2012年02月21日
おとなのけんか 2011 ジョディ・フォスター/ケイト・ウィンスレット
聞きしにまさるコミカルな作品だ、そしてにがさもこの上ない。
上映15分を過ぎるとクスクスが始まり、時にはやんやの笑いも起きる。
終演後はもっと面白い、夫婦づれでこられた方の表情はいちおうに複雑だった。
この作品は、ヤスミナ・レザの戯曲「大人はかく戦えり」をポランスキー監督
と共同で脚本化したもので、日本では昨年大竹しのぶらが出演している世界的
にも有名な舞台劇です。ポランスキーと言えば「戦場のピアニスト」、近作では
「ゴーストライター」、幅の広い監督です。フランスの生まれの
ポーランド人、戦禍をくぐった苦労人で、立ち位置は明確だ。
この監督が家庭を描いたらどうなるか? 子供のけんかがもとで集まった2家族
の夫婦、初めは家庭対家庭、さらに家庭の言い争いは男対女でクロスする。
最後は同じ家庭の夫婦のいさかいから「だれも、どちらも悪くないのよ!」と怪我
をさせた家の母の主張で押し切られる。
冷静に、論理的に話を進めた筈の(ジョディ・フォスター)のリベラルな立場が押し切られる。悲しいかな、これが世の中の実態だ。世の中は、実はちっとも論理的なんか
ではないのだ。
NYブルックリンの高級アパート(日本ではMSと言う)の1室だけで展開される
リアルタイムの演技、リビングやバスルームで交わされる夫婦の会話に、私達は
盗み聞きで参加することになる。会話を中断させる「スマートフォン」の存在が
現代を象徴するが、妻はスマートフォンをバケツに投げ捨てる、喝采の場面だ。
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2012年02月19日
アンダルシア 2011 織田裕二/伊藤英明
少し間を空けましたが、期待して拝見しました。私は公開直前に「リヴィエラ」
を撃て(高村薫)を読了しており、読書の感動と余韻を大切にするために観送り
ました。そろそろと思って、観賞しましたが ・・・
この作品は、真保裕一さんの小説を原案としたものです。織田扮する外務省
職員(邦人テロ対策室)とキャリアでありながら内部告発を行い煙たがられイン
ターポールに派遣された捜査員伊藤との確執とスペインで命を落とした日本投資
家と関わりをもっていると思われる女性銀行員黒木、三者三様の絡みがお織り
なすサスペンドラマです。外務省でエリートコースとは思われない外交官、警察
庁のエリートコースから外れた職員、自動車事故で家族を失った女性と言う暗い
過去をもった3人の動きは、スペインの南部ジブラルタル海峡と地中海に挟まれた
美しいアンダルシアで、白壁に映る影のような動きを見せます。
素敵なスチュエーションと構成でした。海外サスペンスの見過ぎか、スピード
ある展開が感じられません。銃を極力使わない日本の捜査を踏襲したと思われる
展開は一理あるものの物足らなさも感じてしまいます。
ストーリーは、マネーロンダリングです。その流れが、分かりにくい ・・・
黒木メイサの存在は、マネーを操る側にとって不都合な人物になっていました。
脚本で筋書きをもう少しシンプルにする方法もあったのでは ・・・
伊藤は、実はピストルの名手でしたなど、大切な種明かしとも思われません。
演技が先走り、ストーリーが追い付かない、残念な結果でした。
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2012年01月30日
許しはしても忘れない、密約・運命の人、松たか!
