2010年06月09日

矛盾とドラマに満ちて...

東京国立博物館本館003.JPG
前回の記事で、
東京国立博物館を例にあげて、
紹介しましたが、
洋風の建物の上に、
日本風の屋根がのったような建物…。






こういったかたちは、
戦前、
ナショナリズムの高揚といったことが、一因となったのだと思うのですが、
帝冠様式、などと呼ばれて、広く試みられていたようです…。


ところで、
このような様式を最初に提唱した人は、下田菊太郎という建築家なのだそうです。


当時(1919年頃)揉めていた帝国議会の建物の計画案が、
単なる西洋建築の模倣であることに抗議して、提案したのが最初とのことです。


時代背景や、そのようないきさつも考えると、
なんとなく、愛国心に満ちた、バリバリの日本主義者、
という印象をもってしまいそうですが…。


下田菊太郎という人は、
学生時代、
当時の教授(東京駅を設計した辰野金吾)と、そりが合わず、
結局中退して、アメリカに渡ります。
そこで、働き、
日本人としてはじめて、アメリカ建築家協会の免許を取得し、
アメリカで設計事務所を開設します。


アメリカの国籍を取得し、アメリカ人と結婚し、
アメリカ仕込みの、
いわゆる国際派の建築家として活躍した人なのだそうです。


当時、日本人が、そういった活動をすることは、
大変なことだったと思うのですが、
そのような人が、洋風の建物に、日本風の屋根をのせたような、
いわゆる帝冠様式の創始者として、歴史に名を残している、
というのも、
なんとも面白いな、と思いました...。


やはり、海外に出ていると、
かえって祖国のことが思われてくるものなのでしょうか…。


その後、
下田菊太郎は、帰国し、日本でも設計活動を始めますが、
当時日本建築界に君臨し、
東大学長にもなっていた辰野金吾への反逆の前歴が災いしたのか、
ことごとく排斥され、
日本の建築界では、
結局あまり日の目を見ることはできなかったのだそうです...。


旧香港上海銀行長崎支店01.JPG
さて、そんな、
自らも、
「建築界の黒羊」などと称していたという、
異端児、下田菊太郎設計の、
唯一現存する建築が、
長崎にある、旧香港上海銀行長崎支店です。



旧香港上海銀行長崎支店02.JPG
解体の危機を、
市民の保存運動によって、
乗り切ったのだそうです。






旧香港上海銀行長崎支店03.JPG
石積みのアーチの上にのる、
2層分を通した列柱など、
重厚な感じでいいですね…。






旧香港上海銀行長崎支店04.JPG
なんとなく、
周囲から孤立して建っている感じも、
そんなストーリーを知ってから観ると、
迫力が増すようです…。






国際派でありながら、
日本的な建築様式の創始者として名を残し、
日本的様式で名を残していながら、
唯一現存する建築は、重厚な洋館…。


なんとも、矛盾とドラマに満ちていて、面白いですね…。

Posted by k_nakama at 19:23  |Comments(12)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月04日

百年早い...

ここのところ、バタバタと、
脇目もふらずに、仕事をしていたのですが、
その間に、
世の中は、大きく揺れているみたいですね…。


そんなこんなを、
テレビで、いろいろな方々が語っているのを聞いていて、
「安全保障」とか「危機管理」といった言葉に、
なんとなく、違和感を感じてしまいました。


外国語の直訳という感じで、
パッと聞いただけでは、意味がつかみにくくないですか…。


もう一度、英語に戻してみないと、よくわからない感じがします。


内容を聞いてみると、確かに重要な課題だと思うのですが、
外国直輸入の、言葉や概念が、
国の最重要課題の一つ、というのも、どうなのかなあ、
なんて思いました…。


もう少し、こなれた日本語にするように考えてみればいいのに…。


もっとも、
代わりになる、いい言葉は、何も思いつかないので、
何の提案もできませんけど…。


ところで、
建築の方でも、
幕末の時代、開国にともない、
様々な技術や、考え方、美意識などが、
たくさん流れ込んでくることになりました。


勿論、最初は、
それらを見よう見まねで、真似て、
取り入れることに必死だったわけですが、
真似もある程度続けてくると、
はたして、このままでいいのだろうか、
というように考えることになるのかもしれません。


日本ならでは、日本らしさ、といったものを、
表現し、打ち出していくべきではないか、
ということになったようで、
いろいろなかたちで現れてきます。


それでも、
新しく学んだ技術を捨てて、昔に戻る、というのは難しいので、
それらを活かしながら、
日本的なものを表現する、ということが、盛んに行われていくわけです。


歌舞伎座03.JPG
以前にも紹介したことがある、
築地の歌舞伎座です。
残念ながら、
建替えが決まってしまいましたが、
これなんか、
鉄筋コンクリートで、
真っ正面から、
和風に取り組んだ建築といえそうです。


歌舞伎座01.JPG
でも、
よく見てみると、屋根から下の部分は、
左右対称の箱形で、どことなく、
洋館の風情があるところが、
なんか面白いですね…。







やはり、日本らしさは、
屋根、ということなのでしょうか…。


そういえば、
上野にある、東京国立博物館は、
より、はっきりと、
洋風の箱の上に、
瓦屋根がのっています。




この建物は、
昭和6年に行われた、設計競技によって、
一等に入選した案だそうですが、
当時の時代背景もあってでしょうか、
募集要項には、
「日本趣味ヲ基調トスル東洋式トスルコト」
という規定があったのだそうです。




洋風の建物に、
日本風の屋根を、というのは、
新しい技術を使った、日本らしい建築、という課題に対する、
一つの回答、ということになるのかもしれませんね…。


その後も、
この課題は、何度も何度も、
問われ続けることになります。


香川県庁舎01.jpg
そして、
こちらは、旧香川県庁舎。


ここでは、
屋根ではなく、
日本的な構造美といった感じのものが、
コンクリートによって表現されています。


香川県庁舎02.jpg
庇を支えるように突き出した、
多くの部材が、
まるで、木造の寺社建築みたいで、
とても美しいですね…。






香川県庁舎03.jpg
庇が廻ったような、
こういった表現は、
その後、全国に広がっていったようで、
ちょっと古い建物なんかで、
よく見かけます。





シルクセンター01.JPG
こちらは、
横浜にある、
シルクセンター国際貿易観光会館ですが、
同時代の建築ということもあるのか、
似たような表現がとられています。
高層部のデザインなんて、
よく似ています…。





やはり、
これも一つの回答、ということなのでしょうね…。


そんなこんなで、
百年以上も、
ああでもない、こうでもない、といって、
いろいろなかたちで、模索が続けられているわけです…。


そんなことを考えると、
外国語の直訳のような、
そういった言葉や概念が、
当たり前のような顔で、最重要課題に落ち着くのは、
まだまだ、
それこそ、百年早いのではないでしょうか…。

Posted by k_nakama at 21:34  |Comments(16)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月25日

