2011年08月29日
専業主婦年金 年収「130万円」下げ検討
(以下、8月29日東京新聞記事より一部抜粋)
厚生労働省は8月28日、国民年金の保険料を納付しなくても給付が受けられる専業主婦ら「第3号被保険者」について、年収基準を現行の「130万円未満」から引き下げる方向で検討に入った。数十万円の大幅な引き下げも視野に入れる。
9月1日に新設する社会保障審議会の特別部会でパートなど非正規労働者の厚生年金や健康保険への加入拡大に関する論議の一環として検討する。厚労省は年内に特別部会の意見をとりまとめ、来年以降に関連法案を国会に提出したい考えだ。
現在、パートの主婦が厚生年金に加入するには、同じ事業所の正社員の「4分の3(週30時間)」の労働時間が必要。週30時間以上であれば厚生年金に入り、保険料(収入の16.058%)を労使折半で納める。30時間未満でも年収が130万円以上であれば、3号ではなくなり、国民年金の保険料(月額15,020円)を支払わなければならない。
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パート収入などを得る主婦はいわゆる「130万円基準」のほか、税制面で配偶者控除を受けられる「年収103万円以下」を意識するケースが多い。例えばサラリーマン家庭の専業主婦が、家計を助けるために年収範囲内でパートに働きに出ている世帯は相当数あるだろう。「第3号被保険者」については、被扶養者であれば保険料の納付なくして将来年金が受給できるというメリットがあるからだ。
一方、企業側からみても、安い賃金で雇用を確保できるパート労働者は社会保険料の負担がない点でのコストメリットも大きいが、これらのパート(=非正規労働者)の社会保険加入拡大には、経営側の反発も予想され、意見集約は難航しそうだ。
いずれにしても厚労省は労働時間の基準を「週20時間以上」に緩和した場合、実に400万人が新たに加入すると推計されており、日本の家庭の主婦の働き方が大きく変わる可能性がある。
2011年01月03日
新年を迎えて

2011年、新しい年を迎えた。
リーマンショック以降、急激な不況に転じてから急増した企業によるリストラ、非正規労働者の失業、就職できない新卒者、厳しい中高年雇用問題や脆弱なセーフティーネットなど、理不尽な出来事には黙っていられない性分が災いして、昨年は日本の労働社会に対する辛口日記の投稿に終始した一年だった。
なかでも昨年、私が感じた深刻な問題は、不況の長期化で労働者や失業者本人よりむしろ、その家族や生活を直撃し始めていることであり、その最たる被害者が「子どもたち」であるという点である。
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「貧しさに苦しむ子どもたち」。それは過去の戦争中や、他国の話しではない。
OECD(経済協力開発機構)が2008年に発表した報告では、日本の子どもの貧困率は13.7%で、7人に1人が貧困状態にあるという。特に、労働者派遣法の成立以来、非正規雇用の増加などで、20年前の12%から悪化した。ここでいう貧困とは、4人世帯で年収が254万円、2人世帯で180万円を下回ることで、生活保護基準にほぼ重なる。
特にOECDは日本の「子どもの貧困」が際立って加速していると警告している。給食費や教材費が払えず小中学校への通学も難しくなったり、貧困から高校を中退せざるを得ない子どもが急増している。生活の困窮は更にいじめ問題や虐待問題など深刻な事件にまで影を落とす。
背景には、日本の社会保障制度が「正社員」を前提に設計されたまま、抜本的な見直しが行われていない点がある。子育て世代に当たる20代〜40代の、4割近くが低所得の非正規労働者であるにもかかわらず、子どもの医療費、教育費、住宅費、食費等の負担は、正社員家庭と同じく一律に求められ、貧困に拍車をかけている現実がある。
子どもの貧困は将来、さまざまな社会問題を生み出しかねない。少子高齢化社会で「宝」とされるべき子どもたち、この国の未来がいま貧困に蝕まれている。
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今日の深刻な雇用破壊を克服するには、企業の雇用責任を再確立することが必要であり、同時に、抜本的な雇用対策の強化がなされるべきである。生活保護基準さえ下回るような低賃金の就労を強いられ、本当は転職したいと考えている「半失業」状態の労働者を加えれば、日本にも二桁を超える「高失業時代」が到来している。したがって、失業が怖くない社会、セーフティーネットの再構築が必要であり、先ずは失業・生活困窮対策を早急に確立させるべきではないだろうか。
本年も宜しくお願い申し上げます。
2010年11月23日
貧乏になったと感じる損

