
EmaxのFDドライブの換装を試みた。普通のPC用のものとかだとダメなんです。
注意----------
今回はFDドライブの換装の話です。FDDは単純なパーツの部類に入るかもしれませんが、電気的な部品なので、取り扱いを間違うと(*1)、FDドライブ本体だけでなく、機材本体側のメインボードも壊してしまう可能性があります。今回の記事を自分で試す場合は、自己責任でお願いします。
当方は一切の責任を負いませんのでご了承ください。
(*1)例:ケーブルの向きを間違えて差すとか、電源ONの最中にケーブルを抜き差しするとか。
前置き----------
古いサンプラーの交換用の新品ドライブは、
Route66studiosならほとんど手に入るし、海外のコミュニティーでもわざわざ代替品を探さずそこで買えみたいな流れになっている。それはそれでアリだし僕も利用している。
しかし、個人的な経験も含めて、Route66studiosから購入する場合、
- 日本から購入するには、英語でメールを送って送料を確定するなどのやり取りが必要で面倒。
- 向こうが発送を忘れて催促してやっと届いたことがあった。
- 注文したものとは別のものが届いた。
- 普通に届いても一月くらいかかったことがある。(通常は2から3週間だと思うけど、5日以内に発送と言ってるので国内に届くまでうまくいってもそこそこ時間はかかる。)
ということがあったので、いまいち印象が良くない。でも、こういうのは非常にありがたいので、なるべくお金があるときは購入してサポートしたいと思ってるんだけど・・・。
とは言っても、お金をかけずに中古のドライブでうまくいくのなら、それもアリと思う。(色々試すと結果として金がかかるのだが・・・)
FDドライブ自体は、普通に使っていればすぐに壊れるようなものではないので、中古でもボロボロじゃなければ問題はないと思う。
もしも中古で入手しやすいモデルがわかったり、簡単な改造で交換できたりするのであれば、古いサンプラーはストレージやOS起動の手段がFDDというものも多いので、いざというときも安心である。
そんなわけで僕は自分の持ってる機材については、なるべく互換ドライブを探しておきたいと思っている。大抵は、TEACのジャンパーで設定ができるドライブでうまくいくんだけど、それでもダメな場合でもなんとかなるようにしておきたいのである。
本編前置き----------
さて、長ったらしい導入をもって、今回はEmaxのドライブについて色々調べて、換装した報告である。
今回、Emaxのドライブの換装は成功したわけなんだけど、個人的な究極の目的は、EnsoniqのEPS、EPS16+やそれと同時代のVFX-SD、SD-1とかで使われているドライブも換装したいということである。
ここでキーワードとなるのが、「Shugart」タイプのFDドライブということ。
以前のエントリーでも触れているはずだけど、FDの方式として、古いからあるSCSIとかの元となる規格を考えたShugart社の方式である「Shugart」タイプとIBMのAT/PC互換機で採用されて一般化した「AT」タイプの2種類がある。パソコンの普及とともに「AT」タイプが一般化してしまい「Shugart」タイプの情報はかなり少ない。
僕が調べた限りでは、両者とも構造的には同じで、同じFDメディアを使用できる。しかしピン信号に一部互換性がなく、TEACの一部ドライブのようにジャンパー設定によって、どのピンからどの信号を送受信するか設定できるドライブでも、「AT」タイプなせいか利用できない場合が結構ある(*2)。「Shugart」、「AT」を切替え可能なドライブは聞いたことがない。
で、Emaxのドライブもどうやら「Shugart」系らしく「AT」タイプのドライブだとうまくいかない。TEACのFD235HF-A529(*3)というドライブだとうまくいくという報告が海外にはあるが、同型は既に入手が困難かもしれない。別のTEACのドライブを試したけどダメだった。Route66studiosの人も海外のMLとかで通常のTEACでもそのままじゃ無理だよと言っている。
ちなみに、Emax本体にオリジナルで搭載されていたものは、NEC製らしい(型番不明)。後期は、
Mitsubishi MF353B - 12 UJ か MF353BA - 12U
というモデル。うちのEmaxもこれが載ってた。どれも現在では入手は難しいと思う。
(*2)しかし、サンプラー側でどこまでFDの機能がサポートされているかによって、両方のタイプが使える場合もある。例えばMirageとか。実は基本的な読み書きとかの機能に関してはどちらのタイプでも互換性はあるし、信号の送受信とかのしかたも大差はないようだ。
(*3)FD235HF-A529のジャンパーは以下の設定らしい。
A1-B1 Short
G1-G2 Short
C3-D3 Short
FG Short
残りは全てOpen
換装編----------
やっとのことで本編である。
とくかく「Shugart」タイプのFDについて調べてみると、NECのPC-98シリーズの初期では結構使われていたようなのだ。
PC-98について調べると「Shugart」なんて言葉は出てこないけどFD情報は結構出てくる。詳しい技術的な話はさておき、互換情報とかも系統的に情報が出てくる。つまり一個動くドライブが見つかれば、派生して動くドライブが分かったり、他のドライブでも設定の仕方が分かったりするかもしれないと推測できる。国内であれば、PC-98用の古いドライブも見つけやすいハズだ。
で、ここでピン!と来た。
実はウチのEmaxは既にFDが換装されている。Emax自体は中古で入手したんだけどドライブは最初から調子が悪くて、でもドライブの換装の情報はかなり少ない。仕方が無いので定番とも言えるTEACのジャンパー付きドライブを試してたけどダメ。たまたまMirage用にと持っていたドライブをやけくそになって付けてみたら、これで全然OK!以来そのまま使っていた。でも、一つ気になることがあった。ドライブとしての動作は全く問題ないんだけど、経年劣化のせいかモーター音とかの擦れるような音がキーキーうるさいのだ。それで、もっと静かなドライブに変えたいと思っていた。で、このドライブがNECのFD1035という古くてデカいドライブだったのだ。
つまりこのFD1035というドライブを起点に他のドライブを探せば、他にも動くドライブを見つけることができるかもしれないと思ったわけ。うるさかったのは多分僕のドライブがボロいせいなので、同じFD1035でもいいんだけどなかなか見つからないので選択肢を増やしたいのだ。
とりあえず、これといったドライブはなかなか見つからなかったんだけど、
FD1036A
FD1135D
というドライブが直ぐに安めに入手できた。
FD1036Aは、FD1035と型番が近そうだからという理由。技術的な情報が見つからなかったんだけど、試すだけでダメでも諦めのつく値段だったから。このドライブは、今時のドライブよりやや厚くて元からEmaxについていたドライブと同じくらい。(もしかしたら古い98NOTEに付いてたんじゃないかな?)
FD1135Dも、実はFD1035と型番が近そうだからという理由なんだけど、ネーミング規則情報によると、FD1135DはFD1035の2HD/2DD対応版らしいという理由もある。(FD1035は2DD専用)ちなみに、FD1135DもFD1035も見た目は近くて、かなりデカイ。フルヘイトってやつ?今時のドライブの2倍くらいの厚み。
さて問題の試した結果。
[FD1036A]
FD1036Aにもジャンパーを設定するところがあったんだけど、ドライブセレクトっぽいところが0になっているのを確認した程度で、あっけなくそのままで動いた。読み書き、フォーマットができたので問題なく使えそうな感じ。
[FD1135D]
FD1135Dは、そのまま付けてみたところ動きそうなんだけどダメだった。
これは、よくあるパターンで、FDからOS起動できるんだけど、フォーマットでエラーになる。
ジャンパーの設定を前つけていたFD1035に真似て見たんだけど、設定項目が違うせいかダメだった。ジャンパーも無意味に弄って試すと変な電気が流れて本体が壊れたりする可能性がありそうで、Emaxの希少性も考えると冒険しにくい。
残念だけどダメかなと一度はあきらめていた。そしたらなんかの弾みで、このページを発見!!