1/28朝日beテレビ版に、松たか子の写真が掲載されていた。TBS日曜夜9時
「運命の人」の弓成記者の奥さん役だ。嫌みのない品の良い美しさだ。
彼女は、「情を通じ情報を得た」と指弾され、解雇された記者の妻として困難な
道を歩むことになる。密約の存在は棚上げされ事実は捻じ曲げられた。
夫を支える役で、「情を通じたことは許すが、事実は忘れない」と言っている。
私にも、「ねちっこいところ」があると正直だ、素直でいい。
男は忘れたいが、そうは問屋は降ろさないらしい(笑)
原作は、山崎豊子「運命の人」(文芸春秋)。沖縄返還に、密約があったこと
がようやく明らかになった。米国側が沖縄に支払うべき土地の原状回復の費用
400万$を日本側が米国経由で支払う(った)と言う密約でした。
それも満足に支払われず、さらに要求されたとか ・・・
なが〜い年月がかかった。毎日新聞西山記者は、新聞社を「解雇」となっている。
1972年逮捕から最高裁で有罪確定が1978年、密約の事実は2011年に明らかになっ
た。当時の佐藤首相は、「ノーベル平和賞」を受賞している。
私は、歴史を追いたい人には澤地久枝「密約ー外務省機密漏洩事件」(岩波現代
文庫)をすすめている。私は許さないし、ねっちこくこの事件を忘れない。
本件は、そもそも「沖縄返還密約事件」なのです。
1.何故毎日新聞社は、「西山記者」の擁護をあきらめたのか?
2.検事佐藤道夫の「情を通じて」の起訴状のスクープによりマスコミ各社の
「言論弾圧」キャンペンーが何故尻つぼみとなったのか?
ジャーナリスト、マスコミ? 最近とみに不信感がわいてきた。
3.密約資料を依頼した横路隆弘、国会で追及した横路・楢崎議員は何故記者に
無断でコピーを外務省=自民党に渡したのか?
ニュースソースを守るのは、モラルではないのか?
4.佐藤道夫(故)も横路隆弘も「民主党」、政党に巾があるのは当然か?
5.2.26事件以降のマスコミのあり方、安保以降のマスコミ、政権交代以降の
マスコミ ・・・ 懲りない面々、劣化を極めていないか?
今年の通常国会では「秘密保全法案」が、準備されている。
スパイ天国と言われている日本、是正は必要に違いない。しかし外交・安全
保障・公安の名のもとに不都合な情報に幕をかけることがあってはならない。
国民の知る権利、先般の腰砕け中国船拿捕などマスコミは、真剣に取り組んで
いるのか、はなはだ頼りない。記者のスクープ魂に錆がつき始めている。
この法案は、中国船拿捕がきっかけと言われている。
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2012年01月29日
武士の家計簿 2010 堺雅人/仲間由紀恵
オリンパスの経理担当重役は、お金儲けに失敗した。バブル崩壊時、泣きを
みた経営者の多くが、経理担当者のあり余った流動資金の運用の失敗に足許を
すくわれた。経理担当者は堅実を絵にしたような人が多い。大胆な金儲けには
、向いていない。その経理担当、加賀藩御算用者一家の家計立て直しの物語です。
父(中村雅俊)は江戸藩邸の経理責任者、その息子が堺の役となる。お城の
蔵米の横流しを上司に訴えたものの逆に、能登への島流しにあいそうになる。
横流しは露見し、堺はお取次役へ出世した。もとはと言えば下級武士からの異例
の出世、父と子の出世は大きな出費をともない家計は大きく傾く。
現代風にいえば、プライマリーバランスが崩れ下手をすると自己破産と言う大変
な事態が迫っていた。そうした折の結婚、町同心の家から仲間が嫁いでくる。
町同心と言えば足軽の家系、堺の家系も分かろうものです。
しかしこの嫁、なかなか明るく「貧乏」を楽しむことが出来きた。同心の家育ち、
節約には慣れ親しんでいたと思われる。
家系の立て直しは、記録すなわち家計簿で数字の見える化を図り、コストダウン
を進めることだった。片時もそろばんを手放すことはなかった。
父に中村雅俊、母に松坂慶子、祖母に草笛光子、仲間の父に西村雅彦、これ
だけ揃えればおかしな家庭にはならない。このところ出過ぎの堺に嫉妬を感じる
(笑)、臭いも鼻に着く、ペテン師役から偽医者まで何でもこなしてしまう。
私は、仲間に昭和の臭いを感じた。夫を立て、率先し、家庭を守る。姑松坂の
死には有り金で思い出の着物を質屋から引き出し掛けてやる、息子への厳しい
しつけには夫に嫌みの一つもきっぱり言う気の強さも兼ね備えたスーパーウーマン。
こんな嫁を欲しいと、思ってしまうほど出来た演技です。
最近ぞっこんなのです(笑) ボケ味を、いとおしく感じる。
しかし世の中は幕末。この御算用者には社会の変動が気にならない。長男の
京都詰め=慶喜派出征にも、鳥羽伏見の敗戦やその後加賀藩が新政府北陸鎮撫へ
の協力もおおよそ無関係で無関心? 節約で家は守った、しかし ・・・
日本の財務省(旧大蔵)を思い出した、節約節約の経理・財務馬鹿だけでは。
嫁は姑への情を有り金はたいて果した、金の使い道とのバランスに欠ける。
節約だけでは、世直しは出来ない。息子の出世を、見通す力はなかった。
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デミ・ムーア、離婚の痛手か激やせ!
