2010年04月08日
ヘレン・マクロイ『殺す者と殺される者』
ヘレン・マクロイ『殺す者と殺される者』心理学講師であるハリー・ディーンは、遠縁の叔父からの遺産を相続したのを契機に、亡母の故郷クリアウォーターへ戻る。かつて思いを寄せた女性は人妻となっており、失意の中で新生活は始まるが、次第に彼の周りに異変が起き始める。免許証の消失、差出人不明の手紙。誰が何のために―。
出来るだけ読んだことのない作家さんの作品を読もうと思っているのですが、どうしても守りに入ってしまうと言うか、ある程度楽しませてくれることが保証された方のものを手に取りがちです。本作はこの本を手に取るまで名前すら知らなかった、言ってみれば「ジャケ買い」をしてみた、そんな作品です。
今や作者の名前を検索窓に入れれば、これでもかってな件数がヒットし、それは同時に自分の不明を恥じる―これだけ世の中で取り上げられている人のことを知らなかった―を認識させられる瞬間でもあるのですが、筆者の来歴は容易に確認できました。
……その来歴などは省略しますが、あるサイトに「本作は冒険的な作品である」とありました。1957年発行の作品ですから、なるほど、このテーマは冒険的なのかもしれません。21世紀に生きる我々からすれば「ああ、使い古されたあれじゃん」ってことになるんですが、舞台設定がちょっと昔であるがゆえに、「使い古されたアレ」も新鮮に映ります。
論理だけで犯人を追及していくタイプの小説ではなく、日本でいえば明野照葉さんだとか、新津きよみさんだとか、そういったタイプの作品(偶然ながらマクロイを含め皆女性)。ミステリー×サスペンス×ホラー的な。
明野照葉 既読作品リストはこちら。
新津きよみ 既読作品リストはこちら。
もしこの本を手に取ろうと思われた方がいらっしゃったら一つ警告。パラパラ漫画を見る要領で、本をパラパラ〜と見ちゃったら、とても察しのよい方は本作の肝=「使い古されたアレ」に気づいてしまうかもしれませんよ。ご注意を。
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