ディテールを観る眼

先日、テレビの「世界遺産」で、
「ガウディになれなかった男」、
リュイス・ドメネク・イ・モンタネールの作品を観ました。


絢爛、華麗な装飾をじっくり観ることができて、
とても楽しめました。


ただ、
家にあるテレビは、ひどく古いものなので、
ハイビジョンなどの、もっともっと画質のいいテレビで観たら、
さらに凄かったのだろうなあ、と思いました...。


ところで、観ていて思ったのですが、
このように、細部をじっくり観るには、
その場に行って、実際に眺めるよりも、
機械の眼を通した方が、
かえって、よくわかる場合もあるのかもしれませんね...。


実際に見るのと、機械の眼を通して見るのとでは、
同じ見るといっても、
なにか、違う意味や機能をもっているような気がします。


時々、美術展などに行っても、
その場で、絵の隅々までを、詳細に読み解くようなことは、
ちょっと面倒なので、あまりせずに、
全体の感じを大づかみに観るようなことが多いように思います。
そして、より細かい部分を、よく観察する時には、
テレビカメラで丹念に追っている映像や、
写真などの方が、かえって、
じっくりと観ることができるような気がします。
まあ、
ただ単に、立って観るのが疲れるというだけかもしれませんが…。


でも、もしかしたら、
そういった細部を見る、ということは、面倒なので、
機械にゆだねている、ということなのかもしれませんよね...。


そういえば、
機械の眼などほとんどなかった頃の、
昔の建築の方が、細部に凝っているものが多いように思います。


昔の人の方が、
細部を注視する力に長けていたのかもしれません...。


もちろん、経済性や合理性を追求する現代に、
細部に凝るような悠長なことはできない、
というのが一番の理由だとは思いますが...。


でも、そうするうちに、
細部を見る、
あるいは、
何かを注視する、といった力は、
機械にゆだねられ、失われてしまったのかもしれないなあ、
なんて思いました...。


光世証券01.JPG
こちらは、光世証券兜町ビルです。


1999年にできた建物だそうですが、
時代錯誤な感じすら漂う(悪口ではないですよ)、
レンガ、鋳鉄による金物、ガラス、時計塔、等々…。








光世証券02.JPG
なんとも、
凝りに凝った細部を、
持っているように思ったのですが、
建っている場所が場所なのか、
忙しくて、
あまり、じっくりとは、
見てもらえていないようでした…。







光世証券03.JPG
せっかく、
見るべき細部を持っていても、
注目してもらえないと...。











旧近藤邸01.JPG
こちらは、帝国ホテルで有名な、
フランク・ロイド・ライトに学んだ、
日本人建築家、遠藤新による、
旧近藤邸です。







旧近藤邸02.JPG
もともとは別のところに建っていたのを、
藤沢市民会館の前庭に、
移築されたのだそうです。








旧近藤邸03.JPG
割とこじんまりした住宅なのですが、
今では、失われてしまったかもしれない、
「細部」の数々が、
とても美しいですね…。







旧近藤邸04.JPG











たまには、普段の見方をスイッチして、
カメラのように、細部を丹念に追ってみると、
いつもとは違ったものが、見えてきて、面白いのかもしれませんね…。


そうして、見られるようになれば、
ハイビジョンの画質にも耐えうるような、
見るべき細部をもった建築が、増えてくるかもしれないなあ、
なんて思いました...。

Posted by k_nakama at 18:57  |Comments(14)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月17日

サリエリ的

今頃、何を、と言われてしまいそうなのですが、
つい最近知ったことなので…。


いまやっている大河ドラマは、
「アマデウス」のサリエリのような感じで、
岩崎弥太郎の視点から坂本龍馬の生涯を描いているのだそうですね…。
観てなかったので、全然知りませんでした。


でも、それで思い出したことがあったので、
今更ですが、ちょっとふれてしまいます…。


以前に、
「ガウディになれなかった男」という本を、読んだことがあります。


バルセロナ011.jpg
ガウディというのは、
スペインのバルセロナで、
今なお、工事が進んでいる、
サグラダファミリア教会で有名な、
建築家です。










で、この本の主役は、
ガウディと同世代の建築家で、
当時、ガウディよりも、早く、そして、より大きな成功を収め、
活躍していた建築家の、
リュイス・ドメネク・イ・モンタネール、
という人でした。


ドメネクは、
裕福な家庭に生まれ、
25歳でバルセロナ建築学校の教授になり、
その後、学長となり、政界へと進出します...。


当時のバルセロナを中心とした、カタロニア地方の建築界の中心は、
ガウディではなく、間違いなくドメネクだったのだそうです。


しかし、
彼らが活躍した時代から、およそ100年。
世界的に有名になったのは、ガウディの方でした。


この本では、
二人の人生を、ちょうど映画「アマデウス」のように、描いていました…。


どこまでもガウディと対比的な人生を歩んだこのドメネクという人は、
いったいどんな建築をつくったのでしょうか。


モンタネ・イ・シモン出版001.jpg
こちらは、
ドメネクが注目を浴びる
きっかけになったという、
モンタネ・イ・シモン出版社です。







この建物が、
この後、カタロニア地方で花開くことになる芸術運動、
「モデルニスモ」のはじまり、とも言われているそうです。
落ち着いた、上品な建物ですね…。


因に、
屋上に付いている、不思議な金属のオブジェは、
後の改修で付けられたものです。


動物博物館001.jpg
こちらは、
動物博物館です。


元々は、1888年の万博の際の、
カフェ・レストランとして、
建てられたものだそうです。
シンプルで、上品な外観です。






内部には、
当時としては珍しく、鉄材をそのまま見せていて、
かなり先駆的だったようです。


カサ・リィエオー・モレラ001.jpg
こちらは、
カサ・リィエオー・モレラ。
「モデルニスモ」を画する、
重要な住宅作品だそうです。
かなりの装飾に覆われていますね。









2、3軒隣には、
ガウディの、
カサ・バトリョが建っています…。











カタロニア音楽堂002.jpg
そして、ドメネクの最も有名な作品、
カタロニア音楽堂です。


ものすごく派手な、
色彩と装飾に覆われています。




カタロニア音楽堂001.jpg
ただ、狭い路地に面しているため、
全貌があまりよくわかりません…。












サン・パウ病院001.jpg
そして、
晩年の作品、サン・パウ病院です。


ガウディのサグラダファミリアと、
通りの端と端で、
向かい合うように建てられています。




サグラダファミリアの10倍もある広大な敷地に、
48の建物が分散配置されている、巨大な建築です。
その中で、細部に至るまで、徹底してデザインされています。


こうして観てみると、
ガウディの建築と比較すると、やはり、
かなりオーソドックスですね...。
たくさんの装飾で覆われていても、
セオリーははずさない、といった感じで、
ガウディのようなハチャメチャな感じは、薄いみたいですね。


