2008年06月01日

sky

いつの頃からだったか覚えてはいないが・・・・・・俺の瞳には、青が白に映るようになってしまった。
 
理由や原因は、よく分からない・・・・・・きっと精神(こころ)の問題だろう。知らぬ間に精神(こころ)に傷を負ってしまったんだろう。
 
いや・・・本当は・・・・・・ただ・・・・・・思い出すのを拒んでいるだけで・・・・・・その理由や原因を自分では、はっきりと知っているのかもしれない・・・・・・話が少し逸れてしまったが、つまり俺の瞳に映る青空は・・・・・・
 
真っ白。
 
って事だ。いったいどのぐらい見ていないのだろう?もう・・・・・・遥か昔の事で覚えていない。
 
・・・・・・青空。
 
死ぬ前には、もう一度ぐらいこの瞳に青空が映るのだろうか?
 
だが、俺にとって青空が白く映るのは、それほど問題ではなかった。なぜなら、俺にとって青空は、大好きな存在って訳でもないし、大切な想い出がある訳でもないからだ。だから、青が白に映ろうが俺には、何の問題もない。何なら別にどうだっていい事だ。
 
むしろ俺にとって大問題なのは
 
 
 
 
 
白が青に映る事の方だ。
 
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2008年06月02日

full moon

満月の夜には、何かが起こるってよく言われてる。
 
月と地球との間に生じる引力が人間の身体とかに影響を与えているのだとか?いないのだとか?
 
詳しい事は、よく分からないけど、とにかく満月の夜には、普段よりも何かが起こる確率が上がるらしい。
 
僕は、いったい何が起こるんだろうと思ってワクワクしながらずーっと満月を見ていた。
 
もしかしたら、とんでもない天変地異が起こるのかもしれない。
 
期待を膨らまして見ていた。
 
 
 
 
でも、現実って言うのは、やっぱり期待を裏切る。もうすぐ夜が明けようとしているけど、何も起こらなかった。
 
起こった事と言えば
 
天変地異でも
殺人事件でも
心霊現象でも
奇跡体験でもなく
 
 
 
 
 
ただ僕が死んだだけだ。
 
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2008年06月03日

apple

俺は、果樹園でリンゴを栽培している。
 
ある日、いつものように俺が時期を迎えたリンゴの収穫作業を丁寧に行っていた時の事だ。俺は、果樹園で一番大きな木になっている一番真っ赤なリンゴに目が止まった。
 
「赤すぎる・・・・・・・・・。」
 
俺は、そう呟いた。
 
赤以上に赤いリンゴ。それは、まるで俺を見て恥ずかしそうにしているかのように見えた。そして、俺を見て照れているかのようにも見えた。しかし、一番適した表現としては
 
「俺に惚れてる。」
 
確かに俺は言った。馬鹿げているかもしれないが、そう呟いた。単純にそう思ったからだ。その単純な思いが言葉として単純に口から出たからだ。
 
俺は、そのリンゴを優しく抱き寄せるようにして収穫した。
 
 
 
 
 
今では、そのリンゴとの間に授かった二人の子供達と共に家族仲良く幸せに暮らしている。
 
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2008年06月08日

wolf

崖の上から大地を見下ろす一匹の狼がいた。
 
「狼よ。」
 
すると、何処からともなく狼に語りかける声がした。
 
「神か!」
 
野性の本能なのか?狼は、何の迷いもなく天に向かって叫んだ。
 
「晴れの日も雨の日も風の日も大地に住む人間を見ていている狼よ。もし、お前が人間になりたいと思っているのなら、人間にしてやるぞ?」
「なんだと!?」
「狼よ。人間になりたいか?」
「人間にしてくれるのか!」
「ただし狼よ。一度人間になったなら、元の姿に戻る事は出来ない。それでも人間になりたいか?」
「もちろんだ!!」
「本当にいいのだな?」
「迷いなどない!!」
「そうか。ならば狼よ。目を閉じるがよい。」
「・・・・・・・・・。」
「狼よ。お前の望みは叶った。目を開けるがよい。」
「・・・・・・・・・ん?」
「どうだ狼よ。」
「どう言う事だ!!」
「どうしたのだ?」
「何だこれは!!」
「それが人間だ。」
「確かに人間だがこの姿は・・・・・・・・・老人ではないか!!」
「狼よ。当たり前だ。お前を人間の歳にしたのなら、80過ぎの老人なのだからな。」
 
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2008年06月09日

smell

くさい!
くさい!
くさいくさい!
 
なに!?なんなの!?
朝起きてからずーっとくさい!
 
あたし?あたしがくさいの?
 
それはありえない!
絶対にありえない!
 
だって、あたしは格別にいい匂いのする女よ?そんないい匂いのあたしがくさい訳ないじゃない!
 
じゃあなに?なんなの?このくささは!?いったいなによ!?
 
くさい!
くさい!
くさいくさいくさい!
とにかくくさい!
 
なんで朝から忙しいのにお風呂に入らなきゃいけないのよ!
 
なんなのよこのにおい!・・・・・・このにおい?この・・・・・・・・・におい!
 
そうだ!?
 
なんか嗅いだ事あると思ったら!?オヤジよオヤジ!オヤジくさいのよ!
 
って!?えっ!?
 
あたしがオヤジくさいって事!?あたしがオヤジって事!?
 
まさか!?うそよ!?
 
ってほら!やっぱり鏡に映ってるのは、いつもの格別にいい匂いのするとびっきりなあたしじゃない!でもなに?なんでオヤジくさいの?どうしてオヤジくさいのよ!
 
 
 
 
 
「よっ!」
 
なんで鼻の穴からちっちゃなオヤジが出てきちゃうのよぉぉぉ!!
 
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2008年06月10日

murder

僕は、さっき人を殺した。
 
まさか僕が人を殺すなんて思ってもみなかった・・・しかも・・・・・・あんな残忍で残虐な殺し方をするだなんて・・・・・・
 
「ねぇ?何でさっきっから黙ってるの?」
 
そして、平然を装い彼女とファミレスに来るだなんて・・・・・・
 
「ねぇ?どうしたの?」
 
少し黙っていてくれ!気持ちを落ち着かせたいんだ・・・・・・
 
「大丈夫?顔色悪いよ?」
 
構わないでくれ!忘れようとしているんだ!さっき起きた忌々しい出来事を・・・・・・
 
「なんか変だよ?」
 
変?変になるさ!カンに障る女だ!何も知らないくせに・・・・・・
 
「人でも殺した?」
 
えっ!?
 
「・・・・・・・・・。」
 
なぜ黙る!なぜ僕をじっと見つめる!やめろ!見るな!見ないでくれ!
 
「なーんてね!冗談だよ。でもね。本当に顔色悪いよ?大丈夫?」
 
「・・・・・・大丈夫。」
 
「よかった。ねぇねぇ。この後どこ行く?あたし行きたいとこあるんだぁ。」
 
どこ行ったって同じさ。僕の気分は、この女と一緒にいる限り晴れない。なぜだ!なぜ僕の目の前にいる!
 
 
 
 
 
さっき殺したはずなのに・・・・・・
 
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2008年06月15日

happiness

わしは、幸福について長年研究をしている。
 
いったい幸福とは何か?
 
そして、人に幸福が訪れた後に再び幸福が訪れるまでの時間はどのくらいか?
 
わしは、長年の研究によって、それら全てに答えを見出だす事が出来た。
 
まず、幸福が訪れてから次に幸福が訪れるまでの時間だが、人によって多少の差があるせよ。
 
短くて1秒に満たない。
長くて十数時間程度。
 
つまり幸福は、1日の中で無数に訪れて来ている事になる。
 
だが、ほとんどの人間は、それに気付かずに日常を過ごしているだろう。
 
それはなぜか?
 
幸福があまりにも当然のように訪れるせいで気付かないのだろ。
 
いや、むしろ気付けないのかもしれない。
 
それは、人間が普通に健康に生きている限り、全く気付く事の出来ないものなのかもしれない。
 
わしが長年追い求めてきた幸福の正体とは何か?
 
