2011年12月25日

「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」・・奥泉光

「石の来歴」で芥川賞を授賞し、「グランドミステリー」では非常に重厚な戦争の話(しかしSFだったと思う)を書いた、あの奥泉さんの作品の中で、こんな砕けたものがあると・・・話には聞いてたけれど、びっくりした。

宗旨替えか?
それとも、売れる路線を目指しなおしたか・・・?
読んでしまってからこの話には前作があって、そっちが手元にあったにもかかわらずこっちから読んでしまったらしい事に気づく。


主人公のクワコーが、それまでの関西圏 敷島学園麗華女子短期大学から千葉県権田市のたらちね国際大学にやってきた。


中編的な短編が三話。
どれもミステリー仕立て。
謎を解くあたりの思考回路が立派で、
たぐいまれなる低偏差値と謳うも、そこに在籍するらしき学生たちはなかなかの頭脳の様に見受けられる所がおかしい。
まあ実質そういうこともあるだろうけれど。


▲呪われた研究室

いわゆるお化けが出ますよ、といういわくつきの部屋に、
ほんとに出るのか?という話。
謎を解くのは、クワコーが顧問を務める事になった分限部の面々。

▲盗まれた手紙

これが例の前作の続きとも思えるモノなのかな・・・。
これもまた謎を解くのは、じんじんこと神野仁美はじめ、馬鹿か利口蚊が判然としない文芸部員。
クワコーはただ突っ立ってぼ〜っとしてただけ。
そのおかしみは、なかなか良い。

▲森娘の秘密

そう言えばあったなあ。森ガール。
うちの長女も比較的森ガール系であったように思う。
つまり、森ガールは名字が森のガールじゃないってことです。


総じて、面白かったし、ミステリーって何も人も死ななくてもいいし、ぴりっとセンスの光る謎解きはオシャレ。
奥泉さんのこっち系の作品、読んでみるとするかな・・・


Posted by honnoasica at 17:03  |Comments(6)TrackBack(0) | 奥泉光 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする