日経平均株価と呼ばれる、まあ一応景気と経済活動の指標とされる数値が、一時16000円を割り込んだ。
だからどう、というワケでもないのだが、実感のないまま『戦後有数の長期に渡る好景気』と巷で騒がれているこの平成デフレ景気が、単なる財テクブーム、株バブルであったコトを如実に現しているのではないだろうか。
上場各社の決算が公開され、そのほとんどが業績を回復しているというのに、この実感の無さ。
各銀行は好決算から借用していた公的資金を完済しているが、たまたま株価の上昇で取引先企業の資産評価が上がり、破綻懸念先が正常債権へと戻ってきただけのハナシ。
また株価が低迷すれば公的資金のご厄介にならざるを得ないのである。
合併したトコロで問題の本質部分については、何らの解決もされちゃいない。
石油関連はもっと傑作で、原油の異常な高騰により備蓄在庫の評価額が上がっただけのハナシ。
仕入原価が上がるコトによりトコロテン式に売り上げも伸びているが、肝腎の収益体質が強化されたとか、改善されたとか、そんなハナシはちっとも関係していないのだ。
と細かく見ればちっとも好景気なんかぢゃない日本経済。
それでも『バブル崩壊からの復興をとげつつある』なんてコト言わなけりゃ、証券業界もやってはいけないだろう。
今回の株安はアメリカの景気失速によるアメリカでの株安に端を発し、これまで日本株『買い』の主役であった外国人投資家が、アメリカにおける資産評価額を保つ為に資金をアメリカにシフト。
必然的に日本での『売り』膨らみ日本株も全面安。
となれば価格変化の激しい新興市場で信用取引をする日本の個人投資家(いわゆるデイ・トレーダーですか)の評価資産がモロに目減りし、堪らず『売り』。
なんて絵に書いたような大暴落なのですが、いかに企業業績と株価が連動していない(すなわちバブル)かという端的な証明ではないだろうか。
『経済学』はもともと文化系の学問であって、マルクスやらケインズやらを捏ねくり回すのは数学が出来ないヒトのするコトだ、と大学で経済学を志望する若者に恩師は諭してくれた。
その十年後、数学的見地からの経済学、特に『相場理論』へのアプローチが脚光を浴び、その先駆者がノーベル賞を受賞したコトを、若者は知るコトとなる。
そんな最先端の数学でも解明できない、全ての『売り』が一致する大暴落。
チャートなんかで全てが予測できたら誰も苦労はしないのだが、昨今の空前の上昇相場に躍らされてエントリーしたプレーヤーには、まさに想定外のコトだったろう。
そんな素人さんの狼狽で増幅される『売り』と暴落。
今一度『株式投資』について考えるいい機会だと思うのだが…。