2007年06月09日
歌舞伎とオペラ
昨夜のNHK「プレミアム10」は3月の市川團十郎・海老蔵親子を中心とした「パリ・オペラ座(ガルニエ)歌舞伎公演」を放映。日本伝統の演劇である歌舞伎が、西洋を代表する演劇であるオペラの総本山ともいうべきパリ・オペラ座ガルニエで上演されたことは非常に画期的なことであるし、しかもそれがオペラ座の芸術監督からの招聘であるということが興味深い。私は歌舞伎が好きだがオペラも大好き。最近はちょっと足が遠のいてしまったが、アクトシティで海外の歌劇場の引っ越し公演が行われたときなど欠かさず観に行っていた。番組を見ながら、ふと、以前にある劇団の代表の方と話をしたとき、「歌舞伎には日本の伝統があるが、オペラはよその国のこと。だから私は受け入れることはできない」と言われたことを思い出した。私もまだ若かったので、劇団を率いて演出もするような人は、現代劇から歌舞伎、オペラにミュージカルと、あらゆる演劇文化を理解しているものだと勝手に思っていたのでちょっと驚きもした。たしかに演劇文化というのはその国の伝統に基づくもので、例えば歌舞伎の根源はやはり日本人が持つ美意識や勤勉で礼儀正しい国民性であり(最近もっともこの国が失っているものであることが残念)、そのことは否定できない。その人が今回のパリ公演を観てどう感じられたかわからないが、私は少なくとも、歌舞伎もオペラも、それぞれ数ある演劇のジャンルのひとつであり、どちらもすばらしい文化であるということを改めて感じずにはいられなかった。だからその人のように「よその国の文化だから受け入れられない」と簡単に言い切ってしまうことは、少なくても私にはできないのである。
それにしても「勧進帳」はいい。松羽目物ということで例えば世話物などに比べると初めはちょっと入りにくいところもあろうが、観れば観るほどそのよさがわかってくる演目である。さすが歌舞伎十八番、幾多の名優によって受け継がれてきただけのことはある。番組の中で團十郎が弁慶の顔を作っている場面があったが、もう顔そのものがひとつの芸術作品であると実感させられた。
ところで、オペラ座ガルニエとあえて断りを入れている理由を(ちなみに團十郎も記者会見などでしきりに「ガルニエ公演」と強調していた)
パリのオペラ座といえば、エッフェル塔や凱旋門、ルーブルとともにパリのシンボルとして観光パンフレットやテレビの旅番組でも紹介され、「オペラ座の怪人」の舞台にもなった、緑のドーム屋根に金の彫刻が飾られた石造りの外観と、天井にシャガールの絵が描かれたあの建物を思い出す人が多い。実はパリにはもうひとつのオペラ座がある。こちらは対照的に現代建築の粋を集めた設計で「パリ・オペラ座バスティーユ」と呼ばれている(以前韓国出身の指揮者チョン・ミュンフンが音楽監督を務めていたこともあった)。このため古いオペラ座は区別するため「パリ・オペラ座ガルニエ」と呼ばれているのである。
それにしても「勧進帳」はいい。松羽目物ということで例えば世話物などに比べると初めはちょっと入りにくいところもあろうが、観れば観るほどそのよさがわかってくる演目である。さすが歌舞伎十八番、幾多の名優によって受け継がれてきただけのことはある。番組の中で團十郎が弁慶の顔を作っている場面があったが、もう顔そのものがひとつの芸術作品であると実感させられた。
ところで、オペラ座ガルニエとあえて断りを入れている理由を(ちなみに團十郎も記者会見などでしきりに「ガルニエ公演」と強調していた)
パリのオペラ座といえば、エッフェル塔や凱旋門、ルーブルとともにパリのシンボルとして観光パンフレットやテレビの旅番組でも紹介され、「オペラ座の怪人」の舞台にもなった、緑のドーム屋根に金の彫刻が飾られた石造りの外観と、天井にシャガールの絵が描かれたあの建物を思い出す人が多い。実はパリにはもうひとつのオペラ座がある。こちらは対照的に現代建築の粋を集めた設計で「パリ・オペラ座バスティーユ」と呼ばれている(以前韓国出身の指揮者チョン・ミュンフンが音楽監督を務めていたこともあった)。このため古いオペラ座は区別するため「パリ・オペラ座ガルニエ」と呼ばれているのである。
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