December 21, 2011

MACHINE MESSIAH

 今日も最近出たロニー御大の音源を取り上げます。
 このブートはANGRY MACHINES発表当時に行われた'97年5月の来日公演から、名古屋公演以外の3公演を素性の良いAUD録音でセットにした6CD-Rです。

DIO / 「MACHINE MESSIAH」
MACHINE MESSIAH

  本作の収録曲目は以下の通り。

・Disc 1/2 : '97年5月7日・大阪,梅田ハートビート公演
・Disc 3/4 : '97年5月10日・川崎,クラブチッタ川崎公演
・Disc 5/6 : '97年5月11日・川崎,クラブチッタ川崎公演

Disc 1/3/5
1. Opening
2. Jesus, Mary And The Holy Ghost
3. Straight Through The Heart
4. Don't Talk To Strangers
5. Holy Diver
6. Drums Solo
7. Heaven And Hell
8. Double Monday
9. Stand Up And Shout
10. Bass Intro.
11. Hunter Of The Heart

Disc 2/4/6
1. Mistreated(Incl. "Catch The Rainbow")
2. Guitar Solo
3. Mistreated (Reprise)
4. The Last In Line
5. Rainbow In The Dark
6. The Mob Rules
7. Man On The Silver Mountain
8. Long Live Rock'N'Roll
9. Man On The Silver Mountain (Reprise)
10. We Rock (*Disc6のみ1分程度の収録)


 '97年のDAT録音だけあって、3公演とも非常にクリアで聴き易いサウンドで収録されています。同一テーパー録音という事で、使用している機材や手法もほぼ同じと思われ、その通りに音のバランスや分離感、演奏の近さはどれもいい勝負。実際に大阪と川崎2日目はやや丸みを帯びた音色で似通った印象を覚えますが、Disc3/4の川崎初日のみなぜか高音が強調されたハイ上がりな音像です。悪く言えばキンキンしていて聴きづらい、という事になるでしょうが、このメタリックな音も"モダン ヘヴィネス"のDIOならば似合うと、まぁ言えない事は無い。
 全てのライヴで共通して言えるのは、小規模なクラブでの演奏らしい密接なムードが特徴で、ベースやキーボードも割合しっかり聴き取れるサウンドという所でしょうか。ロニー御大のヴォーカルはどれも素晴らしく、ヴィニーやトレイシーなどの演奏も悪くない。ライヴの出来は3公演を通じて安定していると思います。トレイシー時代のDIOは評価が低い、というイメージですが、音を聴く限り場内も盛り上がっていて、ネガティヴな印象は覚えません。

 この時期のみのオープニング「Jesus, Mary And The Holy Ghost」は個人的にも好きな楽曲。トレイシーのギコギコしたギターにロニーが気迫一杯のヴォーカルを乗せる曲想は'80年代以上に攻撃的。ロニーは"モダン ヘヴィネス"路線でこういう事をやりたかったのかな?という「気持ち」が伝わります。トレイシーのギターが奏でる「Straight Through The Heart」や「Don't Talk To Strangers」もヘヴィで格好よい。特に「Don't Talk To Strangers」や「Stand Up And Shout」はバッキングも鋭くて、もしかしたらヴィヴィアンが弾いていた頃よりも好きかも? これらDIOのクラシックに限らず、「Heaven And Hell」や「The Mob Rules」といったSABBATHナンバーも今聴き返すとトレイシーのギターが思った以上に嵌っていて、意外なくらい楽しんでしまいました。これらに対してRAINBOWナンバーは確かに"似合わない"のかも知れませんが、ライヴの選曲がお約束の「Man On The Silver Mountain」や「Long Live Rock'N'Roll」ではなく「Kill The King」のようによりハードなタイプだったら、案外似合った・・・かも?
 しかし「Mistreated」は上手くいっていると思う。これはリッチーようなクリアなギターでなければダメ、と言う人も多いでしょうが、きっとそれはこの曲を「ギターのための曲」だと感じているからだと思う。カヴァデールが言う所の「ヴォーカルのための曲」としてこれを捉えた時、私にはロニーの絞り出すような歌にトレイシーのねちっこいギターがまた似合って聴こえるのです。中盤のスローで粘るような「Catch The Rainbow」もまたイイ。ヴィニーのドラムもタメが効いていて一発が重く、私にとっては理想的な「Mistreated」です(リプライズ部分のシメで「ジャパ〜ン!」と付け加えるロニー御大の歌いまわしも最高)。これを演奏してくれただけでもトレイシーがDIOに入った意味があった、と感じるくらい。

 メドレーにならない「The Last In Line」も珍しいと言えば珍しい気がするし、単品の楽曲志向なDIOライヴをいいAUD録音で楽しませてくれるアイテムです。ただでさえトレイシー時代な上に、「Hunter Of The Heart」のベースソロを除いてDIO'S INFERNOと同じセットリストなので、この6枚組を欲しがる人はそんなに多くないとは思いますが、機会があればどうぞ。
 良いですよ。トレイシーの「Mistreated」。

 しかしその「DIO'S INFERNO」からもすでに14年・・・時間の流れは速いですね。


【レア音源(ブート)レビューの最新記事】

この記事へのトラックバックURL

http://blogs.dion.ne.jp/funabashi_bootleg/tb.cgi/10544104
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※半角英数字のみのトラックバックは受信されません。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのコメント
こんばんは。

この頃はライヴは問題ないのですがやはりアルバムが・・・・というのが個人的な感想です。
日によってはNeon KnightsやChildren Of The Sea等もやってて集大成の様なセットリストは好きですね。

大阪公演のはBSTというレーベル(sylphの前身?)から出ていますが音質はいまいちだったのを覚えています。
Posted by HAL at December 22, 2011 00:07
>HALさん
こんばんわ。

この時期はアルバムがちょっと・・・「良い」とは言えないですよね。その分ライヴではいい演奏を聴かせてくましたし、おっしゃる通りSABBATHナンバーも多くて、個人的にはツボなんですけれど。
大阪公演の既発は昔、ブートを集めだした頃に持っていました。今は何処かに埋もれてしまいましたが、この6枚組が出たので、もう出てこなくても良い・・・かな?
Posted by 船橋所属 at December 22, 2011 17:38
船橋さん、今年もよろしくお願いいたします。

さて、これは、10日の川崎に行ったので入手しましたが、
まさにこの日が一番良い感じです。
大阪は既発の方が良いと思いますし、最終日はWE ROCKが・・・といったところで、個人的には当たりのブツでした。
これがあれば、トレイシー期はもういいかな。
Posted by こだわり親父 at January 10, 2012 18:14
>こだわり親父さん
こんにちわ。
こちらこそ今年も宜しくお願いいたします。

このブートはDisc 6の「We Rock」など、細かい点で気になる部分はありましたが、全体的に満足感が高い6枚組でしたね。この音源のほかは公式ライヴがあれば、おっしゃる通りトレイシー時代は充分という気もします。
他の時代でも、こういう優れたパッケージが出て欲しいですね。
Posted by 船橋所属 at January 11, 2012 11:00


 
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
※半角英数字のみのコメントは投稿できません。