2008年10月18日
イ サン あらすじ
1 米びつ父さん
サンは王様の孫で11歳。友達は今のところテスとソンヨンの2人だけのようだ。周りに腹黒い大人ばかりいるので仕方がないのだろう。ソンヨンの父さんは腕のいい絵描きだったが亡くなっている。赤ん坊を背負って子守や洗濯などをしていることから、生活は貧しいとみた。サンのじいさん(王様)は、仕事熱心だが凍りのような男。その証拠にサンの父さんを米びつに閉じ込めてもう7日にもなる。サンは父さんに、飾り箱に入ってる俺の絵を王様に見せれば誤解は解けると頼まれたものの、父さんの部屋は立ち入り禁止になっている。しかし自分の部屋で途方に暮れるサンの背後に見える飾り箱に、やけにさっきからカメラがクローズアップしているので、たぶんそこに父さんの絵があるのだろう。
2 じいさんをたずねて3千里
やはりサンの部屋の飾り箱に父さんの絵は入っていた。しかしその絵は、山道に立つ男が2人と、悩ましい女が1人描かれているだけのように見える。サンはさっそく宮中を抜け出し、視察の旅に出た王様のあとを追った。慣れない町を道案内してくれたのはソンヨンだ。しずかちゃんの入浴シーンに遭遇したのび太みたいに、サンがソンヨンの着替えを見てしまうという、ちょっと色っぽいシーンも登場したものの、この旅で2人の友情は深まったようだ。
3 米びつ父さんの死
王様には会えたものの、絵を見て貰う前に、父さんが死んでしまった。立派な聖君になって欲しいというのが父さんの遺言。サンは一生懸命勉強や武道に励んだが、なかなかじいさんの満足を得られる域には達していない。家族には冷たいが、こう見えてもじいさんは、民を思いやる政治を実行している名君らしい。しかしそのじいさんのおめがねに叶った優秀な子供がいた。難しい書物をスラスラと暗唱するフギョムという児童だ。しかしサンの方も、貧しい子供達を助けた行いがじいさんの耳に入り、じいさんの心の中ではポイントアップしている。
4 庭の穴から大量の銃を発見
サンの父さんに、王様に内緒で武器を集めていた疑惑が浮上した。このネタをでっちあげたのは、密室でしょっちゅうコソコソ会議を開いているワルづらの重臣達だ。サンの部屋の庭に、大量の銃を埋めたのも彼ららしい。ところが銃に刻印してある製造年月日が、サンの父さんが死んだ後の日付になっていたというのは、なんともお粗末な失態。そのおかげでサンは、父さんに加担したという疑惑から逃れることができた。
ソンヨンとテスは、銃の密造現場を目撃したり、サンと親密だったりして、ワルいやつらに追いかけられるはめになり、ついにサンに挨拶も出来ないまま都を去っていった。
5 サン、王様に大事な接待をまかされる
サンは大人になった。しかし刺客が寝室に忍び込んできたりして、おちおち寝てもいられない。しかも刺客に襲われた話をしても誰も信じてくれず、逆に「頭がおかしいのでは?」と噂を広げられる始末だ。ソンヨンは1年前に都に戻り、絵で記録する部署の下働きになった。チャングムに意地悪していたのと同じ女官にこきつきわれ、川へ洗濯に行かされた隙に、サンが調査のため絵の部署を訪問し、再会のチャンスを逃している。
サンはじいちゃんに命令され、清の使節団の接待係に大抜擢された。その一方で自分を殺そうとした黒幕を密かに捜索中だ。
6 サンの接待、大失敗か
ソンヨンは下働きながらも絵が認められ、絵師の助手として宮中に出張することになった。認められた絵とは、サンとの旅の思い出のひとこまを何気に描いたやつだ。清の使節団の接待の席にはサンもいたものの、まさか助手の女がソンヨンだとは気づいてないようだ。しかも絵画に目がないという清のおえらい男が、ソンヨンにも目をつけ、鼻の下を伸ばしてわがままを言い始めた。サンの家臣がご機嫌を取ろうと、さっそくソンヨンを献上しようとしたところ、サンが止めに入って、大事な接待の場が凍りつく事態となった。
さらに使節団への貢物が、何者かにごっそり盗まれる事件まで起こり、サンの責任問題は大きくなるばかり。刺客事件の調査の方も、黒幕を知る男が川で変死体となって発見され、行き詰っている。
7 白布事件
接待の席はサンのせいでシラけたものとなった。しかしソンヨンは、清のおえらいの目の前で世にも珍しい麒麟を描いて見せ、絵の腕前だけでなく、麒麟のこともちゃんと知っているぞという博学ぶりを見せつけた。そればかりか清への貢物にするはずだった白布の件も、ソンヨンが布を白く染めることを思いついて、サンのピンチを救っている。
サンの苦戦に王様は、清への留学経験があるフギョムというエリート男を派遣。いつも顔に余裕を浮かべている甘いマスクの男だ。しかし白布を見事揃えて、してやったりの顔をしていたサンを見たときばかりは、その男の表情にも一瞬、影が浮かんだ。
サンに何気に妻がいることが発覚した。でもどうも妻の体調はあまり思わしくないようだ。
8 ソンヨン誘拐される
サンは図画署のリーダーみたいな男に、一枚の紙切れを見せられた。怪我をした女児の腕に、豪華な帯を巻きつけている男児が描かれている。サンはようやく接待の席にいた女が、ソンヨンだったと気づいたようだ。その後、ソンヨンが住んでいる小屋にすっ飛んで行ったが、ソンヨンの姿はなかった。テスの話によると、白布を盗んだやつらに誘拐されてしまったらしい。サンはそのゴロツキ達をすぐに逮捕したものの、ソンヨンの行方はわからずじまいだ。
その頃、白布事件の黒幕をのせた金のみこしが、秘密の建物の前でとまった。建物の中では、王様の重臣やフギョムの他、サンの大叔父などのメンバーが勢ぞろいし、首を長くして一番の大物の到着を待っていた。金のみこしから出てきたその大物とは、なんと親切そうにサンの妻の病状を気遣っていた王様の正室、中殿だ。
9 サン、ついにソンヨンと再会
前回捕まえたゴロツキ達が護送中に行方をくらました。護送しろと通達した覚えはサンには全然なかったのに、不思議なことにサンの印鑑や、筆跡に瓜二つの証拠書類が出てきた。さっそく図画署で筆跡鑑定が行われたものの、その鑑定を担当したナマズみたいなヒゲを生やした男からして、どうもうさん臭い。模写にかけては図画署一というから、サンの筆跡を真似るのくらい、お手のものだろう。それに王様からこの件の調査を任されたサンの大叔父も、中殿の仲間なのでまずい。
一方、ソンヨンは無事に救出され、サンと感動の再会を果たした。
10 サンの護衛部隊、まるでやる気なし
王様が試しにゆでイモの印鑑を作り、偽造が可能だということを重臣らに見せ付けた。ニセ物は、1ヶ月もしたら印が変色するため、真相が明らかになるのは時間の問題だ。
そのあと何やら中殿やフギョムらがコソコソ会議を開いていたところをみると、イモでサンの印鑑を偽造した覚えがズバリあるのだろう。また何か新しい手を思いついたらしく、暗号を記した大事な手紙を使いの男に持たせたものの、試験問題をカンニングしようと男の荷物を探ったテスに盗み見られるという痛恨のミスを犯している。
サンは、護衛が頼りないのはお前の過失だと王様に叱られた。そこで護衛部隊のスパルタ訓練を開始。ところが誰かの陰謀か、護衛の宿舎が火事となり、やむなく中止となった。しかし今までダラダラしていた護衛達の中には、サンの熱意の伝わったやつらも、ぼちぼち出始めている。
11 元護衛隊長のじいさん、墓参りに行っていきなり逮捕される
ホン・グギョンという注目の人物が登場した。出世に恵まれず、世捨て人のような雰囲気を漂わせてはいるが、頭がかなりいいらしく、サンの味方にもってこいだ。「あの落ち着いた態度はただ者とは思えない」と、フギョムまで目をつけ、仲間に入れようと企んでいるようなのだが、卑怯な世界には入りそうにない人柄のようだ。
そんななか、宮殿に忍び込んだ刺客によって、火薬が爆発する騒ぎが起こった。おかしなことに犯人は、王世子の墓の地名を臭わせる暗号を、これみよがしに残し、王様の心の傷を刺激した。おかげで王様は神経過敏となり、たまたま王世子の墓参りをしに来た元護衛隊長のじいさん達を、逆賊として逮捕。実はこのじいさん、幼いサンを肩に乗せて庭を散歩したほどの人物らしい。王様はそんなじいさん達の取調べにサンを指名したが、フギョムは気弱な性格なサンには、まず何も出来やしないだろうとみている。
12 サン、黒幕の調査を開始
驚いたことに、サンは王様の前で、なんとじいさん達の無実を宣言。それなら証拠を見せてみろと言われたため、調査も開始した。しかし事件の裏側について知っていると思われたナマズヒゲの画員が、肝心なところで血痕を残して失踪。そのナマズヒゲの家の前で水草を拾ったサンは、火薬事件のときの刺客の死体の靴にも、同じのがついていたことを思い出し、やつらのアジトが沼の近くにあると推理した。さらにホン・グギョンは、王世子の墓を思わせる例の暗号を書いた屋敷の主人が、大量の食料を買い込んでいるとの情報をテスから入手。謎の黒幕が密かに私兵を育てているためと考えた。その黒幕である中殿が、このたび重臣達との秘密会議の席で、「サンは我々が殺した王世子の息子!」と驚くべき発言を披露。しかもこれからまだサンを殺す計画まであるらしい。
13 サン、父さんの護衛隊長のぬれぎぬを晴らす
サンは、墓参りに行ったじいさん達のアリバイを証明することに成功した。どうやら仲間達と謀反を計画したとされる日には、じいさんは王様の宴会に出席していたらしい。そのときの宴会の模様を描いた写本を発見するというお手柄を立てたのはまたしてもソンヨンだ。じいさんの似顔絵の横に、名前がばっちり添えてあったので間違いはない。
さらにサンは、ハン・ジュノという男が私兵を育てているというのをテスから聞きつけ、山のアジトに突撃した。ところがどうやら先に嗅ぎ付けたらしく、行ったときには私兵訓練所は、跡形もなくさっぱり消えていた。しかしサンはその後もハン・ジュノの動きを監視し、やつの一味にサンの叔母、ファワンがいることを突き止めた。
14 王様ショック! 娘が黒幕の一味
ハン・ジュノは逮捕され、黒幕の名前を自白する前に牢獄で自害。前の晩、黒っぽい布切れをほっかむりした中殿が、こそこそ牢獄に足を運び圧力をかけようだ。ファワンも証拠がないのをいいことに、謀反を否認したままだ。
フギョムはホン・グギョンを仲間に入れることに失敗。それどころか、サンの味方につくことを、グギョンに面と向かってほのめかされる始末だ。
テスとソンヨンは前回お手柄をたてたため、宮中へ招待された。ほとぼりが冷めるとテスは訓練場の見学に行ってしまい、サンとソンヨンの2人きりになるチャンスが訪れた。さっそく「見せたいものがある」とソンヨンを書庫に誘い出したサンは、熱心に画集を見せつつ、何気に手まで握りしめたりしていたが、その現場をなんとサンの妻に目撃されている。
15 フギョム、ソンヨンに近づく
ホン・グギョンは、テスに武官の学科試験の講義をした。しかしさすがのグギョンでさえ「筋金入りのバカだな」と苦戦。やもえずテストの山をはることにした。それが見事大当りしたにも関わらず、肝心のテスが山をよく覚えておらず落第となった。しかしグギョンが、不正受験したやつらを告発するという機転を働かせ、テスが繰上げ合格している。
ソンヨンがサンに縁が深いというところに目をつけたフギョムは、ソンヨンを監視するようになった。親切そうに近づき、画集の売り場を教えてやったりしていたが、その現場をサンの妻のおつきの女が目撃し、ソンヨンとフギョムが密会しているらしいとサンの妻に報告した。
サンは母さんに、早く孫を作れと急かされている。それで久々に妻の御殿を訪れたものの、その姿をソンヨンに見られると、なぜか急に気まずい顔になり、またソンヨンに見とれたままなかなか妻の部屋の中に入ろうとしないなど、気になる兆候が見られた。
16 フギョム、サンの暗殺を実行
テスを合格させた代わりに、晴れてサンの右腕に昇格したホン・グギョンが、なぜか急にフギョムの家の隣に引っ越してきた。この不気味な行動に、さすがのクールなフギョムも戸惑いを隠しきれない。
そのフギョムは、いよいよサンの暗殺を任され、最高の射撃手を揃えた。実行は王様とサンの旅の道中にすることにした。狙撃に最も適したポイントを地図から割り出し、準備万端だ。
ところがホン・グギョンが事前にこの計画を予測。厳重な警備のもと、王様一行は、何事もなく目的地にたどり着いた。
その旅の途中、疫病の村に出くわした王様は、サン達が止めるのも聞かずに、民の様子を見ようと村に乗り込んだ。そして翌日、急に具合が悪くなり王様自身が倒れてしまった。
17 フギョム、サンの暗殺にまたしても失敗
疫病で倒れた王様が、サンに王の代理を任せたと知ったフギョムらは、サンを宮中に帰らせてなるものかと、懲りずにまた暗殺を計画した。
しかしホン・グギョンがまたしても、これを予期。サンに変装したテスをおとりに使い、その隙にサンをまんまと都へ戻らせることに成功した。作戦の失敗を知ったフギョムは、ホン・グギョンを消しておけば良かったと、かなり悔しそうな顔だ。
テスは重症を負ったものの、ほぼ回復。でも疫病の村で、サンがソンヨンの手を握りしめているところを目撃してしまった心の痛手の方が心配だ。
サンはさっそく疫病の村に宮中の医者を派遣することに決めた。中殿は王様の医者を勝手に使うなと猛反発したものの、「私の言うことは王命とお考え下さい!」とサンに強気に出られ、鼻息を荒くさせた。
18 重病の王様、サンの政治の才能を認める
動かしてはならないほどの重病人の王様を、無理やりコシに乗せ、中殿が疫病の村から宮中に戻らせた。何が何でもサンに政権を取られたくないようだ。王様の娘ファワンも独自ルートで疫病に効きそうな薬を民間から入手。しかしサンがその薬の使用を、いまいち信頼できないとして禁止すると、そのあと宮中に、王様が亡くなるのをサンが待ち望んでいるとか、王になりたくてうずうずしているという噂が流れはじめた。さらによりによってこんな時期に、グギョンが同志達を集め、朝廷を一新するテーマの勉強会を開いたことが発覚。サンの噂に真実味が増した。
これ以上、噂が広がるのを防ぐため、グギョンが薬の使用と許可するようサンを説得。ついに王様がファワンの薬を服用した。
19 王様、奇跡の回復
王様は見事回復。私兵養成の件で肩身を狭くしていたファワンは堂々と宮中に返り咲いた。
ところが、まだ本調子でないのを理由に王様がサンに政権続投を命じ、周囲を驚かせた。どうやらサンの実力を試すつもりのようだ。サンは辞退をほのめかしたものの、グギョンは、サンの心の中に実は野心ありと見ている。しかも王座よりもっと大きな野心だという。
サンが政権をとることになると、中殿は密室に例のメンバーを集め、またコソコソ会議を開いた。とりあえず状況を見守りながら、こそくな手を使って何かとサンの政治の邪魔をしていこうという話になっているようだ。
20 ソンヨン、絵の大会出場へ
フタを開けてみると、グギョンの狙い通り、サンはやる気満々だった。あまりの鋭い指摘に、重臣達が言いくるめられるほどだ。中でも目玉の政策は、貧しい商人達を守るというものだ。専売商人からのワイロで私腹を肥やしていた重臣達は、たまったもんじゃないよという顔だ。
宮殿の屏風絵を描く仕事にソンヨンが大抜擢された。下働きの女でも実力があれば画員になるべきというサンの意見に、男達は猛反発している。さらには、サンがやたらソンヨンをかばっているのではという噂まで流れはじめた。
ソンヨンは屏風絵の件を辞退しようとしたものの、師匠から「悔しくはないのかぁーっ。それがお前の本心かぁーっ」と熱い言葉を吐かれ、腕試しの大会に出て実力を見せることになった。ところがフギョムの息のかかった男が、まともな絵が描けないよう顔料を小細工したため、大会当日は、仕方なく墨一色で絵を描いて提出。しかしそれでも20名の男達の中で、5位入賞という快挙を果たした。
21 サンショック! 市場で品物が炎上
ソンヨンの絵の評価が明らかになった。色が塗ってないだけで、見る価値なしとした審査員の点がなければ、1位に選んでもおかしくない出来栄えだったようだ。ソンヨンは画員に昇格し、サンの妻の懐妊祈願の屏風絵を正式に描くことになったが、ソンヨンおつきの女は、「ぞっとしますわ」などと、サンの妻に小言を吐いたりしている。
サンが貧しい商人のために新しい市場を作った。さらに専売商人の不正にも目を光らせている。
中殿はさっそく例の秘密会議を招集。とっておきの秘策があると口にしたのはフギョムだ。今度失敗すればあとがないだけに、それなりの自信があるのだろう。
その直後、専売商人達がなぜか売り物を燃やしはじめた。せっかくサンが作った新しい市場には品物が入らなくなり、かんこ鳥が鳴いている。
22 フギョムの作戦、絶好調
専売商人達が品物を高値で買占め、物価が高騰。さらにサンの政治が悪いというビラまで町に貼り出される始末。中殿は、フギョムの作戦が上手くいっているので、将来を見据え、中殿の兄を都に呼び寄せた。ワイルドなひげを生やした熊みたいなその兄は、まだあどけないサンの弟達に媚を売り、早くも基盤づくりを開始。
フギョムは作戦を最終段階に進め、デモを計画。デモに参加させる民衆達は、金で雇うという汚いやり口だ。この情報を事前に聞きつけたグギョンは、デモがはじまったらすぐ解散させるよう、部署に指令を送ったものの、どうやらその部署自体もフギョムの息がかかっていたらしく、当日はデモを解散させるどころか、わざと流血事件を起こして、大勢の民に死傷者が出るという大惨事に発展している。
見るに見かねた王様は、ついにサンを職からおろした。
23 サン、不思議なじいさんに会う
グギョンは流血事件の責任を取って辞職。服もみすぼらしいものとなり、現在は肥だめ集めの仕事をしている。道端で落ちぶれたグギョンを見かけたフギョムは、たっぷり嫌味を吐いた。以前、グギョンに隣の家に引っ越して来られて困った顔をしていたが、今はその屋敷も売り払ったらしく、内心ホッとしたのだろう。
中殿の兄は、見た目だけでなく性格も野獣と判明。そうとも知らず、いつもの調子で知的な皮肉を吐いたグギョンは、ぶち切れた中殿の兄に、死ぬかと思うくらい平手打ちされ、散々な目にあった。あまりの激しさにフギョムでさえ止めようとしたほどだ。
さらにその男は、フギョム達を能力なしとみなし、俺様こそがサンを灰にしてやるんだと、花火に爆弾を仕掛けはじめた。
中殿は政治を自ら牛耳る気満々だ。フギョムは俺たち、もしかして利用されてるだけなのでは・・・と、だんだん疑惑を抱くようになった。
サンは改革の失敗を反省し、何日も書庫に閉じこもったままだ。しかし民の姿をこの目で見たいと久しぶりに外出した先で、みすぼらしい不思議なじいさんに出会った。百発百中大当たりというそのじいさんの予言によると、サンは今度こそあの世へいくかもしれないという。
24 録画失敗。。
25 中殿の兄、周りに止められながらも、サンの殺害を強行
中殿の兄のサン殺害計画を知り、フギョムは「無鉄砲にもほどがある・・・」と首を左右に振った。サンの大叔父も、「我々の将来をあの男に任せるのは愚の骨頂です!」と雄たけびをあげたほどだ。かつて王様と王世子の仲を悪くさせたのはこの兄らしい。
サンは身分を隠したまま、不思議なじいさんの家に出入りし、下っぱ役人の生の声などを聞いた。その際のサンの偽名は少年時代に使ったのと同じムドク。よほど気に入っているのだろう。
グギョンはサンの殺害計画に勘付き、中殿の兄の動きをマークしはじめた。しかしさらにそれをフギョムが察知。がさつな中殿の兄のミスをフォローして回った。それでも中殿の兄は懲りずに、サン殺害計画を勝手に進め、Xデーを祭儀の日とした。
怪しい動きがあるにも関わらず、サンはその祭儀に出る気満々だ。相変わらず肥だめ集めをしていたグギョンも、「王世孫の意思ならやむをえまい・・・」と諦めモードになった。
26 皆の予想通り、サンの殺害大失敗
兵器工場に火薬の原料が集められているとの噂を聞きつけたグギョンは、肥だめ集めを中止にし、元の役人姿に戻って城に駆けつけた。祭儀のとき、サンの席が、わざわざ花火の近くに変更された理由がやっとわかったようだ。しかし通行証がなくて中に入れて貰えず、まごまごしている間に、花火が点火されてしまった。サンを花火から遠ざけるため、テスがサンのそばの花瓶を狙い撃ちし、鉄砲の音に驚いたサンが席から離れた瞬間、火薬が大爆発した。
サンは命拾いしたものの、サンの弟とファワンは、とんだとばっちりを受け重傷だ。
サンの右腕に復帰したグギョンは、事件の捜査を開始した。しかしフギョムはこの事件の首謀者をサンに仕立て上げる気らしい。まずその手始めに、サンに銃を向けたテスを逮捕した。
27 中殿の兄、グギョンに監禁される
テスは極秘に王様に呼び出され、花火事件の真相を尋ねられた。王様は薄々何か勘付いているようだ。その証拠にそのあとグギョンも呼び出し、事件の調査を進めるためすごい権限を与えた。
グギョンは中殿の兄をさっそく誘拐し、暗い倉庫に閉じ込め取調べを開始。サンに内緒の極秘事項とあって、護衛の2人も忍者みたいな格好だ。野獣のように反抗する中殿の兄は、護衛に思い切り頭をはたかれ、この前グギョンをボコボコにした罰が当たった。
中殿はサンを心配するフリを装いながらも、花火事件の首謀者はサンという噂話を、王様にちらつかせた。しかしどうしたのだろう。いつもなら王様が慌てるところが、やけに落ち着いている。
テスの釈放、中殿の兄の失踪・・・。フギョム達は、嫌な予感を覚えはじめた。そこで自分たちに火の粉が及ばないよう、急に波が引いたみたいに中殿に関わるのをやめにした。
28 テス、黒幕をついに目撃
中殿は兄が失踪しましたと王様に訴えた。しかし王様は、旅にでも出たのだろうと、他人事みたいにのんきにしている。これにはさすがの中殿も、何か勘付かれたのではと、不安になった。
中殿の兄は、「わしを誰だと思っている。天下のキム・ギジュだ!」と、倉庫から出すよう大声を張り上げた。しかし猫が通るような小さい扉から手が出てきて、飯の入ったボウルを差し入れされただけだ。バカにするな! とそのうちジャイアンみたいに大暴れしはじめたが、どうやらこれは、くたびれたら少しは扱いやすくなるだろうというグギョンの狙いだったようだ。
グギョンは同時に、フギョムや重臣達の屋敷の前を、四六時中、ヤリを持った兵士に見張らせた。中殿の兄が、まさかまずいことを自白したんじゃないかと、フギョム達はやきもきした顔だ。しまいには権力を手にしたグギョンに、「これも肥だめを集めたおかげです。フギョム様もお試しあれ」と、仕返しを口にされる始末だ。
急に重臣らが寄り付かなくなったため、しびれを切らした中殿は、ついにほっかむりを被って、フギョムの屋敷を訪ねた。しかしそれをテスに目撃されるという大失態を犯している。
29 王様ショック! 黒幕は優しい中殿
テスが、実は中殿が黒幕なんじゃないかとせっかく助言したのに、サンはきっぱり否定した。でも本当は心の中でモヤモヤが広がっているようだ。
そんななかフギョムの屋敷の家宅捜査が行われた。よほどグギョンのことが憎たらしいのか、いつもは涼しげなフギョムの表情も、悪人丸出しになっている。押収された帳簿からは、イモづる式に大臣達の名前があがってくると予想され、サンの大叔父は、「いわんこっちゃない!」と泣きべそをかいた。
しかしフギョムは、なぜかそのあとグギョンを料亭に招き、「私は黒幕じゃない。虎はいったい誰だろう?」とグギョンに突然クイズを出した。どうやらこの際、中殿をいけにえにして、自分達だけ助かることにしたようだ。
倉庫で疲れ果てた中殿の兄は、いよいよ極秘に王様の目の前に連れて来られた。しかし王様に問い詰められるうちに、ついポロリと口を滑らせ、とうとう花火事件の黒幕が誰かを白状してしまった。
30 王様、ソンヨンを寝室にご指名
兄さんが牢屋に閉じ込められていると知った中殿は、鼻息を荒くして面会に向かった。一体どこまで自白したのか、何が何でも知りたくてならない様子だ。しかし野獣のようだった兄さんは泣いてばかりだ。
そうこうするうち、王様が中殿の処分を発表した。「爆発事件は火薬の扱いによる単純ミス。これにて一件落着!」と驚きの内容だ。王様は極刑を避けた理由について、「中殿に初めて会ったのは、わしが66、あれが15の時じゃった・・・」と、急に昔話をはじめた。政務に没頭するあまり、幼妻をないがしろにした自分を責めているようだ。
ソンヨンは、画員の助手として王様の前にあがった。ところがナイーブなタク画員が、手をガクガクと上下させるばかりで、線さえまともに引けなかっため、見るに見かねてソンヨンが代わりに筆をとった。王様は、そのソンヨンを、やけにまじまじと見つめた。そしてその晩、さっそくソンヨンを寝室に呼んだ。おかげで幼い女がお気に入りとの変な噂がすぐ宮中に流れたが、本当のところは誰か話し相手が欲しかっただけのようだ。心労のせいで体調が思わしくないというのに、王様は無理を重ねて政務に没頭していた。
31 フギョム、王になる?
中殿が落ち目になると、ファワンがついに自らの構想をフギョムに打ち明けた。なんとフギョムを王座にのし上げるつもりらしい。フギョムの方も、驚いた顔をしつつも拒否はしていない。
例の秘密会議は、この度から中殿抜きで行われた。逆に中殿が顔を出すと、重臣達に気まずい顔で目をそらされ、追い返される始末だ。
サンが中殿の軽い処分にショックを受け、宮殿から姿を消した。場末の酒場でヘベレケに酔っ払っているところを、ソンヨンとテスに介抱されている。しかしその模様を何者かに目撃され、サンの妻の耳にも届けられた。
一夜明け、サンは立ち直った。王様でも手に負えなかったという公平な人事改革を進めようと、はりきっている。爆発事件の組織の全貌も解明中で、フギョムや重臣達を、そわそわさせている。
32 サンショック! ソンヨンが清へ留学
ソンヨンは、サンの母さんに突然、清で絵の修行をしてこいと言われた。「思う存分、絵を学べるよう取り計らった」と一見親切そうだが、実はサンから遠ざけようという魂胆が見え見えだ。修行は長くて10年にもなる。
サンの母さんがここまでするのにはワケがあった。どうやらサンの父さんも、ちまたの女を王宮に迎えて、王様の怒りを買った苦い過去があるらしい。
気の毒に思ったサンの妻は、サンにソンヨンの清行きのことを知らせようとしたものの、よりによって、ソンヨンを慰めているサンをちょうど目撃し、それがあまりに親密な仲に見えたことから、口を閉ざしてしまった。そうとも知らず、サンは落ち込んでいるソンヨンを元気づけようと、さらに夜更けに宮殿を抜け出し、お忍びのデートへ繰り出す始末だ。
その次の日、ソンヨンは清に旅立った。使節団のメンバーには、テスの叔父さん、タク画員、チョン画員の他、なぜかフギョムまでいた。
ようやくソンヨンの落ち込んでいた理由を知ったサンは、会議を途中で放り出して、馬をパカパカと全速力で走らせたが、すでに船は去ったあとだった。
33 王様におかしな症状が・・・
サンの母さんが、サンの妻とサンを2人きりにする計画をたてた。子作りが目的らしい。仕事に夢中でそれどころじゃないと、サンが困ったような顔をしても、「ご心配なく! 王様の許しは頂いています」とかなり強引だ。
サンは、ソンヨンを追っ払ったのが実は自分の母さんとも知らず、「ひと言の挨拶もなく清に行くなんてつれない」と首を傾げていた。
王様が、花火事件以来、もう二度と会わないと怒っていた中殿の部屋に、急にいそいそと顔を出した。どうしたのだろう。さらには、「そなたの兄は、旅行にでも行ったのかい?」と、まるで花火事件で流罪にしたのを忘れたみたいなことを言い、物珍しそうにモグモグとのんきに饅頭などを食べる始末だ。翌日には正気に戻ったが、今度は中殿の部屋に昨日自分が行ったことを、きれいさっぱり忘れている・・・
清への旅の途中、フギョムが親切づらして、ソンヨンに近づいてきた。監視が目的にしては、ソンヨンと会話を楽しんだあとのフギョムの顔には、何か余韻に浸ったような、やすらいだ笑みまで浮かんでいた。
サンは、妻と出掛けた静養先の田舎で、謎の毒舌男に会った。「ソドンヨ」に出演していたチャンの兄さんだ。
34 フギョム帰国
中殿は王様の症状について把握するため、病状が一時的に悪化するという料理をスラッカンの女官に作らせた。その麺料理をつるつると美味しそうに召し上がった王様は、深夜、急にむっくり寝床から起き上がり、これから重臣会議に出かけると言って、おつきの男を驚かせた。
サンは久しぶりに宮殿に戻った。どうやら静養先でも仕事のことばかり考えていたようだ。どういう風の吹き回しか、大臣達が急に、「今の朝廷は、よどんだ水です!」とクリーンな政治をかかげ、一方サンも、花火事件になどに関わった黒幕の全貌を解明するのを中止にするなど、サンと大臣がお互いのために、暗黙の取引をした。
ソンヨンは清の絵画学校に入学し、清スタイルのロングヘアーに変わった。フギョムは使節団と一緒に帰国。サンとフギョム、どちらともヒゲづらとなった。
35 サンショック! ソンヨンが瀕死の状態で帰国
帰国してみたらフギョムを取り巻く状況はまるで変わっていた。大臣は楽しそうにサンと立ち話をし、フギョムなどは蚊帳の外だ。さらに流罪になったはずの中殿の兄まで、都に戻ってきている・・・
中殿の兄を都に呼び戻したのは王様だった。王様がおかしくなった時を狙って、中殿がまんまと通達を書かせたのだが、まだ誰もそのことには気づいていない。
しかしサンも、王様の発言には首を傾げはじめていた。昨日終わったばかりの政務報告にまた行くと言ったり、サンに間違いを指摘され、「ん?」と、きょとんとしていたからだ。
テスはサンに頼まれ、清へソンヨンの様子を見に行った。ところが美術学校にはソンヨンの姿はなく、「新しい監督官が追い出したよ」と、投げやりな返事がかえってきただけだ。
ソンヨン行方不明の知らせを受けたサンの妻は、ソンヨンが清に追いやられた経緯を、ようやくサンに告白した。
しかしソンヨンは、道端に倒れているところを発見された。サンへの思いだけで、朝鮮の都まで一人で歩いて帰ってきたらしい。サンはパカパカとテスの家まで馬をすっ飛ばして、瀕死のソンヨンに会いに行った。
36 サンの母さんの思惑逆効果! サンがソンヨンへの愛を自覚
仕事を放り出し、夜なべで看病したサンのおかげで、ソンヨンは回復した。母さんにこの件について問い詰められたサンは、「ソンヨンが愛しい」とついに認め、さらにそれを妻が立ち聞きするという悲劇が起こっている。
フギョムは口が災いして、中殿の兄に頬っぺたを平手打ちされ、さらに殴る蹴るなどの暴行を加えられた。
王様は部下に、王様が通達を書かせてるところを見ましたよと指摘され、さすがに自分でも変だと思ったのか、自ら医者を呼んで診てもらった。
王様の病状を独占中の中殿は、町医者からこのたび、病状が悪化するほど王様は妻を頼るようになるでしょう・・・と予言され、ますます優位に立っている。
37 中殿、王様本人に病名を堂々と告知
直接本人に病状を言うのをためらっていた御医のそばで、中殿が、「王様のご病気は認知症です!」と、きっぱり宣言。さらに、「看病できるのは私だけ! 愛の証!」と強く主張し、病気をこのまま周囲に伏せておくよう勧めた。王様をこのまま一人で操るためだ。
中殿は調子を上げ、秘密会合の席にも返り咲いた。結局また元のサヤに納まったようだ。この前、中殿を追い返した重臣達も、「裏切るなどめっそうもないことです!」と口先を揃えて歓迎。中殿をいち早く見限ったフギョムだけが、わけの分からないうちに窮地に立たされている。
中殿の兄は、フギョムの次には、グギョンに暴行を加えた。倉庫に長い間放ったらかしにされたのを恨んでいたのだろう。暴れん坊なだけでなく、随分とねちっこい。
グギョンが、王様の病名を突き止め、サンに報告した。王様が1日の行動を部下に記録させたり、こそこそ医者を呼んだりしていたことから推理したようだ。
王様は息子の悪夢にうなされていた。夢の中では、王世子の部屋から謀反の証拠品を発見するという新しいシーンも登場している。
目の覚めた王様は、「罪人の息子は罪人! 王世子を父と呼ぶなら、サンは王になる資格なし!」と、急に怒りっぽくなった。
38 サン、やっと王世子の絵の謎を解く気になる
サンは落ち込んでまた書庫にこもった。そこで思い出したのが、幼い頃、これを見せれば誤解が解けるから王様に渡してくれと言われて、父さんに貰った水墨画だ。ようやく絵の謎解きをする気になったらしい。
ソンヨンが調べたところによると、描かれているのは老人と若者と子供と巨大な亀だった。3人が指差している亀のところが、クジみたいにぺらっとめくれるようになっていて、中に王世子直筆の手紙が隠されていた。
その手紙を受け取った王様は、こっそり王世子の墓参りに出かけた。今度こそ王世子の無実に気づいたようだ。ずっと放ったらかしだった墓は、草ボーボーになっていた。
王様は、その後サンを呼び出し、「そなたも25歳か。そろそろいいだろう」と、王位を譲ることを内密に告げた。
39 サン、父さんの絵のもう1つの謎を解く
謎に包まれていた父さんの手紙の内容が、本人出演の豪華VTRで再現された。なんと王様にたてつくどころか、謀反を企んでいた仲間達を必死で止めていたようだ。
サンの譲位の発表があるまで、サン達は反乱に備える準備を進めた。しかしホン・グギョンが柄にもなく緊張した顔をし、兵がやたらに移動していたことから、フギョムが何か勘付いたようだ。
ファワンは、ソンヨンが鍵を握っているに違いないと考え、口を割るまでソンヨンを痛めつけてやろうとしたが、フギョムに、「おやめください!」と、ヒーローみたいに阻止されたため、やむなく手を引いている。