 
 
 
 
それは『まばたき』である。
 
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2008年06月16日

taxi

深夜の国道を走る一台のタクシー。ついさっき客を乗せたばかりだった。この時間帯にこの場所で人を乗せる事は非常に珍しく、滅多にない事だった。
 
「お客さんどちらまで?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「お客さん?」
「・・・・・・・・・ん?」
「どちらまで?」
「・・・・・・あの世まで。」
「えっ!?お・・・お客さん・・・・・・からかうのは、やめて下さいよ。」
「あの世までだ。」
「あ・・・あの世・・・・・・ですか?」
「あの世だ。」
「あの世ってお客さん!あたしゃタクシー運転手を40年やってるベテランだよ?からかうなら他を当たってくれ!」
「連れて行ってくれ・・・あの世に・・・・・・。」
「行きたきゃ!お客さん一人で行ってくれ!」
「一緒に・・・・・・あの世に行こう・・・・・・お願いだ・・・・・・あの世に・・・・・・。」
 
 
 
 
 
「だからお客さん!さっきっからあの世あの世って!そりゃいったい何丁目のあの世の事だい!」
「さ・・・三丁目です。」
「あいよ。」
 
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2008年06月17日

dice

俺は、ダイスを振って運命を決める。
 
偶数が出たらいい事をする。
奇数が出たら悪い事をする。
 
これで少しは、くだらなくてつまらない人生を退屈しないで楽しめる。いったい今まで何回ぐらい偶数が出て奇数が出たかなんて覚えてやしない。一つ言えるのは、人間の脳みそってのは、いい事よりも悪い事の方をよく記憶しちまうって事だ。
 
でもって
 
今朝、ダイスを振ったら奇数が出た訳だ。
 

 
俺は、ガキを誘拐した。
 
もちろんこれは、ダイスの運命に従ったまでだ。
 
さてと
 
目の前のガキの命は、このダイスが決めるって事だが
 
偶数が出るのか?
奇数が出るのか?
 
それは、誰にも分からない。
 
「ガキ。恨みっこなしだぜ?」
「待っておじちゃん!」
「あ?」
「僕にやらせて!」
「なに?・・・・・・まあ、自分の運命を自分で決めるのもいいだろう。ほらよ。」
「ありがとう!えい!」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・!?・・・・・・偶数だ。もう帰っていいぜ。」
「なに言ってるのおじちゃん!僕にとって偶数は、悪い事をするって事だよ?」
「なに!?」
「バイバイおじちゃん。」
「お・・・おい・・・・・・うそ・・・だ・・・ろ?」
 
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2008年06月22日

island

気が付くと僕は無人島にいた。
 
なぜ無人島にいるのか?自分が誰なのか?全てが分からなかった。
 
ただ一つ
 
心の奥底に淡くぼやけているが、はっきりと女性だと分かる存在がいた。名前も顔も声も分からないが、確かにその女性は僕にとって大切な人だと感じる事が出来た。
 
 
 
 
 
気が付くと私は無人島にいた。
 
なぜ無人島にいるのか?自分が誰なのか?全てが分からなかった。
 
ただ一つ
 
心の奥底に淡くぼやけているけど、はっきりと男性だって分かる存在がいた。名前も顔も声も分からないけど、確かにその男性は私にとって大切な人だって感じる事が出来た。
 
 
 
 
 
「博士。順調にいけば二人が出会うまで100日です。」
「いよいよ始まったな。恋愛修正プログラムNO.3。コードネーム:アイランド。」
「恋人達は、ここまでしないと再びお互いに愛し合う事が出来ないのでしょうか?」
「愛情が単なる情になってしまう。悲しい事だ。だが、同じ相手を愛したいと想い合う気持ちは、救いなのかもしないな。」
「同じ過ちを繰り返すとしてもですか?」
「さあな?まあ、とりあえず見せてもらおうじゃないか。愛の力ってやつを。」
 
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2008年06月23日

place

「3時間待ちか・・・・・・・・・。」
 
俺は、列の最後尾でぼやいていた。人気のお店や有名な観光地や歴史的な名所なんかは、これだから嫌いだ。せっかく会社を休んで遥々やって来たってのに・・・・・・・・・。
 
ふと行列を覗いてみると、どこから噂を聞き付けてやって来たのか知らないが、老若男女を問わずにいろんな人達が列んでいる。
 
雑誌やテレビの影響なのか?
 
それとも俺みたいにインターネットで調べたのか?
 
何にせよ、こんだけの人達が集まって来るんだから、それだけここが世の中に必要とされている場所だって事なんだろうな。
 
まあ、俺だってこの場所に3時間も待つはめになりながらも、こうやって順番を待っているんだ。だから、あんまり列んでいる人達の事を詮索するような真似はやめにしよう。それに、皆の気持ちはよく分かるからな。
 
「はあ・・・・・・・・・。」
 
だけど、なかなか進みそうもない行列を見てると溜め息が自然と出てくる。
 
 
 
 
 
まさか自殺をするのに3時間も待つとは思ってもみなかったよ。
 
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2008年06月24日

count down

『10』
 
ん!?
 
『9』
 
な・・・なんだ!?
 
『8』
 
これはいったい!?
 
『7』
 
頭の中で突然カウントダウンが
 
『6』
 
始まった!?
 
『5』
 
どう言う事だ!?
 
『4』
 
なにが起こるんだ!?
 
『3』
 
ゼロになったらどうなるんだ!?
 
『2』
 
死ぬのか!?
 
『1』
 
俺は死ぬのか!!
 
『0』
 
・・・・・・・・・?えっ!?い・・・生きてるぞ?な・・・なんともない・・・・・・今のは?いったいどうなってるんだよ!?それともなにかが起きたのか?
 
 
 
 
『10』
 
お・・・おい!?
 
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2008年06月29日

question

?は、考えました。
どうして自分は?なのか?
どうして自分が?なのか?
?は、考えて考えて考えました。
物凄く考えて考えて考えました。
でも答えは見つかりません。
 
?は、諦めませんでした。
 
気になって気になって物凄い気になって眠れなかったからです。
 
でも、いくら考えた所で答えは見つかりませんでした。
 
?は、とうとう泣き出してしまいました。いくら考えてもどうして?なのか分からないからです。
 
?は、泣いて泣いて泣き疲れていつの間にか眠ってしまいました。
 
 
 
朝になり、?が目を覚ますと枕が濡れている事に気が付きました。
 
いつの間に眠ってしまったのか?
 
なんで枕が濡れているのか?
 
そして
 
どうして自分は?なのか?
どうして自分が?なのか?
 
?は、考えました。
 
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2008年06月30日

star

「ねぇパパ?」
「ん?」
「お星様たくさんだね。」
「そうだな。」
「とっても綺麗だね。」
「そうだな。」
「ねぇパパ?」
「ん?」
「あたしね。ここでこうやってパパと二人でお手て繋いでお星様を見てるの大好きなんだ。」
「パパもさ。」
「本当に?」
「本当さ。パパも二人でお星様を見てるのが大好きだよ。」
「わーい。」
「おいおい。そんなに走り回ると転んじゃうぞ。」
「だってだってぇー!嬉しいんだもーん!」
「やれやれ。」
「ねぇパパ?」
「ん?」
「あのすっごく綺麗なお星様はなに?」
「ん?ああ・・・あれか。」
「うん。」
「あのお星様はね。地球って言うんだ。」
「地球かぁ。」
「ああ。」
「じゃあ、きっとあそこにママがいるんだね。」
「・・・・・・・・・。」
「パパ?」
「・・・・・・ああ。きっといるよ。」
「ママー!」
「おいおい。手を振ったって向こうからは、見えないぞ。」
「いいの!見えるの!ママー!」
「・・・・・・・・・そうだな。ママなら見えるかもな。」
「ねぇパパ?」
「ん?」
「カレーライス食べたいなぁ。」
「・・・・・・・・・よし!とびっきり美味しいのを作ってやろう!」
「やったー!」
「さあ、買い物して帰るか。」
「うん!」
 
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