2012年01月24日

仕事はじめ2012

1月24日(火)天気晴れくもり

いやー今年寒いわー!!
降り出した雪.jpg
家中の窓が結露しまくり、
壁際に置いたカラーボックスの裏なんて恐くて見られない。
そしてここに越してきて初めての積雪。
雪の朝.jpg
意外に活躍してるのが、
お値段以上な◯トリで買った遮光カーテン。
値段の割に重くて分厚いだけあって、
同じ方角に向いてる普通のカーテンを下げた窓より、
格段に結露ぶりが違う気がする。

そんな寒さの中、
今年も鶴岡塾・上総掘り技術伝承研究会の活動が始まった。
1月15日(日)、仕事はじめは竹ヒゴ削り。
人数が集まらず、牛久のAさんとともに地道に竹を削る。
'12仕事初め.jpg
切り出してから日数が経ってしまい、
さすがに硬くなってきて、特に腹の方を削るのが難儀だ。
嗚呼面取り.jpg
これは人数が集まった日にでも、
電ノコで一気に仕上げてしまった方が良いのかも。
面取りまくり.jpg
でも鶴岡先生に教わった通りに地面に腰を下ろし、
足でセンを押さえながら竹削りにいそしむAさんの姿には、
昔ながらの手仕事を忠実に覚えようという情熱が、
静かに伝わってくる。

何せ冬場の作業が多い竹削り、
超がつく寒がりの私は、イスに腰掛け、座布団を敷き、
ホントに寒い日は掘削もしないのにゴム長靴で作業する。
何でって、スニーカーよりあったかいからよ(汗)。

Aさんは常に地下足袋姿なので、足技が自由になるのだ。
先生の現役時代は年中裸足で井戸を掘っていたから、
竹削りも地面に腰を下ろし、足指で押さえながらが当たり前

足場に上がる時も、靴より滑らないから裸足が一番だった、
という話を聞いている。
もー、昔の人にはかなわんわ!
水を使う井戸の掘削で裸足なんて、
今の私には真夏以外、到底不可能(涙)。

私らボランティアでやってるから、
ケガ防止のためにちゃんと靴履いて作業すべきだけど、
暑い時期なら確かに裸足で丸太に上ると気持ちいい。
しかし真冬である今、
私の防寒対策と言ったら右に出る者ナシであろう。

それはさておき、早く掘り始めたい!と、
気短かな私は2012年の掘削はじめを切望していた。
だって、掘れば1日2mよ?
今、掘らずにいつ掘るのさ!

その4日後の1月19日(木)、ようやく掘削はじめ!
冬枯れ足場.jpg
4名が作業に参加、まずは現場整備。
ネバミズダメをスコップで掘ったり、
入念な竹ヒゴの継ぎ目チェック。

暮れから傷みが心配されていた部分を、
外して少し切って、新たに4つ割りで継ぎ直す。
竹ヒゴ断面.jpg
ウワガマから1本目が短い仮ヒゴだったので、
7mの本ヒゴに付け替え。
重りをつける.jpg

竹ヒゴ♂.jpg

竹ヒゴ繋ぎ替え.jpg

そして、午前中に丁寧なスイコ作業。
4回程、井戸孔に下ろして溜まった粘土をさらう。
午後、掘り鉄管を下ろして、約1ヶ月ぶりの掘削開始。
ヒゴグルマから冬空.jpg

相変わらず当たりは硬く、掘り屑はごく細かい砂。
微量の貝のかけらも混じっている。
1.19掘り屑.jpg

4人で交替しながら、ひたすらシュモクを握る。
本ヒゴにしたぶん、長くなって空で踊る竹ヒゴが、
あっと言う間に短くなっていって、
午後からのほんの2時間程度で、92cm掘れて、
現在の掘削深度は37m32cm。
順調だわー。
1.19掘削深度.jpg

早いとこ40mを超えてみたいのだが、
深くなってくるとヒゴグルマを廻すのが大変になる。
掘り始めの、竹ヒゴ2〜3本ぶん廻すのと違い、
だんだん距離が延びていくわけで、
これが100m超えた日にゃー、
掘り屑の詰まった鉄管を地上まで上げると、
完全に息が上がって喘息の発作か?!という状態になる。
ブリキ製で軽いスイコならまだしも、
鉄管はやっぱ重いよ〜。
自分の体重で鉄管を持ち上げながら、
急な上り坂を、同じペースで掘削深度ぶん、ゆっくり登る。
これをラクにこなすには太るのがかなり有効なのだが、
この年で太ると戻らない→命取り(涙)なので、
この前いっぺん激重たいリュックを背負って廻してみたが、
逆にしんどかった(当たり前か)。
ネズミプレイは楽しそうに見えて、
実はなかなかハードなのだ。