大臣達の謀反の決定的証拠を探していたサンは、父さんの絵の秘密にもう1つ気づいた。じいさんと若者と子供の絵は、どうやら王様と父さんとサン自身だったようだ。王様と父さんの仲が険悪になる前に、仲良く遠足に行った頃の様子を描いたものらしい。どうも大き過ぎると思った亀は、遠足の山でサンが見た岩だという・・・
40 中殿、王様に毒薬を用意
サンは山へ行ってカメの岩の下に隠された巻紙を見つけた。謀反を企んだ大臣達の名前がズラズラ書かれている。これさえあれば証拠はバッチリだ。
サンの譲位の話を小耳に挟んだ中殿は、サン暗殺指令を出した。亀の岩場で巻紙を発見し、サンが喜んでいると、中殿の息のかかった男が発砲。しかし幸い、弾は別の男に命中し、暗殺計画は失敗に終わった。中殿は、ついに王様の飲み物にも毒薬らしきものを仕込んだ。しかし王様の後ろにいつもくっ付いていた緑の服を着た男が、さすがにこれはまずいんじゃないかとびびって薬を捨ててしまったため、こちらの方も失敗となった。
サンの譲位発表の朝、とつぜん王様が脳梗塞で倒れた。2つの暗殺が失敗したあとの奇跡だけに、中殿は棚からぼた餅の心境だ。ここぞとばかり、王様が正気を失ったときに書いた通達を、大臣ら一同に見せびらかし、「王様の最後の王命は、王世孫を廃位することです!」と宣言した。
41 中殿、ついに大軍で宮殿を占拠
中殿は、王様が意識のないのをいいことに、軍を集めて戦闘準備を開始した。フギョムやほとんどの大臣達が勢いで、この計画に加わるなか、古狸の大物大臣ソクチュは、1人冷ややかに身を引いている。
サンは援軍を呼んでくるという重要な任務に、王世子の元護衛隊長のじいさんを大抜擢した。その忠実ぶりが、兵士達の間で今でも語り草になっているという伝説のじいさんだ。
ところがじいさんが戻ってくる前に、なんとサンの兵士の一部が中殿側に寝返ってしまった。知らせを受けた中殿の兄は、「これで勝負ありましたな!」と目をぎらぎらさせている。中殿も、もう夜まで待てないと調子づき、数万の兵を立ち上げた。ところが意識不明だった王様がなぜか突然ジャーンと部屋の扉を開けて庭に現れ、中殿が「王世孫を捕らえよ!」と正体丸出しにしているところなど、ついに全てを見た。
42 グギョン、サンに失望し、釣り人になる
中殿の本性に、すっかりあきれた王様は、すぐまた床に伏せった。意識が戻っただけで、回復したわけではなかったらしい。大臣やフギョムらはオリに入れられ、白い着物姿となった。助かったのはソクチュ1人だ。
ところが驚いたことに、サンは大臣達の釈放を宣言。認知症を利用した事件が表に出ないように、王様に配慮したらしい。グギョンでさえその意図に気づかなかったのに、フギョムは難なく勘付いている。
グギョンはサンに失望し、宮中を離れた。みすぼらしい服で海辺で釣り糸などを垂らしながら暇を潰す生活だ。
王様は、サンがやらないならワシがやると、中殿や大臣らの処分のやり直しをはじめ、まず手始めに、中殿を平民にすると大発表した。
43 王様、突然の失踪
王様はサンに政務を任せることにした。一時は家財道具を屋敷の外に出された中殿は、サンの命令で廃位を免れた。古狸のソクチュはまんまと昇進をとげている。フギョムは左遷だ。
中殿の兄は、オリに入れられた状態で市場を抜け、見物人の目にさらされた。それでも野次馬の中にグギョンがいるのを目ざとく見つけて、「必ず戻ってきてお前と王世孫を絞め殺す!」と捨てぜりふを吐いた。
グギョンは、重臣4名を拉致して小屋に監禁した。世捨て人を装いながらも、サンの甘い処分にしびれを切らして、勝手な行動に出たようだ。しかし結局サンに見透かされて、計画は失敗に終わっている。
お人よしのサンの妻は、おつきの女に、世継ぎを産ませるため、ソンヨンを側室に迎えたいと気になることを口にした。
王様も突然、「死に場所は決めてある・・・」と意味ありげなことを口にした。その後、きれいに畳んだ衣と帽子を部屋に残して、失踪している。
44 王様の死
王様は密かに実家に戻り、サンに残してやるつもりで、息子の肖像画をソンヨンに描かせた。すぐに本人生き写しなのが出来上がり、王様はお礼にと、母の形見である大切な指輪をソンヨンへ贈った。ソンヨンが引きあげてから、まもなくしてサンが駆けつけたときには、王様はすでに亡くなっていた。王様の後ろにいつもくっ付いていた緑の服を着た男や、中殿までが涙を流して悲しんだ。
新王の即位式の準備がはじまった。左遷が決定したフギョムは、やぶれかぶれとなり、サンの暗殺を計画した。本気で王になるつもりもあったようだ。黒い傘地蔵の帽子で顔を隠した謎の刺客を雇うのに、国庫の半分にも相当する大金をつぎ込んでしまったので、もう後には引けなかった。朝鮮一の剣の名手で、成功する仕事しか受けないというから、それなりの自信はあった。
刺客はさっそく茶色い三角巾で口元を隠し、ペンキ職人を装って宮殿に潜入した。途中でソンヨンやサンに声をかけられると、オドオドして怪しまれる場面もあったが、急に壁に体を沿わせて小走りしたり、天井に貼り付いたりと、ゴキブリさながらの素早い動きを見せた。
45 サン、王様になる
サンの即位式は無事終了した。謎の刺客からは、まだフギョムの方には全く連絡がないままだ。それまで忍び込んだ宮殿で何をしていたのかはわからないが、ようやく男が戻ってきたとき、すでにフギョムは、金を騙し取られたと思って、毒薬を飲む寸前だった。
刺客の話によると、警備が手薄になった今晩こそが狙い目だという。グギョンは即位式が終わったあと、警備を緩めてすっかり油断していた。男の説明に納得したフギョムは、「明日、笑って会おう」と自信を取り戻した。
刺客は予定通り、再び宮殿に忍び込んで、サンの部屋の周りにいたおつきの男や女達を一人残らず切り殺した。サンは一人きりになったとも知らずに、部屋にこもって読書にいそしんでいた。
46 フギョム、再びオリへ
サンは、暗い部屋の隅で、ゴキブリみたいに潜んでいる刺客を見つけ、とっさに頭に刺していたかんざしをすっ飛ばした。
こうして刺客は死んだ。計画の失敗を知ったフギョムは、ファワンと一緒に清へ逃げようと港へ向かったものの、待ち伏せていたグギョンに、「そろそろ年貢の納め時です」と逮捕された。白い着物で再びオリへ入ったフギョムの頬には、しっとりと一筋の涙が流れた。計画に加わったサンの叔父も一緒だった。翌日には椅子に縛り付けにされ、長い棒で足をぐりぐりされる拷問を受けた。
今回ばかりはサンも、厳しい処罰を下すつもりのようだ。グギョンのきつい取り調べを受けた中殿は、その晩、ついに毒薬を飲んだ。
47 フギョム、釣り人になる。無念の降板へ
大妃(中殿改め)は命をとりとめた。町でも大妃に同情する民の声があがっている。どうやら大臣達が、サンを陥れようと噂を流したようだ。ところ大妃自身は、「ここ数日気を失っていただけ。尋問の話も初耳です!」と、サンをかばうような発言をして大臣達を驚かせた。とりあえず生き延びておいて、隙あれば復活する作戦に変えたようだ。
フギョムは島流しとなり、しばらく釣りなどをして静かな日々を送った。実の父は漁師だったらしく、「釣りはいいな」などと漏らしていたが、いよいよ刑の執行のため、グギョンが毒薬を持参して島に会いに来ると、大人しく飲み干した。中殿の兄やサンの叔父も同じく毒殺刑を言い渡され、ファワンは平民に格下げとなった。
48 口達者な男、再登場。不思議なじいさん、サンの正体に驚く
サンは王様直属の護衛部署を新設し、グギョンを破格の3品に、テスを5品に昇進させた。ここでグギョンになんと妻や妹がいることがわかった。持病のある妻を地方に残していたらしい。妹をサンの側室にするという案も急浮上してきている。その後押しをしているのはサンの母さんだ。サンの妻がソンヨンを側室に推薦していると知り、「言語道断です!」と、母さんの鼻息が荒くなっている。
サンは、以前に出会った不思議なじいさんを、新しく作った図書館に招いて総責任者に任命した。じいさんはここでサンの正体を初めて知り、「ハハーッ!」と感極まって土下座してみせた。じいさんもこうして役人姿になってみると、随分と立派に見える。図書室のメンバーの顔ぶれには、33話にちょっと出たきりだった口の達者な男もいた。
サンは、メンバーを入れ替えてクリーンな朝廷にしようと、2000人もの科挙の試験を実施することにした。
49 くせもの顔の男が新登場。そのおつきの男もワル顔。
何としてもサンの改革を阻止しようと、ソクチュは、テウという大物を呼び寄せ、老論派の首長に据えた。あの大妃でさえ、「まさかあの者を!」と衝撃を受けるほどの大人物らしい。国中の貴族に対する影響力があるうえ、知識も豊富ときている。テウの肩越しに立っている男には見覚えがある。「商道」では湾商を裏切ったチスに、「ホジュン」では師匠の息子にコバンザメのようにくっ付いていた。今回も悪役とみて間違いなかろう。
いよいよ科挙の試験の日になった。しかしどうしたことか試験会場はガランとしていて、閑古鳥が鳴いていた。どうやらテウが何か指令を出して、受験生達を操ったようだ。さらには、役人達が続々と改革に抗議し、辞職をはじめる事態となった。
50 サン寝耳に水! 妻がソンヨンを側室に推薦
サンはあくまで改革に強気だ。不思議なじいさんや口の達者な男には、不正を監視する業務を新たに依頼した。さすがのテウも、出世を望んでいる受験者達をこれ以上、引き止めるのには限界を感じていた。その証拠に5日後に改めて実施されることが決まった科挙の会場の前には、人だかりができている。水面下では中殿が、テウを宮中から追い出そうというのをエサにして、密かにグギョンに近づこうとしていた。
そんな中、町の掲示板にサンの側室を決めるお知らせが出た。サンは側室選びの件については初耳だったらしいのだが、妻が承知したのならいいだろうと、快く従うことにした。しかしその妻の口から、ソンヨンを側室にと打ち明けられると、急に鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。
51 サン、グギョンの妹を側室に迎える
サンはソンヨンを廊下に呼び出し、ソンヨンさえ良ければ側室に迎えたいと、ついに本音を告白。しかしいいところでテウじいさんが用事でやって来たため、ソンヨンの本心は聞けずに終わった。
ソンヨンはサンの仕事が済むまで読書室で時間を潰すことになった。ところがよりによって王様の椅子に腰掛けて居眠りしている姿をサンの母さんに見られてしまい、大目玉を食った。その後、すっかり尻込みしたのだろう。ソンヨンは、側室になるのをあきらめ、仕事に生きる決心をしている。その話を聞いたテスは、「本心を言えーっ。一生遠くから見つめるだけでいいのかぁーっ」と熱い涙を流し、サンの妻も「本心はお見通しです!」とソンヨンを心配する様子を見せた。しかしサンだけは、てっきり振られたものと勘違いし、ガッカリした顔をしている。
サンは母さん一押しのグギョンの妹を仕方なく側室に迎えた。ところがどうしたことか、その夜、サンの足は側室の部屋ではなく、自然と図画署へ向かった。しかもそこで悲しそうに泣いているソンヨンを発見している。
52 チャングムのおじさんが、謎の絵師ウムダムになってついに登場
もしかしたらやっぱり俺と別れたのが悲しいんじゃないかと、一瞬サンに期待が広がったものの、ソンヨンはきっぱりと否定。
一方、グギョンの妹は、サンが前の晩、図画署に行ったことを小耳に挟み、早くもソンヨンをマークしはじめた。
グギョンの妹の部屋になんで行かないのかと母さんに叱られ、サンはその夜、側室の部屋へ足を運んだ。しかしソンヨンに振られたショックを引きずっていることもあり、冷ややかな顔だ。
グギョンは、妹をサンの側室にしたことでハクがつき、出勤にもコシを使うようになった。人事をも操り、テスの叔父さんを役人に復帰させてもいる。
口達者な男をはじめとするサンの部下達が、突然何者かに襲われるという事件が起こった。不思議なじいさんも自宅の小屋を放火され、重症となった。
53 不思議なじいさん、早くも降板
不思議なじいさんが亡くなり、サンは号泣した。犯人はどうやら、よくテウじいさんのお供をしているジュシクという男だと推理したグギョンは、サンに内緒でゴロツキを雇ってジュシクを痛めつけたはいいが、よりによって同じ頃、謎の連続殺人事件が起こり、そっちの方もグギョンの疑いがかけられることとなった。殺されたのは、老論派の重臣ばかりだ。グギョンがお縄になったのを小耳に挟んだ大妃は、チャンスとばかり、ホン・グギョンに近づく気満々になっている。
54 録画失敗。。
55 ウォンビン、想像妊娠する。
サンの側室、ウォンビンが妊娠した。サンの妻に聴こえるようわざと大声で妊娠の話をひけらかしているところをみると、ウォンビンの性格はあまり良くなさそうだ。しかしその罰でも当たったのか、なんと想像妊娠だったことが判明し、グギョン兄さんに泣きつくはめとなった。グギョンは御医を巻き込んで、死産をでっちあげるつもりのようだ。
軟禁状態だった大妃は、拘束を解かれて、晴れ晴れしい笑顔で御殿に戻った。テウに対抗するには、サンもどうやら大妃の力が必要らしい。サンと大妃の仲立ちをしたのは世渡り上手の古狸ソクチュだ。何に使うのかは不明だが、自由になった大妃はさっそく秘密の家を購入している。
56 グギョン、権力のとりこになったか
逮捕されたジュシクが護送中に、とんずらした。彼をかくまっているのは、大妃とソクチュだ。弱みにつけこんで仲間に引きずり込むつもりらしい。
ホン・グギョンは、テウじいさんの前で、そっくり返って書類を読むなど、最近、どうも態度がえらそうになってきている。さらに祭儀のとき、血のり爆弾を使って、妹の死産を派手に演出。御医を脅して、嘘の診断を書かせてあるから対策もバッチシだ。その罪をウォンビンに薬を贈ったサンの妻になすりつけるつもりらしい。
そうとも知らずサンは、ウォンビンの心に傷を負わせてしまってすまないとグギョンに謝り、グギョンの罪悪感を刺激した。
57 絵師ウムダム、絵のマニュアル本だけ残して、もう降板
サンは、一度は御医の言葉に惑わされてサンの妻を疑ったものの、陰謀に違いないと考え直した。サンの表情が暗いのは、恐らくグギョンの関与が頭をかすめたのだろう。
危険を察知したグギョンは、またもやゴロツキを雇い、御医を監禁。ところがそのゴロツキがついでにテスの上司、めっぽう強いジャンボに瀕死の重傷を負わせるなど余計なことをし、事態を悪くさせた。
翌日、グギョンは、すれ違いざまにテウじいさんに、「力を手にした者は変らずにはいられない・・・」と意味ありげな言葉を吐かれ、さらにサンの妻や大妃にも、ウォンビンの妊娠疑惑の真相に勘付かれるなど、心理状態がギリギリのところにきている。
58 グギョン、猛烈に反省する
グギョンの妹が、ついに自白した。しかし実家から取り寄せた薬のせいで流産したことになっており、想像妊娠というのは隠したままだ。それに事件に巻き込まれた御医がとつぜん自害するなど、どうもすっきりしない。
こんな感じでサンも、グギョンを見る自分の目に自信が持てなくなったようだ。しかし全てを水に流してもう一度だけ、チャンスを与えることにした。あとはグギョンが目を覚ましてくれることを祈るばかりだ。
ソンヨンに近づく新顔の男が現れた。最初はシルエットのみで、いかにも怪しげだったが、しばらくすると、道案内を買ってでるなど、案外親切な若い男だとわかった。しかしどうもコソコソ何かを企んでいるようなフシがある。
サンは民の声を聞くため、久しぶりにお忍びで町に出た。ところがとつぜん通りの窓からにゅっと銃が突き出し、サンを狙った。幸い無事だったものの、翌日、事件を小耳に挟んだテウじいさんは、もしや自分達が疑われるのではないかと不安を口にした。
59 グギョンの妹が寂しく死ぬ
グギョンの妹が病気になった。でもサンは、朝だと気づかないほど仕事に没頭して見舞いどころじゃない感じだ。グギョンの方も、すっかり狙撃事件の調査に気を取られている。さらにサンの妻もサンの母さんに行くなと言われて、見舞いを断念。
サンがようやく側室の部屋に顔を出したのは、すでにウォンビンが息をひきとった後だった。サンを憎むわけにはいかないためか、妹を失ったグギョンの恨みは全てサンの妻へと向かった。
ソンヨンを尾行していた謎の男は、ソンヨンの生き別れの弟ウクと判明。役人がこっちへ歩いてくると、急にコソコソと下を向いたり、秘密の会合に出席したりして相変わらず怪しい。その一方ではソンヨンのことを思って実の弟であることを隠すなど、心優しい素朴な青年の姿もちらちらと見せている。
グギョンは、王様を狙撃したとみられる容疑者らのアジトを襲撃。一味のメンバーであるウクは現在逃走中だ。
60 ソンヨン、実の弟をかくまいオリへ
