ある会社の会議室で俺たちは採用面接を受けた。
「やめる人が多いので、皆さんを全員採用したい所ですが・・・・」
年配の人事部の女部長が俺たちの顔を見回した。
「しかし、採用には条件があります。わが社で予防接種を受けて貰いたいのです。ご承知かとは思いますが、採用枠の営業職は接客業ですので、お客様にどんな病気をうつされるかわかりません。ですからわが社特注の予防接種を受けて下さい。同意できないなら、採用は見送らせていただきます」
こう言われて予防接種を断る者はいなかった。別室で全員注射を受けた。
不思議なのは、注射を打たれたら、何の病気もかからないのかと思ったのだが、しっかり風邪もインフルエンザもうつされた。
しかし、営業をさぼって休んでいると、決まって会社から電話がかかってくるのだ。まるで誰かが見張っているかのように。

