2011年02月01日

おにたのぼうし (文)あまんきみこ/(絵)いわさきちひろ ポプラ社

onita_no_boshi.jpgおにたのぼうし
(文)あまんきみこ
(絵)いわさきちひろ
ポプラ社
★1970年度青少年読書感想文全国コンクール課題図書<小学校>
★全国学校図書館協議会 第22回選定「よい絵本」

ふくはー うち。
おにはー そと。

まことくんの家の物置小屋の天井に、去年の春から、「おにた」という名前の小さなくろ鬼の子どもが住んでいました。「おにた」は、とても気のいい鬼でしたが、恥ずかしがり屋だったので、家の人たちに姿を見られないようにとても用心していました。

節分の夜、まことくんの豆まきの音を聞きながら、「おにた」は思いました。

にんげんって おかしいな。
おには わるいって、きめているんだから。
おににも、いろいろ あるのにな。
にんげんも、 いろいろ いるみたいに。

「おにた」は、角を隠すための古い麦わら帽子をかぶり、音をたてないで物置小屋を出ていきました。
粉雪が降っていました。
次の家を探して、はだしで雪の中を歩く「おにた」。でも、今夜や節分。どの家も鬼の目を刺すひいらぎの葉を飾っているので「おにた」は家の中に入ることができません。
ある一軒の家の前まで来ると、ひいらぎも飾っていないし、豆の匂いもしません。

こりゃあ、まめの においが しないぞ。
しめた。ひいらぎも かざって いない。

開いたドアから、「おにた」がそろりと家の中に入ると・・・
病気で寝ているお母さんと、お母さんを看病している少女がいました。

やんちゃで健気だけど、ちょっと淋しげな雰囲気の小さなくろ鬼の「おにた」。
表紙にも描かれているように、「おにた」は冬なのに角を隠す大きな古い麦わら帽子をかぶっています。恥ずかしがり屋で人前に姿を見せることがないので、誰も「おにた」のことを知りません。でも、気の良い「おにた」は、いつもこっそり家の人の役に立つことをしています。

病気のお母さんの看病をしている少女の役に立ちたいと思った「おにた」。
この「あかご飯と煮豆」を用意するのに、「おにた」はどれほどの苦労をしたんだろう?
人間の男の子のフリをして女の子の前に現れた「おにた」の姿を見た瞬間、「おにた」のいじらしさに胸が締め付けられるような思いがしました。

もちろん、あまんきみこさんの「おにた」のお話があったから、いわさきちひろさんが「おにた」を描くことができたと思いますが、いわさきちひろさんのすばらしい「おにた」が物語の世界を一層魅力的なものに引き立てています。
せつない「おにた」の物語。節分にぴったりの素敵な絵本です。
きつねのかみさま / ポプラ社


ミユウ

 

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この記事へのコメント

 いわさきちひろさんの絵も勿論素敵なのですが、あまんきみこさんの名の方に覚えが・・・。
 ウチにも何か著書があった気がしてきたので、探索してみます。(苦笑)

 アントでした。

 でわでわ。
Posted by アント at 2011年02月02日 00:31
アントさま

こんばんは。

子どもの頃の節分では、父が鬼の役でした。
鬼のお面をつけて家の中を逃げ回る父を追いかけながら豆をまくのが楽しかったです。
豆まきには殻つきの落花生を使っていました。
豆まきが終わってから年齢の数だけ拾って食べる落花生は、
普段食べている落花生より美味しく感じました。

あまんきみこさんの作品は、
『きつねのかみさま』と今回の『おにたのぼうし』の2作品しかまだ読んだことがありませんが、
不思議な世界を描いた物語に奥の深さを感じます。
特に『おにたのぼうし』は、いわさきちひろさんの挿絵が圧倒的でした。

ミユウ
Posted by ミユウ at 2011年02月03日 00:13
 
   
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