グギョンは、サンに内緒でちょくちょく大妃に会うようになった。仲間に加わったわけではないけど、随分と目をかけられているようだ。ゆくゆくはグギョンを老論派のトップの座に据えようと考えているらしい。
グギョンが突然、王様の弟の子を、ウォンビンの養子に迎えたいとサンに申し出た。ウォンビンがあまりにふびんというのを口実にしているが、もしもサンにこのまま子供ができなければ、その子は未来の王世子様だ。
グギョンに捕らえられた人々は、天主教の信者と判明した。しかし銃を扱うやつらにしては、抵抗もせずに捕まったのは変じゃないかと、サンは首を傾げている。特にリーダーのじいさんなどは、私財を投げうってまで貧しい民に施しをし、皆からヤン様と慕わる立派なお方だ。
ソンヨンは追っ手に追われて怪我をしたウクを介抱した。その男が実の弟であることを知ったのも束の間、ウクをかくまった罪でグギョンに逮捕されてしまった。
61 サン、ソンヨンを追っかけプロポーズ
サンは銃の出所を調べるようグギョンに指示した。真犯人は天主教の人々ではないと考えたようだ。その予想通り、銃は海賊達のものと判明。ところが海賊と銃の取引をした重要参考人が、毒をあおって死亡し、事件の真相は闇に包まれた。
サンはグギョンを信頼し、ウォンビンの養子の件を快く承諾した。でも最近のグギョンは、サンに届いた文書を部署でせきとめて、コソコソと先に目を通すなど、サンが知ったらがっかりするようなことばかりしている。
サンの母さんの命令で、サンの妻が新しい側室選びをはじめた。ウォンビンが死んでからまだそう時間が経っていないのにと、グギョンに恨まれているのが心配だ。
釈放されたソンヨンは、ウクと都を旅立っていった。それを知ったサンは、はるばる田舎まで追っかけて行き、ついにプロポーズをした。
62 サンとソンヨンがめでたく結婚
ソンヨンを宮殿に連れ帰ったサンは、そのまま2人で寝室へこもった。既成事実を作って母さんを降参させる作戦らしい。でもソンヨンだけを寝室に残して、読書堂で夜を明かしたというのが真相のようだ。母さんは渋々、2人の結婚を黙認し、その代わり側室選びに闘志を燃やした。
サンは、専売商人の特権を廃止し、誰でも商売が出来る政策を始動した。実現には、サンの王座が揺らぐほどの厳しい戦いが予想される。
グギョン、ソクチュ、大妃の会合がこのところすっかりお馴染みの場面となった。老論派トップのテウじいさんは、グギョンとソクチュがヒソヒソ話をしているのを目撃し、警戒中だ。
サンとソンヨンの結婚式は無事行われ、ソンヨンの姿が図画署の制服からお姫様へと変貌をとげた。
63 グギョン、テウじいを逮捕する
側室になったソンヨンは、挨拶に行ってもサンの母さんに追い返されるなど、まだ状況は厳しい。母さんのお誕生日会にも、ソンヨンだけ出席を拒否される始末だ。
サンは、誰もが商売のできる政策を開始。これに猛反対した専売商人が、取引をとりやめ、物価が急上昇する騒ぎとなった。
このところ大妃は鋭い助言やニセ情報をも流しながら、グギョンを上手く操っている。そしてついに目の上のたんこぶだったテウじいを、まんまと逮捕させることにも成功した。これにはさすがのテウじいも、鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。さらに大妃は、「燃え上がる野心を抑えきれなくなるだろう」と未来のグギョン像について、こう予言している。
その証拠に大妃の息のかかった重臣達が、こぞってウォンビンの養子を王世子に推薦しはじめた。グギョンの大胆な野望を目の当たりにしたサンは、裏切られたような顔だ。
64 グギョン、サンに内緒で専売商人を監禁
サンは権力を振り回すようになったグギョンを見て、とても残念がっている。テウじいさんが捕まった話も寝耳に水だ。しかしグギョンをしばらく見守ることにし、証拠不十分としてテウじいさんの釈放を命じた。
しかしそれが返って、お手柄を狙うグギョンのお尻に火をつけたのか、今度はせっかくサンとの歩みよりを模索しようとしていた専売商人を監禁する始末だ。
そんなこととは露知らず、専売商人や民たちの声を聞こうと出かけたサンは、またしても、かんこ鳥の鳴いた市場に、あっけにとられた。「すべてはグギョンが原因です!」というテウじいさんの証言通り、専売商人を拷問した現場も発見された。
サンに叱られたにも関わらず、グギョンは「王世子の擁立を急ぐのです!」とますます血迷ったことを言いだし、裏では大妃の協力まで取りつけた。とことん利用して用済みになれば手を切ればよいと大妃や大臣が、ほくそ笑んでいることには全く気付いていない。
65 グギョン、サンの妻暗殺計画
サンの考えた新しい人事が発表された。テウやソクチュなど大物大臣らが華々しい昇進をとげた中、グギョンは左遷となった。再出発の時間を与えてやろうとのサンの心配りらしい。痛い目に会ってようやく目が覚めたのか、グギョンは大妃と縁を切ることにした。しかしそれを告げるために最後に大妃と密会したのが、サンの妻、大妃にバレた。
もし密会の件をサンに内緒にしておいてくれたら、本気で再出発するつもりだったのに、「もう手遅れです!」と大妃に通告され、グギョンは、いよいよ崖っぷちへと追い詰められた。
グギョンが何やら怪しい男から毒薬を入手し、射撃兵まで揃えている。どうやら大妃を始末する気のようだ。しかし当日になると、やはり後ろめたくなり、大慌てで計画の中止を部下に伝えた。ちょうどその頃、大妃に出したはずのソバを、サンが美味しそうに口元へ運んだ。
66 グギョン、ついに牢屋へ
サンはそのままスープを飲み、ついでに麺もチュルチュルと堪能した。毒はまだ入れてなかったようだ。全速力で射撃兵に計画の中止を伝えに行ったグギョンは、「間に合って良かった・・・」と心底ホッとした表情を見せた。ところが毒を持たせていた女が兵士に追いかけられ、そのまま毒を飲み自害。大妃暗殺計画の発覚と共に、捜査線上にグギョンの顔が浮上した。
最後まで信じて疑わなかったサンも、目の前でグギョンに、「私がやりました」と自供されては、現実を受け入れるしかない。しかしあまりの激しいショックに、しばらくは部屋にこもった。大妃と古ダヌキは、グギョンに道連れにされるのを懸念し、ずる賢く息を潜めている。
拷問を受け、白い着物でオリに横たわったグギョンは、「よく見ておけ。権力を欲した者のなれの果てを」という今は亡きフギョムの声を思い出した。これからグギョンの処分をテウじいさんが自信たっぷりに読み上げるところだ。
67 発明が得意な若い男が登場
とつぜんテウじいさんが、判決を読み上げるのを拒否した。てっきり死刑だと思っていたのに、流刑なのが気に食わないようだ。グギョンが暗殺を中止にした点をサンが憂慮したらしい。
サンの恨みはグギョンより、むしろグギョンを裏で操った大妃に向けられた。「先代王の遺言を預かっています!」と、もったいぶった言葉を吐き、大妃を不安にさせている。
サンの母さんは、ソンヨンの対抗馬に新しい側室を用意した。すでに高い教養を身につけている高貴な出だ。しかし肝心のサンは、ソンヨンの部屋に足繁く通い、高貴な方には寄り付く気配なしだ。
グギョンは島で釣り糸を垂れて寂しく暮らしている。すっかりやつれ果て、「ゴホーッゴホーッ」と咳までしているが大丈夫か。
生徒の試験を実施したサンは、その中に飛びぬけて優秀な答案を見つけた。名無しのごんべえで男の正体はわからないものの、そこに書かれた人身売買の情報は、かなり信頼できるものだった。さっそく人身売買のアジトにお忍び調査に向かったサンの前に、うろうろしている若い男が現れた。男が手作りしたと思われる珍しい双眼鏡を目にしたサンは、ジャイアンみたいに無理やり双眼鏡をもぎ取り、その素晴らしい性能に夢中になった。
68 グギョン、再び釣り人になる。降板へ
若い男は、サンが王様だと身分を明かしても信じようとせず、馴れ馴れしい口をきき続けた。しまいには王様ごっこをしてる場合ではないと、自分だけさっさと立ち去る始末だ。しかしサンは、「初めて会ったときのグギョンに似ている・・・」と、この男に目をつけ調査を開始した。優秀なのに、型破りの答えを書いて科挙に何度も落第。授業をさぼってばかりの理由は、貧しい民に嘆願書を書いてやるため。これまで起こした訴訟は負けなし。例の名無しのごんべえの答案は、その男の筆跡のものと一致・・・などなど出てくる情報は魅力的だ。
サンは自ら科挙の採点をし、若い男を主席合格させた。男の名前はヤギョンという。王様と合格者の初体面の席に、サンがジャーンと現れると、ヤギョンは案の定、しまったという顔になった。
グギョンは、釣った魚をまな板にのせたまま倒れているところをテスに発見された。息を引き取ったのは、サンが小屋に駆けつけてまもなくのことだ。
ソンヨンは宮中クイズに参加。庶民出身だから何も答えられないという予想を跳ねのけ、高貴な出身の側室より、よほど詳しい解答をして賢さを見せつけた。
69 第2のグギョンはヤギョン
サンとヤギョンは、朝になるのも忘れて白熱した議論を楽しんだ。サンはヤギョンの博識ぶりにすっかり感心したようだ。グギョンを失った心の隙間を埋めてくれることだろう。何となく名前もグギョンとヤギョンで似ている気もする。
ヤギョンは暇な部署にわざと志願して、せっせと大臣達に提案書を書きはじめた。テウたち大物大臣達は迷惑顔だ。古ダヌキのソクチュは「新たなグギョンが現れましたな・・・」と大妃にぼやいたが、大妃は、亡き王様がサンに与えた謎の遺言を推理するのに忙しく、ヤギョンへの関心は薄い。
サンは人身売買のアジトを襲撃させ、清の商人らを逮捕した。しかし清の大使は商人らの釈放を強く要求。外交に嫌なムードが漂いはじめた。
70 ソンヨン妊娠
サンは、清がごねる背景には何か狙いがあるのではと考えた。その証拠に朝鮮を侵略しようと、すでに清の軍が待機していることが判明。清国内で内乱が起きたため、民の目を他へそらし、ついでに景気対策も、もくろんだようだ。サンは朝鮮人参の貿易自由化を清に持ちかけ、事態を収拾した。
サンが、一度に数千人を漢江に渡らせる方法を考えろとヤギョンにおかしな宿題を出した。その裏に隠されたサンの企みは、まだベールに包まれている。2千人の兵を追加する科挙の募集も開始。しかし以前、不思議なじいさんの小屋をメラメラと燃やして逃走したジュシクが、山中で男達を訓練し、科挙を受けさせようと企んでいるのが気がかりだ。
ソンヨンが妊娠した。身分が低い出身ながら、ソンヨンの優秀さに薄々気づきはじめていたサンの母さんは、ついに「ソンヨンに正三品の位を与えます!」と嫁として認める宣言をした。
71 ソンヨンとライバルの側室が同じ日に産気づく
ソンヨンだけかと思ったら、新しい側室の和嬪まで妊娠していたようだ。サンの母さんは、和嬪の世話ばかりせっせと焼き、貴重な薬の使用もソンヨンは後回しされた。母さんの狙いはもちろん王子の誕生…。出産係のおばさんの見立てでは、すでに和嬪には王子誕生の当確まで出ている。それに比べてソンヨンときたら、女児が産まれる噂が広がって、重い雰囲気だ。2人は陣痛まで同じ日になり、競うように出産した。ところがソンヨンは王子、和嬪の赤ん坊は姫という驚きの結果が出た。するとどうしたことかサンの母さんが、和嬪を放ったらかしにして、すぐさまソンヨンの見舞いに駆けつけ、赤ん坊を抱いて大喜びした。
サンの秘密の計画がベールを脱いだ。父さんの墓を他の場所に移すつもりだ。父さんを死に追いやった大妃や重臣達にとっては、サンの計画が不気味でならない。いよいよサンの仕返しが始まったんじゃないかと心理的に追い詰められている様子だ。大妃は早速こんなときのためにと、こっそり借りておいた屋敷に重臣らを招集し、久しぶりに秘密の会合を開いた。
72 サン、じいちゃんの遺言を忍者に狙われる
ソンヨンの息子は幼稚園くらいになった。暗記力抜群、筆使いも大人顔負け、鳥や女官に優しいなど、サンも舌を巻く文句なしの子供だ。
サンは密かに副都心を作ることにした。しかし都で甘い汁を吸っていた重臣達にとっては計画は死活問題…。大妃は「例の者たちを宮殿に送り込むように…」と何やらヒソヒソとある命令を出した。
その晩、宮殿の屋根に忍者の頭が一列に並んだ。そして宮殿を守るはずの護衛が忍者の案内役をした。逃亡犯ジュシクが育てた兵が、科挙に合格し、紛れ込んだのだろう。
忍者は部屋の中を荒らし逃走。連中の探し物とは、どうやら王様の遺言のようだ。幸いサンが玉手箱に隠していたので無事だった。
警戒したサンは、幼い息子を早くも王世子に任命した。大妃や重臣たちにとって、首を余計に絞められる結果となった。
73 ソンヨン、重病になる
ソンヨンの子供が突然、病死したらしく、思い出の回想シーンが流れた。不幸はそれだけでは終わらなかった。ソンヨン自身も体に異変を感じ、こっそり町医者を部屋に呼び寄せた。その際、前もって自分で医学書を調べ、病名をずばり言い当て、医者を驚かせた。病名は肝硬変…。しかも手遅れ。妊娠中の身なので薬も飲めない。診断では出産まで持つか微妙なところだという。ソンヨンはサンに病気を隠してお産をするため、宮中を離れることにした。ところがテスがサンに告げ口したたまえ、早々に宮殿に連れ戻されてしまった。サンはあらゆる手を尽くし、ソンヨンの病を治すつもりだった。
74 サン、新しい都を建設中
サンは西洋医学の医者を清から連れて来いとテスを遣いに出した。名医を都に連れ帰ることには、せっかく成功したのに、宮殿まであとちょっとというとき、ソンヨンが亡くなってしまった。ソンヨンの最期をみとったサンは、次のシーンになると、普段通りせっせと仕事に励んだ。千人が川を渡れる方法を思いついたヤギョンは、今度は工事用クレーンの発明に着手。
重臣たちは都の建設をサンの宣戦布告とみて反発した。それに対し、サンの口調も「何か問題あるか」と挑発的になった。大妃は「生死をかけた最後の戦いになるだろう」と吐き捨て、また例の秘密会議をひらいた。メンバーの顔ぶれの中には、あの指名手配中の逃亡犯ジュシクもいた…
しかしサンはすでに大妃らの不審な動きには気づいているようだ。彼らがもっと大きな尻尾を出すのを待つつもりだ。
75 父さんの墓と城が完成
ヤギョンは、糸車みたいなクレーンを発明し、驚異的な速さで城を完成させた。父さんの墓の移築も終わり、いよいよ墓参りを兼ねた大規模な視察の日がやって来た。しかしこのところのサンの大胆な動きに、重臣らの顔色は曇った。今度こそサンを殺す気満々だ。実行犯のリーダーは逃亡犯ジュシク…。サンが護衛といったん離れて、寺を訪問した隙を狙うつもりだ。ところがどうしたのだろう。いざフタを開けてみると、寺で襲った途端、逆にお縄となってしまった。どうやら尻尾を出すのを待っていたサンの罠に、まんまとはめられたようだ。
背後でジュシクの成り行きを見守っていた重臣達は、またコソコソ会議を開き、仕方なく今度は軍の大規模な夜間訓練のとき、サンを暗殺することにした。上手い具合に訓練のメーンイベントで、会場の明かりが一斉に消えて真っ暗になる。
当日、予定通り明かりが消えると、長い刀を持った忍者達が、さっそく城壁の上をゴキブリみたいにゾロゾロ小走りし、訓練の様子を眺めているサンに近づいていった。
76 サン、最後の決戦
テスらの活躍で忍者は捕らえられ、ついに大物大臣ソクチュが処刑された。先代王の中殿は証拠不十分で極刑を免れたものの、またもや軟禁生活に逆戻り。悔しさを噛みしめた。
でも老論派の生き残りとして、いつの日かまた不死鳥のように蘇る気満々なので油断はならない…
ヤギョンは地方を覆面パトロールし、私腹を肥やす悪い役人を退治する係になった。テスも二品の大将に昇進した。
サンも貯水池工事を計画するなど、相変わらずせっせと働き、全ては順調のように見えた。
でもどうしたのだろう。このところ目がかすんで、足元までふらつく。サンは何やら運命を予言するかのように意味ありげに、ほくそ笑んだ。
77(最終回) ソンヨン再登場
あれから何年経ったのか、サンにいつのまにか11歳くらいの息子ができた。光の加減でサンのヒゲにもチラチラ白いのまで見える。ソンヨンの立派なお墓も完成したようだ。
サンは、はり切って市場へ視察に出掛けた。でもどうしたことか、市場は閑古鳥が鳴いていた。不景気がかなり深刻らしい。
体調は悪化しているというのに、サンは銅に代わる安い原料で新しい硬貨を作る作業に夢中だ。でも休むどころか、夜なべで仕事に励む始末だ。ついには高熱で意識を失い、命が危ぶまれるところまでいったが、なぜかソンヨンの幻が煎じ薬を持って枕元に現れ、奇跡的に意識を回復。するとやつれ果てながらも、もうデスクに向かって仕事をはじめた。
しかし次のシーンになると、幼い息子が王なって、サンの思い出話を披露。ということは、やはり間もなく亡くなったのだろう…。最後は懐かしい図画署の制服姿に戻ったソンヨンとサンが、楽しそうに手をつないで向こうの方へ走って行った。
2009/4/11最終更新
サンは王様の孫で11歳。友達は今のところテスとソンヨンの2人だけのようだ。周りに腹黒い大人ばかりいるので仕方がないのだろう。ソンヨンの父さんは腕のいい絵描きだったが亡くなっている。赤ん坊を背負って子守や洗濯などをしていることから、生活は貧しいとみた。サンのじいさん(王様)は、仕事熱心だが凍りのような男。その証拠にサンの父さんを米びつに閉じ込めてもう7日にもなる。サンは父さんに、飾り箱に入ってる俺の絵を王様に見せれば誤解は解けると頼まれたものの、父さんの部屋は立ち入り禁止になっている。しかし自分の部屋で途方に暮れるサンの背後に見える飾り箱に、やけにさっきからカメラがクローズアップしているので、たぶんそこに父さんの絵があるのだろう。
2 じいさんをたずねて3千里
やはりサンの部屋の飾り箱に父さんの絵は入っていた。しかしその絵は、山道に立つ男が2人と、悩ましい女が1人描かれているだけのように見える。サンはさっそく宮中を抜け出し、視察の旅に出た王様のあとを追った。慣れない町を道案内してくれたのはソンヨンだ。しずかちゃんの入浴シーンに遭遇したのび太みたいに、サンがソンヨンの着替えを見てしまうという、ちょっと色っぽいシーンも登場したものの、この旅で2人の友情は深まったようだ。
3 米びつ父さんの死
王様には会えたものの、絵を見て貰う前に、父さんが死んでしまった。立派な聖君になって欲しいというのが父さんの遺言。サンは一生懸命勉強や武道に励んだが、なかなかじいさんの満足を得られる域には達していない。家族には冷たいが、こう見えてもじいさんは、民を思いやる政治を実行している名君らしい。しかしそのじいさんのおめがねに叶った優秀な子供がいた。難しい書物をスラスラと暗唱するフギョムという児童だ。しかしサンの方も、貧しい子供達を助けた行いがじいさんの耳に入り、じいさんの心の中ではポイントアップしている。
4 庭の穴から大量の銃を発見
サンの父さんに、王様に内緒で武器を集めていた疑惑が浮上した。このネタをでっちあげたのは、密室でしょっちゅうコソコソ会議を開いているワルづらの重臣達だ。サンの部屋の庭に、大量の銃を埋めたのも彼ららしい。ところが銃に刻印してある製造年月日が、サンの父さんが死んだ後の日付になっていたというのは、なんともお粗末な失態。そのおかげでサンは、父さんに加担したという疑惑から逃れることができた。
ソンヨンとテスは、銃の密造現場を目撃したり、サンと親密だったりして、ワルいやつらに追いかけられるはめになり、ついにサンに挨拶も出来ないまま都を去っていった。
5 サン、王様に大事な接待をまかされる
サンは大人になった。しかし刺客が寝室に忍び込んできたりして、おちおち寝てもいられない。しかも刺客に襲われた話をしても誰も信じてくれず、逆に「頭がおかしいのでは?」と噂を広げられる始末だ。ソンヨンは1年前に都に戻り、絵で記録する部署の下働きになった。チャングムに意地悪していたのと同じ女官にこきつきわれ、川へ洗濯に行かされた隙に、サンが調査のため絵の部署を訪問し、再会のチャンスを逃している。
サンはじいちゃんに命令され、清の使節団の接待係に大抜擢された。その一方で自分を殺そうとした黒幕を密かに捜索中だ。
6 サンの接待、大失敗か
ソンヨンは下働きながらも絵が認められ、絵師の助手として宮中に出張することになった。認められた絵とは、サンとの旅の思い出のひとこまを何気に描いたやつだ。清の使節団の接待の席にはサンもいたものの、まさか助手の女がソンヨンだとは気づいてないようだ。しかも絵画に目がないという清のおえらい男が、ソンヨンにも目をつけ、鼻の下を伸ばしてわがままを言い始めた。サンの家臣がご機嫌を取ろうと、さっそくソンヨンを献上しようとしたところ、サンが止めに入って、大事な接待の場が凍りつく事態となった。
さらに使節団への貢物が、何者かにごっそり盗まれる事件まで起こり、サンの責任問題は大きくなるばかり。刺客事件の調査の方も、黒幕を知る男が川で変死体となって発見され、行き詰っている。
7 白布事件
接待の席はサンのせいでシラけたものとなった。しかしソンヨンは、清のおえらいの目の前で世にも珍しい麒麟を描いて見せ、絵の腕前だけでなく、麒麟のこともちゃんと知っているぞという博学ぶりを見せつけた。そればかりか清への貢物にするはずだった白布の件も、ソンヨンが布を白く染めることを思いついて、サンのピンチを救っている。
サンの苦戦に王様は、清への留学経験があるフギョムというエリート男を派遣。いつも顔に余裕を浮かべている甘いマスクの男だ。しかし白布を見事揃えて、してやったりの顔をしていたサンを見たときばかりは、その男の表情にも一瞬、影が浮かんだ。
サンに何気に妻がいることが発覚した。でもどうも妻の体調はあまり思わしくないようだ。
8 ソンヨン誘拐される
サンは図画署のリーダーみたいな男に、一枚の紙切れを見せられた。怪我をした女児の腕に、豪華な帯を巻きつけている男児が描かれている。サンはようやく接待の席にいた女が、ソンヨンだったと気づいたようだ。その後、ソンヨンが住んでいる小屋にすっ飛んで行ったが、ソンヨンの姿はなかった。テスの話によると、白布を盗んだやつらに誘拐されてしまったらしい。サンはそのゴロツキ達をすぐに逮捕したものの、ソンヨンの行方はわからずじまいだ。
その頃、白布事件の黒幕をのせた金のみこしが、秘密の建物の前でとまった。建物の中では、王様の重臣やフギョムの他、サンの大叔父などのメンバーが勢ぞろいし、首を長くして一番の大物の到着を待っていた。金のみこしから出てきたその大物とは、なんと親切そうにサンの妻の病状を気遣っていた王様の正室、中殿だ。
9 サン、ついにソンヨンと再会
前回捕まえたゴロツキ達が護送中に行方をくらました。護送しろと通達した覚えはサンには全然なかったのに、不思議なことにサンの印鑑や、筆跡に瓜二つの証拠書類が出てきた。さっそく図画署で筆跡鑑定が行われたものの、その鑑定を担当したナマズみたいなヒゲを生やした男からして、どうもうさん臭い。模写にかけては図画署一というから、サンの筆跡を真似るのくらい、お手のものだろう。それに王様からこの件の調査を任されたサンの大叔父も、中殿の仲間なのでまずい。
一方、ソンヨンは無事に救出され、サンと感動の再会を果たした。
10 サンの護衛部隊、まるでやる気なし
王様が試しにゆでイモの印鑑を作り、偽造が可能だということを重臣らに見せ付けた。ニセ物は、1ヶ月もしたら印が変色するため、真相が明らかになるのは時間の問題だ。
そのあと何やら中殿やフギョムらがコソコソ会議を開いていたところをみると、イモでサンの印鑑を偽造した覚えがズバリあるのだろう。また何か新しい手を思いついたらしく、暗号を記した大事な手紙を使いの男に持たせたものの、試験問題をカンニングしようと男の荷物を探ったテスに盗み見られるという痛恨のミスを犯している。
サンは、護衛が頼りないのはお前の過失だと王様に叱られた。そこで護衛部隊のスパルタ訓練を開始。ところが誰かの陰謀か、護衛の宿舎が火事となり、やむなく中止となった。しかし今までダラダラしていた護衛達の中には、サンの熱意の伝わったやつらも、ぼちぼち出始めている。
11 元護衛隊長のじいさん、墓参りに行っていきなり逮捕される
ホン・グギョンという注目の人物が登場した。出世に恵まれず、世捨て人のような雰囲気を漂わせてはいるが、頭がかなりいいらしく、サンの味方にもってこいだ。「あの落ち着いた態度はただ者とは思えない」と、フギョムまで目をつけ、仲間に入れようと企んでいるようなのだが、卑怯な世界には入りそうにない人柄のようだ。
そんななか、宮殿に忍び込んだ刺客によって、火薬が爆発する騒ぎが起こった。おかしなことに犯人は、王世子の墓の地名を臭わせる暗号を、これみよがしに残し、王様の心の傷を刺激した。おかげで王様は神経過敏となり、たまたま王世子の墓参りをしに来た元護衛隊長のじいさん達を、逆賊として逮捕。実はこのじいさん、幼いサンを肩に乗せて庭を散歩したほどの人物らしい。王様はそんなじいさん達の取調べにサンを指名したが、フギョムは気弱な性格なサンには、まず何も出来やしないだろうとみている。
12 サン、黒幕の調査を開始
驚いたことに、サンは王様の前で、なんとじいさん達の無実を宣言。それなら証拠を見せてみろと言われたため、調査も開始した。しかし事件の裏側について知っていると思われたナマズヒゲの画員が、肝心なところで血痕を残して失踪。そのナマズヒゲの家の前で水草を拾ったサンは、火薬事件のときの刺客の死体の靴にも、同じのがついていたことを思い出し、やつらのアジトが沼の近くにあると推理した。さらにホン・グギョンは、王世子の墓を思わせる例の暗号を書いた屋敷の主人が、大量の食料を買い込んでいるとの情報をテスから入手。謎の黒幕が密かに私兵を育てているためと考えた。その黒幕である中殿が、このたび重臣達との秘密会議の席で、「サンは我々が殺した王世子の息子!」と驚くべき発言を披露。しかもこれからまだサンを殺す計画まであるらしい。
13 サン、父さんの護衛隊長のぬれぎぬを晴らす
サンは、墓参りに行ったじいさん達のアリバイを証明することに成功した。どうやら仲間達と謀反を計画したとされる日には、じいさんは王様の宴会に出席していたらしい。そのときの宴会の模様を描いた写本を発見するというお手柄を立てたのはまたしてもソンヨンだ。じいさんの似顔絵の横に、名前がばっちり添えてあったので間違いはない。
さらにサンは、ハン・ジュノという男が私兵を育てているというのをテスから聞きつけ、山のアジトに突撃した。ところがどうやら先に嗅ぎ付けたらしく、行ったときには私兵訓練所は、跡形もなくさっぱり消えていた。しかしサンはその後もハン・ジュノの動きを監視し、やつの一味にサンの叔母、ファワンがいることを突き止めた。
14 王様ショック! 娘が黒幕の一味
ハン・ジュノは逮捕され、黒幕の名前を自白する前に牢獄で自害。前の晩、黒っぽい布切れをほっかむりした中殿が、こそこそ牢獄に足を運び圧力をかけようだ。ファワンも証拠がないのをいいことに、謀反を否認したままだ。
フギョムはホン・グギョンを仲間に入れることに失敗。それどころか、サンの味方につくことを、グギョンに面と向かってほのめかされる始末だ。
テスとソンヨンは前回お手柄をたてたため、宮中へ招待された。ほとぼりが冷めるとテスは訓練場の見学に行ってしまい、サンとソンヨンの2人きりになるチャンスが訪れた。さっそく「見せたいものがある」とソンヨンを書庫に誘い出したサンは、熱心に画集を見せつつ、何気に手まで握りしめたりしていたが、その現場をなんとサンの妻に目撃されている。
15 フギョム、ソンヨンに近づく
ホン・グギョンは、テスに武官の学科試験の講義をした。しかしさすがのグギョンでさえ「筋金入りのバカだな」と苦戦。やもえずテストの山をはることにした。それが見事大当りしたにも関わらず、肝心のテスが山をよく覚えておらず落第となった。しかしグギョンが、不正受験したやつらを告発するという機転を働かせ、テスが繰上げ合格している。
ソンヨンがサンに縁が深いというところに目をつけたフギョムは、ソンヨンを監視するようになった。親切そうに近づき、画集の売り場を教えてやったりしていたが、その現場をサンの妻のおつきの女が目撃し、ソンヨンとフギョムが密会しているらしいとサンの妻に報告した。
サンは母さんに、早く孫を作れと急かされている。それで久々に妻の御殿を訪れたものの、その姿をソンヨンに見られると、なぜか急に気まずい顔になり、またソンヨンに見とれたままなかなか妻の部屋の中に入ろうとしないなど、気になる兆候が見られた。
16 フギョム、サンの暗殺を実行
テスを合格させた代わりに、晴れてサンの右腕に昇格したホン・グギョンが、なぜか急にフギョムの家の隣に引っ越してきた。この不気味な行動に、さすがのクールなフギョムも戸惑いを隠しきれない。
そのフギョムは、いよいよサンの暗殺を任され、最高の射撃手を揃えた。実行は王様とサンの旅の道中にすることにした。狙撃に最も適したポイントを地図から割り出し、準備万端だ。
ところがホン・グギョンが事前にこの計画を予測。厳重な警備のもと、王様一行は、何事もなく目的地にたどり着いた。
その旅の途中、疫病の村に出くわした王様は、サン達が止めるのも聞かずに、民の様子を見ようと村に乗り込んだ。そして翌日、急に具合が悪くなり王様自身が倒れてしまった。
17 フギョム、サンの暗殺にまたしても失敗
疫病で倒れた王様が、サンに王の代理を任せたと知ったフギョムらは、サンを宮中に帰らせてなるものかと、懲りずにまた暗殺を計画した。
しかしホン・グギョンがまたしても、これを予期。サンに変装したテスをおとりに使い、その隙にサンをまんまと都へ戻らせることに成功した。作戦の失敗を知ったフギョムは、ホン・グギョンを消しておけば良かったと、かなり悔しそうな顔だ。
テスは重症を負ったものの、ほぼ回復。でも疫病の村で、サンがソンヨンの手を握りしめているところを目撃してしまった心の痛手の方が心配だ。
サンはさっそく疫病の村に宮中の医者を派遣することに決めた。中殿は王様の医者を勝手に使うなと猛反発したものの、「私の言うことは王命とお考え下さい!」とサンに強気に出られ、鼻息を荒くさせた。
18 重病の王様、サンの政治の才能を認める
動かしてはならないほどの重病人の王様を、無理やりコシに乗せ、中殿が疫病の村から宮中に戻らせた。何が何でもサンに政権を取られたくないようだ。王様の娘ファワンも独自ルートで疫病に効きそうな薬を民間から入手。しかしサンがその薬の使用を、いまいち信頼できないとして禁止すると、そのあと宮中に、王様が亡くなるのをサンが待ち望んでいるとか、王になりたくてうずうずしているという噂が流れはじめた。さらによりによってこんな時期に、グギョンが同志達を集め、朝廷を一新するテーマの勉強会を開いたことが発覚。サンの噂に真実味が増した。
これ以上、噂が広がるのを防ぐため、グギョンが薬の使用と許可するようサンを説得。ついに王様がファワンの薬を服用した。
19 王様、奇跡の回復
王様は見事回復。私兵養成の件で肩身を狭くしていたファワンは堂々と宮中に返り咲いた。
ところが、まだ本調子でないのを理由に王様がサンに政権続投を命じ、周囲を驚かせた。どうやらサンの実力を試すつもりのようだ。サンは辞退をほのめかしたものの、グギョンは、サンの心の中に実は野心ありと見ている。しかも王座よりもっと大きな野心だという。
サンが政権をとることになると、中殿は密室に例のメンバーを集め、またコソコソ会議を開いた。とりあえず状況を見守りながら、こそくな手を使って何かとサンの政治の邪魔をしていこうという話になっているようだ。
20 ソンヨン、絵の大会出場へ
フタを開けてみると、グギョンの狙い通り、サンはやる気満々だった。あまりの鋭い指摘に、重臣達が言いくるめられるほどだ。中でも目玉の政策は、貧しい商人達を守るというものだ。専売商人からのワイロで私腹を肥やしていた重臣達は、たまったもんじゃないよという顔だ。
宮殿の屏風絵を描く仕事にソンヨンが大抜擢された。下働きの女でも実力があれば画員になるべきというサンの意見に、男達は猛反発している。さらには、サンがやたらソンヨンをかばっているのではという噂まで流れはじめた。
ソンヨンは屏風絵の件を辞退しようとしたものの、師匠から「悔しくはないのかぁーっ。それがお前の本心かぁーっ」と熱い言葉を吐かれ、腕試しの大会に出て実力を見せることになった。ところがフギョムの息のかかった男が、まともな絵が描けないよう顔料を小細工したため、大会当日は、仕方なく墨一色で絵を描いて提出。しかしそれでも20名の男達の中で、5位入賞という快挙を果たした。
21 サンショック! 市場で品物が炎上
ソンヨンの絵の評価が明らかになった。色が塗ってないだけで、見る価値なしとした審査員の点がなければ、1位に選んでもおかしくない出来栄えだったようだ。ソンヨンは画員に昇格し、サンの妻の懐妊祈願の屏風絵を正式に描くことになったが、ソンヨンおつきの女は、「ぞっとしますわ」などと、サンの妻に小言を吐いたりしている。
サンが貧しい商人のために新しい市場を作った。さらに専売商人の不正にも目を光らせている。
中殿はさっそく例の秘密会議を招集。とっておきの秘策があると口にしたのはフギョムだ。今度失敗すればあとがないだけに、それなりの自信があるのだろう。
その直後、専売商人達がなぜか売り物を燃やしはじめた。せっかくサンが作った新しい市場には品物が入らなくなり、かんこ鳥が鳴いている。
22 フギョムの作戦、絶好調
専売商人達が品物を高値で買占め、物価が高騰。さらにサンの政治が悪いというビラまで町に貼り出される始末。中殿は、フギョムの作戦が上手くいっているので、将来を見据え、中殿の兄を都に呼び寄せた。ワイルドなひげを生やした熊みたいなその兄は、まだあどけないサンの弟達に媚を売り、早くも基盤づくりを開始。