もうすぐ師走。・引く不況の影響で、給料カットやボーナス削減のあおりを受け、サラリーマンの懐損情は一段と寂しくなっている。
私の知人友人も口々に以前に比造「貧乏」になったという。
例えば、昼のランチ。吉野族で牛丼から安い豚丼にきりかえる。外多ランチをやめて、お小遣い節・のため、弁・に切り替えて節・する。
仕損帰り。たまにはパーっと飲みに行こう、などと思いつついざ友人と入る袖村族ではメニューを見てつまみの値段をチェックする。最其ではその飲み会ですらすっかり造無沙汰となり、待ち合わせが他所「ドトール」や「マクドナルド」に変わる。
週末、ふと気がつくと、
「スーパーに買い物に行った損、半額値引きや見切り・コーナーの他・ばかりをカゴに入れている」
「底値を求めて其所の格安スーパー・薬局の値札をチェック」
「服がいつの間にか族族全員、上から下までユニクロになっていた」
「外多そのものの回多が減った」
「奥さんが化粧品のランクを下げた」
私の何気ないこのような消費心理は、たぶん多くの人たちが共感するだろう。こういう存々人がこんな状況だから、国内の内需冷え込造のだろうし、ひいては日本経済の後退をま造いているんだろうな、と感じる尊日この頃である。
2010年01月30日
独立支援の矛盾

大不況のいま、中高年の再就職の厳しさは中途半端ではない。
いま中途募集をしている企業のほとんどは、不況を若手採用のチャンスと考え、30歳前後位までの年齢層をターゲットにしているのだから、いくら40代50代の中高年が一生懸命、履歴書を作って企業へ応募しても「その年齢では…」「もう少し若い人を…」と門前払いとなる。
企業が雇ってくれないのなら、いっそ独立してでも自らの仕事を作り出さねばと考えるのは当然であり、こうした中高年の自立意欲を行政は積極的に支援すべきである。そのために、ハローワークでは失業者のための独立支援制度が用意されている。
ところがこの制度、いざ失業してから会社を設立しようとすると、いろいろな問題にぶつかる。先ず、「起業」は「再就職活動」と見なされないから失業保険がもらえない。これは当事者にとって大きな問題である。
どんな会社でも個人起業の場合、顧客開拓など営業せねばならないし、創業当初は無給で仕事をしなければならない。すぐに収入ができるわけではないから、ある程度の期間は貯金からの支出を覚悟する。
そうすると、あまり蓄えのない中高年は「それなら失業給付を全部もらいきってから会社を作ったほうが得」ということにもなり、起業そのものを遅らせるなど、早期の積極的な独立意欲を低下させる。
また、独立支援条件の中に、人材を継続で半年以上雇い、雇用保険を支払えば、開業のための資金の一部を支援を受けられるという制度があるが、起業まもなく利益も出ていないのに人を雇うことなど出来るだろうか?
一般の人が起業する場合、先ず一人で何とか会社を立ち上げ、軌道に乗せてから人を雇うというのが順番かと思うが、行政の考えるルールは、 最初から人を雇わないと支援が受けられない仕組みであり、相当の自己資金とゆとりが無ければ、資金援助を受けられないというジレンマで諦める人々も多い。
国の独立起業支援は、個人起業家が直面するであろう不安や常識を反映せず、助けを求めている中高年にとって非常に厳しいルールで運営されている。
2010年01月13日
求職あきらめる人の増加

雇用情勢のあまりの厳しさに、求職活動をあきらめる人が増加傾向にある。
このことが、完全失業率を低下させる役割を果たしている。
表題の、大変気になる新聞記事を拝見したので、以下、参考まで転載する。
労働力調査詳細集計の2009年7〜9月結果によると、所定期間に求職活動をしなかったため、失業者には含まれない人の中で「適当な仕事がありそうにない」とする人は163万人で前年同期にくらべ15万人増加。このうち、「今の景気や季節では仕事がありそうにない」としている人が前年同期比13万人増の22万人となっている。
こうした人たちの増加で、統計上では失業者数が減少することになる。
求職活動をしなかったなどで、失業者に含まれない人の中で、就業を希望している人は483万人。これらの人たちを失業者と考えた場合の失業率は11.9%にのぼる。
通常のように完全失業率を計算した場合の5.4%の倍以上の水準になる。
また、完全失業者のなかでも、「条件にこだわらないが仕事がない」とする人は、前年同期比30万人増の51万人、「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」とする人が20万人増の61万人となるなど、雇用情勢は一段と厳しさを増してきている。
2010年01月02日
中高年へのエール

