2012年02月23日

3億円の無駄遣い

木造校舎の火災実験が行われた。
マスコミの目の前で3億円の短時間の焚火に終わっただけであった。

技術者の能力の無さがここまで来たかと痛感させられた。
この実験の主題は木造校舎が案外火災に強いということを示すためのものであったと思われる。実験結果の想定は火災により燃えることは燃えるが、火の燃え広がる時間が遅く、そして躯体が問題なく残ることだったのだろう。それがいとも簡単に燃え広がり、そして躯体も簡単に崩れ去った。

基礎的な実験が行われたのだろうか。いや全く行ってはいないことがこの結果で分かる。ただ単なる思い込み、少しの知識だけで行ったものである。

その思い込みは、太い木材は表面だけが燃え内部は燃え残り木材としての強度を保つというものである。今までの実験では4、5センチまでの表面は燃えるがそれ以上の内部には燃えないという。

無垢の木材での結果であるが、外部温度が実験以上に高まっても結果は同じだったのだろうか。今回の実験では集成材が使われたと想像するが、集成材でも同じ結果になるのだろうか。その基礎的な実験が行われていたのだろうか。集成材の燃焼実験など1万円もかからない。

単なる思い込みで何も基礎的な検証もないままマスコミを集め木材の欠点を大々的に宣伝しただけのことである。うがった見方をすれば国の木材利用の方向を以前のコンクリートに戻すための画策ではなかったかとそう思えてくる。それだけ極めて幼稚な実験である。

海外では木造の5階以上の高層集合住宅が作られている。その火災での対処の方法など調べているのだろうか。日本以上に火災に対する実験を行い安全性を検証して作られてきている。もちろんさまざまな工夫がそこにある。

日本の木造建築においてファイヤーブロックという概念はあるのだろうか。海外ではそれは当たり前のことである。上部に火が回らないようにファイヤーをブロックする機能を建築に持たせることは絶対である。それが今回の実験では何も考えられていない。いやその必要性も分かっていないのである。

海外では木材の高層住宅での利用はCLT(クロスラミナーパネル)が主流である。どれだけ木材の利用方法に後れを取っているのか、はたして分かっているのだろうか。

原発事故、そして今回の実験、日本の技術レベルの低下、その低い能力自体を理解していないことが一番の問題であるのかもしれない。

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