2011年08月31日
Oranges and Sunshine
半世紀近く続いた不当な国策で家族から引き離され本来のアイデンティティを奪われた人々をひょんなことから発見し、身元確認・肉親捜しのために奔走する英国の実在のソーシャルワーカーと当事者たちの回復の物語。本人著作"Empty Cradles"に基づく、実話の映画化英豪作品。DVD(リージョン2)を密林UKでゲット。英語字幕ついてますよ!
英国の児童施設に預けられた子どもを、肉親(主に貧困家庭やシングルマザー)がいるのに無断で、孤児扱いで豪州の労働力として移送していたという19世紀末〜1960年代の国策が露見、カトリック教会や各種慈善団体も連座していた、という政治ミステリーの要素もありますが、信じがたいような苦難に見舞われた人たちがいたことを知らしめ、その苦難を乗り越えてきた人たちの経験に敬意を払い回復を描くことが主眼。
▼▼▼ややネタバレ感想▼▼▼
エミリー・ワトソンが主人公のソーシャルワーカー、マーガレット・ハンフリーズ役。E.ワトソンてふしぎちゃん女優だと思ってたんだけど、予想外に地に足がついた役柄でした。正義を振りかざすことなく、元子ども移民の福利「自分が何者なのかを知ること」第一。共感性・包容力・忍耐力のあるおばちゃん役で好感度高し。頑固だけどむやみに攻撃的じゃないところがよい。元子ども移民から信頼を寄せられて豪州での凄絶な虐待経験を打ち明けられたりしてそれが間接的にトラウマになってたりもするけど、それを支える家族がこれまた包容力あってナイスでした。自分につながる人がいてその人たちに支えられるというあたり前のことがどれほどすばらしいことか再認識。
豪州の元子ども移民のなかには、欠けたまま取り戻せないアイデンティティにこだわるあまりぐだぐだになっちゃってる人もいれば、豪州の移送先で虐待を受けて育つうちにアイデンティティに関するこだわりも感情も信頼感も捨ててシニカルになってる人もいる。前者がヒューゴ・ウィーヴィング演じるジャックで、後者がデヴィッド・ウェナム演じるレン。どちらもマーガレットを通したアイデンティティ回復の過程で他者に対する信頼感や共感性やケア能力を再獲得しないまでも意識していくのが、見ていてうれしい。カトリック系男子孤児院での虐待に関してカトリック教会と敵対する立場のマーガレットに脅迫やいやがらせで危機が迫ると、どっちもそれなりに騎士化してるし!
DW的見どころは、ださださファッションとばりばりオージー訛と、カーステレオにあわせて Wild World ちょっとだけ熱唱と、お茶入れる姿。あと、 "Mrs. Humphreys, Mrs. Humphreys!!" 連呼があってうれしかったぞ。「8歳で(=移送されてきた時以来)泣くのやめちゃった」お人の役なので、年くってちょっと丸くなった The Boys のブレットと思いねえ。心をひらくことはないんだけどマーガレットさんの共感性と漢気はしっかり受け止めているのがいいっす。簡単に他者への信頼を取り戻しましたとさ、めでたしめでたしにしないあたりに制作者の良心を感じました。
ヒューゴさんは繊細でいたいけなヒゲオヤジ役がなんと似合うことか!