先週何気なくネットでエンタメ系を除いていたら、こんなタイトルに出合った。
記事は、「薬物乱用で病院へ搬送」と続いていた。今年50才を迎える筈です。
ブルース・ウィルスと離婚後、16才年下のアシュトン・カッチャーと結婚してい
た。すでに過去形です。なぜ、あんな男と思いつつ、蓼食う虫も好き好きと今日
のこのことを予感していました。
強い女の弱さ?とでも言えるかと思います。
「クレイマー・クレイマー」の働く母親であり、ダスティン・ホフマンと離婚した
女性として初めて出会ったような気がします。アフユー・グッドメンでは、
トム・クルーズの先輩法務将校を演じ、G.I.ジェーンでの強い女性、陪審員、
ゴースト/ニューヨークの幻と演技力を開花させました。
離婚は、アシュトンの浮気らしいが真偽のほどは分からない。
メリルを見習ってほしい。まだ若い、元気になって銀幕に戻ってきてほしい。
強い女性は、どこへ行った?
年の差婚は、本人たちの勝手ではあるけれど難しいものだ。高望みはすまい(笑)
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2012年01月24日
ブラック・スワン 2010 ナタリー・ポートマン/ウィノナ・ライダー
難しい作品です、1回ですべてを理解出来る方は相当な方だ。すぐにも演出者
になれる。あのレオンの少女ナタリーが、主役のプリマドンナを演じオスカーを
受賞しました。04年のクローサーで実力を発揮、俳優として仕上がった作品です。
オータム・イン・ニューヨークのヒロイン、ウィノナがプリマの座を奪われる
ベス役を演じます。僅か10才年上にすぎませんが、私も妙な気分です(笑)
母の英才教育でバレー一筋に育ったニナ(ナタリー)は、NYシティ・バレー団
で実力を蓄えていった。その彼女にプリマバレリーナのチャンスが到来した。
実力者で現在のプリマ・ベス(ウィノナ)、セクシーなバレーをこなせる新人の
リリー(ミラ・クニス)と競い合うことになる。
この作品は、嫉妬・能力・技術・性・母親・不安をめぐる心理描写の展開となる。
可憐で清楚な白鳥、妖艶で邪悪な黒鳥の二役をこなすには、ニナは絵にかいた
ようなお嬢さん育ち。プリを目指すも、もう一つ自信がない。
これらの壁、襲ってくる不安からニナは、はげしい妄想の世界に入り込んでゆく。
麻薬、セックス、監督との情愛、ライバルとの対決 ・・・ 舞台は成功した。
お姫様から人間プリマへ、母を乗り越えて、殻を破ってゆく様はまさにサイコ
の世界。彼女は熾烈な葛藤を乗り越えられるか?ふとオードリー・ヘッブバーン
を彷彿させるニナに、一瞬凍った。
ウィノアの大きな瞳も相変わらず、病を克服したようだ。
めまいと年を感じた作品だった。ウィノナ、良い作品に出合いますように(祈)
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2012年01月08日
英国王のスピーチ 2010 コリン・ファース/ヘレナ・ボナム
ご存知英国王室に生まれた王子の成長を描くヒューマンドラマ&ヒストリー。
ゴールデングローブ、オスカーほか国際賞を総なめにした作品、とりわけ日本で
の評価は高った。混迷する政治、震災、皇室など私たちの心のカオスにほのかな
ともしびを感じさせた作品です。
父ジョージ5世は、兄より弟に国王としての資質を見出したと言う。その王子
が主人公、病弱と吃音症に悩む若者だった。兄は「シップソン夫人との恋」に
