのは1997年。都内の某CDショップでかかっていた曲があまりにカッコよくて、すかさず店員に尋ねると、この『未知との遭遇の日々』という素敵な邦題(笑)と素敵なジャケット(笑)のCDを見せてくれたのだ。
ブラジル音楽をベースに、テクノっぽいものから、しっかり「歌」を聴かせるアコースティックなもの、時にはHIPHOP的な要素もありの極上ミクスチャー音楽。クールでハイでユーモラス。そしてこのジャケットだ。(笑)もう買うしかないだろうと、即購入してしばらくこのアルバムを聴きまくる日々が続いた。
しかし何故かレニーニは今までこのアルバムしか聴いてこなかった。
そして今回、久しぶりに彼の名前を見て「おお!」と思った訳だ。
で、最近またこのアルバムを引っ張り出してまた一人盛り上がってる次第で。
いやー、15年経ってもちっとも色褪せてないじゃないか。
あの時のCDショップでの興奮がよみがえってくる。
あ、それでプレゼントでもらったCDはどうだったかというと、これもまた実に良いアルバムです。
…それだけで終わりかよ。(笑)
いやもういい加減長文なんでね。
2012年05月14日
NEU!
今日久々に「NEU!」を聴いた。
「NEU!」は「ノイ!」と発音するドイツ語で、意味は「新しい」だ。
NEUはクラフトワークの初期メンバーであったミヒャエル・ローターとクラウス・ディンガーがクラフトワークを離脱して結成したユニットで、この1stアルバム「NEU!」は1972年作だから、私がまだ5才の頃、つまり40年も前のアルバムということになる。
いわゆるクラウト・ロックというものの元祖として位置づけられている作品だが、久々に聴いても今なお新鮮に脳を刺激してくる驚異的なアルバムだ。
しかし自分はなぜ突然このアルバムを聴きたくなったのだろう?
毎日毎日実家オフィスに引きこもって仕事をしているものの、一向にモチベーションがあがらず低空飛行状態で作業を続けている自分に「渇」でも入れたくなったのだろうか…
いやいや、そういうことなら他にもっと相応しいアルバムがたくさんあるだろうに…(笑)
でもこれを聴いたら少しテンションが上がった…ような気がする。
明日以降、これをなんとか維持出来ますように。
ああ、こういうの自分でもやってみたいなぁ…
なんて週末にはまた違うこと考えるかもしれないんだけど(苦笑)
この流れで明日はポーティスヘッドの「THIRD」だな、うんそうしよう。
2012年05月05日
ミックの遺作
昨年1月に他界した、敬愛するベーシスト、ミック・カーンの遺作を聴いた。
しかしそれはミックのソロではなく、バウハウスのピーター・マーフィーとのユニット“Dalis Car”の27年ぶりの新作(5曲入りEP)だった。
このユニットは、1984年に1枚だけ『The Waking Hour』というアルバムをリリースした後、二人の間に亀裂が走り、もう二度と一緒にやることはないだろうと誰もが思っていた。
ところが長い年月を経て二人は和解し、このユニットを復活させようとしたら、ミックのガンが発覚したそうだ…
そしてミックは病と闘いながら、この作品のレコーディングに臨んだという。
おそらく当初はきちんとした“セカンド・アルバム”を作る予定だったのだろうが、結局はここに収められている5曲でミックは力尽きてしまったようだ…
この新作『InGladAloness』では、1stに比べるとミックのベースは控えめだが、これはミックの衰弱を表すものではなく、晩年のミックが自身のソロ作でも追い求めていた、スピリチュアルな世界の延長線に他ならない。
そういう観点からすると、これはやはり「ミックの遺作」なのだ。
ただ本当に残念なのは“志半ば”で終わってしまっている印象が強いこと…
近年の年老いたデヴィッド・シルヴィアンが素晴らしいように、年老いたミック・カーンの音楽ももっともっと聴きたかった。
そしてまた、年老いた“JAPAN”というものを聴いてみたかったよ…
2012年04月23日
GIRL BROS.
私は、プリンスは嫌いではないが特に思い入れもなく。このGIRL BROS.だって、プロデュース&エンジニアリングが私の大好きなチャド・ブレイクだったから聴いてみただけだったが、これが非常に中身の濃い傑作なのだ。
このアルバムがリリースされたのは1999年。
もう13年も経ってしまったのか…
なぜか最近、やたらとこのアルバムの曲が頭を飛び交うものだから、久々にアルバム全編を聴き返してみた。
ネオアコ風の涼しげな楽曲にチャド・ブレイクのインダストリアルな音処理が絶妙。60年代サイケの色合いや緩やかなファンク曲など、バラエティ豊かな楽曲群をクールに歌いきる二人の歌声。
熱心なファンからすれば、もしかするとオーバープロデュース気味なのかもしれないが、チャド・ファンの私としてはこれはもう隠れた名作の1つと言っていい仕上がりだ。
という訳で、13年ぶりのヘビーローテーションに。
2012年04月20日
追悼・リヴォン・ヘルム
2012年03月28日
ダーティ・スリー『Toward the Low Sun』
オーストラリアのインストバンド・DIRTY THREE(ダーティ・スリー)の編成はヴァイオリン、ギター、ドラムの3人だけ。
くぐもった音でむせび泣くようなバイオリン、たそがれたギター、縦横無尽に叩きまくるドラム。一見好き勝手にやっているように見えるが、この3つの音が1つのうねりとなってまとまってきた時のなんとドラマチックなことか。
まるで何かの映画のサントラのように、このアルバムを聴いていると様々な光景が浮かんでくる。
調べてみると、ミックス&エンジニアリンングはトータスも手がけたケーシー・ライスで、なるほど音空間が“それっぽい”訳だ。
クールで熱くて、時にやたらと叙情的。
これだけそれぞれの楽器が情感豊かであれば、もはや「歌」の入る余地はありませんな。
うっかり聴いていると、どこかに連れて行ってしまわれそうなスリリングな癒し音楽。
なんか今年に入ってから「当たり」の音楽に出会うことが多くて嬉しい今日この頃。
2012年03月22日
ノルウェーの歌姫、再び
あれから2枚のアルバムがリリースされ、さらに今年、4枚目のアルバムが発表された。
タイトルは『Featherbrain』。直訳すると<低脳者>とか<ばか者>とか…なんか音楽性は全然違うけど、パンクみたいなネーミングだな(笑)
彼女のアルバムで私が最も好みだったのは、1stの『Little Things』で、2枚目は未聴、3枚目は試聴はしたけどピンとこなかったので見送っていた。
しかしこの新作『Fetherbrain』はすごい。何がすごいって、ジャケットがコワい。いやそうじゃなくて、中身がすごいのだ。(笑)
日用品やガラクタ類をパーカッション代わりに使う独特な音の味付けはさらに磨きがかけられ、そこへ近年傾倒していたオルタナ系ロックの感触も加わり、まさにこれまでの集大成的な仕上がりといってよいかと。
彼女の音楽はよくビヨークが引き合いに出されるが、確かに似ているところはある。がしかしビヨークほど高い所から音楽を発するのではなく、自分の箱庭の中で遊ぶように音楽を楽しんでいるといった、ナチュラルな印象だ。
88才のお祖父様と寄り添うようにデュエットをするラスト曲「Erik」は、キェシロフスキ監督の映画にでもハマりそうな、繊細さと強さをあわせもった美しいエピローグとなって余韻を深く残す。
3年ほど前に、フェスの出演者として一度だけ来日(残念ながら行けなかった)しているが、また是非、来日をしてもらいたい…あ、フジロックだけとかではなく、都内のライブハウスとかでね。
しかし…ジャケットがコワい。(笑)
2012年03月15日
登川誠仁&知名定男
発売当時、買うかどうしようか迷ったまま数年、忘れかけた頃に運命の出会いか?(大げさだな・笑)
沖縄民謡界の重鎮かつ、子弟関係でもある登川誠仁と知名定男の初共演アルバム『登川誠仁&知名定男』。
もう1曲目から涙ものの名曲「スーキカンナー」は、2人の46年ぶりの共演録音だそうで、前半を誠仁さんがゆっくりしたテンポでうたい、後半をアップビートで定男さんがうたう。師匠が弟子に教え、それを改作し、弟子が自分のものとしていくプロセスがここで再現されている。(解説文からの引用)
この歳にして、この艶気。
人生の全てを「唄遊び(あしび)」に捧げてきた二人の声を聴いていると、自分の中にある様々なわだかまりみたいなものが一気に溶けていく感覚になる。
素晴らしい、なんて私ごときが言うのもおこがましい、後光さす魂の音楽。
やっぱり買っておくべきだった。
2012年03月05日
瞑想ミニマルグルーヴ
2002年から不定期に続いているこのシリーズも既に4作品をリリースしている。
昨年リリースされた『SECRET RHYTHMS 4』ではまた新たな境地を見せてくれて、相変わらず私のヘビーローテーションの1つとなっている。
老いてなお磨きのかかるヤキ・リーヴェツァイトのドラミングは、本人いわく“ドラムマシーンの叩き方を目指した”そうだ。そしてパーカッションとエレクトロニクスを担当するバーント・フリードマンが“打ちこみっぽくないナチュラルな音”を目指したという。
こうした逆転の発想が、このユニットの世界観を唯一無二のものにしているのかもしれない。
このユニットは、タイトルの通り「リズム」に主眼を置いた曲作りがされていて、どの作品も1曲の中に多数のリズムが混在し、それらが交錯して新たなグルーブを生み出している。
しかしながら、決して全てがリズムで埋め尽くされているということではなく、いわゆる「間」の使い方が絶妙で、これだけのリズムがあるにも関わらず印象としては冷ややかなのだ。
これはもう「わびさび」の世界だと思う。
ひたすら正確に刻まれるリーヴェツァイトのドラムは、確かにマシーン的とは言えやっぱりリーヴェツァイト特有のドラムとパーカッションの間を行くような感触が心地よい。
という訳で最近は、この「瞑想ミニマルグルーヴ」2作品に浸る日々である。
2012年02月22日
キュアー熱、再燃
THE CUREの最新LIVEアルバム『BESTIVAL LIVE 2011』はかなりおトクすよ、奥さん!(笑)
2011年、UKで行われた大型フェス「BESTIVAL」のステージは本人たちも「ベスト・パフォーマンス」と言い切ったほどの素晴らしいLIVEだったそうで、ファンの間では「伝説」とまで言われている。
その伝説のLIVEを丸ごとパッケージしたのがこのアルバムだ。
私がキュアーにハマっていたのは10代〜20代前半ぐらいで、コピーバンドなんかもやっていた。
その後ももちろん好きではあるが、それほど真剣には追いかけてはおらず、時々思い出すように当時のアルバムを引っ張り出して聴く程度になっていた。
しかしこのLIVEは、昨年のものなのに当時の曲のオンパレードで、ラインナップを見て迷わず買ってしまった。
ロバート・スミスのギターと声、サイモン・ギャラップのゴリゴリとうねるベース…四半世紀前と変わってないじゃないか。
変わったと言えば、当時はマニア受けのカルトバンドだったのが、今じゃ大フェスティバルのトリ(3日間開催で2日目のトリだったそう)を務めるビッグバンドになったということぐらいか。
名曲「LOVE CAT'S」のサビ、パーララッパッパラ〜の部分なんか会場の合唱が始まっちゃうんだな。そしてその後に続く「The Caterpillar」、「Close To Me」…おいおい、これは“解散LIVE”かい?と思ってしまうようなセットリスト。
キュアーは数年前に一度フジロックには来ていたが、単独来日公演はもう20年ぐらいやってない。
解散する前にはちゃんと来てくれよ…その時は必ず観に行くぞ。
2012年02月10日
仏の石頭
Tetes Raides(意味:石頭・頑固者など)というフランスのバンドを知ったのは最近のことだ。
最初はこれをどう読んでよいかわからず、テテス・ライデス?とかそのまま読もうとしていたが、どうやらこれで「テッド・レッド」と読むらしい。…フランス語、ムズカシイです(苦笑)