でも、後の時代の推移を見ると、
ガウディのような建築が主流になったことは一度もなく、
彼らが生きて活躍をしていた時代から、その後の時代も通して、
常に、ドメネクの方が主流であった、と言っていいように思います。


歴史の流れの中に、しっかりと納まってしまっているが故に、
その名前が忘れられがちになっていくドメネクに対し、
前にも後にも、誰もいない、孤立しているが故に、
その後の歴史にその名を刻むガウディ…。


サリエリのように、
ドメネクが、ガウディに嫉妬したかどうかは、わかりませんが、
やはり才能の質が違う、ということなのかもしれませんね…。


こういったことは、比較しても仕方がない、ということなのかもしれません。
面白いドラマですけどね…。


因に、
バルセロナの街を歩いて、
実際に両者の建築を観てみた感想は、
やはり、圧倒的に、ガウディの方が、面白かった…。


まあ、比較しても仕方がないですけど…。


Posted by k_nakama at 18:05  |Comments(9)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月10日

浮遊感

開店した「酒楽和華 清乃」さん。


酒楽和華 清乃
東京都小平市美園町1-32-2
042-343-0773
西武新宿線小平駅からすぐ
(駅のホームから見えます)


1階は、炉端焼き+中華のお店ですが、
2階3階は、オーナーさんのスペースになっています。


奥に向かって狭くなっている、三角形の細長い敷地に建っているため、
お店の方は勿論ですが、プライベートな部分でも、
その狭さを解消するために、いろいろと工夫しています。


3階には、大きな出窓が付いています。


建築は、建ぺい率、容積率などといって、
土地の面積に対して、建てられる建物の面積が、
法律で定められているわけですが、
出窓に関しては、
ある条件を満たすことで、
その面積には算入しなくてもよいことになっています。


清乃出窓01.JPG
ならば、
というわけで、
約10mの、
長い長い出窓をこしらえました…。







室内から見ると、
ちょうど腰掛けられる高さに付いているため、
椅子代わりにもなるし、昼寝もできそうです。


少しでも広く使うための、工夫です...。


清乃出窓02.JPG
建物が出来上がった後に、
そこに座ったり、
寝転んだりさせてもらったのですが、
建物から飛び出しているせいか、
まるで宙に浮いているようで、
怖いような、面白いような、
なかなか不思議な気分を、
味わうことができました…。




ところで、
昔から、
空に向かって伸びていくような、
浮遊感というか、上昇感のようなものは、
宗教的な建築などで、
その表現としてよく使われているみたいですね。


ミラノ010.jpg
ミラノの大聖堂です。


ツンツンと尖った塔がたくさん、
空に向かって伸びています。





ミラノ011.jpg
上に向かって伸びることで、
天上に近づこうという表現でしょうか…。









20世紀になると、
鉄やコンクリートを使うことで、
実際に、建物を、
地面から浮かすこともできるようになりました。


土地からも自由に、重力からも自由に、
といった感じで、
様々なしがらみから自由な、新しい表現として、
浮かんでいるような建物がたくさん現れてきました。


国立西洋美術館001.JPG
例えば、
近代建築の巨匠、
ル・コルビュジェの、
日本で唯一の作品、
国立西洋美術館。






国立西洋美術館002.JPG
世界遺産に、
という動きもあるみたいですね。


まるで、
箱が浮かんでいるみたいな感じです。






こういった、
建物自体が浮かぶような表現が出てくると、
今度は、
そのような考え方を、
宗教的な建築に取り入れたような表現も現れて、
それがまた、ちょっと面白かったりするので、
いくつか紹介したいと思います。


乗泉寺01.JPG
渋谷の近くにある乗泉寺。


格子に覆われた箱が、
浮かんでいるみたいです。





乗泉寺02.JPG
なんとなく、
美術館かなにかのようにも見えますが、
じっと見ていると、
その静かな雰囲気が、
なんとなく厳かな感じもしてきました…。





善照寺01.JPG
こちらは、上野の近くにある、
善照寺本堂。









善照寺02.JPG
周囲に廻っている回廊が、
地面から離れているせいか、
白と黒の、シンプルな建物が、
浮かんでいるみたいで、
なんとも言えない、
緊張感がありますね…。





徳雲寺01.JPG
福岡県久留米市にある、
徳雲寺納骨堂。








徳雲寺02.JPG
これは、びっくりです...。









徳雲寺03.JPG
周囲の壁は、
屋根から吊られるようになっていて、
建物が、まるで、
池の上に、
本当に浮かんでしまっているみたいです…。






こんな感じで、
宗教的な建物と、
浮かんだような表現は、
不思議とマッチしているような気もします…。


多分、
地面から切り離すことで、
この世とは違う場所、といったことが表現されていて、
それが、
なんとなく私たちの感じる、
あの世のイメージに合っているからではないかなあ、
なんて思ったりしています。


大聖堂の、
地上から伸びて、天上に向かう、
といった表現よりも、
なんとなく、しっくりくるんですよね…。


まあ、その辺の、宗教観の違いなどの議論は、
全く知識がないので、
残念ながら、何も語る言葉を持っていませんが…。


あっ…、
勿論、清乃さんの大きな出窓の浮遊感は、
あの世の表現なんかではありませんよ…。


安全第一ですから…。



Posted by k_nakama at 17:39  |Comments(12)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月04日

木を張る

開店したばかりの、「酒楽和華 清乃」さん。

酒楽和華 清乃
東京都小平市美園町1-32-2
042-343-0773
西武新宿線小平駅からすぐ
(駅のホームから見えます)


清乃板張2.JPG
お店の中は、
主に木でできています。

元々、新装になる前から、
このお店が持っていた、
手づくりっぽい雰囲気を大事にしたい、
ということで、
このようなことになりました。



もう一つ、
炉端焼きのご主人の、長年のこだわりで、
お客さんの見えるところで、
お客さんの方を向いて、
お話をしながら、焼きたい、
ということがありました。


清乃板張1.JPG
そのため、
客席と厨房には、
完全な仕切りはありません。


火を使う、すぐそばの壁の仕上げが、
木になっている、というわけです...。





このような場合には、
当然、
十分な防火対策が必要になります。


「酒楽和華 清乃」さんでは、
燃えにくい処理を施した木を使っています。


ある一定の時間、
つまり、
お店にいる方々が避難するのに必要な時間、
燃えうつらないような性能をもっています。


ということですので、どうぞ、ご安心ください。
皆様、機会がありましたら、是非のぞいてみてください...。


ところで、街中の建物でも、
木がもっと多用されれば、
今よりもずっと楽しくなるのではないか、と思うのですが、
防火に関する様々な規制もあって、
なかなか実現するのは、大変みたいです...。


そんななか、
いろいろと工夫しながら木を使っている例もあるようです...。


八丁堀中條不燃木材ビル1.JPG
こちらは、
八丁堀中條不燃木材ビル。


いわゆるペンシルビル、
といった感じの、
細長いビルです。







八丁堀中條不燃木材ビル2.JPG
外壁は、
清乃さんの内装と同じように、
燃えにくい処理をした木で、
覆われています。










八丁堀中條不燃木材ビル3.JPG
木の塊に孔を開けたみたいな窓廻りや、
壁も微妙にうねっていて、
ちょっと面白い味がありますね...。











ONE表参道001.JPG
こちらは、
ONE表参道。


ガラスの建物を、
木の格子が覆っている感じです。





ONE表参道001.JPG
木の格子部分の防火性能は、
ドレンチャーと呼ばれる、
設備を設置することで、
満たしているみたいです。


ドレンチャーというのは、
火災が起った時に、
水を噴射して、膜をつくることで、
延焼を防ぐ装置だそうです。




ONE表参道003.JPG
設備を設置することで、
防火対策をした例ですね...。









木材会館1.JPG
こちらは、木材会館です。


ここで使われている木のほとんどは、
木の持ち味を活かすために、
燃えにくい処理をしていない、
無垢の木材なのだそうです...。




木材会館2.JPG
火災時には、
煙を天井に溜められるようにするなど、
避難安全上の問題を、
様々な工夫をすることで、
一つ一つクリアして、
実現した、とのことです。





木材会館3.JPG
壁にも、厚みのある角材が張られていて、
すごい迫力ですね...。













街中では、木材は使えない、
と当たり前のように思ってしまいがちですが、
様々な工夫や手間(そして費用...)をかけることで、
実現することができるのですね...。


時には、
それだけのものをかける価値もあるように思います...。


Posted by k_nakama at 14:01  |Comments(14)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月25日

古典的

清乃プレオープン1.JPG
工事が続いていた「酒楽和華 清乃」さん。
完成の、お披露目パーティが行われ、
多くの関係者の方々で、賑わっていました。


酒楽和華 清乃
東京都小平市美園町1-32-2
042-343-0773
西武新宿線小平駅からすぐ
(駅のホームから見えます)




清乃プレオープン2.JPG
正式な開店は、4月28日となります。
機会がありましたら、
皆様、どうぞお越し下さい。


営業時間等、間違ってはいけないので、
もう一度確認して、
また改めて、お報せしたいと思います。



歌舞伎座01.JPG
ところで、
賑わいつながり、
というわけでもないのですが、
銀座にある歌舞伎座も、
大層賑わっていました。







もっとも、清乃さんは、これからよろしくという賑わいですが、
歌舞伎座の方は、建替えのための、さよなら公演の賑わいだそうです…。


歌舞伎座02.JPG
街の顔のひとつになっていた建物が、
なくなってしまうのは、
本当に残念なことですね…。








歌舞伎座03.JPG
まだ洋風の建築を模倣していた時代に、
コンクリート造という新しい技術を、
いかに日本的に表現するかに挑んだ、
歴史的な建築です...。








因に、
これを設計したのは、岡田信一郎という有名な建築家なのですが、
実は、この建物の設計もこの方です。


鳩山会館01.JPG
鳩山会館。
旧鳩山一郎邸です。


二人は、
学生時代からの友人だそうです。





鳩山会館02.JPG
勿論、
鳩の姿も見えます…。









鳩山会館03.JPG
庭の方から眺めると、
なかなか可愛い姿をしていますね…。









鳩山会館04.JPG
インテリアも、
楽しいデザインになっています。










今、最も別れを惜しまれている建築と、
今、最も注目されている方にゆかりの邸宅。
その両方を設計した、岡田信一郎…。
大正、昭和初期に活躍し、
亡くなってから、すでに80年ぐらい経っているそうですが、
今、最も注目されている、と言ってよいのではないでしょうか…。


明治生命館01.JPG
その岡田信一郎の最高傑作、
と言われているのが、
丸の内にある、明治生命館です。








明治生命館02.JPG
本人の最高傑作であると同時に、
日本の様式建築が、
はじめて、西洋の水準に到達した、
歴史的な傑作とも言われているようです…。







明治生命館03.JPG
新古典主義様式と言われる、
重厚なたたずまいです…。













岡田信一郎は、
この明治生命館の完成を待たずに、亡くなってしまいますが、
この他にも、様々な作品を残しています。


黒田記念館本館.JPG
こちらは、上野にある、黒田記念館。


外壁も、イオニア式と呼ばれる列柱も、
スクラッチタイルで覆われていて、
とても面白いですね…。





小松宮彰仁親王銅像台座.JPG
同じ上野の、こんなのも、
岡田信一郎の設計なのだそうです。


小松宮彰仁親王銅像の台座です。









ニコライ堂01.JPG
また、
ニコライ堂という、
ロシア正教の大聖堂。








ニコライ堂02.JPG
ビザンチン様式といわれる、この建築にも、
修復というかたちで、関わっているそうです。













こうして見てみると、
日本風から、古典主義様式、ビザンチン様式、等々…。
本当に様々な様式に精通し、自在に使いこなしているようですね…。


勿論、この建築家がすごい、というのもあるのですが、
現代の建築の表現とは、
その考え方の点で、かなり異なっているようにも思います。


というのも、
当時は、
様式というのは、技術の一つで、
それらを習得した先にこそ、表現があったのだろうと思うからです。


こういった考え方は、
古典芸能などでよく聞きますので、
建築も、
そういった分野の一つであったのかもしれませんね...。


今では、かなりの部分失われてしまった、
そのような古典的な作法や考え方に、触れることができるというのが、
こういった様式建築を観る楽しみの一つなのかもしれません...。


そんなところも、
歌舞伎などの古典芸能と似ているようです…。

Posted by k_nakama at 19:56  |Comments(16)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月19日

痕跡をとどめる

工事中の、
「酒楽和華 清乃」さん。
4月28日に、開店と決まりました。


現在、開店に間に合わせるべく、大急ぎで、工事が進んでいます...。


また、もう少し近づいてきたら、
場所等も、詳しく、お報せしたいと思っています...。


清乃板張り001.JPG
出来上がりつつある、店内は、
木の板が張られた、
気持ちのいい空間を目指しています...。








清乃板張り002.JPG
実は、これ、
外壁の、木目模様のコンクリート壁と、
裏表、
あるいは、
ネガとポジのような関係になっています...。






木の板そのものを張った店内と、
その木の板を型枠に使い、木目をつけた外壁...。


店内の雰囲気が、
周囲にも、じんわりと伝わるような仕掛けとして、考えました。


お店の雰囲気をつくっている木が、
外観にも、痕跡として、刻まれている、というわけです...。


ところで、
建物は、長年その場所に建ち続けていると、
街の一部として、人の記憶の重要な要素になります。
そのため、
急に取り壊されてしまうと、記憶の一部が壊されてしまうようで、
とても大きな喪失感を感じてしまうことがあります。


それでも、
様々な理由で、どうしても取り壊し等の必要が生じた場合には、
その記憶を少しでも継承できないかと、
いろいろな取り組みがなされることもあるようです...。


やり方は、それぞれですが、
外形保存、部分保存、イメージ保存、
といったような方法が、しばしば用いられています...。


長崎市野口彌太郎記念美術館.JPG
長崎市野口彌太郎記念美術館。
旧英国領事館の建物に、
新しい機能を持たせて、
外形保存されています。






国際子ども図書館01.JPG
国立国会図書館 国際子ども図書館。
これも、外形保存の例でしょうか...。


昭和初期の未完の建物の、
保存再生です。





国際子ども図書館02.JPG
ガラスの箱が斜めに挿入され、
新しい部分も付け加えられています。









このように、
新しい部分の方が小さい場合は、外形保存、という感じですが、
新しい部分が、もっと大きくなってくると、
部分保存、という感じになってくるようです。


以前に、コメントのところで触れたことがある、
日本興亜馬車道ビルなんて、どうでしょうか...。


日本興亜馬車道ビル.JPG
外壁を部分的に保存し、
その上に、
ミラーガラスの、
新しい部分が載っています...。


新しい部分が、
とても目立つので、
まるで、
新しい建物みたいですね...。




日本信託銀行本店01.JPG
同時期に、
部分保存で再生された、
日本信託銀行本店。


本当に、部分的な保存ですね...。





日本信託銀行本店02.JPG
でも、
新旧のデザインを、
調和させようとしているみたいですね。


これは、
次の、
イメージ保存に近いのかもしれません。



イメージ保存は、
具体的なモノを保存するのではなく、
周囲の雰囲気や街並などに沿って新築することで、
そのイメージを保存する、という方法だそうです。


横浜開港資料館旧館.JPG
横浜開港資料館は、
旧英国領事館の建物を活かし、
それを外形保存しています。


それとともに、
そのイメージと違和感なく、
並ぶように、新館が建てられたそうです。



横浜開港資料館新館.JPGなんでも、
西洋人の目から見れば日本風に、
日本人から見れば西洋風に、
という感じを目指したのだそうですが、
どうでしょうか...。





国際友好記念図書館.JPG
また、
門司港にある、
北九州市立国際友好記念図書館も、
イメージ保存といっていいのかもしれません。






大連市に現存する建物を、複製、再現したものだそうです。



門司港のレトロなイメージを取り入れて、建てたのでしょうか...。
なんとなく、奇妙な感じもしてしまうのですが、
街のイメージを保存しようということなのだろうと思います。


やはり、
建築や街並は、
いろいろなものの痕跡をとどめていることで、
深みが出るのかもしれませんね...。


Posted by k_nakama at 17:33  |Comments(14)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月12日

自然の地形

自然の地形には、完全に平らな部分はなく、
山あり、谷あり、いろいろなのですが、
人間のつくる建築の床は、基本的に、平らです。

平らでないと、いろいろと使いにくいということも、
勿論ありますが、
そもそも、
起伏をもった、自然の地形の中に、
人工的な、平らな場所をつくる、ということ自体が、
人間の場所をつくるということ、
あるいは、
建築をつくるということ、なのかもしれませんね…。


もしも、そうだとすると、
逆に、
自然のような建築をつくろうと思うと、
平らな場所ではなく、
自然の地形のように、起伏を持たせる、ということが、
一つの方法になるのかもしれません…。


以前にも紹介したことがある、
アクロス福岡です。


敷地南側にある公園から、連続して、
緑の山のようになっています。




公園の反対側は、大通りに面していて、
建物も、
街の雰囲気に合わせているようです。







ちょうど、
グリーンのカーペットをめくって、
その下に建物が埋まっているみたいです…。







湘南台文化センター001.JPG
こちらは、藤沢市湘南台文化センター。










湘南台文化センター002.JPG
月球儀、地球儀、宇宙儀等とともに、
山、川、雲、森、等々…、
全体を自然に見立てるようにして、
徹底的にデザインされています。







湘南台文化センター003.JPG
確か、設計者も、
第2の自然としての建築、というような、
説明をしていたように記憶しています。








横浜港大さん箸国際客船ターミナル001.JPG
こちらは、
横浜港大さん橋国際客船ターミナル。









横浜港大さん箸国際客船ターミナル002.JPG
さん橋全体が、自然の地形のように、
複雑に、うねっています。









横浜港大さん箸国際客船ターミナル003.JPG
うねりながら、室内へと連続していきます。










横浜港大さん箸国際客船ターミナル004.JPG
行き着いた室内は、
ちょっと薄暗い、
洞窟のような場所になっています…。








いずれも、
屋外に連なる場所は、
自然の地形のように、起伏に富んでいて、
とても楽しいデザインになっています。


ただ、
室内の床は、やはり、平らみたいですね…。


室内の床も、自然の地形のように、うねっていたら、
もっと面白い、とも思うのですが、
やはり難しいのかもしれません…。


自然のように、起伏を持った場所と、
人間のつくった、平らな場所と、
その両方があって、心地よいのかな、とも思います。


人間が、
完全に、自然の中に溶け込んでいくというのは、
なかなか、難しいことなのかもしれませんね…。


清乃足場はずし001.JPG
ところで、
工事中の、炉端焼きと中華のお店は、
「酒楽和華 清乃」という名前に決まりました。


現在、完成を目指して、
急ビッチで、工事が進んでいます…。


ようやく、囲いがとれて、
全体が見渡せるようになってきました。




清乃足場はずし002.JPG
木目がついていて、起伏に富んだ、
コンクリートの部分と、
その上に浮かぶ、白くて、平らな部分…。


その両方を共存させながら、
心地よい建築をつくりたい、
なんてことも思っているわけです…。

Posted by k_nakama at 17:39  |Comments(15)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月05日

生き残る理由

イカの話ばかりで、何ですが、
あの三角形の尖った部分は、頭ではなく、
頭は、真ん中あたりの目や口がある部分なのだそうですね。


人間のように、胴体に足が付いているわけではなく、
頭に足が生えている、ということのようです。


つまり、
人間と同じ向きで考えると、
三角形に尖った胴体が下、その上に頭、
そして、その頭から、10本の足が生えている、ということです...。


頭足類という名称は聞いたことがありましたが、
それにしても、なんという斬新なデザイン…。


そもそも、足とは何か、
その機能や使い勝手とは何なのか、
そういったことを、鋭く、問いかけてくるようです…。
別に、イカにそのつもりはないとは思いますが…。


実は、イカの足は、人間で言うところの、腕のようなもので、
実際、そのように呼ぶのだそうです。


人間を基準に考えると、体を支える機能を持つのが足なので、
イカのような位置に足が付くことは考えられませんが、
水中で生きているイカにとっては、そのような機能は不要なのでしょうね。


機能や使い勝手といったようなものは、
人間とイカで、腕や足の意味が異なっているのと同じように、
どこからの視点で見るかによって、その評価は大きく異なるように思います。


