2005年11月08日
公認会計士2次試験合格発表
7日に公認会計士2次試験合格発表がなされた。今年の合格者は1308名。過去最高の合格者を出した前年より70名減少したとのことだ。
公認会計士の増加が目指されている中、今年合格者が減少に転じたのは、来年から試験制度が大幅に変更されるためとか、公認会計士の粉飾決算関与による逮捕者が出たことなどが受験者の減少につながったためと見られている。
公認会計士は上場企業などの監査を担当する。これまで、監査って何?という人は多かったと思われるが、最近はいろいろな不祥事のおかげで、多少は認知度がアップしてきたのではなかろうか。簡単にいえば、監査とは、企業が発表する決算書が会計のルールにのっとって正しく作成されていることを証明する仕事である。
ところで、監査の契約は、決算書を作成する企業と締結し、報酬を企業からいただくのだが、監査は投資家の判断に役立つように、投資家のためになされるという変な関係にある。この点、企業に不利な情報を開示することは、投資家のためを考えると当然のことである。しかし、報酬をもらっている公認会計士の集団である監査法人は、企業に気に入られないと契約がなくなってしまうと恐れて、企業のいいなりになってしまうという構図があったことは否定できないだろう。このことは、カネボウの粉飾決算関与のことからも垣間見えた現行の監査制度の弱点であるといえる。
このような事態を受けて、企業と担当会計士が癒着しないように定期的に担当会計士を代えるローテーション制度が採用されはじめた。この制度は、どの程度有効に機能するだろうか?担当会計士と企業との緊張関係という点では、一定の評価はできるが、監査法人と企業との関係には変わりはないのである。両者の緊張関係を維持するためには、監査は投資家のための公の制度なのだから、報酬を企業からもらうのではなく、投資家のための第三者機関を設立し、そこから報酬を出すことで、公認会計士の独立性を担保することも一考の余地があるように思う。ただ、報酬の原資をどこから調達するのかという問題もあるし、あまり会計士側と企業側とが対立する関係になると、監査において企業の協力が得られなくなり、十分な資料が入手しえなくなるおそれもあるので、そのような制度の実現はやはり困難といわざるをえない。
やはり、公認会計士は職業専門家として高度の倫理観を持ち、自分たちの仕事が、自分たちの組織の維持だけのためになされているのではなく、投資家保護という公共の目的でなされることを強く自覚して業務に従事してもらうことが大切なように思う。
これから、試験制度の変更によって、さらに公認会計士の数が増えることが予想されるが、高度な倫理観を備えた立派な会計士が増加することを期待したい。さて、いつもは長文になる場合、追記の部分で私の考えを記載してきたが、今回は公認会計士についてちょっと補足の豆知識。
今年までの公認会計士試験は、この2次試験が難関といわれてきた。1次試験は、大学卒業者であれば免除される。2次試験は多肢択一式と論文式試験からなる。科目は必須科目の会計学(簿記論、財務諸表論、原価計算、監査論)と商法、選択科目(3つのうち2つを選択)の経済学、経営学、民法で、都合7つの科目をこなさないといけない。
さて、2次試験に合格すると、会計士補と呼ばれる資格が与えられ、主に監査法人で実務に従事することになる。そこでは、しっかり給与をもらうことになるし、その給与の額も学卒のエリート新入社員よりもかなり高額の報酬をもらうことになる。(年収500万以上にはなるでしょう。)
ちなみに、公認会計士になるには3次試験に合格しなければならないのだが、その受験には一定の要件が課せられている。それは、1年半(?)の実務補習という研修を受講し単位を取得することと、2年間の業務従事で、毎年、財務局(?)に提出される各企業の監査概要書(?)にその名前を従事者として記載され、2社以上の概要書の写しを2年分提出する必要がある。それゆえ、公認会計士になれるのは2次試験合格後、3年後に受験要件を満たした後の3次試験合格してからということになる。だから2次試験合格では、公認会計士は名乗れない。以前、新聞記事を見ていると、会計士補のことを、公認会計士補なんて記載していたこともあったが、そんな名称は存在しないのである。
新制度になると、3次試験がなくなる。そのため、3次試験の科目である税法が2次試験で課せられる。果たしてどれくらいのレベルの出題がなされるのだろうか?受験生にとっては、とんでもない負担である。受験で苦労することが予想されるにもかかわらず、2次試験に合格した当初は、何の資格(名称)もないのである。2次試験に合格し、一定の期間、業務に従事してようやく公認会計士になれるようだ。これまでは、2次試験に合格していれば、自分の名刺に会計士補と書いて企業の経理担当者に渡していた。でも、新制度下では会計士補は存在しなくなるのである。公認会計士試験合格者とでも名乗るのか?私にとっては謎である。また、今年で最後となる会計士補たちは、いつまでに3次試験を受けなければならないのだろう?会計士補はこれからもず〜っと名乗れるのだろうか?これも私にとっては謎である。
最後に、公認会計士は何やってんの?ということであるが、監査業務は公認会計士の独占業務なので、監査をするのは当然である。その他にも、今はやりのM&A業務や、企業再生分野の業務(企業の再建計画の妥当性調査など)にも携わっている。これらの業務には公認会計士の資格がなくとも従事できるのだが、数字に強い公認会計士に活躍が求められているのも当然であろう。
これから合格者がますます増加すると、監査以外の専門的業務だけでなく、一般企業の中での活躍も期待されるであろう。まあ、どの分野で生きていくかは、人それぞれなのである。