アコーディオン、サックス、フルート、ギター、チューバ、ピアノ、ベース、ドラム、ヴァイオリンなどの楽器を縦横無尽に駆使したロック・サウンドに、クールな低音ヴォイスが口ずさむ哀愁漂うメロディ。“シャンソンとロックの融合”などとよく表現されているが、どうもその一言だけでは収まらないバラエティ豊かな楽曲群。私はすぐさま魅了されてしまった。
フランスの場末の酒場(行ったことないけどね)やアングラ劇場なんかが似合いそうな“しわがれたロック”とでも言おうか、ダンディに決めてるんだけど人懐っこさもあり…このつかみどころの無さも彼らの魅力だろう。
個人的感触としては、日本のメトロファルスというバンドが頭に浮かんだ。
あとはクロアチアのダルコ・ルンデク・アンド・カーゴ・オルケスターなんかも思い出した。
そうそう、曲によってはエミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラっぽい陽気さも。
テッド・レッドのデビューは1989年。歴史も長く作品数も多数なのだが、残念ながら彼らの作品は日本ではあまり流通していない。ただ、amazonやiTunesなどで比較的安価で旧作は手に入るようだ。
写真は2001年に唯一邦盤でリリースされたベスト盤。彼らの作品はジャケットがまた全部良いんだな。
あまりに情報が少ない為、今現在も存続しているかどうかもわからないバンドなのだが、もしも来日するようなことがあったら絶対に観に行きたいなこれは。
2012年02月06日
Beirut/ベイルート
いや正確に言うと、来てたのを知ったのはLIVEが終わってからだった…という事実(苦笑)
しかもゲストアクトがトクマルシューゴだったというから、悔しさも倍増だ。
そんな訳でここしばらくは、ベイルートばかりを聴いて過ごしている。
若干20才にして、東欧バルカンミュージックをベースにした極上のPOPミュージックを創り上げた1stアルバムから早5年。フランスやメキシコなど様々なワールド・ミュージックの要素を吸収しながらも、決してどっぷり染まることなく飄々と自分の音楽を進化させる手段としてうまく用いている感じがトクマルシューゴなんかと通じるものを感じる。
この人、まだ25才なんだよな…でも音楽的年齢は私と同じぐらいじゃないか?(笑)
おそらく、ジャンル問わず多種多様な音楽を相当聴きこんでると思われる。
時々私が使う言葉だが、曲といい、アレンジといい、音といい、声といい、スタイルは変幻自在ではあるが「いちいちツボに入る」音楽なんだなこれが。どこか懐かしさすらも感じる。
天才…ではなく、限りなく天才に近い秀才。
たぶんそんなアーティストだと思う。
2012年01月07日
キサス・キサス・キサス
「キサス・キサス・キサス」とはキューバのスタンダードナンバーで、有名なのはナット・キング・コールによるカバーバージョンだろう。日本でも昔、アイジョージやザ・ピーナッツなどがカバーしている。
さて、では店内でかかっているのは誰なんだろう?としばし耳を傾けていると、どうやらこれは今日本で絶大な人気を誇る歌手・JUJUによるものだということがわかった。
早速、邦楽CDコーナーをチェックしてみると、ランキング3位の場所に堂々とこのアルバムがあった。
JUJU念願のJAZZアルバムらしい。
参加メンバーもかなり豪華だ。
私はJAZZは好きだが、ヴォーカルものは殆んど聴かない。
でもこれは無性に聴いてみたくなりレンタルした。
若いファン層に配慮しているのか、JAZZアルバムとは言え決して敷居は高くなく、全体的に聴きやすくまとまっている。JAZZを知らない世代への入門編的な内容とも言える。
それはともかく、JUJUの歌声がいい。
気負い過ぎることなく、素直に大好きなJAZZを楽しみながら歌っている感じが伝わってくる。
映画『バグダット・カフェ』のテーマ曲「Calling You」もいい感じだ。
こういうアルバムが売れるのはとても良いことだと思う。
公害のように溢れる街中の音楽が一時の間、浄化されるってもんだ。
という訳で、JUJUから展開して今はこのアルバムを久しぶりに聴いている。
このバンドの、どこかユーモラスでぶっきらぼうな感じがいいんだな。
たぶん、トム・ウェイツ好きの人なんかにもハマると思う。たぶん。
2011年12月25日
大寒東京
ムーンライダーズ周辺の音楽を聴く人たちであれば、もうお馴染みの集団だろう。
そんな彼らのニューシングルはなんと、鈴木博文の名曲『大寒町』なのだ。
しかも、鈴木博文本人がVocalで参加しているという豪華仕様。
黄金の三連休も間もなく終わる。
宴の後のすっかり冷え切った夜に、この曲はぴったりかもしれない。
この曲は鈴木博文が18才の時に作り、はちみつぱいからムーンライダーズへ、そしてあがた森魚や矢野顕子にも歌い継がれ、約40年経った今も全く輝きを失わない永遠のスタンダード。
少ない言葉とシンプルなメロディ。
それをバリトンの重低音が優しく包み込む。
昨日のクリスマスイブに、鈴木博文自身がこんな映像をアップしてくれた。
素敵なクリスマスプレゼントだ。
でも、格好は笑える(笑)
2011年12月23日
目玉のトンボだ!
『Chiko hige × kaoru sato』のCDを発見してしまったからだ。
Chiko hige(チコヒゲ)は、フリクションのメンバー、そしてkaoru sato(佐藤薫)はEP-4のメンバー。1980年代のインディーズシーンの中でひと際異彩を放っていた二つのバンドのメンバーが1985年に突然ユニットを組み、たった1枚だけシングルレコードをリリースしたのだが、当時この作品にどれだけハマっていたことか。
そんな幻の作品が、現代のCDショップに並んでいるなんて…
でもこれ、実はもう1年ぐらい前に出ていたらしいんだが、全然知らなかった(苦笑)
そして約四半世紀ぶりにこの作品を聴いたのだが、これが見事に今の時代…というか今の自分の感性にマッチしているのだ。
詩人・富永太郎の「目玉のトンボ」というフレーズが印象的な1曲目を聴いたとたんに、当時の思いと今の自分が一瞬で重ね合わさり、何とも不思議なトリップ感を味わえた。
いやぁ、こんなものまでCD化されちゃうんだ…いい時代だな(笑)
2011年12月16日
鈴木慶一『THE LOST SUZUKI TAPES vol.2』
収録曲は、ライダーズのアルバムで言うと『最後の晩餐』の頃、その他には自身のソロアルバム『SUZUKI白書』やゲーム『MOTHER』のサントラ曲などのデモバージョンが多数収録されている。
こうしてそれぞれの楽曲をほぼ「裸」の状態で聴いて、改めて感じるのは、どの曲もメロディが美しいということ。特に『MOTHER』サントラ曲の「Pollyanna」や「Eight Melodies」などは、名曲中の名曲ではなかろうか。
曲が似ているという訳ではないが、かつてデヴィッド・ボウイの「Lady Stardust」のDEMOバージョンを聴いた時と似た感動を覚えた。
ところで、アルバムジャケットの横に並んでるパロディみたいな写真は何か?という話だが。
これは二十数年前のある自主制作映画のラストシーンで、この鈴木慶一のアルバムジャケットを見て「あ…」と思い、つい並べてみてしまっただけでございます。
いや、前作でもこんなことしていたので、新作も「並べてみたシリーズ」にしてみたかったのさ。(笑)
ムーンライダーズの新譜にしてラストアルバムの可能性の高い『Ciao!』については、まだ消化しきれていないのでまたいずれ。(書かないかもしれないけど)
とにかく、明日の中野サンプラザLIVEを2階席から見届けてまいります。
2011年11月09日
アドリアーナ・カルカニョット『サンバの微生物』
ダンディなお姉さん(笑)
ブラジルを代表する女性アーティスト、アドリアーナ・カルカニョットの新作『サンバの微生物』が最近のヘビーローテーションになっている。
相変わらず覚えにくい名前のアーティストと、妙なタイトルの作品を好む奴だと思われていないだろうか?別にそういうことが基準では無いので(笑)
ちなみに「サンバの微生物」とは、ブラジルの偉大なサンバ作曲家・ルピシニオ・ホドリゲスの回想文−「幼い時にサンバの微生物が住み着いて以来、微生物は僕の中で増殖して、離れないどころか、歳を取るにつれて僕をより重度に感染させる−という一節からの引用、だそうだ。へー。
2007年の前作『マレー』も、アート・リンゼイの抑えたプロデュースが冴え渡った傑作だった。今作はアート・リンゼイのクレジットは無いが、アートの影響を残しつつ更なる極みへと上り詰めている印象を受けた。アドリアーナは音響的なアプローチもするアーティストだが、今回は生音に拘った渋い音作りで、個人的にはパーカッションの音が完全にツボに入った。
知的で物静かな印象だけど、内に秘めた熱いものがビシビシ伝わってくる…この辺が、アート・リンゼイや大御所・カエターノ・ベローゾと通じるブラジル・クールネスの魅力だなぁ。
2011年10月21日
シェウン・クティ『怒りのアフリカより:RIZE』
2011年10月16日
THE BEATNIKS『LAST TRAIN TO EXITOWN』
このユニットは「怒り」を感じた時に作品をリリースするということらしいが、結成30年にして今作で4作目ということは、結構穏やかな30年を送っているということか?ここ数年の世の中を見ていると、毎年リリースしてもおかしくないぐらいな状況のような気もするが…なんて皮肉をちょっと言ってみた(笑)
THE BEATNIKSは、30年前の1st『出口主義』があまりにも斬新で、ついついファンはあの時の衝撃を期待し過ぎてしまうのかもしれない。そういう意味では、2ndの『EXITENTIALIST A GO GO-ビートで行こう』以降、1stの衝撃を超えたことはない。と私は思っている。
実際、この30年の間、『出口主義』は聴き続けているが、その他の作品はたまにしか聴いていないというのが事実だ。
そしてこの新譜『LAST TRAIN TO EXITOWN』を最初に聴いた時はどうだったかというと、やはり1stの時のような衝撃は無かった。でも楽曲の詩やメロディがじわりと染み込んでくる感じが、今までとは違った。これはもしかすると久しぶりにクセになる作品かもしれない。
YMOでもムーンライダーズでも各ソロでも味わえない、この二人ならではの世界観は確実にある。今作はその二人の趣味性や実験性、POP性、そして枯れ具合…(笑)のバランスが今まで以上に良い具合にとれているのではなかろうか。
そして、1stでむき出しにされていた刃先は、決して錆び着いたのではなくより巧妙に隠し持っている…やはりあなどれないですよ、このベテランたちは。
2011年09月25日
加藤訓子『Kuniko Plays Reich』
数ある名盤の中で、私がもっともヘビーローテーションしているのが、パット・メセニーの1人ギターアンサンブルによる「Electric Counterpoint」という組曲なのだか、この組曲を含め、ライヒの代表作を日本人の女性パーカッショニスト・加藤訓子がカバーした作品がこれ、『Kuniko Plays Reich』だ。
この作品も、パット・メセニー同様、全ての音を1人で多重録音しながら作り上げており、しかも、ループなどは一切せず1パートずつきっちりと、最初から最後まで演奏し、一つひとつの音を地道に重ねあげてアンサンブルを構築していったという。
さらに、この作品はライヒ本人による監修もされているのだそうだ。
マリンバ、ビブラフォン、スティールパン、etc…打楽器のみで構成されたライヒ作品は珍しいが、聴いてみると、トータスなどシカゴ音響系の作品とも通ずる聴きやすさがあって、その手の音楽ファンにも十分受け入れられるのではないだろうか。
流れるように、時にたたみかけてくるように耳に溢れてくる音の粒。
ああ、気持ちいい。(笑)
とりあえず、今の私には良い安定剤となっている。
そんな訳で、今日もこれを聴きながら仕事へGO!
…はあ。。