レイティングの関係でか、元子どもたちが性的虐待を受けていたことを語る場面では絶対に詳細を描写させなかったな。原作本でもボーイソプラノの持ち主がクリスマスイブに性的虐待を受けたエピソードは印象的でしたけど、詳細を描写しないのはともかくとして、子どもが無邪気に抱く信頼感を裏切られた大ショック「約束してたのにプレゼントもらえなかった(´;ω;`) 」が映画では割愛されてたのがちとショック。
DVDは特典充実。英国ブラウン首相の2010年2月の公的謝罪会見(過去の国策の非と被害者の存在を認め彼らの経験に敬意を払った上で、肉親捜しを請け負うトラストChild Migrants Trustに600万ポンドの旅費等補助を出すことを言明。とても真摯なスピーチ)や、イギリスでの監督・脚本家・原作者・主演勢揃いのQ&Aとか、E.ワトソン,H.ウィーヴィングのインタビュー(DWのは残念ながらなし)とか子ども移民の昔の写真とか。ヒューゴさん、「脚本もいいし、エミリー・ワトソン、デイジー・ウェナムと共演の企画なんでよろこんで参加した」とか言っちゃって!!ひじょーにナチュラルにデイジー呼ばわりしてますな。
英国の児童施設に預けられた子どもを、肉親(主に貧困家庭やシングルマザー)がいるのに無断で、孤児扱いで豪州の労働力として移送していたという19世紀末〜1960年代の国策が露見、カトリック教会や各種慈善団体も連座していた、という政治ミステリーの要素もありますが、信じがたいような苦難に見舞われた人たちがいたことを知らしめ、その苦難を乗り越えてきた人たちの経験に敬意を払い回復を描くことが主眼。
▼▼▼ややネタバレ感想▼▼▼
エミリー・ワトソンが主人公のソーシャルワーカー、マーガレット・ハンフリーズ役。E.ワトソンてふしぎちゃん女優だと思ってたんだけど、予想外に地に足がついた役柄でした。正義を振りかざすことなく、元子ども移民の福利「自分が何者なのかを知ること」第一。共感性・包容力・忍耐力のあるおばちゃん役で好感度高し。頑固だけどむやみに攻撃的じゃないところがよい。元子ども移民から信頼を寄せられて豪州での凄絶な虐待経験を打ち明けられたりしてそれが間接的にトラウマになってたりもするけど、それを支える家族がこれまた包容力あってナイスでした。自分につながる人がいてその人たちに支えられるというあたり前のことがどれほどすばらしいことか再認識。
豪州の元子ども移民のなかには、欠けたまま取り戻せないアイデンティティにこだわるあまりぐだぐだになっちゃってる人もいれば、豪州の移送先で虐待を受けて育つうちにアイデンティティに関するこだわりも感情も信頼感も捨ててシニカルになってる人もいる。前者がヒューゴ・ウィーヴィング演じるジャックで、後者がデヴィッド・ウェナム演じるレン。どちらもマーガレットを通したアイデンティティ回復の過程で他者に対する信頼感や共感性やケア能力を再獲得しないまでも意識していくのが、見ていてうれしい。カトリック系男子孤児院での虐待に関してカトリック教会と敵対する立場のマーガレットに脅迫やいやがらせで危機が迫ると、どっちもそれなりに騎士化してるし!
DW的見どころは、ださださファッションとばりばりオージー訛と、カーステレオにあわせて Wild World ちょっとだけ熱唱と、お茶入れる姿。あと、 "Mrs. Humphreys, Mrs. Humphreys!!" 連呼があってうれしかったぞ。「8歳で(=移送されてきた時以来)泣くのやめちゃった」お人の役なので、年くってちょっと丸くなった The Boys のブレットと思いねえ。心をひらくことはないんだけどマーガレットさんの共感性と漢気はしっかり受け止めているのがいいっす。簡単に他者への信頼を取り戻しましたとさ、めでたしめでたしにしないあたりに制作者の良心を感じました。
ヒューゴさんは繊細でいたいけなヒゲオヤジ役がなんと似合うことか!