でも、実際に掘ってナンボの上総掘り、
ヒゴグルマがハードになればなっただけ、掘れたってこと。井戸掘り職人冥利に尽きるわけさ。
Posted by 絵と文屋 at 21:25  |Comments(2)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月16日

初場所から教わること

1月11日(水)天気晴れ

プチ・ポッキーの日。

お正月は多少の取材あり、風邪っぴきあり、
原稿書きありで過ごしたが、
引っ越して以来、いつか暇が出来たらと先延ばしていた、
「この道、入ってったらどこに出るのかしら」
を徒歩でようやく実行。

地元寺.jpg

まだ慣れない街で、車も入れないような脇道を歩いてみる。
まだお正月ののんびりさが目立つ住宅街、
田んぼや畑の中の1本道、をてくてく行き、
看板だけいつも目に入っていた地元のお寺に入ってみた。
普段から、街巡り取材で見知らぬ寺社に入るたび、
お賽銭とともに、ちょっとしたお祈りをする。
有名な、大きな寺社にはそうやって仕事で行けるので、
初詣は、歩いていける地元の無人の神社やお寺で済ませる。

そういえばテレビの大相撲初場所中継を、
久々に何気なく見ていたら、
以前住んでた街の部屋に在籍するロシア人力士・阿夢露が、
十両力士紹介のコーナーでインタビューされていた。
私が近所に住んでいた頃は部屋から幕内力士も出ず、
阿夢露もなかなか成績がふるわなかったらしい。
部屋のホームページを見てみると親方に、
「来日した頃の情熱を思い出せ!」的な、
かなり厳しいコメントをつけられていたっけ。
ある時、駅前のロータリーで、
面会に来たお母さんと駅前を歩いていたのを見かけた。
本人もでかいし、お母さんも180cmくらいあったが、
すごく微笑ましい場面だったと記憶している。

あれからずいぶん経って、もうとっくに帰国?
と思っていたのに、十両になっていたとわ!!

朝青龍無き後、私の中で大相撲は終わっていたのだが、
外国人力士が日本で頑張っている姿がとても好きだ。
言葉もわからない国に来て、
日本人ですら理解に苦しむ作法やら慣習を身につけ、
特殊で閉鎖的な世界で成績を残さないといけない。
偉くなったらなったで、「また外国人か」とか、
「やっぱり横綱や大関は日本人が…」とか言われ、
だったら最初から呼ぶなよ!とツッコみたくなる。

良かったな〜、阿夢露(あむうる)関。頑張ったんだね。
十両力士の取り組みからテレビの前にいることは、
自営業とはいえなかなか難しいけれど、
大相撲中継から元気をもらったの久しぶり。

頑張ってる人は、世の中にたくさんいる。
と、具体的に再認識することは、
とっても大切だ。今の私にとって。

Posted by 絵と文屋 at 22:11  |Comments(4)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月02日

年始の井戸論

1月2日(月)天気晴れくもり

明けまして御目出度う御座候、
昨年中は大変御世話に成り候、
今年も何卒宜敷く御願い申し上げ候、
それを略してあけおめ・さくおせ・ことよろ!
とは良く言ったもんで。

お雑煮・伊達巻き・筑前煮さえあれば、
つつがなしやお正月である。

たなくじ.jpg

今日あたりから「冬休みの宿題」に手をつけようと思うが、
せっかく時間があるので、ずっと掲載したかった、
以前そではくに見学に訪れた学生さんのレポートを、
ようやく掲載しておきます。

彼が一昨年10月にくれたメールは要約すると以下の通り。

「こんにちは、はじめまして。
関西外国語大学外国語学部スペイン語学科3年生のUと申します。
ホームページを見てメールしました。
ぼくは大学のゼミで「国際協力論」を勉強しています。
そして今学期は生徒各々で国際プロジェクトについて調べて、プレゼンテーションをすることになりました。
そこで何か「水」関係の国際プロジェクトについて研究してみようと考え、インターネットで調べ物をしていたところ「上総掘り」という伝統的な井戸掘り技術があり、それが国際協力にとても貢献していることを知りました。
自分のプレゼンテーションが11月10日ですので個人的に取材をさせてもらうことは可能ですか?
また関西圏で上総掘りを行っている団体をご存じでしょうか?自分の住んでいるのが奈良県ですので、近場で取材ができるとありがたいのですが。。。」