走っていた。父の眼は、さすが慧眼だった。のちのジョージ6世は、「まじめを絵
にしたような男」で、妻となる現エリザベス2世の生母エリザベスには、3度目の
求婚で愛を受け入れられた。王室は恋の成就のために、王子の恋敵を、海外勤務
に送り出したとも言われている。親馬鹿に違いないが、王子の真剣さ、エリザベ
スの人柄を王妃が気にいった証しでもあったようです。
弟は兄に、「シンプソン夫人は離婚女性、結婚は出来ない」と迫る、離婚者との
結婚を王位は認めない。と言うよりは、しのびよるヒットラー帝国、第2次世界
大戦に、そんな場合かと言うことではないかと推察する、対照的な兄弟だった。
このジョージ5世(ヨーク公アルバート王子)にマンマミーア、シングルマン
のコーリン・ファース、エリザベス王妃にスィーニ・トッドの特製ミートパイ
(笑)のあのおかみヘレナ・ボナム=カーター、癖のある言語療養士にジェフリ
ー・ラッシュと演技達者が揃う。特に注目したいのは、やさしくておおらかな人柄、
肝の据わったエリザベス王妃役のヘレナです、人肉ミートパイのすごい女性を想起
するのは私だけでしょうか? 王族が市井の医者もどきに治療を依頼、喧嘩と修復、
愛称での呼び合いそれらが信頼へ変化して様は、よどみなく面白い。
見事な9分間のナチス抗戦演説に、国民は覚悟を決めた。エリザベス王妃は、
V2のロンドン攻撃にもたじろがなかった、長女(現エリザベス2世)は、「初めは
心配したけど素敵だった」と賛辞を贈る。妻の愛、家族の団結、友人、大きな歴史
のエッセンスです。奥深さを感じさせる国です。
これだけの嵐をかいくぐってきた85歳エリザベス2世、
チャールズ皇太子に王位継承の道は厳しい?
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2011年12月30日
鬼平犯科帳 劇場版 1995 松竹創業100周年記念
しぶ顔二代目吉衛門、16年前、51歳の作品です。脂の乗り切った男前、まさに
男の色気があふれた作品です。わけありの仲だった岩下との絡みが絶妙で、平蔵
の厳しさとやさしさ、人の切なさ悲しみが描かれています。若い人間国宝、再び
このシリーズを演じることはあるのだろうか?
いつもの鬼平こと長谷川平蔵(中村吉衛門)に、岩下志摩(荒神のお豊)を
迎える。原作は池波正太郎、監督はTVシリーズも手掛ける小野さん。出演者は、
藤田まこと、石橋連司、梶芽衣子、平泉成、遠藤健一、蟹江敬三としぶ連総揃い。
平蔵配下梶と狐火・勇五郎の恋の再燃、平蔵の一人息子を誘惑するかってのわけ
あり女お豊(岩下)、平蔵が自ら乗り込んでお豊を説得する緊迫のシーン、勇五
郎の腕を切り落としお豊と逃すシーン、勇五郎が死んでお豊が戻って来た時の受
け入る度量、エッセンスが散らばっています。
岩下のお色気は、これがまた格別で ・・・
少しくすんだ映像は、まさに時代劇。連司と平蔵の殺陣は正当な打ち合いと抜き
胴。やんちゃな長男にとっては目からうろこの父親が、そこにはいた。
奇をてらわない正統派の時代劇は、少なくなりました。
実在した長谷川平蔵の人なりは、どこかで書いた記憶があります。
「雨引の文五郎」でしたか ・・・
良く考えると、おない年でした。でもかたや「人間国宝」隔たるばかり(笑)です。
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2011年12月28日
何が本当か、ディア・ドクター/帰郷?
