2010年11月11日

多羅尾滝の脇 磨崖仏

新名神高速道の信楽ICから車で約30分、信楽町多羅尾の交差点からすぐの道路脇の崖の壁面に、添付写真の磨崖仏がある。A〜C群に分布が分類されるが、添付写真はA群で、幅832.5cm、高さは最高部で148cmある。その区域のうち向かって左ブロックに、阿弥陀如来坐像を中央に左側に不動明王、右に地蔵菩薩坐像を刻む。紀年銘は正中二年乙丑十一月十一日、大願主紀氏宗成と陰刻する。正中二年は1325年で、太陰暦を度外視するなら正中二年の十一月十一日は、685年前の今日の造立ということになる。甲賀市史を見ると、阿弥陀如来坐像には彩色が一部に残るとされているが、確認できなかった。このような磨崖仏であるが、鎌倉の天国ハイキングコースの途中にある通称「わめき十王岩」にしても、最初に訪れた1983年と再訪した昨年を比較すると、僅か26年の間にかなり浸食崩壊が進んでいるのに驚く。その崩壊の速度は、造立された鎌倉時代から約650年間における崩壊程度より、最近の二十数年間における崩壊速度と程度の方が、はるかに大きく思える。同様に、ここの多羅尾の磨崖仏も、甲賀市史編纂の調査年度が不明ながら、たぶん数年間の崩壊で彩色が喪失した可能性がある。ひと頃よく耳にした酸性雨も最近は耳にしないが、改善したとは思えない。それより気象変動が大きな問題となり、霞んでしまったのかもしれない。しかしその陰で、雨風に直接さらされる磨崖仏の崩壊は加速度的に進んでいるのが実感だ。樹脂コーティングをするなり、自治体は保護が急務と思う。

※滋賀県信楽町多羅尾、本年8月8日撮影。

by HP【舞!組曲】www.photoland-aris.com/myanmar/

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Posted by gagaku at 20:58  | 石造美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする