2012年02月14日
「現実性」がないところに彼の「人気」の源泉がある
「大阪維新の会」の公約である「船中八策」の呆れた内容については先日も書いたけども、「現実性が薄い」という内部からの戸惑いの声もあるようだ(読売新聞「維新公約『現実性薄い』…内部から戸惑う声」)。しかし、橋下徹という人間に対する政治的「人気」はまさにその「現実性」のなさにある。もしくは「根拠」のなさと言ってもいいだろう。それはちょうど、根拠の無い単なる「噂」が人口に膾炙しやすいというのと同じで、「現実性」がないからこそ一般有権者の支持を得やすいわけだ。ある政策の「現実性」が高ければ高いほど、その「専門性」は高くなる。誤解を恐れずに書けば、一般有権者は「専門性」を忌避する傾向が強い。常に「分かりやすさ」を求めている。
確かに、一般有権者に対して専門的な政治判断を要求するのは難しい。日々の仕事に追われ、あるいは家事や育児で忙しい中で、じっくりと政治について考える余裕は無い。しかしながら、そのような状態を狙い撃ちする形で「独裁」は徐々に進行する。「分かりやすい」争点を示し、選挙において大勝を収めた小泉純一郎と橋下徹は、当然のようにその「独裁」傾向を批判された(る)わけだ。「今の日本の閉塞状態を変えるためには『独裁者・橋下徹』の突破力と破壊力が、なんとしても必要なのである」とする「経営コンサルタント」がいるが、国家運営と企業経営を同一視してもらっては困る(NEWSポストセブン「大前研一氏『日本変えるには独裁者と言われるリーダー必要』」)。
「現実性」が無いことを主張する人間が、なぜ政治的「人気」が高いのか。このような状況は、「分かりやすさ」を常に求めようとする一般有権者の政治的「怠惰」を象徴していると言わざるを得ない。政治について深く思考する余裕がほとんどない中にあっても、単なる「噂」と同じレベルの公約をそのまま鵜呑みにせず、少しでも批判的に考えることが必要だ。
確かに、一般有権者に対して専門的な政治判断を要求するのは難しい。日々の仕事に追われ、あるいは家事や育児で忙しい中で、じっくりと政治について考える余裕は無い。しかしながら、そのような状態を狙い撃ちする形で「独裁」は徐々に進行する。「分かりやすい」争点を示し、選挙において大勝を収めた小泉純一郎と橋下徹は、当然のようにその「独裁」傾向を批判された(る)わけだ。「今の日本の閉塞状態を変えるためには『独裁者・橋下徹』の突破力と破壊力が、なんとしても必要なのである」とする「経営コンサルタント」がいるが、国家運営と企業経営を同一視してもらっては困る(NEWSポストセブン「大前研一氏『日本変えるには独裁者と言われるリーダー必要』」)。
「現実性」が無いことを主張する人間が、なぜ政治的「人気」が高いのか。このような状況は、「分かりやすさ」を常に求めようとする一般有権者の政治的「怠惰」を象徴していると言わざるを得ない。政治について深く思考する余裕がほとんどない中にあっても、単なる「噂」と同じレベルの公約をそのまま鵜呑みにせず、少しでも批判的に考えることが必要だ。
2012年02月10日
「大阪都」だけでTPPに参加して下さい
案の定というか何と言うか、「大阪維新の会」がTPPへの参加を打ち出してきた。橋下大阪市長はこれに関し、「経済マーケットについては、国境を意識しないというのが基本方針だ」と述べた(時事通信「TPPへ参加を=衆院選向け公約に−橋下氏」)。「市場」と「自由」を絶対視する新自由主義者の傾向が、いよいよ明らかになってきたという感じがする。これで「大阪都」が誕生した暁には、「市場」を通じて「自由」に金融資本が日本国外に流出することになるな。「大阪維新の会」が掲げる方針には、他にも「道州制の導入」や「地方交付税制度の廃止」がある。日本の経済成長は大きな国内市場、すなわち内需に支えられてきたのに、それを放棄しようということか。外需に対する依存を大きくすることは、極端な言い方になるかもしれないけれども、諸外国に対する「介入」の度合いが強まるということ。そうか、そのための「日米同盟を基軸とした外交・防衛」ってことか...
2012年02月09日
「幽霊海兵隊員」に騙されはせんぞと
朝日新聞の記事によれば、定例会見に臨んだアメリカ国務省のヌーランド広報官が、在日アメリカ軍の再編成問題に関し、「約1万人の在沖縄海兵隊が常駐することについて、最終的に変化はないと強調したい」と述べたという(朝日新聞「在沖縄海兵隊、再編後も1万人維持 米国務省報道官強調」)。ホンマかいなと思い、念のためにアメリカ国務省のHPをチェックしてみると、確かに“We’re still talking about a permanent presence of some 10,000 Marines on Okinawa at the end of the day.”とあった。また日本の玄葉外務大臣も同様に、「沖縄に1万人残すという(2006年の)日米合意は変わらない」と今日の記者会見で述べた(ニコニコニュース「玄葉外相『沖縄に海兵隊を1万人残すという日米合意は変わらない』」)。そしてニコニコ動画の七尾功記者との間で次のような質疑応答がなされた。
考えられることは、それほどまでしても「基地利権」を持続させたいと考える勢力が日米双方に存在しているということだ。彼らは在日米軍の「抑止力」を声高に喧伝するけれども、それは「基地利権」の喪失に対する「抑止力」ということだ。
■玄葉外相とニコニコ動画記者(七尾功)との一問一答玄葉外務大臣によれば、沖縄に駐留しているアメリカ海兵隊員の数が1万8000人となっている。でもそれは「定数」であって「実数」ではない。実数は1万2500人だ。そこからグァムに移る4700人、フィリピンやオーストラリアをローテンションすることになる3300人、それに仮に岩国に移るとして第3海兵遠征軍の1500人を差し引くと、残りは3000人に過ぎない。つまり、7000人もの「幽霊海兵隊員」がいることになる。昨日引用した沖縄タイムスの記事にあったように、第31海兵遠征部隊がオーストラリアに移転すれば、残りの数はもっと少なくなる。
七尾記者: 海兵隊の移転規模が当初の8000人から4700人に縮小されるという具体的な報道があるので、改めて教えていただきたいのですが、人数についての日本政府の考え方について教えてください。
玄葉光一郎外相: 日米合意の中で元々、これ実は海兵隊の数というのは、その増減はその時々で実は変わります。存知だと思いますけれども。あの当時8000人と言ったのは、1万8000人いて、8000人を移すと言っていたわけです。
ですから私は(その時々で海兵隊の人数が)増減するから、抑止力の観点から1万人という言葉をあえて使っているというわけでございまして、「沖縄に1万を残す」という日米合意は変わらないということでお考えいただければというふうに思います。
それは日米合意ですよ。(在沖縄米海兵隊員の数は)今よりはずっと減るということです。
考えられることは、それほどまでしても「基地利権」を持続させたいと考える勢力が日米双方に存在しているということだ。彼らは在日米軍の「抑止力」を声高に喧伝するけれども、それは「基地利権」の喪失に対する「抑止力」ということだ。
2012年02月08日
「普天間固定化の懸念が高まった」
日米両政府が在日アメリカ軍の再編計画を見直し、沖縄に駐留している海兵隊のグァムなどへの移転と普天間飛行場移設を切り離すことを発表したことを受け、自民党の石原幹事長は「普天間固定化の懸念が高まった」、そして「私たちが苦労して2014年に返ってくる形で進めていた普天間は一体いつ戻ってくるのか。(日米合意を)壊したのは民主党政権だ」と政府を批判した(時事通信「米軍再編見直しを批判=「民主政権の責任追及」−野党」)。公明党の山口代表も同じような批判を行っていたけれども、「普天間固定化」などありえない。
この問題に関して、沖縄タイムスがまた素晴らしい記事を掲載している。その記事「豪移駐、海兵隊中核か 米海軍トップ示唆」の内容を少し引用しておきたい。
この問題に関して、沖縄タイムスがまた素晴らしい記事を掲載している。その記事「豪移駐、海兵隊中核か 米海軍トップ示唆」の内容を少し引用しておきたい。
米海軍トップのグリナート作戦部長は4日(現地時間)、大西洋上で記者団に対し、豪州にローテーション配備される海兵隊部隊が、揚陸艦と行動する空陸任務部隊(MAGTF)の一つ、海兵遠征部隊(MEU)になる可能性に言及した。間接的な表現ながら、米海兵隊で唯一、米国外に常時前方展開している緊急即応部隊の第31海兵遠征部隊(うるま市、31MEU)が豪州に移駐する可能性を軍当局者として初めて示したことになる。この記事を読めば、石原幹事長の「普天間固定化の懸念が高まった」という発言がいかに馬鹿げているかが分かるだろう。そして、これは民主党政権を援護するわけではないが、アメリカの方から日米合意を変えてきたということも忘れてはならない。そもそもアメリカ軍の再編成は、アメリカという国家がその国益と戦略に基づいて実施するものであって、自民党政権の「実績」など関係が無い。・・・中略・・・
従来のグアム移転計画では、沖縄から移転する約8千人の中に31MEUは含まれていなかった。作戦行動時には米軍普天間飛行場所属ヘリの半数前後が組み込まれる31MEUの豪州移転が実現すれば、普天間飛行場そのものの必要性も大きく低下することになる。豪州へのMEU配備検討は、米政府の辺野古移設断念方針とあわせ普天間問題の今後にも大きな影響を与えそうだ。
2012年02月05日
「※岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」
岩波書店の社員募集要項が話題を呼んでいる。「縁故採用」だとか「コネ限定」だといった文言が、関連記事のタイトルに踊っている。募集要項の内容を直接紹介している記事が無かったので岩波書店のHPを確認してみると、「※岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」という但し書きがあった(岩波書店 採用情報)。これって、何の問題があんのやろか。小宮山厚生労働大臣は「公正な採用・選考に弊害があるという指摘かと思うので、早急に事実関係を把握したい」としているけれども(毎日新聞「小宮山厚労相:岩波書店の縁故採用に言及」)、僕はこの岩波書店の採用・選考条件が不公正だとは思わない。「岩波書店著者」は全国に存在するはずなので、地方の学生にとってはこちらの方が機会均等になると思う。それにこれは、「岩波書店社員」全員が「面接官」であり、社員全員に人事能力があるということを公言していることにもなるわけでしょ。「紹介」する社員の能力も評価されるわけやから、岩波書店にとっては一石二鳥の採用・選考方法やと思うなぁ。
2012年02月04日
「普天間固定化」などありえない
沖縄タイムスの記事「米、普天間の辺野古移設を断念へ」によれば、沖縄に駐留する海兵隊のグァム移転計画に関し、アメリカ国防省はアメリカ議会との交渉において「米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への代替施設建設を断念する意向を伝達していた」そうだ。もう、ずっと以前のエントリーで書いたことだが、アメリカ海兵隊は東南アジアにシフトする。それはイスラム武装グループの動きを牽制するためでもあるし、東南アジアや南アジアの毛沢東派を通じて影響力の拡大を狙う中国軍に圧力を加えるためでもある。となると、海兵隊本体と共に行動するべき航空部隊も移転することになる。その海兵隊の飛行場である普天間飛行場がこのままずっと存続する、つまり「固定化」されることはないし、まして辺野古にわざわざ移設する必要性など無い。
これに対し、「主要メディア」は相変わらずの論調だ。例えば読売新聞の記事では、「日米両政府は普天間移設の履行に完全な関与を続ける」というアメリカ国防省の声明を紹介し、「沖縄の負担軽減に向け、普天間移設を履行することに変わりはない」というアメリカ国務省のトナー副報道官の発言も引用している(読売新聞「米、普天間移設を堅持…国防総省が声明」)。読売新聞は、予算を決定するアメリカ議会関係者の発言をなぜ紹介せんのやろねぇ...
これに対し、「主要メディア」は相変わらずの論調だ。例えば読売新聞の記事では、「日米両政府は普天間移設の履行に完全な関与を続ける」というアメリカ国防省の声明を紹介し、「沖縄の負担軽減に向け、普天間移設を履行することに変わりはない」というアメリカ国務省のトナー副報道官の発言も引用している(読売新聞「米、普天間移設を堅持…国防総省が声明」)。読売新聞は、予算を決定するアメリカ議会関係者の発言をなぜ紹介せんのやろねぇ...
2011年11月17日
中国を「牽制」だと?
既に大きく報じられているように、アメリカが海兵隊をオーストラリアの北部にあるダーウィンに駐留させることをオバマ大統領が表明した。日本のメディアは、というか今回はアメリカのメディアもそうだが、中国を「牽制」するためだとい見方が支配的だ。でも、はっきり言ってそれは間違いだ。もちろん中国軍の勢いを全く無視しているわけではない。中国軍内部の強硬派は確かに不安定要因に違いはない。けれども逆に言えば、それさえ押さえることができれば中国がアメリカの「敵」であるはずがない。アメリカにとってもオーストラリアにとっても、中国はめちゃめちゃ「お得意様」なんやから。
アメリカ軍がグァムやダーウィンに戦力を向けつつあるのは、東南アジアを中心とするイスラム原理主義派の動きを「牽制」するためだ。オバマ大統領がアジアを重視するのはアメリカ経済を復活させるためであり、それゆえアジアの経済発展がこのまま順調に続くような環境を作っていかなければならない。それを前提として考えるならば、アメリカにとっての「敵」とは中国と北朝鮮の強硬派であり、アジア地域におけるイスラム原理主義派である。
今回の発表は、沖縄にある在日米軍部隊の縮小にとって「希望」となるかもしれない。北朝鮮がこのままスムーズに資本主義化していけば、韓国に駐留しているアメリカ陸軍部隊はもちろん、沖縄に駐留している海兵隊の存在価値は大幅に減少する。まぁ、それによって利益を損なうことになる輩は「中国を『牽制』」するという表現にしがみつき、必至に「危機」をつくり出そうとするんやね。
アメリカ軍がグァムやダーウィンに戦力を向けつつあるのは、東南アジアを中心とするイスラム原理主義派の動きを「牽制」するためだ。オバマ大統領がアジアを重視するのはアメリカ経済を復活させるためであり、それゆえアジアの経済発展がこのまま順調に続くような環境を作っていかなければならない。それを前提として考えるならば、アメリカにとっての「敵」とは中国と北朝鮮の強硬派であり、アジア地域におけるイスラム原理主義派である。
今回の発表は、沖縄にある在日米軍部隊の縮小にとって「希望」となるかもしれない。北朝鮮がこのままスムーズに資本主義化していけば、韓国に駐留しているアメリカ陸軍部隊はもちろん、沖縄に駐留している海兵隊の存在価値は大幅に減少する。まぁ、それによって利益を損なうことになる輩は「中国を『牽制』」するという表現にしがみつき、必至に「危機」をつくり出そうとするんやね。
2011年11月03日
毎日新聞の「社説:TPP反対論 米国陰謀説は的外れ」こそ的外れ
休日になるたびに風邪の熱がぶり返すという法則どおり、今日も朝から発熱して鼻水が止まらない。でも全然ブログ更新してないし、受講生からTPPについての質問を数多く受けているので、このブログでも少し書いておきたいと思う。
日付はやや古くなるが、10月31日付の毎日新聞「社説:TPP反対論 米国陰謀説は的外れ」は、眩暈で倒れてしまいそうになるほど的外れな社説だ。以下に引用しながら突っ込んでみる。
今から約60年ほど前、日本とアメリカは大きな戦争を経験した。「太平洋戦争」と呼ばれるその戦争は、確かに太平洋の島々が主戦場となったけれども、その主目的は中国市場の獲得である。中国が共産主義国家となったことについて、あのマッカーサー将軍は日本との戦争の目的が達せられなかったと語っている。仮に中国の共産化がなければ、日本はその後の高度経済成長を果たすことが出来ただろうか。朝鮮戦争がなければ日本製造業復活のきっかけはなかっただろうし、ヴェトナム戦争がなければ日本製品が東南アジア市場をさらに拡大させることもなかっただろう。そのような、いわば日本にとって非常に都合の良い日米関係は突然転換点を迎える。それは1972年のニクソン訪中だ。この訪問により、中国は再び資本主義化することが決定し、日本は再びアメリカの競争相手となった。いわゆる「ジャパン・パッシング」はこの時から既に始まっていたのであって、事実、ニクソン大統領が訪中するという極めて政治的に重要な決定事項を日本は知らされていなかったではないか。その時からアメリカにとって「対等」の同盟国は中国なのであって、決して日本ではないのだ。
そのような事実認識を前提にして、TPPも考えられなければならない。肯定論者は、関税の撤廃などによって日米双方の製造業が復活するというが、それならば中国こそ真っ先に加盟させるべきだろう。安価な中国製品の氾濫こそが、両国の製造業にとって大きな打撃となっているのだから。それをせずに日本の加盟を推進しようとするのは、競争相手である日本の競争力を減じることを目的とした、アメリカにとって非常に有効な枠組みだということだ。