フギョムは作戦を最終段階に進め、デモを計画。デモに参加させる民衆達は、金で雇うという汚いやり口だ。この情報を事前に聞きつけたグギョンは、デモがはじまったらすぐ解散させるよう、部署に指令を送ったものの、どうやらその部署自体もフギョムの息がかかっていたらしく、当日はデモを解散させるどころか、わざと流血事件を起こして、大勢の民に死傷者が出るという大惨事に発展している。
見るに見かねた王様は、ついにサンを職からおろした。
23 サン、不思議なじいさんに会う
グギョンは流血事件の責任を取って辞職。服もみすぼらしいものとなり、現在は肥だめ集めの仕事をしている。道端で落ちぶれたグギョンを見かけたフギョムは、たっぷり嫌味を吐いた。以前、グギョンに隣の家に引っ越して来られて困った顔をしていたが、今はその屋敷も売り払ったらしく、内心ホッとしたのだろう。
中殿の兄は、見た目だけでなく性格も野獣と判明。そうとも知らず、いつもの調子で知的な皮肉を吐いたグギョンは、ぶち切れた中殿の兄に、死ぬかと思うくらい平手打ちされ、散々な目にあった。あまりの激しさにフギョムでさえ止めようとしたほどだ。
さらにその男は、フギョム達を能力なしとみなし、俺様こそがサンを灰にしてやるんだと、花火に爆弾を仕掛けはじめた。
中殿は政治を自ら牛耳る気満々だ。フギョムは俺たち、もしかして利用されてるだけなのでは・・・と、だんだん疑惑を抱くようになった。
サンは改革の失敗を反省し、何日も書庫に閉じこもったままだ。しかし民の姿をこの目で見たいと久しぶりに外出した先で、みすぼらしい不思議なじいさんに出会った。百発百中大当たりというそのじいさんの予言によると、サンは今度こそあの世へいくかもしれないという。
24 録画失敗。。
25 中殿の兄、周りに止められながらも、サンの殺害を強行
中殿の兄のサン殺害計画を知り、フギョムは「無鉄砲にもほどがある・・・」と首を左右に振った。サンの大叔父も、「我々の将来をあの男に任せるのは愚の骨頂です!」と雄たけびをあげたほどだ。かつて王様と王世子の仲を悪くさせたのはこの兄らしい。
サンは身分を隠したまま、不思議なじいさんの家に出入りし、下っぱ役人の生の声などを聞いた。その際のサンの偽名は少年時代に使ったのと同じムドク。よほど気に入っているのだろう。
グギョンはサンの殺害計画に勘付き、中殿の兄の動きをマークしはじめた。しかしさらにそれをフギョムが察知。がさつな中殿の兄のミスをフォローして回った。それでも中殿の兄は懲りずに、サン殺害計画を勝手に進め、Xデーを祭儀の日とした。
怪しい動きがあるにも関わらず、サンはその祭儀に出る気満々だ。相変わらず肥だめ集めをしていたグギョンも、「王世孫の意思ならやむをえまい・・・」と諦めモードになった。
26 皆の予想通り、サンの殺害大失敗
兵器工場に火薬の原料が集められているとの噂を聞きつけたグギョンは、肥だめ集めを中止にし、元の役人姿に戻って城に駆けつけた。祭儀のとき、サンの席が、わざわざ花火の近くに変更された理由がやっとわかったようだ。しかし通行証がなくて中に入れて貰えず、まごまごしている間に、花火が点火されてしまった。サンを花火から遠ざけるため、テスがサンのそばの花瓶を狙い撃ちし、鉄砲の音に驚いたサンが席から離れた瞬間、火薬が大爆発した。
サンは命拾いしたものの、サンの弟とファワンは、とんだとばっちりを受け重傷だ。
サンの右腕に復帰したグギョンは、事件の捜査を開始した。しかしフギョムはこの事件の首謀者をサンに仕立て上げる気らしい。まずその手始めに、サンに銃を向けたテスを逮捕した。
27 中殿の兄、グギョンに監禁される
テスは極秘に王様に呼び出され、花火事件の真相を尋ねられた。王様は薄々何か勘付いているようだ。その証拠にそのあとグギョンも呼び出し、事件の調査を進めるためすごい権限を与えた。
グギョンは中殿の兄をさっそく誘拐し、暗い倉庫に閉じ込め取調べを開始。サンに内緒の極秘事項とあって、護衛の2人も忍者みたいな格好だ。野獣のように反抗する中殿の兄は、護衛に思い切り頭をはたかれ、この前グギョンをボコボコにした罰が当たった。
中殿はサンを心配するフリを装いながらも、花火事件の首謀者はサンという噂話を、王様にちらつかせた。しかしどうしたのだろう。いつもなら王様が慌てるところが、やけに落ち着いている。
テスの釈放、中殿の兄の失踪・・・。フギョム達は、嫌な予感を覚えはじめた。そこで自分たちに火の粉が及ばないよう、急に波が引いたみたいに中殿に関わるのをやめにした。
28 テス、黒幕をついに目撃
中殿は兄が失踪しましたと王様に訴えた。しかし王様は、旅にでも出たのだろうと、他人事みたいにのんきにしている。これにはさすがの中殿も、何か勘付かれたのではと、不安になった。
中殿の兄は、「わしを誰だと思っている。天下のキム・ギジュだ!」と、倉庫から出すよう大声を張り上げた。しかし猫が通るような小さい扉から手が出てきて、飯の入ったボウルを差し入れされただけだ。バカにするな! とそのうちジャイアンみたいに大暴れしはじめたが、どうやらこれは、くたびれたら少しは扱いやすくなるだろうというグギョンの狙いだったようだ。
グギョンは同時に、フギョムや重臣達の屋敷の前を、四六時中、ヤリを持った兵士に見張らせた。中殿の兄が、まさかまずいことを自白したんじゃないかと、フギョム達はやきもきした顔だ。しまいには権力を手にしたグギョンに、「これも肥だめを集めたおかげです。フギョム様もお試しあれ」と、仕返しを口にされる始末だ。
急に重臣らが寄り付かなくなったため、しびれを切らした中殿は、ついにほっかむりを被って、フギョムの屋敷を訪ねた。しかしそれをテスに目撃されるという大失態を犯している。
29 王様ショック! 黒幕は優しい中殿
テスが、実は中殿が黒幕なんじゃないかとせっかく助言したのに、サンはきっぱり否定した。でも本当は心の中でモヤモヤが広がっているようだ。
そんななかフギョムの屋敷の家宅捜査が行われた。よほどグギョンのことが憎たらしいのか、いつもは涼しげなフギョムの表情も、悪人丸出しになっている。押収された帳簿からは、イモづる式に大臣達の名前があがってくると予想され、サンの大叔父は、「いわんこっちゃない!」と泣きべそをかいた。
しかしフギョムは、なぜかそのあとグギョンを料亭に招き、「私は黒幕じゃない。虎はいったい誰だろう?」とグギョンに突然クイズを出した。どうやらこの際、中殿をいけにえにして、自分達だけ助かることにしたようだ。
倉庫で疲れ果てた中殿の兄は、いよいよ極秘に王様の目の前に連れて来られた。しかし王様に問い詰められるうちに、ついポロリと口を滑らせ、とうとう花火事件の黒幕が誰かを白状してしまった。
30 王様、ソンヨンを寝室にご指名
兄さんが牢屋に閉じ込められていると知った中殿は、鼻息を荒くして面会に向かった。一体どこまで自白したのか、何が何でも知りたくてならない様子だ。しかし野獣のようだった兄さんは泣いてばかりだ。
そうこうするうち、王様が中殿の処分を発表した。「爆発事件は火薬の扱いによる単純ミス。これにて一件落着!」と驚きの内容だ。王様は極刑を避けた理由について、「中殿に初めて会ったのは、わしが66、あれが15の時じゃった・・・」と、急に昔話をはじめた。政務に没頭するあまり、幼妻をないがしろにした自分を責めているようだ。
ソンヨンは、画員の助手として王様の前にあがった。ところがナイーブなタク画員が、手をガクガクと上下させるばかりで、線さえまともに引けなかっため、見るに見かねてソンヨンが代わりに筆をとった。王様は、そのソンヨンを、やけにまじまじと見つめた。そしてその晩、さっそくソンヨンを寝室に呼んだ。おかげで幼い女がお気に入りとの変な噂がすぐ宮中に流れたが、本当のところは誰か話し相手が欲しかっただけのようだ。心労のせいで体調が思わしくないというのに、王様は無理を重ねて政務に没頭していた。
31 フギョム、王になる?
中殿が落ち目になると、ファワンがついに自らの構想をフギョムに打ち明けた。なんとフギョムを王座にのし上げるつもりらしい。フギョムの方も、驚いた顔をしつつも拒否はしていない。
例の秘密会議は、この度から中殿抜きで行われた。逆に中殿が顔を出すと、重臣達に気まずい顔で目をそらされ、追い返される始末だ。
サンが中殿の軽い処分にショックを受け、宮殿から姿を消した。場末の酒場でヘベレケに酔っ払っているところを、ソンヨンとテスに介抱されている。しかしその模様を何者かに目撃され、サンの妻の耳にも届けられた。
一夜明け、サンは立ち直った。王様でも手に負えなかったという公平な人事改革を進めようと、はりきっている。爆発事件の組織の全貌も解明中で、フギョムや重臣達を、そわそわさせている。
32 サンショック! ソンヨンが清へ留学
ソンヨンは、サンの母さんに突然、清で絵の修行をしてこいと言われた。「思う存分、絵を学べるよう取り計らった」と一見親切そうだが、実はサンから遠ざけようという魂胆が見え見えだ。修行は長くて10年にもなる。
サンの母さんがここまでするのにはワケがあった。どうやらサンの父さんも、ちまたの女を王宮に迎えて、王様の怒りを買った苦い過去があるらしい。
気の毒に思ったサンの妻は、サンにソンヨンの清行きのことを知らせようとしたものの、よりによって、ソンヨンを慰めているサンをちょうど目撃し、それがあまりに親密な仲に見えたことから、口を閉ざしてしまった。そうとも知らず、サンは落ち込んでいるソンヨンを元気づけようと、さらに夜更けに宮殿を抜け出し、お忍びのデートへ繰り出す始末だ。
その次の日、ソンヨンは清に旅立った。使節団のメンバーには、テスの叔父さん、タク画員、チョン画員の他、なぜかフギョムまでいた。
ようやくソンヨンの落ち込んでいた理由を知ったサンは、会議を途中で放り出して、馬をパカパカと全速力で走らせたが、すでに船は去ったあとだった。
33 王様におかしな症状が・・・
サンの母さんが、サンの妻とサンを2人きりにする計画をたてた。子作りが目的らしい。仕事に夢中でそれどころじゃないと、サンが困ったような顔をしても、「ご心配なく! 王様の許しは頂いています」とかなり強引だ。
サンは、ソンヨンを追っ払ったのが実は自分の母さんとも知らず、「ひと言の挨拶もなく清に行くなんてつれない」と首を傾げていた。
王様が、花火事件以来、もう二度と会わないと怒っていた中殿の部屋に、急にいそいそと顔を出した。どうしたのだろう。さらには、「そなたの兄は、旅行にでも行ったのかい?」と、まるで花火事件で流罪にしたのを忘れたみたいなことを言い、物珍しそうにモグモグとのんきに饅頭などを食べる始末だ。翌日には正気に戻ったが、今度は中殿の部屋に昨日自分が行ったことを、きれいさっぱり忘れている・・・
清への旅の途中、フギョムが親切づらして、ソンヨンに近づいてきた。監視が目的にしては、ソンヨンと会話を楽しんだあとのフギョムの顔には、何か余韻に浸ったような、やすらいだ笑みまで浮かんでいた。
サンは、妻と出掛けた静養先の田舎で、謎の毒舌男に会った。「ソドンヨ」に出演していたチャンの兄さんだ。
34 フギョム帰国
中殿は王様の症状について把握するため、病状が一時的に悪化するという料理をスラッカンの女官に作らせた。その麺料理をつるつると美味しそうに召し上がった王様は、深夜、急にむっくり寝床から起き上がり、これから重臣会議に出かけると言って、おつきの男を驚かせた。
サンは久しぶりに宮殿に戻った。どうやら静養先でも仕事のことばかり考えていたようだ。どういう風の吹き回しか、大臣達が急に、「今の朝廷は、よどんだ水です!」とクリーンな政治をかかげ、一方サンも、花火事件になどに関わった黒幕の全貌を解明するのを中止にするなど、サンと大臣がお互いのために、暗黙の取引をした。
ソンヨンは清の絵画学校に入学し、清スタイルのロングヘアーに変わった。フギョムは使節団と一緒に帰国。サンとフギョム、どちらともヒゲづらとなった。
35 サンショック! ソンヨンが瀕死の状態で帰国
帰国してみたらフギョムを取り巻く状況はまるで変わっていた。大臣は楽しそうにサンと立ち話をし、フギョムなどは蚊帳の外だ。さらに流罪になったはずの中殿の兄まで、都に戻ってきている・・・
中殿の兄を都に呼び戻したのは王様だった。王様がおかしくなった時を狙って、中殿がまんまと通達を書かせたのだが、まだ誰もそのことには気づいていない。
しかしサンも、王様の発言には首を傾げはじめていた。昨日終わったばかりの政務報告にまた行くと言ったり、サンに間違いを指摘され、「ん?」と、きょとんとしていたからだ。
テスはサンに頼まれ、清へソンヨンの様子を見に行った。ところが美術学校にはソンヨンの姿はなく、「新しい監督官が追い出したよ」と、投げやりな返事がかえってきただけだ。
ソンヨン行方不明の知らせを受けたサンの妻は、ソンヨンが清に追いやられた経緯を、ようやくサンに告白した。
しかしソンヨンは、道端に倒れているところを発見された。サンへの思いだけで、朝鮮の都まで一人で歩いて帰ってきたらしい。サンはパカパカとテスの家まで馬をすっ飛ばして、瀕死のソンヨンに会いに行った。
36 サンの母さんの思惑逆効果! サンがソンヨンへの愛を自覚
仕事を放り出し、夜なべで看病したサンのおかげで、ソンヨンは回復した。母さんにこの件について問い詰められたサンは、「ソンヨンが愛しい」とついに認め、さらにそれを妻が立ち聞きするという悲劇が起こっている。
フギョムは口が災いして、中殿の兄に頬っぺたを平手打ちされ、さらに殴る蹴るなどの暴行を加えられた。
王様は部下に、王様が通達を書かせてるところを見ましたよと指摘され、さすがに自分でも変だと思ったのか、自ら医者を呼んで診てもらった。
王様の病状を独占中の中殿は、町医者からこのたび、病状が悪化するほど王様は妻を頼るようになるでしょう・・・と予言され、ますます優位に立っている。
37 中殿、王様本人に病名を堂々と告知
直接本人に病状を言うのをためらっていた御医のそばで、中殿が、「王様のご病気は認知症です!」と、きっぱり宣言。さらに、「看病できるのは私だけ! 愛の証!」と強く主張し、病気をこのまま周囲に伏せておくよう勧めた。王様をこのまま一人で操るためだ。
中殿は調子を上げ、秘密会合の席にも返り咲いた。結局また元のサヤに納まったようだ。この前、中殿を追い返した重臣達も、「裏切るなどめっそうもないことです!」と口先を揃えて歓迎。中殿をいち早く見限ったフギョムだけが、わけの分からないうちに窮地に立たされている。
中殿の兄は、フギョムの次には、グギョンに暴行を加えた。倉庫に長い間放ったらかしにされたのを恨んでいたのだろう。暴れん坊なだけでなく、随分とねちっこい。
グギョンが、王様の病名を突き止め、サンに報告した。王様が1日の行動を部下に記録させたり、こそこそ医者を呼んだりしていたことから推理したようだ。
王様は息子の悪夢にうなされていた。夢の中では、王世子の部屋から謀反の証拠品を発見するという新しいシーンも登場している。
目の覚めた王様は、「罪人の息子は罪人! 王世子を父と呼ぶなら、サンは王になる資格なし!」と、急に怒りっぽくなった。
38 サン、やっと王世子の絵の謎を解く気になる
サンは落ち込んでまた書庫にこもった。そこで思い出したのが、幼い頃、これを見せれば誤解が解けるから王様に渡してくれと言われて、父さんに貰った水墨画だ。ようやく絵の謎解きをする気になったらしい。
ソンヨンが調べたところによると、描かれているのは老人と若者と子供と巨大な亀だった。3人が指差している亀のところが、クジみたいにぺらっとめくれるようになっていて、中に王世子直筆の手紙が隠されていた。
その手紙を受け取った王様は、こっそり王世子の墓参りに出かけた。今度こそ王世子の無実に気づいたようだ。ずっと放ったらかしだった墓は、草ボーボーになっていた。
王様は、その後サンを呼び出し、「そなたも25歳か。そろそろいいだろう」と、王位を譲ることを内密に告げた。
39 サン、父さんの絵のもう1つの謎を解く
謎に包まれていた父さんの手紙の内容が、本人出演の豪華VTRで再現された。なんと王様にたてつくどころか、謀反を企んでいた仲間達を必死で止めていたようだ。
サンの譲位の発表があるまで、サン達は反乱に備える準備を進めた。しかしホン・グギョンが柄にもなく緊張した顔をし、兵がやたらに移動していたことから、フギョムが何か勘付いたようだ。
ファワンは、ソンヨンが鍵を握っているに違いないと考え、口を割るまでソンヨンを痛めつけてやろうとしたが、フギョムに、「おやめください!」と、ヒーローみたいに阻止されたため、やむなく手を引いている。
大臣達の謀反の決定的証拠を探していたサンは、父さんの絵の秘密にもう1つ気づいた。じいさんと若者と子供の絵は、どうやら王様と父さんとサン自身だったようだ。王様と父さんの仲が険悪になる前に、仲良く遠足に行った頃の様子を描いたものらしい。どうも大き過ぎると思った亀は、遠足の山でサンが見た岩だという・・・
40 中殿、王様に毒薬を用意
サンは山へ行ってカメの岩の下に隠された巻紙を見つけた。謀反を企んだ大臣達の名前がズラズラ書かれている。これさえあれば証拠はバッチリだ。
サンの譲位の話を小耳に挟んだ中殿は、サン暗殺指令を出した。亀の岩場で巻紙を発見し、サンが喜んでいると、中殿の息のかかった男が発砲。しかし幸い、弾は別の男に命中し、暗殺計画は失敗に終わった。中殿は、ついに王様の飲み物にも毒薬らしきものを仕込んだ。しかし王様の後ろにいつもくっ付いていた緑の服を着た男が、さすがにこれはまずいんじゃないかとびびって薬を捨ててしまったため、こちらの方も失敗となった。
サンの譲位発表の朝、とつぜん王様が脳梗塞で倒れた。2つの暗殺が失敗したあとの奇跡だけに、中殿は棚からぼた餅の心境だ。ここぞとばかり、王様が正気を失ったときに書いた通達を、大臣ら一同に見せびらかし、「王様の最後の王命は、王世孫を廃位することです!」と宣言した。
41 中殿、ついに大軍で宮殿を占拠
中殿は、王様が意識のないのをいいことに、軍を集めて戦闘準備を開始した。フギョムやほとんどの大臣達が勢いで、この計画に加わるなか、古狸の大物大臣ソクチュは、1人冷ややかに身を引いている。
サンは援軍を呼んでくるという重要な任務に、王世子の元護衛隊長のじいさんを大抜擢した。その忠実ぶりが、兵士達の間で今でも語り草になっているという伝説のじいさんだ。
ところがじいさんが戻ってくる前に、なんとサンの兵士の一部が中殿側に寝返ってしまった。知らせを受けた中殿の兄は、「これで勝負ありましたな!」と目をぎらぎらさせている。中殿も、もう夜まで待てないと調子づき、数万の兵を立ち上げた。ところが意識不明だった王様がなぜか突然ジャーンと部屋の扉を開けて庭に現れ、中殿が「王世孫を捕らえよ!」と正体丸出しにしているところなど、ついに全てを見た。
42 グギョン、サンに失望し、釣り人になる
中殿の本性に、すっかりあきれた王様は、すぐまた床に伏せった。意識が戻っただけで、回復したわけではなかったらしい。大臣やフギョムらはオリに入れられ、白い着物姿となった。助かったのはソクチュ1人だ。
ところが驚いたことに、サンは大臣達の釈放を宣言。認知症を利用した事件が表に出ないように、王様に配慮したらしい。グギョンでさえその意図に気づかなかったのに、フギョムは難なく勘付いている。
グギョンはサンに失望し、宮中を離れた。みすぼらしい服で海辺で釣り糸などを垂らしながら暇を潰す生活だ。
王様は、サンがやらないならワシがやると、中殿や大臣らの処分のやり直しをはじめ、まず手始めに、中殿を平民にすると大発表した。
43 王様、突然の失踪
王様はサンに政務を任せることにした。一時は家財道具を屋敷の外に出された中殿は、サンの命令で廃位を免れた。古狸のソクチュはまんまと昇進をとげている。フギョムは左遷だ。
中殿の兄は、オリに入れられた状態で市場を抜け、見物人の目にさらされた。それでも野次馬の中にグギョンがいるのを目ざとく見つけて、「必ず戻ってきてお前と王世孫を絞め殺す!」と捨てぜりふを吐いた。
グギョンは、重臣4名を拉致して小屋に監禁した。世捨て人を装いながらも、サンの甘い処分にしびれを切らして、勝手な行動に出たようだ。しかし結局サンに見透かされて、計画は失敗に終わっている。
お人よしのサンの妻は、おつきの女に、世継ぎを産ませるため、ソンヨンを側室に迎えたいと気になることを口にした。
王様も突然、「死に場所は決めてある・・・」と意味ありげなことを口にした。その後、きれいに畳んだ衣と帽子を部屋に残して、失踪している。
44 王様の死
王様は密かに実家に戻り、サンに残してやるつもりで、息子の肖像画をソンヨンに描かせた。すぐに本人生き写しなのが出来上がり、王様はお礼にと、母の形見である大切な指輪をソンヨンへ贈った。ソンヨンが引きあげてから、まもなくしてサンが駆けつけたときには、王様はすでに亡くなっていた。王様の後ろにいつもくっ付いていた緑の服を着た男や、中殿までが涙を流して悲しんだ。
新王の即位式の準備がはじまった。左遷が決定したフギョムは、やぶれかぶれとなり、サンの暗殺を計画した。本気で王になるつもりもあったようだ。黒い傘地蔵の帽子で顔を隠した謎の刺客を雇うのに、国庫の半分にも相当する大金をつぎ込んでしまったので、もう後には引けなかった。朝鮮一の剣の名手で、成功する仕事しか受けないというから、それなりの自信はあった。
刺客はさっそく茶色い三角巾で口元を隠し、ペンキ職人を装って宮殿に潜入した。途中でソンヨンやサンに声をかけられると、オドオドして怪しまれる場面もあったが、急に壁に体を沿わせて小走りしたり、天井に貼り付いたりと、ゴキブリさながらの素早い動きを見せた。
45 サン、王様になる
サンの即位式は無事終了した。謎の刺客からは、まだフギョムの方には全く連絡がないままだ。それまで忍び込んだ宮殿で何をしていたのかはわからないが、ようやく男が戻ってきたとき、すでにフギョムは、金を騙し取られたと思って、毒薬を飲む寸前だった。
刺客の話によると、警備が手薄になった今晩こそが狙い目だという。グギョンは即位式が終わったあと、警備を緩めてすっかり油断していた。男の説明に納得したフギョムは、「明日、笑って会おう」と自信を取り戻した。
刺客は予定通り、再び宮殿に忍び込んで、サンの部屋の周りにいたおつきの男や女達を一人残らず切り殺した。サンは一人きりになったとも知らずに、部屋にこもって読書にいそしんでいた。
46 フギョム、再びオリへ
サンは、暗い部屋の隅で、ゴキブリみたいに潜んでいる刺客を見つけ、とっさに頭に刺していたかんざしをすっ飛ばした。
こうして刺客は死んだ。計画の失敗を知ったフギョムは、ファワンと一緒に清へ逃げようと港へ向かったものの、待ち伏せていたグギョンに、「そろそろ年貢の納め時です」と逮捕された。白い着物で再びオリへ入ったフギョムの頬には、しっとりと一筋の涙が流れた。計画に加わったサンの叔父も一緒だった。翌日には椅子に縛り付けにされ、長い棒で足をぐりぐりされる拷問を受けた。
今回ばかりはサンも、厳しい処罰を下すつもりのようだ。グギョンのきつい取り調べを受けた中殿は、その晩、ついに毒薬を飲んだ。
47 フギョム、釣り人になる。無念の降板へ
大妃(中殿改め)は命をとりとめた。町でも大妃に同情する民の声があがっている。どうやら大臣達が、サンを陥れようと噂を流したようだ。ところ大妃自身は、「ここ数日気を失っていただけ。尋問の話も初耳です!」と、サンをかばうような発言をして大臣達を驚かせた。とりあえず生き延びておいて、隙あれば復活する作戦に変えたようだ。
フギョムは島流しとなり、しばらく釣りなどをして静かな日々を送った。実の父は漁師だったらしく、「釣りはいいな」などと漏らしていたが、いよいよ刑の執行のため、グギョンが毒薬を持参して島に会いに来ると、大人しく飲み干した。中殿の兄やサンの叔父も同じく毒殺刑を言い渡され、ファワンは平民に格下げとなった。
48 口達者な男、再登場。不思議なじいさん、サンの正体に驚く
サンは王様直属の護衛部署を新設し、グギョンを破格の3品に、テスを5品に昇進させた。ここでグギョンになんと妻や妹がいることがわかった。持病のある妻を地方に残していたらしい。妹をサンの側室にするという案も急浮上してきている。その後押しをしているのはサンの母さんだ。サンの妻がソンヨンを側室に推薦していると知り、「言語道断です!」と、母さんの鼻息が荒くなっている。
サンは、以前に出会った不思議なじいさんを、新しく作った図書館に招いて総責任者に任命した。じいさんはここでサンの正体を初めて知り、「ハハーッ!」と感極まって土下座してみせた。じいさんもこうして役人姿になってみると、随分と立派に見える。図書室のメンバーの顔ぶれには、33話にちょっと出たきりだった口の達者な男もいた。
サンは、メンバーを入れ替えてクリーンな朝廷にしようと、2000人もの科挙の試験を実施することにした。
49 くせもの顔の男が新登場。そのおつきの男もワル顔。
何としてもサンの改革を阻止しようと、ソクチュは、テウという大物を呼び寄せ、老論派の首長に据えた。あの大妃でさえ、「まさかあの者を!」と衝撃を受けるほどの大人物らしい。国中の貴族に対する影響力があるうえ、知識も豊富ときている。テウの肩越しに立っている男には見覚えがある。「商道」では湾商を裏切ったチスに、「ホジュン」では師匠の息子にコバンザメのようにくっ付いていた。今回も悪役とみて間違いなかろう。
いよいよ科挙の試験の日になった。しかしどうしたことか試験会場はガランとしていて、閑古鳥が鳴いていた。どうやらテウが何か指令を出して、受験生達を操ったようだ。さらには、役人達が続々と改革に抗議し、辞職をはじめる事態となった。
50 サン寝耳に水! 妻がソンヨンを側室に推薦
サンはあくまで改革に強気だ。不思議なじいさんや口の達者な男には、不正を監視する業務を新たに依頼した。さすがのテウも、出世を望んでいる受験者達をこれ以上、引き止めるのには限界を感じていた。その証拠に5日後に改めて実施されることが決まった科挙の会場の前には、人だかりができている。水面下では中殿が、テウを宮中から追い出そうというのをエサにして、密かにグギョンに近づこうとしていた。
そんな中、町の掲示板にサンの側室を決めるお知らせが出た。サンは側室選びの件については初耳だったらしいのだが、妻が承知したのならいいだろうと、快く従うことにした。しかしその妻の口から、ソンヨンを側室にと打ち明けられると、急に鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。
51 サン、グギョンの妹を側室に迎える
サンはソンヨンを廊下に呼び出し、ソンヨンさえ良ければ側室に迎えたいと、ついに本音を告白。しかしいいところでテウじいさんが用事でやって来たため、ソンヨンの本心は聞けずに終わった。
ソンヨンはサンの仕事が済むまで読書室で時間を潰すことになった。ところがよりによって王様の椅子に腰掛けて居眠りしている姿をサンの母さんに見られてしまい、大目玉を食った。その後、すっかり尻込みしたのだろう。ソンヨンは、側室になるのをあきらめ、仕事に生きる決心をしている。その話を聞いたテスは、「本心を言えーっ。一生遠くから見つめるだけでいいのかぁーっ」と熱い涙を流し、サンの妻も「本心はお見通しです!」とソンヨンを心配する様子を見せた。しかしサンだけは、てっきり振られたものと勘違いし、ガッカリした顔をしている。
サンは母さん一押しのグギョンの妹を仕方なく側室に迎えた。ところがどうしたことか、その夜、サンの足は側室の部屋ではなく、自然と図画署へ向かった。しかもそこで悲しそうに泣いているソンヨンを発見している。
52 チャングムのおじさんが、謎の絵師ウムダムになってついに登場
もしかしたらやっぱり俺と別れたのが悲しいんじゃないかと、一瞬サンに期待が広がったものの、ソンヨンはきっぱりと否定。
一方、グギョンの妹は、サンが前の晩、図画署に行ったことを小耳に挟み、早くもソンヨンをマークしはじめた。
グギョンの妹の部屋になんで行かないのかと母さんに叱られ、サンはその夜、側室の部屋へ足を運んだ。しかしソンヨンに振られたショックを引きずっていることもあり、冷ややかな顔だ。
グギョンは、妹をサンの側室にしたことでハクがつき、出勤にもコシを使うようになった。人事をも操り、テスの叔父さんを役人に復帰させてもいる。
口達者な男をはじめとするサンの部下達が、突然何者かに襲われるという事件が起こった。不思議なじいさんも自宅の小屋を放火され、重症となった。
53 不思議なじいさん、早くも降板
不思議なじいさんが亡くなり、サンは号泣した。犯人はどうやら、よくテウじいさんのお供をしているジュシクという男だと推理したグギョンは、サンに内緒でゴロツキを雇ってジュシクを痛めつけたはいいが、よりによって同じ頃、謎の連続殺人事件が起こり、そっちの方もグギョンの疑いがかけられることとなった。殺されたのは、老論派の重臣ばかりだ。グギョンがお縄になったのを小耳に挟んだ大妃は、チャンスとばかり、ホン・グギョンに近づく気満々になっている。
54 録画失敗。。
55 ウォンビン、想像妊娠する。
サンの側室、ウォンビンが妊娠した。サンの妻に聴こえるようわざと大声で妊娠の話をひけらかしているところをみると、ウォンビンの性格はあまり良くなさそうだ。しかしその罰でも当たったのか、なんと想像妊娠だったことが判明し、グギョン兄さんに泣きつくはめとなった。グギョンは御医を巻き込んで、死産をでっちあげるつもりのようだ。
軟禁状態だった大妃は、拘束を解かれて、晴れ晴れしい笑顔で御殿に戻った。テウに対抗するには、サンもどうやら大妃の力が必要らしい。サンと大妃の仲立ちをしたのは世渡り上手の古狸ソクチュだ。何に使うのかは不明だが、自由になった大妃はさっそく秘密の家を購入している。
56 グギョン、権力のとりこになったか
逮捕されたジュシクが護送中に、とんずらした。彼をかくまっているのは、大妃とソクチュだ。弱みにつけこんで仲間に引きずり込むつもりらしい。
ホン・グギョンは、テウじいさんの前で、そっくり返って書類を読むなど、最近、どうも態度がえらそうになってきている。さらに祭儀のとき、血のり爆弾を使って、妹の死産を派手に演出。御医を脅して、嘘の診断を書かせてあるから対策もバッチシだ。その罪をウォンビンに薬を贈ったサンの妻になすりつけるつもりらしい。
そうとも知らずサンは、ウォンビンの心に傷を負わせてしまってすまないとグギョンに謝り、グギョンの罪悪感を刺激した。
57 絵師ウムダム、絵のマニュアル本だけ残して、もう降板
サンは、一度は御医の言葉に惑わされてサンの妻を疑ったものの、陰謀に違いないと考え直した。サンの表情が暗いのは、恐らくグギョンの関与が頭をかすめたのだろう。
危険を察知したグギョンは、またもやゴロツキを雇い、御医を監禁。ところがそのゴロツキがついでにテスの上司、めっぽう強いジャンボに瀕死の重傷を負わせるなど余計なことをし、事態を悪くさせた。
翌日、グギョンは、すれ違いざまにテウじいさんに、「力を手にした者は変らずにはいられない・・・」と意味ありげな言葉を吐かれ、さらにサンの妻や大妃にも、ウォンビンの妊娠疑惑の真相に勘付かれるなど、心理状態がギリギリのところにきている。
58 グギョン、猛烈に反省する
グギョンの妹が、ついに自白した。しかし実家から取り寄せた薬のせいで流産したことになっており、想像妊娠というのは隠したままだ。それに事件に巻き込まれた御医がとつぜん自害するなど、どうもすっきりしない。
こんな感じでサンも、グギョンを見る自分の目に自信が持てなくなったようだ。しかし全てを水に流してもう一度だけ、チャンスを与えることにした。あとはグギョンが目を覚ましてくれることを祈るばかりだ。
ソンヨンに近づく新顔の男が現れた。最初はシルエットのみで、いかにも怪しげだったが、しばらくすると、道案内を買ってでるなど、案外親切な若い男だとわかった。しかしどうもコソコソ何かを企んでいるようなフシがある。
サンは民の声を聞くため、久しぶりにお忍びで町に出た。ところがとつぜん通りの窓からにゅっと銃が突き出し、サンを狙った。幸い無事だったものの、翌日、事件を小耳に挟んだテウじいさんは、もしや自分達が疑われるのではないかと不安を口にした。
59 グギョンの妹が寂しく死ぬ
グギョンの妹が病気になった。でもサンは、朝だと気づかないほど仕事に没頭して見舞いどころじゃない感じだ。グギョンの方も、すっかり狙撃事件の調査に気を取られている。さらにサンの妻もサンの母さんに行くなと言われて、見舞いを断念。
サンがようやく側室の部屋に顔を出したのは、すでにウォンビンが息をひきとった後だった。サンを憎むわけにはいかないためか、妹を失ったグギョンの恨みは全てサンの妻へと向かった。
ソンヨンを尾行していた謎の男は、ソンヨンの生き別れの弟ウクと判明。役人がこっちへ歩いてくると、急にコソコソと下を向いたり、秘密の会合に出席したりして相変わらず怪しい。その一方ではソンヨンのことを思って実の弟であることを隠すなど、心優しい素朴な青年の姿もちらちらと見せている。
グギョンは、王様を狙撃したとみられる容疑者らのアジトを襲撃。一味のメンバーであるウクは現在逃走中だ。
60 ソンヨン、実の弟をかくまいオリへ
グギョンは、サンに内緒でちょくちょく大妃に会うようになった。仲間に加わったわけではないけど、随分と目をかけられているようだ。ゆくゆくはグギョンを老論派のトップの座に据えようと考えているらしい。
