2009年12月22日

クリスマス・キャロル ディケンズ 集英社文庫

christmas_carol.JPGA Christmas Carol
クリスマス・キャロル
作 チャールズ・ディケンズ / 訳 中川 敏
装画 酒井駒子
集英社文庫



未来は、まだ変えられるかもしれない。

チャールズ・ディケンズ Charles Dickens (1812年〜1870年)
イギリスの作家。
作品:オリヴァー・トゥイスト / クリスマス・キャロル / 二都物語 / 大いなる遺産、他

『クリスマス・キャロル』は1843年に発表されたディケンズの代表作のひとつです。
主人公のスクルージは、けちんぼう!金銭欲のかたまり、強欲で冷酷、腹のうちを見せず、うちとけることなく、孤独な人。
あるクリスマス・イヴの夜、スクルージのもとに以前仕事のパートナーだったマーレイの幽霊が訪れます。引きずるほどに重くて長い鎖を透き通った体に巻きつけたマーレイの幽霊は、自分の死後の世界について語りはじめます。そして最後に、マーレイの幽霊はクリスマスが大嫌いなスクルージへのクリスマスプレゼントを言い残し、消えてしまいました。

3人の精霊がやってくるだろう。

「過去の精霊」「現在の精霊」「未来の精霊」、マーレイの幽霊が予告した通りに次々と現れる精霊たち。このプレゼントはマーレイ自身の贖罪であり、スクルージがマーレイと同じ運命を免れるための機会と望みだとマーレイの幽霊は言っていましたが・・・

初めて読んだ子どもの頃は、幽霊や死神(のような精霊)が登場するシーンの気味の悪いスプーキー(spooky)な雰囲気の印象が強く、精霊の来訪とともに変化していくスクルージの心の様子や行動、ハッピーエンドに「ほっ」とひと安心。また、あるときは、「やっぱり幸せって、お金なのかな?」と、それまでハッピーエンドだと思っていた結末を疑ってみたり。読むたびに大きく印象が変わります。

今回の謎は、「お金の力」。
スクルージがお金に取り付かれてしまうようになったのはどうしてだろう?
何が原因で、あんな嫌われ者のけちんぼうになってしまったんだろう?

お金で幸せを手に入れることが出来るか?

もちろん、お金は大切。
お金で助かる命もあるし、日々の生活を支えるためにもお金は必要。
でも、「お金の力」は絶対的では無いし、価値も大きく変動することがあります。
きっと、スクルージは「お金の大切さを知っていたから」けちんぼうになったんだ、と思いました。お金の必要性を痛感するような出来事を過去に経験していて、お金のことをとても大切に思うようになって、無駄や贅沢をしないようにしていたら極端になってしまって・・・
「お金」が1番大切なものと信じるようになっていたスクルージは、「何のためにお金が大切なのか?」というお金の大切さを見誤っていたんだと思います。

作品を理解するのに時代背景や宗教観を無視することはできませんが、それでも、
誰でも知っている「大切なもの」って、あると思う。

守銭奴やケチな人の意味の英語「scrooge(名)」スクルージは、『クリスマス・キャロル』の主人公エベネーザ・スクルージの名前が由来になっているそうです。

映画『
クリスマス・キャロル』公式サイト
監督:ロバート・ゼメキス
主演:ジム・キャリー
ロバート・ゼメキス『クリスマス・キャロル』はまだ観ていませんが、どんなクリスマス・キャロルに仕上がっているんでしょうね!


ミユウ

 

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この記事へのコメント
こんばんは〜。

ディケンズは好きなのですが、クリスマスキャロルはまだ未読です。
あまりに有名で、ストーリーをなんとなく知ってしまっているからなのですが、やはりきちんと読んでこそ、物語の良さを理解できるのでしょうね。
今回紹介されているこの本で読もうかと思います。

そうそう、村上春樹さんの海外出版社から出ている短編集の第2弾を本屋で見ました。
早く読みたいです。
Posted by オムライス at 2009年12月23日 16:42
オムライスさま

お疲れ様です〜!こんばんは。
本日は休日出勤してきました。ふみゃあ

ディケンズ作品の年代って産業革命の頃ですよね。
時代背景を理解するのが難しくて、いつも「どうして!?」と思ってしまいます。

『クリスマス・キャロル』は映像的な描写が凄くて、
何回読んでも楽しめる時空を越えた名作です!
未来の精霊の登場シーンは背筋がゾクゾク・・・
ほんとうに怖い。

>村上春樹さんの海外出版社から出ている短編集の第2弾
『めくらやなぎと眠る女』ですよね。
今回の短編集シリーズは手にしていませんが、
ブックタイトルと同名の「めくらやなぎと眠る女」はお気に入りの作品のひとつです。

ミユウ
Posted by ミユウ at 2009年12月23日 21:15

 久々に駒子さんの挿絵ですね。

 アントです、ども。

 文庫ですが、持ってます。
 後、ミュージカル仕立ての映画も過去にありましたよね。
 大好きな話の一つです。

 COP15でもめた人たちにも読んで欲しいなー、と思う本です。(苦笑)

 でわでわ。
Posted by アント at 2009年12月23日 23:29
アントさま

こんばんは。

実は、昨年のクリスマスにご紹介しようと思って準備していたのですが、
うっかり時期を外してしまって、1年越しのご紹介です。

今回の再読では、スクルージの妹や過去の恋人、クラチット夫人、謎の少女など、
深層を暗示するように描かれている象徴的な印象の女性たちや、
少年時代のスクルージと父親の間の確執が気になりました。

ロバート・ゼメキス&ジム・キャリーの『クリスマス・キャロル』も期待「大!」です。

ミユウ
Posted by ミユウ at 2009年12月25日 00:20
 
   
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