日付はやや古くなるが、10月31日付の毎日新聞「社説:TPP反対論 米国陰謀説は的外れ」は、眩暈で倒れてしまいそうになるほど的外れな社説だ。以下に引用しながら突っ込んでみる。
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に対する議論が熱をおびてきた。このなかで、根拠に乏しく必要以上に不安をかきたてる反対論を少なからず見聞する。それには懸念を表明せざるをえない。「はずがない」という根拠が分からない。「必要以上に安心をもたせる肯定論」でしかない。その10ヵ国の主権国家は当然のように国力が全く違う。従来から指摘されているように、仮に日本が参加した場合には、全加盟国のGDP総計の約90%を日本とアメリカが占めることになる。実質的には日米のFTAと同じであることは明らかだ。
「TPPによって日本は一方的な被害国になる」「米国の陰謀だ」と主張する人が多い。しかし、主権国家が日本を含めれば10カ国集まり、相互の複雑な利害を調整する場である。日本だけが一方的に不利益をこうむるはずがない。
米国はアジア市場で米国抜きの自由貿易圏が形成されるのをおそれ、TPPによってアジア関与を強めようとしている。数カ国で開放度の非常に高い自由貿易圏を作り、それを広げ、最終的には中国も含めたアジア太平洋経済協力会議(APEC)諸国全体を包み込む狙いだ。これは正しい指摘だ。中国という巨大市場に参入しなければ、アメリカ製造業の復活などありえない。
その過程で、日本の参加は歓迎に違いない。しかし、包括経済協議で数値目標を迫った頃とは違い「日本たたき」する経済的、政治的メリットはもうない。米国のビジネス界、政界は停滞する日本への関心を失っているのが実情だ。これは全くもって間違い。それこそ「的外れ」。アメリカが「『日本たたき』する経済的、政治的メリット」は大いにある。実は、同じ日の毎日新聞の記事「野田政権:外交のパイプ細く…日米同盟傾斜、対中けん制」においても同じような指摘がある。
◇中国は「包囲」懸念「日米主導」という書き方は、日本とアメリカが一致協力してというニュアンスを感じさせる。しかし、中国という巨大市場に参入する上で、アメリカにとって日本は仲間ではなく競争相手だ。中国市場への日本製品の進出が弱ければ弱いほど、アメリカ製品の進出機会が増える。熾烈な市場獲得競争において、相手の利益を担保する形で相手を交渉に加える「お人好し」などいるはずがない。そもそも日本とアメリカが本当の意味での「対等」な同盟関係にあるなどと、毎日新聞は本当に考えているのだろうか。
東シナ海や南シナ海、太平洋への進出を強める中国と野田政権はどう向き合うのか。ここにきて鮮明になっているのが、日米同盟への傾斜だ。
その一つが、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加問題。「表立っては言えないが、TPPは対中戦略の一環」と政府関係者は口をそろえる。アジア太平洋で自由貿易の仕組みを日米主導で作ることで、中国をけん制し、巻き込んでいく狙いがある。
今から約60年ほど前、日本とアメリカは大きな戦争を経験した。「太平洋戦争」と呼ばれるその戦争は、確かに太平洋の島々が主戦場となったけれども、その主目的は中国市場の獲得である。中国が共産主義国家となったことについて、あのマッカーサー将軍は日本との戦争の目的が達せられなかったと語っている。仮に中国の共産化がなければ、日本はその後の高度経済成長を果たすことが出来ただろうか。朝鮮戦争がなければ日本製造業復活のきっかけはなかっただろうし、ヴェトナム戦争がなければ日本製品が東南アジア市場をさらに拡大させることもなかっただろう。そのような、いわば日本にとって非常に都合の良い日米関係は突然転換点を迎える。それは1972年のニクソン訪中だ。この訪問により、中国は再び資本主義化することが決定し、日本は再びアメリカの競争相手となった。いわゆる「ジャパン・パッシング」はこの時から既に始まっていたのであって、事実、ニクソン大統領が訪中するという極めて政治的に重要な決定事項を日本は知らされていなかったではないか。その時からアメリカにとって「対等」の同盟国は中国なのであって、決して日本ではないのだ。
そのような事実認識を前提にして、TPPも考えられなければならない。肯定論者は、関税の撤廃などによって日米双方の製造業が復活するというが、それならば中国こそ真っ先に加盟させるべきだろう。安価な中国製品の氾濫こそが、両国の製造業にとって大きな打撃となっているのだから。それをせずに日本の加盟を推進しようとするのは、競争相手である日本の競争力を減じることを目的とした、アメリカにとって非常に有効な枠組みだということだ。
2011年10月21日
「国際社会」に異議申し立てする者は...
途上国なら、フセインやカダフィのように現地の人間によって直接的に抹殺される。そして先進国なら、小沢やストロスカーンのように現地の人間によって社会的に抹殺される。現地にはいない人間の力の方がより強力で問題であるにも関わらずだ。どちらの場合も裏の事情は決して表には出てこない。本来ならその「裏」を表に出すために報道メディアが存在しているはずなのに、報道メディア自体が抹殺する方に与している。なんなんや、この「カダフィ銃殺」に対する報道メディアのはしゃぎようは。
2011年10月20日
誰が「バカ」やっちゅうねんてねぇ...
気が付けば一ヵ月近くも放置状態。大学の講義と予備校の授業に追われてあまりに忙しく、さらに先月末にひき始めた風邪が未だに完治しないという状態。ほんでもってほとんど全く報道をチェックできていない状態。悪いことしか続いていない現状...今日も午前中に仕事があり、鼻水もずるずると止まらない状況やけれども、何とかエントリーを書こうと思ってネットをチェックしていると、頭がクラクラするほど程度の低い記事を目にした。それは産経新聞の「怒りの被災者『母はバカだから死んだのか』」という記事だ。平野震災復興担当大臣の発言は知っていたものの、あれは仲間内での発言であり、当然のように被災者一般に対して発せられたものではない。その言葉が発せられた状況を全く切り落とし、その字面だけを報道して非難するという日本の報道メディアの姿勢は、本当にレベルが低い。ご丁寧に「おふくろは足腰が悪くて逃げたくても逃げられなかった。バカだから死んだの? 大臣、議員として以前に人としてありえない。辞職どころではすまされない」という被災者の「声」まで紹介している。被災者を怒らせるためだけに大臣の「言葉狩り」をしている、自らの下品極まりない姿勢を全く反省することもなしにね。
そういえば、TPPに関する報道も酷過ぎるなぁ。経済発展著しい中国もインドも参加しないのに、市場の拡大もくそもないやろ。韓国とアメリカのFTPにしても、あれほど露骨な植民地主義的条約も珍しい。今回のFTPによって、大韓民国は「大サムソン民国」とか「大ヒョンデ民国」となるということやがな。今後はますます社会保障費などが削減され、韓国はアメリカ以上に二極分化が進んでしまうことやろう。あ、そうか、報道メディアは私企業なので、スポンサーの意向に沿う報道しかでけんかったな。FTPやTTPによって利益を得るような企業がスポンサーということか。一体誰が「バカ」なんやろなぁ...
そういえば、TPPに関する報道も酷過ぎるなぁ。経済発展著しい中国もインドも参加しないのに、市場の拡大もくそもないやろ。韓国とアメリカのFTPにしても、あれほど露骨な植民地主義的条約も珍しい。今回のFTPによって、大韓民国は「大サムソン民国」とか「大ヒョンデ民国」となるということやがな。今後はますます社会保障費などが削減され、韓国はアメリカ以上に二極分化が進んでしまうことやろう。あ、そうか、報道メディアは私企業なので、スポンサーの意向に沿う報道しかでけんかったな。FTPやTTPによって利益を得るような企業がスポンサーということか。一体誰が「バカ」なんやろなぁ...