そのため、そういった機能や使い勝手だけで、
物事を評価するのは、どうかな、と思います。
建築でも、そうだと思うのですが、どうでしょうか…。


とりわけ、建築は、
使い勝手や経済性だけで、評価され、批判されることが多いので、
ちょっと気になってしまって…。


例えば、最近よく取り沙汰される、200年住宅などを考えてみると、
200年生きる人は、多分いないと思いますので、
最初の住人が、ずっと住み続けるわけではありません。
そうなると、
建物は、最初に必要とされたものとは、別のものを要求されながら、
人間よりも長く、生きていくことになるわけです。
最初の住人の使い勝手の良さが、
後々の人たちの迷惑になるということも、十分に考えられますよね。


多分、当初必要とされた機能や使い勝手の価値は大きく変わり、
それでも長く生きていく、別の理由が求められていくのではないかな、
と思ったりします。


使い勝手や経済性とは別の理由で、生き続けていく建築、街もあります。


ブルゴス001.jpg
ブルゴスの街。
遠い昔の雰囲気を、
濃厚に漂わせています...。







カセレス005.jpg
中世の街並を丸ごと残した、
カセレスのような街もあります...。








また、
メリダに残る遺跡のように、
欠片になって、なお、
生き延びている建築もあります…。






メリダ005.jpg
今なお、
様々なものを、
訴えてくるようですね...。







ローマ002.jpg
ローマにも、
街中に多くの遺跡が残っています…。








ローマ004.jpg
こういった姿になっても、
当初とは別の意味を持って、
大切にされる建築もあります。


こうなってくると、
使い勝手だけでは、
どうにも評価できません。







それでは、
その別の理由とは、何かなのか...。
美しいとか、その他の歴史的な意味なのか...。


いろいろとたくさんありそうで、はっきりとは、わかりません。
ただ、
使い勝手や経済性での評価は、
そういった、たくさんある理由の中の、一つにすぎないのではないか、
と思います。


やはり、そのような理由は、一つだけではいけないのでしょうね...。


つくっていくものに、
そのような理由を、ひとつでも多く見つけ、持たせたいものだ、
なんて思ったりしています….

Posted by k_nakama at 11:54  |Comments(18)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月31日

光を放つ

ホタルイカは、光ることで有名ですが、
光るのは、体の一箇所ではないそうですね。


先日テレビで観たのですが、
かなり強い光を放つ、主要な部位以外にも、
体中には、およそ1000個の、小さな発光器が付いているのだそうです。


それだけの発光器を付けていると、
まるでネオンサインのように、過剰な感じになりそうなものですが、
幻想的な、青白い、淡い光を放っているところが、
なんとも上品ですね。


元々は、
威嚇や、外敵から身を守るために発光するのではないか、
と言われているそうですが、
逆に、惹き付けられてしまいそうです…。


ルイ・ヴィトン銀座並木通り店001.JPG
ルイ・ヴィトン銀座並木通り店は、
壁に、
いろいろな大きさの、
光を透過する大理石が、
埋め込まれているのだそうです。









ルイ・ヴィトン銀座並木通り店002.JPG>
夜になると、
それらが、ぼんやりと光を放ち、
とても幻想的です…。








ユニクロ新宿西口店001.JPG
ユニクロ新宿西口店は、
昼間は、真っ白い壁です。












ユニクロ新宿西口店002.JPG
夜になると、
そのつなぎ目の、目地部分が、
格子状に光を放ちます。


意外なところが光るせいか、
昼間とは大きく印象が変わって、
とても面白いですね…。



横浜風の塔001.JPG
印象が変わるといえば、
横浜風の塔は、元々、
駅前のロータリーに建つ換気塔で、
それを楕円形に、金属の板で覆うように、
改装したものだそうです。

昼間は、
目立つことなく、街中に溶け込んでいます。



横浜風の塔002.JPG
でも、
夜になると、
淡い、きれいな光を放つことで、
姿を現します。







強い光ではなくても、
淡い、ぼんやりとした光が複数集まったり、
昼間とはガラッと表情を変えたりすることで、
とても魅力的な光を放つことがあるようですね。


横浜夜景001.JPG
夜景に惹き付けられるのも、
こういった理由からなのかもしれません…。


Posted by k_nakama at 13:46  |Comments(12)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月26日

前からそこにあるような感じ

清乃杉板壁001.JPG
現在、工事中の建物で、
杉の板を型枠にしてつくった、
コンクリートの壁です。








清乃杉板壁002.JPG
杉板の木目がコンクリートに写り込んでいて、
コンクリート打ち放しの壁ですが、
ひと味違った、
とても面白い質感の壁になっています。


自然が描き出すかたちというのは、
本当に、不思議で、面白いですね。






こういった、なんとも言えない乱雑さ加減というものは、
計算して出来るようなものではないようで、
人間の手では、作意のようなものが邪魔をして、
なかなか真似出来るものではないのかもしれませんね...。


この建物では、自然の力を借りることで、
そういった、面白い質感をつくり出そうとしました。


ところで、急に話が変わるようですが、
有名な、世界遺産、
富山県南砺市相倉、
五箇山合掌造り集落です。






南砺市相倉004.jpg
これって、
なぜ、
屋根が同じ向きではないのかな、
と思いました。








南砺市相倉005.jpg
というのも、
よくこういった昔ながらの建物のかたちは、
日照や通風、積雪といった気候風土や、
地形などから説明されて、
わかったような気になってしまいます。





でも、
もしそういった合理的な理由から、すべて説明がつくのであれば、
屋根はすべて、同じ向きになっていてもいいのではないか、
と思います。


ちょうど、新興住宅地の家々が、すべて南を向いているように…。


コンスエグラ004.jpg
こちらは、
コンスエグラの風車。
これも、なんとなく、
微妙に向きが違っているように思いました。






コンスエグラ005.jpg
これは、風向きや地形から、
きちんと説明がつくのでしょうか…。


なんとなく、そうは思えないような、
微妙な乱雑さがあるように思いました。





それでは、
そういった機能的な理由から、合理的に説明がつけられないのだとすれば、
答えは何か、というと、
実は…、
よくわかりません…。


というよりも、機能的、合理的な理由というものは、
多分、
ないのではないか、と思っています。
ちょうど、自然がつくり出したかたちが、
例えば、
木目の微妙な乱雑さのすべてを、
合理的な理由で説明することができないのと同じように…。


そして、
そういった理不尽な感じをも含んでいることが、
自然がつくったものの面白いところなのかな、と思います。


人間の手によるものでも、
合掌造りや風車のように、
長い時間をかけて、自然と出来上がってきたようなものには、
そのような微妙な乱雑さ加減が含まれているようにも思います。
長い時間によって、当初の作意のようなものが、
洗い流されてしまうのでしょうか…。
自然がつくったものへと、近づいているのかもしれませんね。


新築の建物は、どうしても、合理的に計画され、設計されるので、
そのように、自然と出来上がってきたものとは違って、
必ず、いくらかの、そういった作意が漂うものなのですが、
この工事中の建物では、そういったものを洗い流すのに、
自然の力を借りてみよう、と思いました。


前からそこにあるような感じにしたいと思っています。


そんなわけで、
このような壁をつくってみたというわけです…。






Posted by k_nakama at 13:13  |Comments(14)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月22日

彫刻と窓

アサヒスーパードライホール001.JPG
かなり高くまで伸びた、
東京スカイツリー。


その手前で、
ひときわ目立つ金色のオブジェ...。

アサヒスーパードライホールです。




建設当時から、
かなりの議論を巻き起こした、有名な建物です。


これを褒めると、
なんとなく、怒られてしまいそうで、
あまり大きな声では言えないのですが、
実は、結構好きです...。


この建物が、竣工当時から浴びていたいろいろな指摘は、
確かに、いちいちもっともだと思いますし、
建築としてどうなのか、という気もしないでもないのですが、
彫刻としてみると、とても面白いように思います。


アサヒスーパードライホール002.JPG
金色のオブジェもさることながら、
曲面を描きながら迫り出してくる、
黒い石の塊が、
光る階段状の基壇に突き刺さっているような、
その姿は、
実際にみると、
かなりの迫力です...。








ところで、
こういった彫刻的に面白い建築で、
どうしても問題になってしまうのは、
窓のように思います。


この、アサヒスーパードライホールも、
ほとんど、窓がありません。


窓があると、どうしても、
建物の中の、実用的な機能が浮かんできて、
なかなか彫刻のようにはならないのかもしれませんね...。


ナニナニ001.JPG
そういえば、
同じデザイナーによる、
ユーネックス ナニナニ、
というビル。










ナニナニ002.JPG
これも、
なんとも不思議なかたちをしていますが、
やはり、
窓は、極端に小さくなっています。










ノアビル001.JPG
こちらは、ノアビル。


煉瓦の基壇に、
黒いシリンダーが刺さっているような、
かたちをしています。









ノアビル002.JPG
何かの記念碑のような、
すごい存在感なのですが、
こちらも、やはり、
窓は、驚くほど、
小さく、そして、少なくなっています。










強烈なかたちを表現した、彫刻的な建築をつくるには、
邪魔になるのでしょうか、
やはり、どれも、
窓は極端に少なく抑えられていますね...。


ただ、
一方では、別の道もあるようです。
窓を、極端に多く、
つまり、すべてガラスで、かたちを表現する、という方向です...。


ハナエ・モリビル001.JPG
例えば、
ハナエ・モリビル。


ハーフミラーガラスで、
複雑な凹凸をもったかたちを、
つくり出しています。




ハナエ・モリビル002.JPG
最近では、
こういった感じの建物も多くなりましたが、
その先駆けのような建物ですね。


取り壊しの噂も耳にするので、
少し心配です...。




日本看護協会ビル001.JPG
同じ通りにある、
日本看護協会ビル。












日本看護協会ビル002.JPG
四角い部分だけではなく、
それにくっついた円錐形の部分も、
全部ガラスです。












ところで、
こういった彫刻的な建築は、
窓をほとんど無くすか、それとも、全部窓のガラス張りとするか、
両極端の方法しかないのか、といえば、
そうでもないみたいです。


窓があっても、
それが、内部の実用的な機能と、切り離されていると、
かたちの面白さの方が浮かび上がってくるようです...。


SIA青山ビルディング001.JPG
SIA青山ビルディング。


角が丸くなった立体に、
穴を穿つように、
様々な大きさの窓が、
ランダムな感じで付いています。







SIA青山ビルディング002.JPG
中の様子がどうなっているのか、
何階建てなのかも、
よくわからないような感じで、
そのせいか、
なんとも不思議な、
彫刻的な面白さがありますね...。








MIKIMOTO Ginza2 001.JPG
今度は、
MIKIMOTO Ginza 2。


こちらの窓は、
もっとバラバラで、
複雑です。







MIKIMOTO Ginza2 002.JPG
こうなってくると、
窓が、かたちの邪魔になるどころか、
立体に、どういった窓をあけるか、
ということ自体が、
彫刻のようになっていますね...。










こうしてみてみると、
建築と彫刻の違いは、内部があるかどうかの違いなのかな、と思います。
建築は、どうしても、内部を持っているので、
それを周囲に対して、どのように表現していくかで、
彫刻に近づいたり、そこから遠ざかったりするようです。


そして、その際に、重要になるのが、
開口部、つまり窓、ということのようですね。


眼は心の窓、なんてことも言いますが、
やはり、窓は、
どうしても内面を映し出してしまうもののようですね...。

Posted by k_nakama at 15:29  |Comments(22)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月15日

架け橋

友好の架け橋になりたい、みたいな言い方をよく耳にしますが、
橋にもいろいろとあるみたいです...。

ロンダの街。


深い深い渓谷によって、
市街は、2つに分断されていて、
橋によって繋がっています。


まさに、
架け橋、という感じですね...。




断崖の街、
クエンカに架かる橋は、
鉄でできています。


でも、
不思議とレトロな雰囲気があって、
風景に馴染んでいます...。


ポルトに架かる橋は、
もう少し大きなものですが、
こちらも、なんとなく、
懐かしい雰囲気を持っていて、
味わいがありますね...。






近年の橋は、かなり巨大なものもあり、
街の近くにあると、ちょっと目障りな感じもあります。


リスボン004.jpg
でも、
リスボンの海岸で見た、
この橋のように、
遠くにあると、
これはこれで、なかなかいいですね。


なんとなく、ドラマチックです...。


錦帯橋001.jpg
日本では、やはり、
これが美しい。


錦帯橋です。





錦帯橋002.jpg
5連のアーチが、
本当に、見事です。


これぞ、架け橋、
という感じですね...。




府内城廊下橋001.JPG
もっと、しっかりと繋ぐ、
という意味では、
屋根があるといいかもしれません。


豊後府内城の廊下橋。




府内城廊下橋002.JPG
絵図などを元に、
復原されたものだそうです。








でも、友好の架け橋、なんていう時には、
なぜか、
もう少し、反り返った、
アーチのようなものを思い浮かべてしまいます...。


琴平鞘橋001.jpg
そういう場合には、
琴平の鞘橋。









琴平鞘橋002.jpg
刀の鞘のように、
反っていることから、
そう呼ばれているみたいです。








ところで、
あまりにも、がっちりと結びつけられると、
ちょっと、わずらわしい、という場合もあるかもしれません。


もっと、ゆるい関係の方が居心地がいい...、
そういう場合には、こんなのもあります。


祖谷のかずら橋001.jpg
祖谷のかずら橋。









祖谷のかずら橋002.jpg
歩くたびに、
ギシギシと軋み、
緊張感もたっぷりです...。


そんな感じの関係も、
たまにはいいかもしれませんね...。

Posted by k_nakama at 16:48  |Comments(18)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月10日

