2008年09月01日
誰が為に鐘は鳴る その2
この作品は人民戦線に義勇兵として馳せ参じたアメリカの大学教師とゲリラに匿われた娘の恋を、悲惨な戦争で昇華させるストーリーです。
イングリット・バーグマンの美しさは、いまさら言うまでもありません(笑)。
スペイン市民戦争は、スペイン内戦ともスペイン革命と反革命とも呼ばれています。戦争の悲惨さは描かれているものの、原作者ヘミングウエイの思想的な軸足は定かでありません。おそらく良識的なジャーナリストとして国際旅団を取材したのでしょう。
この作品は、太平洋戦争のさなか3国同盟と言うファシズム(独・伊あ・日)との戦いを鼓舞する目的ではなかったかと思われます。
そして義勇兵となった米国の義勇兵に共産党員は、少なかったのでしょう。定かな証拠はありませんが、国際旅団の85%はコミンテルン主導の共産党員だったと言われています。ソ連共産党は、人民戦線支援の見返りにスペインから大量の金塊を手にいれながら人民戦線を見殺しにし国際旅団を解散させました。フランスもイギリスも中立の立場で、「市民戦線」を見捨てました。「人民戦線」は、当初フランコ等ファシズムに対する「市民戦線」でした。近代の戦争と同じです。
映画の見所の一つに、ゲリラ夫婦の「夫婦愛」があります。
ゲリラの首領は、パブロの妻です。パブロは何度も弱きに走り仲間を裏切ります。
その都度仲間から始末されかけ妻もそれを認めますが、最後の最後夫を撤退のリーダーに押します。「一度身についたもの(リーダー)は、なくなるものではないから ・・・」、いい言葉ですネ。
傷ついたゲイリー・クパーは死を覚悟して、機関銃とともに残り死のしんがりを務めます。泣き叫び馬から落ちそうになるマリア(バーグマン)を、夫婦は左右の馬から支えます。味のあるこまやかな演出です。夫は役目を果たしました。
ベトナム戦争を支持したヘミングウエイに、変節はなかったのではないでしょうか?
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