2005年05月08日

Teen's編 chapter9

俺が我を忘れて呆然としている間に、もう一人の俺は、どんどん近寄って来た。
俺は、すぐにも逃げ出したい気分に襲われていたが、とにかく、相手の出方を見ることにした。
攻撃してくる様子もないし、それから逃げても遅くはないだろう。
そう考えているうちに、もう一人の俺は、すでに目の前に迫ってきていた。
一体、俺に何をする気なんだろう・・・・・・。
俺の恐怖感とはうらはらに、ヤツはペコリと頭を下げ、こう言った。
「こんにちは、おにいちゃん。はじめましてって言うのかな、やっぱり・・・・・・。けど、よかったぁ。おにいちゃんが早く来てくれて・・・・・・。あっ、あの・・・・、ぼくはね、10年前のおにいちゃんです」
――― 血管が切れるかと思うほど緊張していたのに、今の言葉はなんなんだ・・・・・・?
すっかり気が抜けてしまって、その言葉の内容を把握するまでに、随分と時間を要した。
はぁ? 10年前の俺だって?
今の俺とおんなじ格好しててか?
こいつは人をからかってるんだろうか・・・・・・?
考えたら、余計わからなくなってきたぞ・・・・・・。
「おまえ、一体誰だよ?」
俺は、もう一人の俺をにらみつけながら聞いた。
ヤツは、俺が笑ってあいさつするとでも思ってたのだろうか、にらんでる俺の表情(かお)に驚いて、今にも泣き出しそうな顔で、
「だから・・・・・・、10年前のおにいちゃんって言ってるのに・・・・・・」
と、答えた。
「10年前の俺なんて言ったって、おまえ、今の俺とまるっきり一緒じゃん。なんで、10年前なわけ?」
俺、言ってること、間違ってないよな・・・・。
どう見ても、この場には、まるっきり同じ俺が二人いるんだ。
「だって、だって・・・・、ここに来るときに、大きくなっちゃったんだもん。ぼくだって、わかんないよっ・・・・・・」
この記事へのコメント
すてきなお話ですね。わたしも星大好きです。土星の輪がとくにすきですね。地球にもわっかがついてたらいいのになあ〜
Posted by コモモ at 2005年05月08日 19:32
☆コモモさんへ☆
コメント嬉しいです。
わたしも土星のわっか、大好きです。
よかったら、これからも読んでくださいね。
Posted by 杜子 美甫 at 2005年05月08日 21:10


 
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