2005年05月30日

庄司 薫「白鳥の歌なんか聞こえない」

中公文庫 1973年 カバー・中村紘子(原本:1970年「中央公論」連載、1971年中央公論社刊)

きょうの北海道は妙に暖かかった。目頭がムズガユくて、くしゃみが出る;いまごろになって花粉症のようだ。
 私の花粉症が発症したのは高校生のころ;光化学スモッグ注意報が出されるような京浜工業地帯のど真ん中にある高校に通っていた。30年以上も経つ花粉症だが、その汚れた大気が引き金かも知れない。

そんな(?)多感な高校2年のとき、仁科明子がNHK銀河テレビ小説「白鳥の歌なんか聞こえない」でデビューした。当時、文通(ぎゃ!)していた女の子が猛烈な薫クン・ファンで、のちに私も感化されることとなるが、とりあえず、はブラウン管(わっ!)の中の仁科明子であった(姉にあれほど似るようになるとは想像だにしなかったし...)。

※2005-06-05 <続き>に初刷カバー写真載せました
hakuchou翌1973年、中央公論社が新しい文庫、中公文庫を創刊した。その第1回刊行10作品の一つが、1969年に芥川賞を受賞した、当時「若者に大人気」の庄司薫氏の「赤頭巾ちゃん気をつけて」であった。

どれほどの人気だったか;それは、ふだん滅多に本など読まなかった母が私に、学校の図書室から「赤頭巾ちゃん-」を借りてきてちょうだい、と云ったことからも分かる。
 69年当時、私は14歳、中学2年;全日空だったかのテレビCMの「1969(nineteen-sixty-nine)」の「69」にすら反応するような思春期まっただ中;本を返す時、図書室でちらりと繰ったページの、白衣の下に柔らかく揺れる乳房のくだりに、全身カーッときてしまった。

私が薫クン四部作で、もっとも繰り返し読んだのは、中公文庫第3回刊行分に収まった「白鳥の歌なんか-」である; 好きな花は?と聞かれれば、モクレン!、と答えよう!
 カバーは、中村紘子さん描く白鳥の水彩画(二人はちょうど1年後結婚することになるのだが...)。いまの中公文庫は、このカバーではないようだ;中央公論が読売に身売りして新社になってしまったし、このカバー復活は絶望的か?
(ネット上にも画像が見当たらない*ので、まことにつたない写真だが、私所有の黄ばんだ初刷り文庫本のカバー写真をアップした。)

ところで、映画「白鳥の歌なんか-」の木蓮は、モクレンではなく、ハクモクレンだった。

※庄司薫氏について参考にしたWebページ
 [理由:Google-Webで最初にヒットしたから]
 庄司薫<土星の環[http://dozeu.net/index.html]

【Amazon.co.jp】
 本:白鳥の歌なんか聞こえない
【映画「白鳥の歌なんか聞こえない」】
 ハクモクレンのカットはここのgif
【東京紅團】
 中央公論社の足跡

*2005-06-05現在、つぎの古書店に小さな写真あり
【アン・プリヴェの古書】
 庄司薫著作数冊


Posted by (蚕) at 23:12  |Comments(8) | 文学 , 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このところずっと素晴らしいお天気が続いていたせいか、あのハクモクレンはもうすっかり咲き開いていて、遠くから見るとまるで樹全体が一つの巨大な白い花のように、夜の中にうかびあがって見えた。」
...

「白鳥の歌なんか-」の最終章はモクレンが主人公だが、ハクモクレンのことだった。ここはハクモクレンでしかあり得ない、のに、私の記憶はいつのまにか、紫のモクレンになっていた。

樹全体に「巨大な白い花」を咲かせるハクモクレンには、他を圧倒する美しさがある。が、1つ1つの花を見るとき、いつまでも「すっかり咲き開」くことなく散り際まで花びらが絞り立つ、シモクレンの凛とした容姿に惹(ひ)かれる。

Posted by (蚕) at 2005年07月09日 11:16
はじめまして。「白鳥の歌なんか聞こえない」のテレビドラマがあったことを、最近思い出して検索してましたら辿り着きました。

仁科明子さんが主演していたことも、思い出しました。
あの頃の庄司薫の人気はすごかったですね。
全作読んだ記憶があります。のどかな時代でした。
Posted by ゆっこ at 2006年09月23日 19:34
はじめまして、ゆっこ_さん
数ヶ月もほったらかしの我がblogにコメント有り難うございます。

私も自分のこの記事、つい最近再チェックしてたとこでした。
このblogには、ほかにもところどころに"薫クン"が顔を出します。
はまってました。

(ゆっこ_さんのblogに、ちょっとだけお邪魔しました。
偶然がひとつ、私もお嬢さんと同じ日です)
Posted by (蚕) at 2006年09月24日 19:59
まあ、私のblogに来て下さってたんですね。
ありがとうございます。
娘とお誕生日が同じですか、奇遇ですね。(^^)

また「薫君を探せ」しちゃいますね。よろしくどうぞ。
Posted by ゆっこ at 2006年09月24日 20:13
ゆっこ_さん、
速攻のコメントどうもです。

偶然がもうひとつありました。
きのう、ニセコのキャンプ場で「連れ合い」がアカゲラみつけました。
「私たちのアカゲラ」は、しばらくコツコツやってました。
Posted by (蚕) at 2006年09月24日 20:20
blog読みごたえありますね。
頻繁に来てしまいそうです。
「ライ麦畑」は読んでないんですか?

私、蚕さまより4歳下です多分。私の兄と、同じお年のようですよ。

アカゲラ、かわいいですよね。
すごい偶然続きですね。

Posted by ゆっこ at 2006年09月24日 20:36
ゆっこ_さん
またまた、ありがとうございます。

残念ながら「ライ麦畑...」は読んでませんが、それに
このところ、記事を投稿してなくて、数は増えてかないですが、
ごゆっくり、どうぞ。
ただ、このblog、ウソはないものの、冗談半分のところが多々ありまして、そこらあたりは、ご容赦ください。

(あんまり書くと個人情報が明かされてきちゃいますが(笑...
そうですかぁ、私の実妹も4つ下です。)

Posted by (蚕) at 2006年09月24日 22:36
この「白鳥の歌なんか聞こえない」を中央公論連載中に詠んだ記憶があるのですが、中公文庫と明確な違いがあるようです。薫を先輩の女の子が祖父のイメージを壊したいためか書庫の中で誘惑し、由美に義理立てして応じなかった薫に「いくじなし」と言うところとか、薫が題名の通りに「みんな死んじまえ、白鳥の歌なんか聞こえない」とつぶやくところとかが入れ替わっているようです。
さすがに40年は長くて雑誌は処分してしまったのですが、単行本化するときに修正が入ったのでしょうか?
Posted by T.Higuchi at 2010年11月02日 16:53
 
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