公認会計士の増加が目指されている中、今年合格者が減少に転じたのは、来年から試験制度が大幅に変更されるためとか、公認会計士の粉飾決算関与による逮捕者が出たことなどが受験者の減少につながったためと見られている。
公認会計士は上場企業などの監査を担当する。これまで、監査って何?という人は多かったと思われるが、最近はいろいろな不祥事のおかげで、多少は認知度がアップしてきたのではなかろうか。簡単にいえば、監査とは、企業が発表する決算書が会計のルールにのっとって正しく作成されていることを証明する仕事である。
ところで、監査の契約は、決算書を作成する企業と締結し、報酬を企業からいただくのだが、監査は投資家の判断に役立つように、投資家のためになされるという変な関係にある。この点、企業に不利な情報を開示することは、投資家のためを考えると当然のことである。しかし、報酬をもらっている公認会計士の集団である監査法人は、企業に気に入られないと契約がなくなってしまうと恐れて、企業のいいなりになってしまうという構図があったことは否定できないだろう。このことは、カネボウの粉飾決算関与のことからも垣間見えた現行の監査制度の弱点であるといえる。
このような事態を受けて、企業と担当会計士が癒着しないように定期的に担当会計士を代えるローテーション制度が採用されはじめた。この制度は、どの程度有効に機能するだろうか?担当会計士と企業との緊張関係という点では、一定の評価はできるが、監査法人と企業との関係には変わりはないのである。両者の緊張関係を維持するためには、監査は投資家のための公の制度なのだから、報酬を企業からもらうのではなく、投資家のための第三者機関を設立し、そこから報酬を出すことで、公認会計士の独立性を担保することも一考の余地があるように思う。ただ、報酬の原資をどこから調達するのかという問題もあるし、あまり会計士側と企業側とが対立する関係になると、監査において企業の協力が得られなくなり、十分な資料が入手しえなくなるおそれもあるので、そのような制度の実現はやはり困難といわざるをえない。
やはり、公認会計士は職業専門家として高度の倫理観を持ち、自分たちの仕事が、自分たちの組織の維持だけのためになされているのではなく、投資家保護という公共の目的でなされることを強く自覚して業務に従事してもらうことが大切なように思う。
これから、試験制度の変更によって、さらに公認会計士の数が増えることが予想されるが、高度な倫理観を備えた立派な会計士が増加することを期待したい。さて、いつもは長文になる場合、追記の部分で私の考えを記載してきたが、今回は公認会計士についてちょっと補足の豆知識。
今年までの公認会計士試験は、この2次試験が難関といわれてきた。1次試験は、大学卒業者であれば免除される。2次試験は多肢択一式と論文式試験からなる。科目は必須科目の会計学(簿記論、財務諸表論、原価計算、監査論)と商法、選択科目(3つのうち2つを選択)の経済学、経営学、民法で、都合7つの科目をこなさないといけない。
さて、2次試験に合格すると、会計士補と呼ばれる資格が与えられ、主に監査法人で実務に従事することになる。そこでは、しっかり給与をもらうことになるし、その給与の額も学卒のエリート新入社員よりもかなり高額の報酬をもらうことになる。(年収500万以上にはなるでしょう。)
ちなみに、公認会計士になるには3次試験に合格しなければならないのだが、その受験には一定の要件が課せられている。それは、1年半(?)の実務補習という研修を受講し単位を取得することと、2年間の業務従事で、毎年、財務局(?)に提出される各企業の監査概要書(?)にその名前を従事者として記載され、2社以上の概要書の写しを2年分提出する必要がある。それゆえ、公認会計士になれるのは2次試験合格後、3年後に受験要件を満たした後の3次試験合格してからということになる。だから2次試験合格では、公認会計士は名乗れない。以前、新聞記事を見ていると、会計士補のことを、公認会計士補なんて記載していたこともあったが、そんな名称は存在しないのである。
新制度になると、3次試験がなくなる。そのため、3次試験の科目である税法が2次試験で課せられる。果たしてどれくらいのレベルの出題がなされるのだろうか?受験生にとっては、とんでもない負担である。受験で苦労することが予想されるにもかかわらず、2次試験に合格した当初は、何の資格(名称)もないのである。2次試験に合格し、一定の期間、業務に従事してようやく公認会計士になれるようだ。これまでは、2次試験に合格していれば、自分の名刺に会計士補と書いて企業の経理担当者に渡していた。でも、新制度下では会計士補は存在しなくなるのである。公認会計士試験合格者とでも名乗るのか?私にとっては謎である。また、今年で最後となる会計士補たちは、いつまでに3次試験を受けなければならないのだろう?会計士補はこれからもず〜っと名乗れるのだろうか?これも私にとっては謎である。
最後に、公認会計士は何やってんの?ということであるが、監査業務は公認会計士の独占業務なので、監査をするのは当然である。その他にも、今はやりのM&A業務や、企業再生分野の業務(企業の再建計画の妥当性調査など)にも携わっている。これらの業務には公認会計士の資格がなくとも従事できるのだが、数字に強い公認会計士に活躍が求められているのも当然であろう。
これから合格者がますます増加すると、監査以外の専門的業務だけでなく、一般企業の中での活躍も期待されるであろう。まあ、どの分野で生きていくかは、人それぞれなのである。
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