グギョンが突然、王様の弟の子を、ウォンビンの養子に迎えたいとサンに申し出た。ウォンビンがあまりにふびんというのを口実にしているが、もしもサンにこのまま子供ができなければ、その子は未来の王世子様だ。
グギョンに捕らえられた人々は、天主教の信者と判明した。しかし銃を扱うやつらにしては、抵抗もせずに捕まったのは変じゃないかと、サンは首を傾げている。特にリーダーのじいさんなどは、私財を投げうってまで貧しい民に施しをし、皆からヤン様と慕わる立派なお方だ。
ソンヨンは追っ手に追われて怪我をしたウクを介抱した。その男が実の弟であることを知ったのも束の間、ウクをかくまった罪でグギョンに逮捕されてしまった。
61 サン、ソンヨンを追っかけプロポーズ
サンは銃の出所を調べるようグギョンに指示した。真犯人は天主教の人々ではないと考えたようだ。その予想通り、銃は海賊達のものと判明。ところが海賊と銃の取引をした重要参考人が、毒をあおって死亡し、事件の真相は闇に包まれた。
サンはグギョンを信頼し、ウォンビンの養子の件を快く承諾した。でも最近のグギョンは、サンに届いた文書を部署でせきとめて、コソコソと先に目を通すなど、サンが知ったらがっかりするようなことばかりしている。
サンの母さんの命令で、サンの妻が新しい側室選びをはじめた。ウォンビンが死んでからまだそう時間が経っていないのにと、グギョンに恨まれているのが心配だ。
釈放されたソンヨンは、ウクと都を旅立っていった。それを知ったサンは、はるばる田舎まで追っかけて行き、ついにプロポーズをした。
62 サンとソンヨンがめでたく結婚
ソンヨンを宮殿に連れ帰ったサンは、そのまま2人で寝室へこもった。既成事実を作って母さんを降参させる作戦らしい。でもソンヨンだけを寝室に残して、読書堂で夜を明かしたというのが真相のようだ。母さんは渋々、2人の結婚を黙認し、その代わり側室選びに闘志を燃やした。
サンは、専売商人の特権を廃止し、誰でも商売が出来る政策を始動した。実現には、サンの王座が揺らぐほどの厳しい戦いが予想される。
グギョン、ソクチュ、大妃の会合がこのところすっかりお馴染みの場面となった。老論派トップのテウじいさんは、グギョンとソクチュがヒソヒソ話をしているのを目撃し、警戒中だ。
サンとソンヨンの結婚式は無事行われ、ソンヨンの姿が図画署の制服からお姫様へと変貌をとげた。
63 グギョン、テウじいを逮捕する
側室になったソンヨンは、挨拶に行ってもサンの母さんに追い返されるなど、まだ状況は厳しい。母さんのお誕生日会にも、ソンヨンだけ出席を拒否される始末だ。
サンは、誰もが商売のできる政策を開始。これに猛反対した専売商人が、取引をとりやめ、物価が急上昇する騒ぎとなった。
このところ大妃は鋭い助言やニセ情報をも流しながら、グギョンを上手く操っている。そしてついに目の上のたんこぶだったテウじいを、まんまと逮捕させることにも成功した。これにはさすがのテウじいも、鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。さらに大妃は、「燃え上がる野心を抑えきれなくなるだろう」と未来のグギョン像について、こう予言している。
その証拠に大妃の息のかかった重臣達が、こぞってウォンビンの養子を王世子に推薦しはじめた。グギョンの大胆な野望を目の当たりにしたサンは、裏切られたような顔だ。
64 グギョン、サンに内緒で専売商人を監禁
サンは権力を振り回すようになったグギョンを見て、とても残念がっている。テウじいさんが捕まった話も寝耳に水だ。しかしグギョンをしばらく見守ることにし、証拠不十分としてテウじいさんの釈放を命じた。
しかしそれが返って、お手柄を狙うグギョンのお尻に火をつけたのか、今度はせっかくサンとの歩みよりを模索しようとしていた専売商人を監禁する始末だ。
そんなこととは露知らず、専売商人や民たちの声を聞こうと出かけたサンは、またしても、かんこ鳥の鳴いた市場に、あっけにとられた。「すべてはグギョンが原因です!」というテウじいさんの証言通り、専売商人を拷問した現場も発見された。
サンに叱られたにも関わらず、グギョンは「王世子の擁立を急ぐのです!」とますます血迷ったことを言いだし、裏では大妃の協力まで取りつけた。とことん利用して用済みになれば手を切ればよいと大妃や大臣が、ほくそ笑んでいることには全く気付いていない。
65 グギョン、サンの妻暗殺計画
サンの考えた新しい人事が発表された。テウやソクチュなど大物大臣らが華々しい昇進をとげた中、グギョンは左遷となった。再出発の時間を与えてやろうとのサンの心配りらしい。痛い目に会ってようやく目が覚めたのか、グギョンは大妃と縁を切ることにした。しかしそれを告げるために最後に大妃と密会したのが、サンの妻、大妃にバレた。
もし密会の件をサンに内緒にしておいてくれたら、本気で再出発するつもりだったのに、「もう手遅れです!」と大妃に通告され、グギョンは、いよいよ崖っぷちへと追い詰められた。
グギョンが何やら怪しい男から毒薬を入手し、射撃兵まで揃えている。どうやら大妃を始末する気のようだ。しかし当日になると、やはり後ろめたくなり、大慌てで計画の中止を部下に伝えた。ちょうどその頃、大妃に出したはずのソバを、サンが美味しそうに口元へ運んだ。
66 グギョン、ついに牢屋へ
サンはそのままスープを飲み、ついでに麺もチュルチュルと堪能した。毒はまだ入れてなかったようだ。全速力で射撃兵に計画の中止を伝えに行ったグギョンは、「間に合って良かった・・・」と心底ホッとした表情を見せた。ところが毒を持たせていた女が兵士に追いかけられ、そのまま毒を飲み自害。大妃暗殺計画の発覚と共に、捜査線上にグギョンの顔が浮上した。
最後まで信じて疑わなかったサンも、目の前でグギョンに、「私がやりました」と自供されては、現実を受け入れるしかない。しかしあまりの激しいショックに、しばらくは部屋にこもった。大妃と古ダヌキは、グギョンに道連れにされるのを懸念し、ずる賢く息を潜めている。
拷問を受け、白い着物でオリに横たわったグギョンは、「よく見ておけ。権力を欲した者のなれの果てを」という今は亡きフギョムの声を思い出した。これからグギョンの処分をテウじいさんが自信たっぷりに読み上げるところだ。
67 発明が得意な若い男が登場
とつぜんテウじいさんが、判決を読み上げるのを拒否した。てっきり死刑だと思っていたのに、流刑なのが気に食わないようだ。グギョンが暗殺を中止にした点をサンが憂慮したらしい。
サンの恨みはグギョンより、むしろグギョンを裏で操った大妃に向けられた。「先代王の遺言を預かっています!」と、もったいぶった言葉を吐き、大妃を不安にさせている。
サンの母さんは、ソンヨンの対抗馬に新しい側室を用意した。すでに高い教養を身につけている高貴な出だ。しかし肝心のサンは、ソンヨンの部屋に足繁く通い、高貴な方には寄り付く気配なしだ。
グギョンは島で釣り糸を垂れて寂しく暮らしている。すっかりやつれ果て、「ゴホーッゴホーッ」と咳までしているが大丈夫か。
生徒の試験を実施したサンは、その中に飛びぬけて優秀な答案を見つけた。名無しのごんべえで男の正体はわからないものの、そこに書かれた人身売買の情報は、かなり信頼できるものだった。さっそく人身売買のアジトにお忍び調査に向かったサンの前に、うろうろしている若い男が現れた。男が手作りしたと思われる珍しい双眼鏡を目にしたサンは、ジャイアンみたいに無理やり双眼鏡をもぎ取り、その素晴らしい性能に夢中になった。
68 グギョン、再び釣り人になる。降板へ
若い男は、サンが王様だと身分を明かしても信じようとせず、馴れ馴れしい口をきき続けた。しまいには王様ごっこをしてる場合ではないと、自分だけさっさと立ち去る始末だ。しかしサンは、「初めて会ったときのグギョンに似ている・・・」と、この男に目をつけ調査を開始した。優秀なのに、型破りの答えを書いて科挙に何度も落第。授業をさぼってばかりの理由は、貧しい民に嘆願書を書いてやるため。これまで起こした訴訟は負けなし。例の名無しのごんべえの答案は、その男の筆跡のものと一致・・・などなど出てくる情報は魅力的だ。
サンは自ら科挙の採点をし、若い男を主席合格させた。男の名前はヤギョンという。王様と合格者の初体面の席に、サンがジャーンと現れると、ヤギョンは案の定、しまったという顔になった。
グギョンは、釣った魚をまな板にのせたまま倒れているところをテスに発見された。息を引き取ったのは、サンが小屋に駆けつけてまもなくのことだ。
ソンヨンは宮中クイズに参加。庶民出身だから何も答えられないという予想を跳ねのけ、高貴な出身の側室より、よほど詳しい解答をして賢さを見せつけた。
69 第2のグギョンはヤギョン
サンとヤギョンは、朝になるのも忘れて白熱した議論を楽しんだ。サンはヤギョンの博識ぶりにすっかり感心したようだ。グギョンを失った心の隙間を埋めてくれることだろう。何となく名前もグギョンとヤギョンで似ている気もする。
ヤギョンは暇な部署にわざと志願して、せっせと大臣達に提案書を書きはじめた。テウたち大物大臣達は迷惑顔だ。古ダヌキのソクチュは「新たなグギョンが現れましたな・・・」と大妃にぼやいたが、大妃は、亡き王様がサンに与えた謎の遺言を推理するのに忙しく、ヤギョンへの関心は薄い。
サンは人身売買のアジトを襲撃させ、清の商人らを逮捕した。しかし清の大使は商人らの釈放を強く要求。外交に嫌なムードが漂いはじめた。
70 ソンヨン妊娠
サンは、清がごねる背景には何か狙いがあるのではと考えた。その証拠に朝鮮を侵略しようと、すでに清の軍が待機していることが判明。清国内で内乱が起きたため、民の目を他へそらし、ついでに景気対策も、もくろんだようだ。サンは朝鮮人参の貿易自由化を清に持ちかけ、事態を収拾した。
サンが、一度に数千人を漢江に渡らせる方法を考えろとヤギョンにおかしな宿題を出した。その裏に隠されたサンの企みは、まだベールに包まれている。2千人の兵を追加する科挙の募集も開始。しかし以前、不思議なじいさんの小屋をメラメラと燃やして逃走したジュシクが、山中で男達を訓練し、科挙を受けさせようと企んでいるのが気がかりだ。
ソンヨンが妊娠した。身分が低い出身ながら、ソンヨンの優秀さに薄々気づきはじめていたサンの母さんは、ついに「ソンヨンに正三品の位を与えます!」と嫁として認める宣言をした。
71 ソンヨンとライバルの側室が同じ日に産気づく
ソンヨンだけかと思ったら、新しい側室の和嬪まで妊娠していたようだ。サンの母さんは、和嬪の世話ばかりせっせと焼き、貴重な薬の使用もソンヨンは後回しされた。母さんの狙いはもちろん王子の誕生…。出産係のおばさんの見立てでは、すでに和嬪には王子誕生の当確まで出ている。それに比べてソンヨンときたら、女児が産まれる噂が広がって、重い雰囲気だ。2人は陣痛まで同じ日になり、競うように出産した。ところがソンヨンは王子、和嬪の赤ん坊は姫という驚きの結果が出た。するとどうしたことかサンの母さんが、和嬪を放ったらかしにして、すぐさまソンヨンの見舞いに駆けつけ、赤ん坊を抱いて大喜びした。
サンの秘密の計画がベールを脱いだ。父さんの墓を他の場所に移すつもりだ。父さんを死に追いやった大妃や重臣達にとっては、サンの計画が不気味でならない。いよいよサンの仕返しが始まったんじゃないかと心理的に追い詰められている様子だ。大妃は早速こんなときのためにと、こっそり借りておいた屋敷に重臣らを招集し、久しぶりに秘密の会合を開いた。
72 サン、じいちゃんの遺言を忍者に狙われる
ソンヨンの息子は幼稚園くらいになった。暗記力抜群、筆使いも大人顔負け、鳥や女官に優しいなど、サンも舌を巻く文句なしの子供だ。
サンは密かに副都心を作ることにした。しかし都で甘い汁を吸っていた重臣達にとっては計画は死活問題…。大妃は「例の者たちを宮殿に送り込むように…」と何やらヒソヒソとある命令を出した。
その晩、宮殿の屋根に忍者の頭が一列に並んだ。そして宮殿を守るはずの護衛が忍者の案内役をした。逃亡犯ジュシクが育てた兵が、科挙に合格し、紛れ込んだのだろう。
忍者は部屋の中を荒らし逃走。連中の探し物とは、どうやら王様の遺言のようだ。幸いサンが玉手箱に隠していたので無事だった。
警戒したサンは、幼い息子を早くも王世子に任命した。大妃や重臣たちにとって、首を余計に絞められる結果となった。
73 ソンヨン、重病になる
ソンヨンの子供が突然、病死したらしく、思い出の回想シーンが流れた。不幸はそれだけでは終わらなかった。ソンヨン自身も体に異変を感じ、こっそり町医者を部屋に呼び寄せた。その際、前もって自分で医学書を調べ、病名をずばり言い当て、医者を驚かせた。病名は肝硬変…。しかも手遅れ。妊娠中の身なので薬も飲めない。診断では出産まで持つか微妙なところだという。ソンヨンはサンに病気を隠してお産をするため、宮中を離れることにした。ところがテスがサンに告げ口したたまえ、早々に宮殿に連れ戻されてしまった。サンはあらゆる手を尽くし、ソンヨンの病を治すつもりだった。
74 サン、新しい都を建設中
サンは西洋医学の医者を清から連れて来いとテスを遣いに出した。名医を都に連れ帰ることには、せっかく成功したのに、宮殿まであとちょっとというとき、ソンヨンが亡くなってしまった。ソンヨンの最期をみとったサンは、次のシーンになると、普段通りせっせと仕事に励んだ。千人が川を渡れる方法を思いついたヤギョンは、今度は工事用クレーンの発明に着手。
重臣たちは都の建設をサンの宣戦布告とみて反発した。それに対し、サンの口調も「何か問題あるか」と挑発的になった。大妃は「生死をかけた最後の戦いになるだろう」と吐き捨て、また例の秘密会議をひらいた。メンバーの顔ぶれの中には、あの指名手配中の逃亡犯ジュシクもいた…
しかしサンはすでに大妃らの不審な動きには気づいているようだ。彼らがもっと大きな尻尾を出すのを待つつもりだ。
75 父さんの墓と城が完成
ヤギョンは、糸車みたいなクレーンを発明し、驚異的な速さで城を完成させた。父さんの墓の移築も終わり、いよいよ墓参りを兼ねた大規模な視察の日がやって来た。しかしこのところのサンの大胆な動きに、重臣らの顔色は曇った。今度こそサンを殺す気満々だ。実行犯のリーダーは逃亡犯ジュシク…。サンが護衛といったん離れて、寺を訪問した隙を狙うつもりだ。ところがどうしたのだろう。いざフタを開けてみると、寺で襲った途端、逆にお縄となってしまった。どうやら尻尾を出すのを待っていたサンの罠に、まんまとはめられたようだ。
背後でジュシクの成り行きを見守っていた重臣達は、またコソコソ会議を開き、仕方なく今度は軍の大規模な夜間訓練のとき、サンを暗殺することにした。上手い具合に訓練のメーンイベントで、会場の明かりが一斉に消えて真っ暗になる。
当日、予定通り明かりが消えると、長い刀を持った忍者達が、さっそく城壁の上をゴキブリみたいにゾロゾロ小走りし、訓練の様子を眺めているサンに近づいていった。
76 サン、最後の決戦
テスらの活躍で忍者は捕らえられ、ついに大物大臣ソクチュが処刑された。先代王の中殿は証拠不十分で極刑を免れたものの、またもや軟禁生活に逆戻り。悔しさを噛みしめた。
でも老論派の生き残りとして、いつの日かまた不死鳥のように蘇る気満々なので油断はならない…
ヤギョンは地方を覆面パトロールし、私腹を肥やす悪い役人を退治する係になった。テスも二品の大将に昇進した。
サンも貯水池工事を計画するなど、相変わらずせっせと働き、全ては順調のように見えた。
でもどうしたのだろう。このところ目がかすんで、足元までふらつく。サンは何やら運命を予言するかのように意味ありげに、ほくそ笑んだ。
77(最終回) ソンヨン再登場
あれから何年経ったのか、サンにいつのまにか11歳くらいの息子ができた。光の加減でサンのヒゲにもチラチラ白いのまで見える。ソンヨンの立派なお墓も完成したようだ。
サンは、はり切って市場へ視察に出掛けた。でもどうしたことか、市場は閑古鳥が鳴いていた。不景気がかなり深刻らしい。
体調は悪化しているというのに、サンは銅に代わる安い原料で新しい硬貨を作る作業に夢中だ。でも休むどころか、夜なべで仕事に励む始末だ。ついには高熱で意識を失い、命が危ぶまれるところまでいったが、なぜかソンヨンの幻が煎じ薬を持って枕元に現れ、奇跡的に意識を回復。するとやつれ果てながらも、もうデスクに向かって仕事をはじめた。
しかし次のシーンになると、幼い息子が王なって、サンの思い出話を披露。ということは、やはり間もなく亡くなったのだろう…。最後は懐かしい図画署の制服姿に戻ったソンヨンとサンが、楽しそうに手をつないで向こうの方へ走って行った。
2009/4/11最終更新