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/7111/1135d.html素晴らしい。これでジャンパーの意味が分かった。
というわけで以下、Emaxが動くジャンパー設定。
HL :2
DH :1
DL :Short
RD :1
DEN:Open
HDE:2
DHG(DCG):1
DX:0
VC:Short
(TST:Short)
数字はその場所にピンを刺す。
Shortもその場所に刺す。短絡という意味ね。
Openはその場所にはピンを刺さない。((*4)にジャンパーの意味を転載しておく)
「DEN」はDensityってことなんだけど、Openじゃないと動作しなかった。これはEmaxの場合、2DD専用のドライブじゃないとダメということなんだと思う。
「DL」はランプの点き方だけなので違っても動作はする。
同様にジャンパーによっては上記とは違う設定でも動く場合があるかもしれない。あまり無意味に試すのはお勧めできないけど、間違っていたら教えて欲しい。
かのページには、
「なおVFOなしのFD1135Cも同様に使用できると思います。」
との記述がある。Emaxでは、FD1135DのRDのVFOの設定は「1:使わない」にして動いたので、やはりFD1135CもEmaxで使えるんじゃないかと思う。
尚、参考資料として、以下のサイトも大変参考にさせていただいた。
http://members.ld.infoseek.co.jp/hamlin/FDD/FDD_0.htmFD1135Dのジャンパー設定についても載っている。
PC98系ドライブを総括できるので、おそらく他にも動くドライブを探すことができると思う。。
まとめると、
Emaxで使用できるドライブは、
Mitsubishi MF353B-12 UJ
Mitsubishi MF353BA-12U
NEC FD1035
NEC FD1036A
NEC FD1135D
NEC FD1135C(未確認)
EPSON SMD-300 (海外のML情報)
FD235HF-A529 (海外のML情報)
うちのEmaxは、ベゼルの大きさとかも加味して、結局FD1135Dを搭載している。
これが前のFD1035と違ってやたら静か。動いて無いんじゃないかってくらい。ベゼルもクリーム色(変色もしてる)なんだけど微妙にEmaxと合うような気がしてそのままで使っている。
ちなみにドライブの入手についてだけど、PC-98系のショップは探すとそれなりにある。ただ、どこもFDドライブは高い。でも、どのモデルが使えるか分かっていれば必要な投資として割り切りやすいんじゃないかな。ヤフオクで気長に探すのも良いだろうと思う。
さて、Emaxのドライブに関してはここまでとしたいと思っている。
以降は真の目的である初期Ensoniq用のドライブの解明のためにもう少し技術的な部分の理解を深めようと思っている。
おそらくなんからの改造とかでTEACのドライブでも動作させることができるのでは?と思っているのだ。
ちなみにEPSにFD1036Aをそのまま載せて見たらダメでした。(FD1135Dでは試していない。)ただ、今回の経験からすると、EPSとかも2DD専用ドライブじゃないとダメかもしれない。
まだまだ先は長そうです。
(*4)FD1135Dのジャンパー設定について。
(
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/7111/ より引用&転載。)
HL DH : ヘッドを降ろす条件1 1 レディ&ドライブセレクト&ヘッドロード
1 2 レディ&ヘッドロード
2 1 レディ&ドライブセレクト
2 2 レディ
DL : アクセスランプ点灯条件short ヘッドが降りているとき
open ドライブセレクト時
RD : VFO設定1 VFOを使わない
2 VFOを使う
DEN : 2HD/2DD切り替え1 2ピンがHレベルで2HD、Lレベルで2DD
2 2ピンがHレベルで2DD、Lレベルで2HD
3 2HD固定
4 ディスクの密度識別ホールで切り替え
open 2DD固定
HDE : 回転数切り替え1 回転数360rpm固定
2 2HD:360rpm 2DD:300rpm
DHG : 34ピン信号1 レディ
2 ディスクチェンジ
DX : ドライブナンバ設定したい番号と中央のピンをつなぐ
0の場合
0 1
.−. .
. . .
2 3
VC : ターミネータshort 有効
open 無効