底知れぬ不況と生活不安に揺れた2009年も終わり。
おめでたいというには程遠い2010年の幕開けとなった。
やれやれ中高年にとって生きづらい世の中になったもんだ。
会社じゃ中間管理職、上から叩かれ下から文句を言われ。
自営業なら不景気で仕事がない、客も来ない。
職を失えば再就職は厳しい、
再就職で応募しても30代までと断られ。
給料下がるも住宅ローンは待ったなし。
子供の学費やら携帯パケ代やらでどんどん金がかかる。
子供がいなけりゃ「孫の顔が見たい」と言われ、
独りもんなら「結婚は?」と聞かれる。
離れて暮らす老いた親の世話をどうしようかと気にするも
自身の体力も衰えて20代、30代の頃のように無理がきかない。
健康診断ではいつも要再検査。
そんなこんなで中高年にとって生きづらい世の中になったもんだ。
ふと心が折れそうになるとき、明治大正の実業家、渋沢栄一翁の名言は
中高年の私へ叱咤激励をしてくれる。
<以下>
男四十は鼻たれ小僧
五十六十花なら蕾
七十八十働き盛り
九十になって迎えが来たら
百まで待てと追い返せ
2010年、本年も宜しくお願い申し上げます。
2009年12月19日
歪められる派遣法改正案

先日の厚生労働省の審議会で、労働者派遣法の改正へ向けての公益委員案が示された。
民主・社民・国民新党の三党が、政権交代前に既に国会に提出していた改正法案の内容がそのまま反映されたものかと思ったら、どうもそうではないようだ。その内容は、派遣法の抜本改正どころか、むしろいつでも切り捨て可能な派遣労働を残したい経済界側の意向が色濃く反映されているのだ。
派遣法の最大の問題は、派遣先企業が労働者を切り捨てるときに一切責任を負わないということであり、今回の見直しは、派遣先企業が責任を負うべきという点が極めて重要なポイントになる。ところが、提出された公益委員案では、三党案に盛り込まれていた
「育児休業を理由とする不利益取り扱いの禁止」
「未払い賃金に関する派遣先の連帯責任」
「性別を理由とする差別の禁止」
「団体交渉応諾義務」
など「派遣先責任の強化」が全面削除されているのである。
期間制限違反など、派遣労働者が違法に使われていた場合、派遣先が直接雇用したものとみなす制度も三党案から大幅に後退し、直接雇用した直後に使い捨て可能な内容になっている。
上記のほかにも、施行期日が実質5年後とする意見や、事前面接一部解禁などの規制緩和が盛り込まれる危険性も否定できない。
1999年、派遣法改正作業は、財界の後押しで 「密かに、静かに」 成立した。
その結果として現在の惨憺たる貧困社会を生む大きな原因となった。
日本の派遣法がどう改正されるか、いまが正念場であり、私たち働く者は、派遣制度を巧妙に残存させようとする動きを批判的に見ていかねばならないと考える。
2009年12月12日
失業手当の延長給付を

先日NHKでリストラで職を失って1年経ってもなかなか仕事に就けない中高年や若者の厳しい再就職事情を放送していたのを拝見した。
新政府が打ち出したハローワークの相談窓口開設などの施策により、失業が長期化した人々が新たな救いを求めて次々と訪れているものの、現実はただの相談であって、再就職に到るわけではない。
10月の完全失業者数は344万人で、前年同月に比べて89万人増。12か月連続の増加となった。就業者数は6271万人で、前年同月比117万人の減少。就業も職探しもしない非労働力人口は4438万人で、同32万人増えた。
失業中の生活や就職活動を支える公的支援が失業給付金だが、45歳未満の失業給付の受給期間は被保険者期間が5年未満なら失業理由に関係なく90日だけだ。3月末の雇用保険法改正で給付を60日延長できるようになったものの、例えば会社都合で退職した労働者が90日の受給後に60日延長されたとしても、現状の「10人の求職に4人分」の求人しかない現状のもとでは焼け石に水で、仕事を見つけられないまま失業給付切れに陥る人が、今後も大量続出するおそれがある。
仕事がないままの失業給付切れの防止や、失業給付を受けられない人、期限が切れた人の生活支援など緊急にとりくむ必要があるのではないか?特に、失業給付の期限切れの問題では、「全国延長給付」を直ちに発動すべきだ。雇用保険法27条は厚労相の判断で全国的に給付日数を延長できると定めている。
ところが、厚労相は政令に定めた発動条件に満たないこと、職業訓練の受講者への給付金制度があることをあげ、「全国延長給付」の発動に消極姿勢を示した。
そういうところを見ると、政治家の現状認識として、今なお失業があたかも本人の努力不足であるかのような状況判断がなされているのではないだろうかと危惧する今日この頃である。
2009年11月27日
二番底

ここ数週間で国内株価の下落と急激な円高・ドル安で日本経済の「二番底」懸念が現実味を帯びている。日本の株式市場のその指標が示す限りにおいては、リーマン・ショックが起こる前よりも悪い状況になりつつあるようだ。
政府も今月20日の月例経済報告で日本経済は「緩やかなデフレの状況にある」と認めた。デフレとは、基本的には需要が供給に届かず、値段を下げないとモノが売れないという経済状況が生み出す産物であり、インフレでモノの価格が上がってしまう状況よりも性質が悪い。
人々が、必要最小限のものを、それも少しでも安く買おうと汲々としている様子が伝わってくる。言い換えれば、人々が不要不急の出費を抑え、効用が同じものならば、より安いモノへ流れるようになっている。
その根幹にあるのは将来への漠たる不安、無駄を抑えようという心理だ。
そのデフレを政府が認めながらも、その俯いたマインドを持ち上げるような政策は見えてこないことが、今の日本株式市場の根本的な問題だろうと思われる。
新政権誕生から数ヶ月、早くも政権に対する苛立ちから支持率がじわじわと下がりつつある。雇用対策が庶民にとって焦眉の急であり続けているにもかかわらず、臨時国会で雇用対策は主題にはならない。国会審議事項にしなくても早急に打てる雇用対策は相当あると思われるのに、そこへの政治的関心は表面化していない。
リーマンショック以降の一年間極限まで我慢を強いられてきた挙句、更なる景気悪化という底なしの恐怖に、いま失業・求職中の人々から絶望にも近い声が聞こえ始めており、早急な対応を願うばかりだ。
2009年11月14日
完全失業率5.3%「改善」のからくり

戦後最悪の雇用情勢に好転の兆しがみえるという。
総務省が先月末に発表した労働力調査によると、9月の完全失業率は5.3%で二カ月連続で「改善」した。しかし、世間で感じる風は好転どころか、深刻化だ。この違いはなぜ生じるのか。さらに体感されている失業率はどの程度なのか。
今日の東京新聞に興味深い特集が組まれていたので、以下一部を抜粋させていただいた。
<以下、抜粋>
「今月で失業給付が切れた。早く何とかしなくては」。
工場などで大量リストラされた人々が緊急入居した神奈川県営いちょう上飯田団地に住む男性(46)は途方に暮れる。今年1月、派遣切りで職を失い、それ以来、仕事を探し続けている。「再び派遣切りで職と住まいを失うことは避けたい」と身分の安定した正社員を希望する。
しかし、ハローワークで見ても、新聞広告を見ても求人は請負や派遣ばかり。「以前は、条件が悪くても正社員の募集があったのに…」。就職のめどはまだ立っていない。
今年7月、国内の完全失業率は過去最悪の5.7%に達したが、その後、毎月0.2ポイントずつ「改善」され、9月には5.3%になった。しかし、同月の完全失業者の実数(原数値)は363万人で11ヶ月連続で増え、前年同月比で92万人増となった。
失業者は増えたのに、失業率が下がった。どういうことなのだろうか?
雇用情勢は本当に改善されたのか。「違う」と断言するのは、派遣ユニオンの関根秀一郎書記長だ。「昨年末に失業した多くの人々は夏まで失業給付を受け、求職活動していた。でも給付が切れた。生活ができないため、最近は短期間のアルバイトやパートで何とかしのごうとしている」。
労働力調査では、実際は失業中でも月末の一週間にアルバイトなどで一時間でも働けば、就業者で失業者ではない。従って、上記の求職者もアルバイトをすれば、就業者だ。
関根さんは「これが『改善』の中身だ。再就職の困難が逆に失業率を好転させている」。
と説いた。
2009年11月01日
失業率が改善?

総務省が先月10月30日発表した労働力調査によると、9月の完全失業率(季節調整値)は5.3%となり、前月比では0.2%ポイント低下と改善したと発表された。
この「明るい兆し」のニュースに、実感できない違和感を感じる人々も多いだろう。
統計上の失業率の算定方法だが、「完全失業者数」のカウントの条件は「仕事がなく、職探し中で、すぐに仕事に就ける」ことを前提とする。
このカウントに含まれないのが「非労働者人口」(上記失業者の3条件のいずれかに該当しない人)であり、その数が急増しているという。いわゆる「職探し中」に当てはまらない、職探しそのものをあきらめた人々であり、その人々が再就職をあきらめれば、失業率は『改善』してしまうのだ。
さらに危惧しているのは、最近の求人の賃金がデフレ傾向にあることだ。
最近のハローワーク求人を見ても、賃金が安い求人が増えている。採用側企業も、多少待遇面を悪くしても応募者が増えることを想定して、つまり、求職者の足元をみて採用し始めた。
例えば失業給付期間が終了しても仕事が見つからず、今就職しなければ生活が破綻しかねない求職者が、アルバイトなど期間雇用で「食いつなぐ」という「就業者」が増加していると聞く。これも最近の失業率を一時的に『改善』させている要因ではないかと思う。
見せかけの改善数値で楽観されてしまう怖さが官庁発表の統計数字にはある。
新たな予算措置が執られない失業者対策が、このような楽観からくるものでないよう現実を直視してもらいたいものだ。
2009年10月17日
派遣法の改正をめぐる不穏な動き

解散総選挙で一旦廃案になった労働者派遣法の改正作業がいよいよ動き出す。
今年6月のこのブログで書いた通り、私は登録型派遣には反対の立場であり、労働者の働き方に多大な影響を与えるこの議論について大変な関心を持ってこの動向を注視している。
しかしながら最近、派遣法改正についてまた不穏な動きが出てきているようだ。
先日の新聞で、派遣労働のあり方を見直す厚生労働相の諮問機関「労働政策審議会」の委員に、当時、派遣法の規制を緩和した主要メンバーでもある労働省局長が加わっていたことが判明した。要するに諸悪の根源を生み出した張本人が何故かまた委員として派遣法改正論議に発言しているという。
また、鳩山連立政権では公約であったはずの派遣法改正に対して、文部科学大臣を筆頭に、民主党内にすら派遣法改正への慎重姿勢をとる勢力が発言力を増しており、改正作業がなかなか進まない。
さらに私が最近少し気になっているのは、テレビの街頭インタビューや、mixiなどのインターネット投稿サイトなどで、一般の人々の中でも、「派遣をなくして正社員化すると雇用の調整弁が失われ、企業自体がつぶれかねない。そうなれば失業者が増えるのではないか」と論じる人々が少なくないことだ。この理論は経営側が安く労働者を使える派遣法を維持したい宣伝文句として使われてきた理論なのだが、いまや一般の人々が経営側の主張に同調してしまっているのである。
2000年代初めの大企業の業績回復には、派遣法による自由な労働者の使い捨てによるコスト削減は企業の利益拡大に大きく貢献した。
しかしその利益は、人件費に回らず内部留保として企業に溜め込まれており、その莫大な資金は余剰人員となった従業員のために使われる事はなかった。企業の業績は伸びたが、労働者の生活は向上しなかったのである。
「派遣をなくせば失業者がふえる」という理論はすでに破綻している。それはもう今日の惨憺たる現実が証明している。
日本の派遣法がどう改正されるか、いまが正念場である。
私たちは、派遣法を巧妙に残存させようとする動きを批判的に見ていく必要があると考える。
2009年10月02日
最優先課題は雇用対策

この不景気で雇用が崩壊をしている。
いま失業が長期化している人々から悲痛な声が聞こえ始めている。解雇や派遣切りにあった人たちの生活を支えてきたのが失業給付金だが、受給できる期間は最長でも330日。支給の停止時期を迎え始め、生活の見通しが立たない人たちは不安を募らせている。
ハローワークに行って求人検索してもいつも同じ求人がずっと出ている。新規採用が出るとあっと言う間に50人、100人の応募が殺到しているので、どうせ無理だと応募をあきらめる。仮に面接に行っても正社員募集だったはずなのに、契約社員でと言われる 等々。
もう正社員での就職そのものが無理なのではないだろうかと途方に暮れる。
特に子どもの教育費やローンなど、扶養家族を抱える中高年失業者の場合、月額最高でも20万円程度の失業給付では居住費など経費を考えれば足りないため、貯金を切り崩してきており、限界にきている人々が急増中だ。
欧米と比べ、一億総中流意識から、労働運動が起こらない日本では、人々は労働組合をつうじて権利を主張しないので、失業者の悲痛な声が届かない。まして、失業そのものを自己責任と考える風潮や、周囲に知られまいと恥じることも、失業問題が大きく取り上げられない日本独特の要因ともなっている。
マスコミでも、雇用問題が「景気対策」のメニューの一つに過ぎないかのごとく扱われるようだが、実際に今、失業している求職者のおかれた状況は大変厳しく、一刻も早い処置が求められる。
次代を担う若者や、家計を支える大黒柱の中高年に仕事がない。はたらく能力があり、その意志がある人たちに、企業が仕事を与えないというのは危機的状況で、新政権が真っ先に取り組まなければならない雇用対策は、既に失業している人々への応急的救済ではないだろうか。
2009年09月22日
厚生労働省系行政法人と天下り問題

新政権になり、国家公務員OBの天下り問題がクローズアップされている。
先日も新聞紙上では、厚生労働省所管の独立行政法人による不正な委託費の流用や、入札に関する不透明さが指摘されていた。
毎年、補助金や交付金という名で投入される税金は約6兆にのぼると言われ、ここから捻出される大金が天下りをした元中央省庁の幹部OBに流れたり、接待費や使途不明な調査費などに使われているなどと公表されることが多くなった。
このようなニュースを見るたびに、生活苦や雇用不安にさらされている庶民からすれば、まさに天下り問題は時代劇でいう「悪代官」のイメージがオーバーラップしてくるほどだ。
厚生労働省といえば我々の「雇用」に関する諸問題を取り扱う機関であり、そこで決定される様々な方針や施策が勤労者の生活へ与える影響は大きい。
その厚生労働に関する外部団体として、ハローワークや人材銀行以外にも様々な団体が設立されているのをご存知だろうか。
財団法人産業雇用安定センター、社団法人雇用問題研究会、財団法人日本職業協会など。利用したことのない人からすれば、どのような業務をしているのかなかなわからないものだ。
先日、長年勤めた会社をリストラされ、再就職活動を開始した方が、人事からの勧めもあり、出向・移籍という形で再就職支援をしてもらえる財団法人があると聞き、利用したという方から話しを聞いた。
その方の話しによれば、その財団法人へ期待して何度も窓口に通ったものの、紹介される求人企業はハローワークでいつも同じ公開求人している企業や、生命保険の勧誘の仕事など、その財団法人の独自性が全くない情報ばかりなので利用をやめたという。
この法人について私は名前の特定はしないし批判するつもりはないが、この財団法人、やはり役員の殆どが元官僚天下りなのだそうである。
2009年09月12日
不景気でも減らない人材紹介会社

今回の景気悪化で最も打撃を受けた業界の一つが、転職支援ビジネスの人材紹介業だったわけだが、最近の転職ビジネス市場を見ると、撤退する業者と同じくらいのテンポで新たに人材紹介ビジネスに参入する会社が増えてきているようだ。
その会社の多くは、人材紹介を専業として発足するというよりも、自社の本業の商売が低迷しているため、自社に「人材紹介事業部」という部門を新設してスタートしている。
例えば、システム開発運用会社。本業の受託請負の低迷により求職するエンジニアの増加を好機として紹介事業部を新設するケース。あるいは建設業界での建築関係スペシャリスト紹介や、医療業界では医師、薬剤師などの有資格者紹介など、いずれもいままで紹介業とは無縁と思われていた会社が名乗りを上げている。
これに加えて、労働者派遣法問題で渦中の人材派遣会社が派遣法改正をにらんで有料職業紹介事業へ営業をシフトさせるなど、不況にもかかわらず競争が厳しい業界となっている。
しかしながら現実には企業求人数は低迷し、人材ビジネスの市場はまだまだ厳しい。古くから人材紹介業を営んできた会社から多くのコンサルタントが業績不振で会社を去ったり、固定給なしのフルコミッション(成功報酬)での仕事を余儀なくされているベテランコンサルタントの窮状を耳にしている。
こうした状況なのだから、真新しい戦略もなく単なる売上げ目的で未経験の人材ビジネス分野に安易に参入してもうまくいかないのは目に見えており、実際に短期で撤退してゆく事業者も多いようだ。
人材紹介ビジネスは、それが登録型であれスカウト型であれ、転職希望者のキャリアや方向性など、インタビューを通したコンサルティングが必要で、繊細さが要求されるビジネスである。それが今は、御自身がいままで転職経験がないのに転職アドバイスをする素人コンサルタントが増えていたり、相談したのに、案件紹介もなく音信不通となるといったクレームも増えているようだ。
失業率が急上昇している現在、転職希望者は信頼出来るパートナーを切に望んでいるのだから、不況を人材獲得の好機と、営利のみを考えている新規参入企業が業界モラルを低下させないか危惧している。
いずれにせよ、人材そのものにValue(価値)を見出さない今の日本の閉鎖的な状況が早く改善されることを望む。
2009年08月21日
失業率の実態は10%を超えている?

完全失業率は雇用や失業の実態を客観的に把握するための定義としてILO(国際労働機関)が定めた基準に基づいて求めた失業率の国際基準だが、では「失業者」とはどのように定義されているのだろうか?
求職活動をあきらめている、いわゆる「求職意欲喪失者」などについてはILOに準拠した統計を作成するいずれの国においても失業者に含まれていない点で、その実態の把握の仕方が各国でも曖昧な点では目安に過ぎないのは言うまでもない。
だが、私たちが発表で聞かされる失業率5.XX%という数字、どうも日本の「失業率」の集計の現実を知ると、実勢に合わないのではないかという疑いを持たざるを得ない。
例えば、こうだ。
・調査期間を1年間と仮定し、この1年間の中で『1度でも』就職した人は、就業者とみなされる。たとえば1日だけしか働いてなくてもその人は、就業者とみなされるのだ。従って、調査期間中に1度も働けなかった人だけを失業者とみなされるのである。言い方を変えれば、1日だけ働いて364日働けなくても就業者とみなされる。
・不況で開店休業の商店店主とか、個人事業主などフリーで働いていて仕事が取れなくなった人たちは、1人もカウントされていない。
日本はハローワークに求職登録して全く働かない状態でなければ完全失業者にならないのだ。
これらを見ても、国が発表している失業率が実勢に合わず、いかに低めに設定されているかを垣間見るのである。実態としては、発表されている「完全失業率」を大きく上回る失業者が存在することを総務省統計局も認めている。「失業率の実態は10%を超えている」という指摘を否定していないことは興味深い。
選挙を控えた政府が明るい論調で景気が回復しつつあると宣伝するその実体は、企業による大規模なリストラによる人員コスト削減に依存しているところが大きいようである。
2009年07月17日
将来不安…まずは貯金

日本人は諸外国の人々よりなぜ貯金をするのか?
私たち労働者が貯金をする目的はおおむね「子どもの将来」と「自分たちの老後」のためである。だから給与やボーナスから僅かでも貯金に回さざるをえないのが日本人の大半の生活意識ではないだろうか。
いま、政府は国内消費を高めようと、エコポイントやら住宅減税やらとお金を流通させようと支出へ誘惑している。預金から投資へお金が回るようにすることで経済を活性化させようということのようだ。
しかしながらこの官僚の考える政策、そもそも根本的な解決策にはなりえないのは実施結果が物語っている。日本は生活面のセーフティーネットが脆弱だから不安でお金が使えないのだ。
先日、ある新聞で斉藤学氏が、今の日本社会はこうあるべきというコラムを投稿しており、その内容が短いながらもとても興味深い意見だったので以下、そのまま抜粋させていただきたい。
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「国が国民に預金させたくないのなら高齢者の医療・介護費と子どもたちの教育費を無料にすればいい。さらに家賃数千円の質の高い公営住宅を十分につくり、国民のほとんどが苦しむローン奴隷の身分から解放すれば、金はほっておいても消費に流れる。
もちろん、消費税は20%を超え、収入に占める税金の割合は六割以上になるだろうが、将来の生活に不安がなくなれば、収入の過半を税金に取られても、人々は残った金をどんどん使う。
これを不可能と思う必要はない。北欧諸国がこれに成功しているし、フランスの少子化克服も三歳から二十二歳の教育費無料化と軽費公営住宅政策によるところが大きい。
政府とは所得再配分のためにある。ただし、この機能がフル回転するためには国民が政府を信頼できなければならない。今の内閣や官僚たちでは無理だ。」
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どうだろうか?
資本主義の規制緩和で拡大した貧富の差と、いまも世界最低レベルの国内最低賃金の基準が審議されている厚生労働省の諮問機関etc。
未曾有の大不況のなか、行政の役割とは何かということがしっかり見直されるべき時かもしれない。
2009年06月20日
派遣法改正の行方

「雇わないで働かせたい」。これが経営側の本音である。
いま、財界の要請が生み出した労働者派遣制度を規制できるか否かの正念場を迎えている。
財界の思惑を色濃く反映する与党は、雇用の調整弁となる派遣制度を温存したい。いま与党が国会に提出している派遣法改正案は、製造業派遣含む現行の問題を何も解決しないどころか、派遣制度そのものに正当性を与えようとしているかのようにみえる。
多数のワーキングプア(働く貧困層)を生み出してきた日雇い派遣がむしろ正当化され、派遣労働者を路頭に迷わせた「派遣切り」問題にも経営側に強制力を持たず全く無力だ。
政治の場では、野党共同での派遣法改正案の提出が模索されているが足並みが揃わない。例えば、登録型派遣など使い捨て雇用の禁止に反対する勢力(派遣制度の改善を推進する議員連盟)を内部に抱える民主党は、派遣切りの温床となった製造業派遣をどこまで規制するのか、という点で財界側を擁護する勢力も多いようだ。
いずれにせよ、1999年の派遣法改正が財界の後押しで密かに成立した結果が、現在のこのような格差貧困問題を生む原因となっており、現在の派遣法について私は反対の立場である。
ここ数ヶ月、新聞やメディアでは政権交代議論ばかりがクローズアップされ、派遣法改正案の議論がそれほど関心事になっていないムードに危機感を覚える。
日本の派遣法がどう改正されるか、いまが正念場である。
私たち働く者は、当時の法改正時同様、派遣制度を巧妙に残存させようとする動きを批判的に見ていかねばならないと考える。
2009年06月08日
日本版サブプライム危機(住宅ローン返済)

〜マイホーム競売最多 不況で返済行き詰る 旧公庫〜
「不況のため住宅ローンの返済に行き詰まり、マイホームを競売で失う人が増えている。 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が08年度に競売にかけた住宅は記録のある02年度以降で最多となり、東京、大阪、名古屋の各地裁の競売件数も急増。 夏のボーナス大幅カットでローン破綻(はたん)が続出する「6月危機説」もささやかれている。」
上記は先日出ていた衝撃的な記事である。
多くの人は、住宅購入のためにローンを組んでおり、その返済に「ボーナス払い」を利用しているケースが多い。
今、まさにそのボーナス支給の時期、既に不況の影響で人員整理や大幅な年収ダウンが始まっており、住宅を購入した多くのローン返済当事者にとって大変大きな不安要素となっている。
この、賞与を見込んだ住宅ローン返済が出来なくなってしまうのではないかという恐怖は、例え民間金融で住宅ローンの方が軽減措置があったとしても、家庭生活をするもっとも基本要素である住まいを失うかもしれないという恐怖感となって、人々の消費生活を圧迫しているのである。
この時期、住宅ローンの払い込みが頓挫する人々が増える懸念がある。
政府は景気対策として企業金融を大増額したが、住宅ローン支払が不能に陥る個人へ何らかの対策を急がないと大変なことになるのではないかと懸念する。
2009年05月05日
「こどもの日」に思う

今日、5月5日の「こどもの日」、総務省が発表した人口推計で15歳未満の子どもの数は、1714万人と、過去最少を更新したという。総人口に占める子どもの割合も、13.4%となり世界でも最低水準なのだそうだ。
私自身も二人の子どもを持つ親であり、収入の多くを何らかの形で子どもに支出しており、子どもを持つことで、教育費など将来への不安をかかえることとなる日本の社会では「やはりそうか」と考えてしまう。
いま、急速に悪化する経済環境の中で、高校へ進学できない、塾へ通うお金を出してもらえない、修学旅行に行けない、クラブ活動ができない、更には給食費が払えないなど、普通の子どもが享受すべき生活が出来ない子どもが急増している。この傾向は、特に年収の低い母子家庭に顕著の表れるようだ。
経済大国となった現代日本において、もはや日本の子どもの7人に1人が貧困に苦しんでいるといわれる。更に厄介なことに日本は先進諸国で唯一、社会保障や税による「所得再配分」が行われた後で子どもの貧困率が悪化している点だ。
日本では雇用保険や生活保護などのセーフティーネットに大きな穴が開いているので、いったん「貧困のサイクル」に「転落」すると、そこから抜け出すことが難しくなるとされ、子ども本人だけでなく、貧乏人の子は貧乏人を生むような、次世代への負の連鎖を生む社会になろうとしている。
子どもは「国家の宝」であると考える欧州と比較して、日本の政府はこれからも経済力も含め「親の責任」にし続けていくのだろうか。いつも思うのだが、例えば、公立高校の学費を無料に出来ないのは何故か?競争社会で「権利の与えすぎ」だから出来ないということになるのか。
いずれにしても出生率が落ちてきているのは、諸外国に比較して子育てが難しい社会になったからであり、恥ずべき事ではないだろうか。

