EU誕生ねぇ... 日記
つれづれ なるままに


2005年09月13日

「ニュースピーク」の威力

東京新聞(オンライン)の記事「小泉自民寄りくっきり 20代のココロ」を読んで、今日も眩暈がしましたよ僕は。今回の選挙では、20代の若者の多くが自民党に投票したという。そこで東京新聞の記者が若者にインタビューしてるんやが、彼/彼女たちの多くが小泉首相を始めとする「カレラ」の「ニュースピーク」戦略にまんまと嵌められていることが分かる。

「ニュースピーク」とは、『カタロニア讃歌』や『動物農場』で有名なジョージ・オーウェルの『1984年』に登場する、超管理社会を支えるために英語から作られた新語法のこと。これによって全ての言葉から政治的および思想的な意味がなくなってしまい、最終的には政府の施策に反対するための言葉がなくなってしまう。以下に若者たちの発言を引用しているんやけども、「カレラ」がこの国に普及させようとしている「ニュースピーク」の威力が分かると思う。
「小泉さんがいいと思ったのは、おれは死んでもいいと言ったこと。格好いいなと思った」
「いつその言葉を聞いたのかは忘れたけど…命がけでやってるというのが顔から伝わってきた。だから入れた」
「やっぱり覚悟っていうの? そういうのが人生には必要でしょ」
郵政民営化は賛成だが、中身はよく分からない。「でも分からなきゃ投票しちゃいけないってわけじゃないでしょ。ほとんど分からないままじゃないの?」
飲食店員の女性(22)


「ネットでみんなが自民党を支持してた。何となく行かなきゃと思って」投票所へ。そして「何となく」自民党の候補者に投票し、比例代表も同党に入れた。
就職が厳しいのは小泉構造改革のせいで自由競争社会になっているからでは?と問うと「そうなんですかね。自分の努力が足りないからと思っていたけど」。
設計関係の会社に勤めている男性(25)


「亀井さんとか自民党の中の悪いのを敵にしてやったんでしょ、今回は。そういうのをズバッと切ったんでしょ。なんかクールっていうか格好いいじゃない」
コンビニ店員(21)


「小泉さんは負けたら政権を投げ出す覚悟で選挙に臨んでいた。岡田さんも口では『政権を取れなければ党首を辞任する』と言っていたが、小泉さんに比べて本気度が足りないことが透けて見えてしまっていた。手法は強引でも、やっぱり小泉さんの方がリーダーとして頼りがいがある」
大学一年生(20)
「小泉さんがいいと思ったのは、おれは死んでもいいと言ったこと。格好いいなと思った」という発言をサマーワにいる自衛隊員が聞いたらどない思うやろうな。「自衛隊が行く所は非戦闘地域だ」という無茶苦茶な論法で自衛隊派遣を強行した小泉首相。サマーワより小泉首相が遊説している場所の方が戦闘状態に近いとはとても思えない。就職が厳しいのは小泉構造改革の影響じゃないのかという記者に対して、「自分の努力が足りないからと思っていたけど」という答えが返ってくるのは、昨日書いた「カレラ」の「弱者」切り捨て戦略が見事に機能している現われやないか。それにしても「なんかクールっていうか格好いいじゃない」って君...

一方、野党支持の若者については次のように書いてある。
練馬区の大学生(20)が「小泉流は気に入らないことがあるとちゃぶ台をひっくり返すような横暴な手法で支持できない」と強調するなど、きちんと意見を話す若者のほとんどが野党の支持者だ。
東京新聞のバイアスがかかっているかも知れんが、実態はこんなものやったんやろうと僕は思う。内容の是非はともかくとして、民主党は政権交代を目指して具体的な対案を策定していた。岡田党首はしきりに民主党の政策を具体的に説明していたように思うが、それは正攻法過ぎた。繰り返しになるが、小泉首相の「ニュースピーク」戦略に、多くの若者がまんまと乗せられている。hypokuraさんがブログ(「弱者って、あなたのことですよ」2005年09月12日)に書いてはるように、「弱者とは、私であり、あなたです。」ということを、広く訴えていかんとならんな。

独り言
「ニュースピークは思考の範囲を拡大するためではなく、むしろ縮小するために考案されたものであって、その目的は用語の選択を最小限まで狭めることで間接的に助長されたのであった。」
 