このブログでも紹介したが、なんと一昨年11月13日、
本当に関西から単身そではくを訪れた彼は、
無事にプレゼンを終え、報告のメールを送ってくれていた。

「無事先月24日にプレゼンを終えることができました。
本当は授業で使用したパワーポイントを添付したいのですが、容量が大きすぎるようでメール添付できませんでした。
プレゼンを終えてみると、ゼミ生のみんなが井戸掘りに非常に興味をもってくれました。
たった20分のプレゼンで、上総掘りについてもっと教えてほしいというコメントもたくさんいただきました。
みんなの食いつき方をみても今回取材させていただけて本当によかったと実感しています。
此度は本当にありがとうございました!!
鶴岡先生をはじめ上総掘り技術伝承会の方々にもよろしくお伝えください。
次の目標として、もう一度メキシコへ行って水事情をより詳しく研究しようと考えています。その過程でまたそちらにお伺いすることがあるかもしれません。
そのときはまたよろしくお願いします。」

そして1年が経った昨年の10月、
再びうちのパソにメールが届いた。
機械オンチの藤代さんにはわからないが、
どうにかしてメール添付の方法を見つけてくれたのだろう。

「その後いかがお過ごしですか?
ぼくは、その後スペイン・オランダ・カンボジアを旅し、今は再びメキシコへ来ています。今回は留学で来ていて約1年滞在する予定です。
さてそれらの国々を回っている間、常に“水”のことを考えていました。
スペインでは雨が少なく旱魃があって、そのため海水を淡水化する技術が発達していました。
オランダでは、その国土の性質故、水門の技術が発達していました。しかもそれが国レベルの問題なので、なにか洪水に対する国の団結力を感じました。
カンボジアでは水の汚染問題を目の当たりにしました、というのもカンボジアにはトンレサップという川があり、その上流は中国にあります。中国は今、内需拡大に伴いダムの開発を進めています。その過程で、下流に位置するカンボジアでは河川や湖で、ヒ素汚染や旱魃・増水(ダムの開閉により)が起きているということでした。
そしてここメキシコでは、驚いたことに洪水が起きています。しかも貧困のある地域で。
ぼくはまだメキシコで貧困地域の現状を実際に見た訳ではないので、この冬休みはそのような地域を取材しながら旅しようと思っています。最近では水以外にも、村落開発に興味が湧いてきたので、旅して貧困地域を訪れる中でそのことについても考えたいとおもっています。
最後になりましたが、去年使用したpptとword文書、それとカンボジア旅行の報告書を添付します。去年のぼくが出した結論は少し乱暴で、不快な思いをさせてしまうかもしれないという気持ちもあり、すぐに送ることができませんでした。今は村落開発という観点から、井戸の重要性を再認識しています。
また日本へ帰ったときは報告も兼ねて千葉へ訪問します。それではまた会う日まで。」

秋学期レポート.docx

確かに、井戸を見学に来た人の意見なのに、
井戸が否定されている結論には正直、驚いた。
ここ数年来、上総掘りの海外進出については、
「日本の伝統技術を風土の違う途上国に押し付けている」
「先進国の人間の自己満足」
などとこき下ろされることがよくある。

上総掘りは、上総地域の風土を活かして生まれた技術で、
竹や粘土を使い自噴することを前提とした掘り方だが、
その原理を活かして実際に多くの国々で井戸が掘られ、
結果を残してきている。
そしてジャロさんプロジェクトのように、
政府や企業が相手にしない個人レベルの国際援助を、
誰が批判することが出来ようか。
水道はおろか、電気などのライフラインや、
そもそも警察もまともに機能していない地域では、
重機や燃料なしで少人数で掘れる技術に頼るしかない。

数年前、上総掘りサミットでも、
井戸を掘るより雨期に雨水を貯めるシステムが紹介され、
ジャロさんが食い入るように注目していたのを、
私も知らないわけではない。

賛否両論、新しい考え方はこれからも次々に出てくるはず。
でもとりあえず、今の私が携わっていけるのは、
この千葉の地で上総掘りの技術伝承に尽力することだけ。
身の丈で、作業着で足場に上がることだけだ。

新たな視点を教えてくれたUさんには感謝したい。
古い伝統だけに縛られるのは、
鶴岡塾の教えの本意ではないしね。

年の初めに、井戸にまつわるネタからスタート出来る、
これもまた、私にとっての倖せのかたちだ。
Posted by 絵と文屋 at 15:24  |Comments(2)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする