朝日新聞朝刊によると、関西経済連合会の秋山会長が、「2008年度までに、(大阪の4つのプロ・オーケストラが)一つになれるよう話し合って欲しい」旨の発言を行ない、大阪府、大阪市とも協議して、統合を提言する考えを示したという。
現在大阪には、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、大阪シンフォニカー交響楽団、大阪センチュリー交響楽団の4つのプロ・オーケストラ(細かく言えば、他にもいくつかあるのだが、ここでは割愛する)が存在するが、行政や財界が計10億円を支援していても、4つに分かれていては効率が悪い、というのが、その理由だそうである。
自称構造改革、実は経済効率優先主義の波がついにここまで押し寄せたか、というのがまずもって率直な感想だけれど、一方で、確かに4つのオーケストラが一つにまとまれば、今よりもっとましなオーケストラができるんじゃないか、と思わないこともなくはない。
(例えば、大阪フィルの少々「くたびれて」「だれた」ロートル楽団員の姿を思い出して)
ただ、事はそう単純ではない。
オーケストラの合併統合論議というのは、大阪に限らず、東京でも何度も繰り返されてきたことだけれど、結果としては、東京フィルハーモニー交響楽団と新星日本交響楽団とが統合して(と言うより、前者が後者を吸収して)「新」東京フィルハーモニー交響楽団が結成されたものの、一方では、東京ニューシティ管弦楽団や東京ユニバーサル・フィルなどという新しいオーケストラが誕生しているほどである。
例えば、音楽大学という演奏者を育てるシステムが確固として存在する限り、その受け皿となるべきプロのオーケストラが必要とされるのは自明の理だろう。
つまり、大阪のプロ・オーケストラが一つに統合されたとしても、早晩「新大阪フィル」だの「大阪シティフィル」だの「大阪人民交響楽団」だのという名前の新しいプロ・オーケストラが誕生するだろうことは火を見るより明らかだと思う。
だいたい、一つにまとまったオーケストラにあぶれた楽団員はどこに行くというのか?
(「そんなの俺らの知ったこっちゃない。あぶれた連中は、アマ・オケにでも参加しろ。それでもプロのオケをつくりたいなら、勝手にしくされ」、と秋山会長らは宣うのかもしれないが)