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ビッグ・ブラザーを好きにさせられる ジョージ・ブッシュ、ジョージ・オーウェルと霊界通信 憲法学者に対する質問が一つある。現職大統領を、剽窃の罪で訴えることは可能だろう
ビッグ・ブラザーを好きにさせられる【1984 blog】 at 2005年09月16日 10:22
この記事へのコメント
ボクは、あまりニュースを見ませんし、新聞も読みません。
簡単に言えば、今は時間がないからです。
本当は、朝、コーヒーを飲みながら、のんびりと新聞を読んでみたいものです。
この記事を読んで、愕然としたけど、確かにそーなのかな、と思いました。
僕の周りの連中は、当然大学生です。若者の意識なんてそんなものですよ。
ある子は、親の会社の影響で、親に言われて自民に入れる。
ある子は、自分の宗教で、公明に入れる。
主体性なんて、ありゃしません・・・・

ニュースピークという言葉は初めて聞いたものですが、選挙戦を見ていて感じたことは、小泉は「バカ」にも分かりやすい言葉で、ただ一つのことを繰り返していたので、「バカ」がたくさん賛同したのでしょう。ここでいうバカは、勿論、主体性のない流される人間のことです。
それと対照的に、たまたま見たニュースでも言っていたのですが、岡田は色々なことを言い過ぎました。結局、何が言いたいのか、当然、「バカ」には理解出来なかったのでしょう。

怖いですね・・・・ ボクは日本から脱出したくなってきました。
ん? 勿論、ボクもささやかな抵抗を試みたのですが、惨敗だったようです・・・
Posted by たかた at 2005年09月14日 02:50
確かに、僕も学生の時には今ほど強い政治的意識を持って投票していなかったかなとは思うけども、
それにしても「かっこいい」という理由で投票したことは一度もなかった。

これだけ政治家によって「言葉」が蔑ろされにされてしまっている国も珍しいんとちゃうやろか。
しかも国民の方もそれに文句一つ言わず、それどころかそれを「かっこいい」と評価してしまう。
そら「対テロ戦争」の主観性にも気付かんわなぁ...

でもこれって、ますます君がこれからしようとしている研究が大事になるってことやな。
がんばりや。
Posted by たちばな at 2005年09月14日 16:52
この東京新聞、私も読みました。
同じく暗澹たる思いデス。
でも、「投票に行け!投票に行け!」と言ったのは、
我々(一緒にするな?)年長者ですので出た結果は
甘受しなければならんでしょう。
今後我々有権者が今後監視をして
言うべき事は言わねばなりません。
Posted by 読欲 at 2005年09月14日 21:16
ささやかな抵抗(ではないw)として投票に行きませんでした。
それは無責任なのかなーと思ったり。
でもどれに入れればいいのか解らない状態で行くのもなーー。
・・・・・という感じです。

「責任は自民党に入れた人たちが取ってください」
選挙速報番組で見た、視聴者の声で印象に残ってるもの。
Posted by ひろ。 at 2005年09月15日 22:42
> 読欲

そうか、「投票に行け!」と言った僕らの判断にも甘い部分があったのかもしれませんね。
自分の中に「浮動票は基本的に反政府的だ」という思い込みがあったのかもしれません。
自分にとってこれは大きな反省材料となりました。

> ひろ。

投票に行かないというのも一つの意思表示にはなると思うよ。
ぶっちゃけ僕は、選挙区に関してはほぼ毎回「候補者なし」って書いている。
それは当然のように「無効」なんやけども、そうせざるを得ないのも事実。
項目として「該当者なし」というのを作ってもらえんかなぁ。
Posted by たちばな at 2005年09月16日 13:09
「動物農場」を高校生の時にペンギン・ブックスというペーパー・バックで初めて読んで、まるで日本のことを書いているのではと驚きました。以来彼の本のファンです。(彼のファンというのとは違うようです)
ロシアで「1984年」が読める時がくれば、それはロシアの1984年状態が終わりになるのだと、夢見ていたら、あっけなく実現しました。
逆に、日本で「1984年」を論じるのは、おかしな連中だという時代になるというのは想像していませんでしたが。

1984 blog
Posted by kohara at 2005年09月16日 21:15
> koharaさん

> 逆に、日本で「1984年」を論じるのは、おかしな連中だという時代になるというのは想像していませんでしたが。

爆笑です...
Posted by たちばな at 2005年09月20日 23:14


 
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