2005年09月04日
東京方言
東京新聞 2005/08/31より
共通語・標準語の基礎になっているから、東京の言葉はなくならない、というのは大間違い。もともとの東京言葉・江戸言葉は瀕死の状態だそうです。
「山の手」「下町」、そして「職人」の言葉など、消えていくものがたくさんあります。そんな危機感からでしょうか、様々な企画が組まれ、保存しようとする動きが盛んです。ただ、復活へは程遠いと思います。
東京に住んでいるから、東京人ではないわけですし、3代続けば江戸っ子なんて悠長なことも言ってられませんから。昨年に出た記事も合わせて。
寅さんシリーズに頻出する言葉、これが危ないんですね。「ヒバチ」「シバチ」や「ヒビヤ」「シビヤ」など懐かしいものがあります。
で、こんな東京方言について昨年『東京弁辞典』が刊行されたので、その紹介記事から。
朝日新聞 2004/11/24より
この出版記事を参考にしての記事
東京新聞 2005/01/10より
共通語・標準語の基礎になっているから、東京の言葉はなくならない、というのは大間違い。もともとの東京言葉・江戸言葉は瀕死の状態だそうです。
「山の手」「下町」、そして「職人」の言葉など、消えていくものがたくさんあります。そんな危機感からでしょうか、様々な企画が組まれ、保存しようとする動きが盛んです。ただ、復活へは程遠いと思います。
東京に住んでいるから、東京人ではないわけですし、3代続けば江戸っ子なんて悠長なことも言ってられませんから。昨年に出た記事も合わせて。
『消える』東京言語地図をつくる
東京にだって「方言」がある。その“発掘”のため、東京の生き生きとした話し言葉を採集し「方言地図」にまとめる取り組みが進んでいる。
都立大名誉教授の大島一郎さんが主宰する「東京都言語研究会」(会員約百人)のメンバー。インターネットでの公開を念頭に東京全域の「方言地図」の製作が進んでいる。
「こた」「こたー」は「そんなこた」という伝統的な下町言葉の語尾の違いのことだった。研究会の国学院大教授久野マリ子さんは「語尾がのびているか短いか、聞き手によって違う可能性がある。『そんなことは』という共通語と区別したい」と説明する。
「方言地図」の構想は約二十年前にさかのぼる。「全国から人が集まり、東京方言は特に変貌が激しい」という危機感から、都教委から予算を得て都内の言語を調査、一九八六年に「東京都言語地図」にまとめた。大島さんは「県を挙げて方言調査を行っているところは多い。でも、東京ではほとんど手つかずだった」と振り返る。
今回は都内全域で二百五十地点、高齢層と青年層で計五百人からの聞き取りを目標にしたが、語彙のみならず文法やアクセント、音韻に意識調査など、質問は約五百五十項目もある。「その土地生まれで、両親のいずれかも同じ土地生まれの男性」と限定した話し手を探すのも四苦八苦した。
研究会が現在取り組む地図づくりは、一つの言葉が都内のどこで使われているのかを、青年層と高齢層ごとにまとめる作業。あと一、二年で完成する見通しだが、分布図にすることで、ようやく東京方言の実態がみえつつあるという。
大島さんは「まだすべてを分析していないが、高齢者にみられる江戸語の名残が、若者の間ではほとんどないことが分かる。例えば『クギ』『カギ』などガ行が鼻にかかる本来の東京語は、青年層ではほとんど失われていた。典型的な下町言葉『ひ』『し』の混同も消えている」と指摘する。
寅さんシリーズに頻出する言葉、これが危ないんですね。「ヒバチ」「シバチ」や「ヒビヤ」「シビヤ」など懐かしいものがあります。
で、こんな東京方言について昨年『東京弁辞典』が刊行されたので、その紹介記事から。
朝日新聞 2004/11/24より
親たちの東京弁残したい
「ざっかけない」は荒々しいの意味、
「ほとほとした」は困った−
「ひとかたけ」は1回の食事
東京旧市内の人々が使っていた東京弁がとんと聞かれなくなった。
「せめて親たちの生きた明治・大正の言葉を正確に理解したい」秋永一枝さんが「東京弁辞典」(東京堂出版刊で定価1万2600円(税込み))をまとめた。
旧市内は、現在の千代田、中央、港、新宿、文京、台東、墨田、江東の8区に収まる。旧市内で言語形成期を過ごした人などを東京弁の使い手とした。
東京弁もすたれ、大型の辞書にさえ載ってないものが少なくない。
「なかおち」は現在は主にマグロを指すが、昔はカツオを三枚に下ろし、真ん中を甘辛く煮たもの。江戸言葉の代表格とされる「べらんめえ」は、外で仕事をする職人以外はあまり使わなかった。
三十数年かけて集めた用例カードには日常生活語や女性語、幼児語も多く、「三十振袖四十島田」(年齢にふさわしくない若作りをする女のこと)など、ことわざも盛り込んだ。読み物としても楽しめる作りだ。
この出版記事を参考にしての記事
東京新聞 2005/01/10より
東京通 ことば編 東京弁
「あいつぁ、何やらしてもガセーだからな」
若いころ、仕事を早く覚えようと必死だった西出幸二さんは、周囲の職人からこう評された。「偽物の“ガセ”じゃねんだ。ガセーってのは、いっしょけんめ(一生懸命)やるっていう褒め言葉なんだよ」
「紺三(こんさん)」の屋号で続く神田の鳶職の頭で、江戸火消し「よ組」の流れを引く江戸消防記念会第一区一番組の組頭でもある。
「がっこ(学校)いくのもハンチクだ」と、
十五で家業の鳶職に飛び込んだ。「仕事なんて、いっしょけんめやらなきゃ覚えもしねえし。ガセーが当たり前だと思ってたのかな」
国学院大の久野マリ子教授は「東京で使われていると思われている言葉が、調査すると既に消えていることは多い。骨身を惜しまずに働くという意味の『がせい』も、年配の方が覚えているだけで、若い人たちに引き継がれていない言葉の一つです」と指摘する。
西出さんも「そう言えば、今はあんまり言わねえな」と振り返る。
腕さえあれば食べていける鳶職を目指す若者は今も少なくない。だが、伝統の江戸火消しとなると話は別だ。「規則がうるさいからよ。これからはなかなか増えていかないだろうね」と嘆息を漏らす。
■東京弁辞典
【かしら(頭)】鳶などの頭。「昔は町内の大商店には出入りの鳶の頭があり、非常の場合には駆け付けて事件をさばいた(後略)」(明治東京風俗語事典より)
【はんちく(半ちく)】中途半端なこと。〔用例〕1.はんぱ「どうせ店い帰るにやはんちくだし、いっそのこと活動でも見ちやへ」2.転じて閑散「今日は店がはんちくだからお昼まで遊んで来てもいゝよ」(東京方言集より)
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