映画やドラマを見て、それらしきことを書くと演出者や役者に遠慮が出たり、
まとめることに気が先走る。本当のことを書いていないような気がする。
例えば鶴瓶は、作品制作当時あまり好きなタレントではなかった。吉永との
「おとうと」は、嫉妬の最たるもの ・・・ そして地のまんまやてな具合。
酔っぱらってフルチンでボカシを入れられたり、あばれたり(笑)
したがって「ディア・ドクター」も頭からパスでした。
最近ちょっと変わった、鶴瓶が変わったのか、私が変わったのか ・・・
吉永小百合に会って突然変異を起こしたのだ(笑)
ディア・ドクターでは、一つだけ役者をした場面があった。八千草演じるがんの
患者に、白衣を振り一瞬躊躇して捨てるシーンです。「娘とあんじょうようやり」
「もう少し医者をやっていたかったな〜」「わしは逃ると」と。優れた演出
では、余のサインで緊張気胸の空気を抜くシーンと原付バイクで八千草にさよう
ならを言い日ぐれた早い漆黒の中を大きく右にUターンをして消えて行くシーン
です。今でも分からないシーンは、村人が「失踪を語るシーン」です。
村人のだれもが、今まで「神よ仏さまよ」の失踪ドクターをよく言わないこと
です。「懐かしく良く言う」のが普通なのか、「もう過去のこと」なのか?
良く分からないので「そっとしておきたかった」と書きました(笑)
帰郷は私的には、出来の良い作品とは言い難いものでした。
現役合格の弟、同じ大学で同じ医者を務めながら弟に教授の椅子まで先を越され
た兄の胸中はどのように演じられたのか?
しかも手術技量の違い、弟の娘の死を自分の手術が原因と考えながらも仕事と
学会しか頭にない弟、自分より大学での地位の高かった弟への気持ちの表現は
脚本と演技による ・・・ 出来栄えはどうだったか?
最後に弟は、涙ながらに告白する、「感染性で自分がやっても、手術法を変えて
いてもダメだったと、兄さんのせいではない」と。
弟のその後の人生が、辺地医療への没頭であったことで兄は心のわだかまりを
捨てたのだろうと思うが ・・・ 本当のことは分らない。
録画を何度回しても、分からないことが多い(苦笑)
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2011年12月27日
帰郷 TBS2011 ドラマ
かって幕府の直轄地であった市川市行徳を中心に、21年を超える兄弟医師の
確執と和解が描かれた。「渡」と「渡瀬」兄弟40年ぶりの共演でした。
行徳は成田山参詣の街道宿場町、仏師や宮大工が多数住みついた街で「神輿」の
本場と言われている。弟は今大分の国東半島の小さな小さな診療所で、訪問医療
に携わっていた。21年ぶりの故郷への帰郷です。
「ジェネラル・ルージュの凱旋」「ディア・ドクター」と医療ものが続く。
このドラマもたんなる兄弟愛ではない。自分の娘の死(兄の手術)、妻の死に
自らの罪深さを感じつつ、優秀だった弟は自責の念を兄に対する疑心と憎しみに
かえ国東で辺地医療に没頭する。弟と同じく大学を去った兄は、行徳で診療所を
開いた ・・・ これを妻の妹大竹しのぶや中台神輿の親方柄本が取り囲むと
言う町内ものヒューマンドラマと言う側面もあり、昔懐かしい風景が再現される。
お弟渡瀬の演技が、兄渡を引っ張る。
渡は直球勝負の真面目な役者だ、複雑な演技は期待できない。自責の念にかられ
ても家庭を崩壊させたのは渡瀬の名誉欲と譲らない。渡にとって適役だ。
兄弟げんかの場面は、昔取った杵柄か渡瀬がりードした(笑)
私は単純男、こうしたラストが好きです。
ドラマの終盤私は、ラストを的中させました。兄の息子が病理から臨床を目指す
決意をして国東の弟の診療所で修業をはじめた、兄には笑顔が戻った。神輿と
人情のまち、国東の美しい風景のなかで家族の結いを確認するドラマでした。
出来栄えは、中と言うところでしょうか(ご免)
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2011年12月21日
歴史認識とは、「聯合艦隊司令長官山本五十六」
歴史認識、どのように日本の歴史を教えているのだろう?
12/23公開、出演者山本五十六役の役所広司、記者真藤利一役の玉木宏の
コメントを何気なく読み流していた。何か引っかかるものを感じました。
よくよく読み返しました、そこには私の常識と違う歴史認識がありました。
私たち世代の山本五十六は、「軍神」「対米開戦反対」「三国同盟反対」
「真珠湾攻撃」「短期決戦早期停戦派」の象徴でした。日教組ゴリゴリの中学
社会科教師が、「日本にだって開戦に反対した人がいたんだ」と胸を張って
いたのをよく思い出します。結構、軍国少年だったんだ〜と(笑)
また事前に日本の動きを知っていて、米国内の国論を欧州参戦にまとめるために
米国政府に真珠湾攻撃が利用されたという説もあります。
三船敏郎以下そうそうたる役者が演じている。
二人ともニュアンスは多少違うが、山本五十六を「行け行けどんどんの人」の
ようにとらえていたことです。台本や昭和史「半藤一利」、その他の資料で
実像を把握したようです。玉木はまだしも、役所もそう思っていたんだと強烈な
ショックを受けました。
息子も現代史は時間足らずで習っていないと云う、まして今の中学生は?
歴史教育の時代別ウエイトを考え直す必要があります。
勉強不足とかそう云うことではありません。かって唐沢寿明が「利家とまつ」
で前田利家を演じた折、加賀百万石現代の所在地を知らず唖然としたことがあ
りました。でも彼以上の「前田利家」を私は知りません。
知識と演じると云うことは、必ずしも一致するものではありません。
なぜ日米開戦が避けられなかったのか? 歴史の正しいせめぎ合いを知ら
なければ、同じ過ちを犯すことになります。正しい歴史教育が、必要です。
はからずも真珠湾攻撃中の宣戦布告、その時の外務省職員は戦後事務方で
トップまで出世する、こんな公務員制度が変わっていないことも。
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2011年12月20日
ディア・ドクター 2009 鶴瓶/八千草薫/余貴美子
そのドクターは、2度と戻らなかった。患者と共に、患者の娘に嘘をつくこと
は、善か? 母と娘のために、彼は消えることを選んだ。失踪は、彼が抱えた
「嘘」が公になることを意味したが、最良の「善」と信じて。
彼は、研修医にこう告白していた。「何もないと思って来たら、どんどん弾が飛
んでくる、飛んでくるから撃つ。撃っていたらこうなっていた。俺は資格がない、
偽医者だ」 研修医は、「資格」がなんだと思ったが、「半信半疑」だった。
事実彼は、猛烈な勉強家だった ・・・
「ゆれる」の西川美和監督によるオリジナル脚本です。神和田村診療所の医師
伊野に鶴瓶、その看護師に余貴美子、研修医に瑛太、がん患者鳥飼に八千草薫、
その娘の女医に井川遥、薬会社のMRに香川照之、笹野、勘三郎、松重と主も従も
重厚です。
刑事は言う、「偽物が偽物なりに、この村を支えていた。本物に仕立て上げた
のは、あんたらでは?」 失踪した医者を村人は、良くは言わない。
伊野が無資格の医者であることを知っていたのは薬品会社のMR斎藤(香川)、
うすうすそうだと思っていたのは看護師の余、半信半疑だったのは研修医だった。
彼らも、良くも言わないが悪くは言わない。観客はもっともっと「良く言って
ほしい」と願うがかなわない。そっとしておいてやると言う、やさしさだ。
刑事に彼らは言う。薬品会社香川、人は転んだら手を出すでしょう。看護師、
偽免許状に「先生の字だ」(笑)。胃がんの鳥飼「すっかり信用してしまって
怖いですねー」 治療は効いたんですか 「それが良くなったりするんですよ」
あの男はあなたになにかしてくれたんですか 「なにも」
女医の娘「捕まえたら聞いてください、あの先生だったらどうやって母を死なせ
るのか?」
山あいの里で女医の娘が見せられるMR香川の胃の写真、ユーモラスにときに
シリアスに展開するドラマ。私の一押しの名場面は、二つある。疾走する日、
鳥飼の八千草に「娘とうまくやり」とばかりに白衣を振り畑に捨てる、一瞬の
躊躇が胸に迫る。失踪のために病院の玄関に降り立つ折、何のケレンミもなく
良く手を貸した看護師余の尻をたたき、鶴瓶を目で追いながら余の手が左の尻の
下をそっと押さえ込むシーンに何気ない情と信頼を感じた。
日本アカデミー賞最優秀助演賞は余に譲ったが、八千草とこの二人の演技なしに
この作品は成り立たない。
研修医には、村に戻ってきてほしかった。監督はそう甘くなかった(笑)
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