レイティングの関係でか、元子どもたちが性的虐待を受けていたことを語る場面では絶対に詳細を描写させなかったな。原作本でもボーイソプラノの持ち主がクリスマスイブに性的虐待を受けたエピソードは印象的でしたけど、詳細を描写しないのはともかくとして、子どもが無邪気に抱く信頼感を裏切られた大ショック「約束してたのにプレゼントもらえなかった(´;ω;`) 」が映画では割愛されてたのがちとショック。
DVDは特典充実。英国ブラウン首相の2010年2月の公的謝罪会見(過去の国策の非と被害者の存在を認め彼らの経験に敬意を払った上で、肉親捜しを請け負うトラストChild Migrants Trustに600万ポンドの旅費等補助を出すことを言明。とても真摯なスピーチ)や、イギリスでの監督・脚本家・原作者・主演勢揃いのQ&Aとか、E.ワトソン,H.ウィーヴィングのインタビュー(DWのは残念ながらなし)とか子ども移民の昔の写真とか。ヒューゴさん、「脚本もいいし、エミリー・ワトソン、デイジー・ウェナムと共演の企画なんでよろこんで参加した」とか言っちゃって!!ひじょーにナチュラルにデイジー呼ばわりしてますな。
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この記事へのコメント
すてきなレビューありがとうございます。
うーん、日本上映来ないかなーと待っていたのですが、うう早く観たくなってきてしまっています。これはぽちるしかないのかしら(^^;)
うーん、日本上映来ないかなーと待っていたのですが、うう早く観たくなってきてしまっています。これはぽちるしかないのかしら(^^;)
Posted by すなみ at 2011年09月02日 18:21
こういう地道でいい作品でもストレスフルなテーマは一般的な興行だと嫌われるからな〜。なにかの映画祭があれば上映というのはありそうな作品だと思います。主要俳優陣がなにげにゴージャスなメンツだから興行上映してもいいと思うんですが。
逆に言うと、DVDスルーには最適な作品かも(汗)。
最近英米のDVDは発売から半年くらい経つとお安くなる傾向があるので、そこを狙ってぼちという手もありますわよ!
逆に言うと、DVDスルーには最適な作品かも(汗)。
最近英米のDVDは発売から半年くらい経つとお安くなる傾向があるので、そこを狙ってぼちという手もありますわよ!
Posted by だかつ at 2011年09月04日 19:25
ですねぇ・・
豪版が10月に出るみたいで、同じく10月に豪版が出るPope Joan と一緒にぽちろうかな、などと誘惑されてます(^^;)
豪版はパッケージにヒュゴさんとデイヴィッドも顔が出ていてさすが豪版だな、と思いました(笑)(UK版はエミリーさんの単独パッケージですよね?)
でも特典とかはどうなのかしらです。多分同じなのでしょうけれど。
それに値段が圧倒的にUK版の方がお安いので悩ましいところです(^^;)
豪版が10月に出るみたいで、同じく10月に豪版が出るPope Joan と一緒にぽちろうかな、などと誘惑されてます(^^;)
豪版はパッケージにヒュゴさんとデイヴィッドも顔が出ていてさすが豪版だな、と思いました(笑)(UK版はエミリーさんの単独パッケージですよね?)
でも特典とかはどうなのかしらです。多分同じなのでしょうけれど。
それに値段が圧倒的にUK版の方がお安いので悩ましいところです(^^;)
Posted by すなみ at 2011年09月07日 17:08
豪版10月に出るんですね! 豪版パッケージ、3人三つ巴な大きさだわ。そう、UK版は豪版のエミリーさん部分が単独でどーんというかんじです。
いやーん、どこも30AU$前後…ほんと高い。高い分特典増量とかになってないかしらん。ぽちったらぜひレポをお願いします!
Pope Joanも豪版出るんだ! と検索して、どーんと戦うゲロルト様フィーチャー、法王どこだw なパッケージの潔さに降参(笑)。
http://www.eagleentertainment.com.au/true-story/pope-joan.html
いやーん、どこも30AU$前後…ほんと高い。高い分特典増量とかになってないかしらん。ぽちったらぜひレポをお願いします!
Pope Joanも豪版出るんだ! と検索して、どーんと戦うゲロルト様フィーチャー、法王どこだw なパッケージの潔さに降参(笑)。
http://www.eagleentertainment.com.au/true-story/pope-joan.html
Posted by だかつ at 2011年09月07日 23:50

