
園子温監督の新作。女子高校生54人の集団自殺ってなんだ?
タイトル:紀子の食卓
原作・脚本・監督:園子温
出演:吹石一恵/つぐみ/吉高由里子/光石研/並樹史朗 /宮田早苗/三津谷葉子/古屋兎丸/手塚とおる
製作:2005年日本
島原紀子(吹石一恵)17歳高校生(相当無理があるけど言っちゃだめ)。大学進学は東京へ行きたいのだが、父に反対されている。東京の学校に行った従姉妹が二人とも妊娠して帰ってきたので、余計心配して地元の大学に行けと言っているのだ。
いじっぱり、へそまがりの私は思うようにならない現状にがまんがならない。
何かに情熱をぶつけたくて、父親が自由に使わせてくれないインターネットをするために、PC教室の放課後開放を先生に申し入れた。
どうせ無理だと思いながら頼んでいたのだが、学校は意外とあっさり認めてくれた。
放課後自由に使えるようになったPCで、いろんなホームページを覗いていた。
そこで目についたのが、女子高校生の悩みを書き込む「廃墟.com」というホームページ。
ここでは私は「ミツコ」と名乗り、今の自分とは違う人間として生きることができた。サイトをしきっている「上野駅54」さんや他の仲間とと知り合いになり、彼女たちとはなんでも話し合えると感じた。
ここと全然ちがうところに行ってやる。
強い衝動にかられた紀子はある夜突然家出した。
東京まで出て、ネットカフェから上野駅54さんに連絡を入れた。
上野駅54さんは上野駅54で待ち合わせをしようと連絡してきた。
上野駅54ってどこなの、駅で聞いても知っている人はいない。
とりあえず荷物をコインロッカーに入れようとして気がついた。
上野駅の54番ロッカー。
私はロッカーの前で上野駅54ことクミコ(つぐみ)と会うことができた。
紀子の妹・ユカ(吉高由里子)は、家のPCの履歴から廃墟.comの存在を知っていた。
2002年某月某日新宿駅8番線プラットホームから女子高生54人が、ホームへと一斉に飛び込んで自殺した。前日廃墟.comに表示される赤い点が54個増えたことを知っていたユカはこの自殺と廃墟.comに関係があるとすぐにわかった。
姉もきっとここにいる、そう直感したユカは姉を追って家出する。
ユカの家出から2ヵ月後、紀子とユカの家出は自分のせいだと思い込んだ母親が自殺する。残された父徹三(光石研)は、子供のことも、妻のことも何も自分はわかっていなかったことに気がつく。
子供が失踪しても、自分は仕事を続けていた。子供の手がかりを一生懸命探したが、妻のことは何も考えてなかった。
一人残されてはじめて徹三は、娘のことを本気で探そうと決意する。
クミコが主催するサークルは人との関係を求める人に、関係をレンタルするサークルだった。家族がほしい人には、もっともらしい家族をレンタルするし、自分を捨てた彼女に恨みを話したい男には、自分を捨てた女を演じる女をレンタルする。
上野駅のコインロッカー54番に捨てられた赤ん坊だったクミコは、人と人の関係なんかないほうがいいと思っている。人は与えられた役割を忠実に演じることだけを考えていればいい。そうすれば何かに悩まされることもなく生きていけると考えている。
紀子を捨てたミツコもユカも別の人格として生きて行こうとするが、彼女たちを探しあてた父親が関係を求めてやってくる。
・・・
うーん、この映画のメッセージがわからない。
クミコのように人との関係性を拒否する生き方を、否定するわけでもない。
徹三のようにわかったふりして、うわっつらだけで関係を持つ生き方を否定するわけでもない。
自殺する役割が与えられればためらいなく自殺する。それを肯定も否定もしない。
役割を忠実に演じている人は生きているといえるのか。
紀子の同級生でみかんという女の子が出てくる。小学校で尊敬する人はと聞かれて「みかん」と答えたばっかりにニックネームがみかんになった。
彼女はコスプレ制服でイメクラ大学に通っている。繁華街でチラシを配っていて同級生に会っても恥ずかしいそぶりも見せない。
演じていても自分は自分、俺はみかんのほうがいいな。
ところで、初日に行ったので舞台挨拶がありました。
園子温監督
この映画は奇跡のキャストです。口コミでみんなに見てもらえるといいなあ。
吹石一恵
撮影が冬で、セーラー服は寒くてきつかった。
(映画ではセーラー服ではなくてブレザーでしたよ)
この人質問されたら、「リハーサルと順番違いませんか、まだ何にも考えていません。」
だって、あんまり融通きかない人なんでしょうか。
つぐみ
台本を一気に読んだ、こんなの初めて。他の人の演技に負けないように頑張った。
(この人の演技よかったと思います)
吉高由里子
監督はやさしくていっぱい教えてもらいました。
3回見ましたが、つぐみさんといっしょにこっそりまた見に来ます。
映画の中では、聡明そうな話しぶりだったが、生のしゃべりは天然系の女の子に聞こえて、これじゃあ親切に教えるよなと思いました。
光石研
監督と年が同じで親近感を覚えた。この映画を気に入って何回も見てください。
★★★★/5