水に触れたい

昨日降った雪は、ほとんど融けてなくなってしまいました。


午前中は、
雪融け水が路面を濡らしていて、空気がひんやりとしていました。
流れる水が、空気を洗ってくれたようで、
なんとなく清々しい感じがして、いいですね...。


ところで、
街中には、もう少し水があってもいいのではないか、と思います。


日本は雨が多いので、あまり切実ではないのかもしれませんが、
雨の少ない地域では、水に触れることができるということは、
それだけで、とても貴重なことのようです...。


トレヴィの泉001.jpg
こちらは、有名なトレヴィの泉です。


周囲の彫刻も素晴らしいのですが、
やはり、水のまわりには、
集いたくなるのでしょうか。




トレヴィの泉002.jpg
人でいっぱいです。


どこでも一緒なのか、
こういった水があると、
ついつい、
コインを投げてしまうというのが、
面白いですね...。


アルハンブラ001.jpg
こちらは、
アルハンブラ宮殿。


有名なライオンの噴水をはじめ、
水がいっぱいです。




アルハンブラ002.jpg
こういった乾いた地域では、
水をふんだんに、
それこそ、湯水のように使うことが、
力の象徴だったのかな、なんて思います。






ヘネラリフェ001.jpg
アルハンブラ宮殿に隣接する、
王の夏の別荘、ヘネラリフェ。


こちらも、やっぱり、
水がいっぱいです...。





日本の場合は、王様でなくとも、
水に触れることが出来るのは、ありがたいことですね...。


島原001.jpg
こちらは、島原の武家屋敷。


島原城を築城した時に建設された、
いわば、武士たちの団地なのだそうです。





島原002.jpg
家々や、石垣も、
とてもいい感じなのですが、
なんといっても、
中央の水路がいいですね...。






島原003.jpg
湧き水からひいた清水で、
飲料水として使われていたそうです。


それほど大きなものではないのですが、
これひとつで、どれだけ街が楽しくなることか...。









最近では、夏になると、ヒートアイランド対策、といって、
打ち水などがよくおこなわれていますが、
こういった小さな水路を街につくってみたらどうかな、
なんて思います。


足もとが危ないですかね...。
でも、
そういったことは、解決可能な問題ではないか、と思いますが、
どうでしょうか...。
Posted by k_nakama at 15:14  |Comments(14)TrackBack(1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月06日

ページを刻む

以前、歴史ある地域に建物を建てた時に、
遺跡の発掘調査が必要になったことがありました。


建物を建てるにあたって、
地面をある程度の深さまで掘る必要がある場合には、
まずは試掘が必要、とのことでした。
そして、貴重なものが出てこないかを確認して、
何もなければ、工事を始めてもよいのですが、
何か出てくる可能性あり、ということになれば、
本格的な調査が始まり、すべての調査が終わるまでは、
工事を始めることはできない、というようになっていました。


その時は、それほど貴重なものが出てくることもなく、
試掘で確認した後に、すぐに工事が始まることになりました。
面白い遺跡か何かが掘り出されたりするのも、
ちょっと楽しみではありましたが、
やはり、建築をつくる立場としては、ほっと一安心しました。


ところで、
この時の計画は、少し深くまで掘らなければならないものだったので、
試掘をしなければなりませんでしたが、
通常の木造住宅程度ならば、それほど深くは掘らなくてもよいため、
試掘は不要、という決まりになっていました。
要するに、地面の表面を触るだけなので、
その下に眠る、遺跡を壊してしまうことがないから、ということのようでした。


これって、つまり、私たちが暮らしている街の下には、
過去の街が、
そのまま触れられることもなく、眠っている、ということですよね...。
そして、本のページを重ねていくように、
まさに、歴史が層を成している、というわけです...。
遺跡の発掘というのは、
過去へと、このページをめくっていくことなのかもしれませんね...。


タラゴナ001.jpg
こちらは、タラゴナという街に残る、
地中海に面してつくられた、
古代ローマの円形競技場です。







タラゴナ002.jpg
2000年近いページをめくって現れた、
過去の貴重なページです...。








メリダ005.jpg
こちらは、メリダという街に残る、
古代ローマの劇場。








メリダ006.jpg
今でも使えるのではないか、
と思ってしまいます。
こういったものが、
地面の下に、
層を成して織り込まれている、
と考えると、本当に楽しいですね...。





このように考えてみると、
地面を掘ってつくったような、洞窟などの住まいが、
厳しい環境を想像させるにもかかわらず、
不思議と魅力的に感じられたりするのは、
こういった過去の層を、より身近に感じられるからなのかもしれません...。


前にも紹介したことがある、
グアディクスというところの、洞窟住居。








斜面に掘られた住居は、
地上に、かわいい煙突をのぞかせています。








元々は、
戦乱を逃れて、地下に住み始めた、
という説もあるみたいですが、
気候条件にも合っていたのでしょうか、
中は、結構住みやすそうですね...。









カッパドキア004.jpg
こちらは、カッパドキアの洞窟住居。
ローマ帝国の迫害を逃れた、
キリスト教徒が住み始めたのだそうです。







カッパドキア005.jpg
かなり深くまで、アリの巣のように続く、
地下都市になっています。
厳しい環境ではありますが、
地面の下に層を成している、
巨大な本を探索するような、
不思議な魅力がありますね...。




竹田001.jpg
こちらは、大分県竹田。








竹田002.jpg
切支丹洞窟礼拝堂。








竹田003.jpg
そして、切支丹神父の住居址。









こうなってくると、とても厳しい、苦難の歴史が伝わってくるようですね...。
このように、歴史の重みを感じさせるのも、
やはり、地面を掘り込んでいるからなのかもしれません...。


建築をつくるために、地面を掘るということが、
そのまま、
歴史という書物に、新しいページを刻んでいくことになっているわけですね...。
Posted by k_nakama at 16:06  |Comments(16)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月03日

過剰な表現

ひなまつり002.JPG
近くを訪れる機会があったため、
神奈川県開成町の、
ひなまつりに行ってきました。








ひなまつり001.JPG
いくつか会場があるようで、
いろいろと観て歩いたのですが、
江戸時代の名主の屋敷という、
瀬戸屋敷のひなまつりが、
一番面白かった...。






ひなまつり003.JPG
瀬戸家収蔵のお雛様と、
7000個以上のつるし雛飾りによる、
過剰な感じと、
落ち着いた茅葺き民家の対比が、
なんとも言えませんね...。






ところで、
建築の歴史をみていると、こういった、
シンプルで、形式的な、正統な様式と、
そのルールから逸脱しようとする、過剰なものとが、
代わる代わる現れているみたいです...。


バリャドリッド002.jpg
バリャドリードの、
サン・パブロ教会です。









バリャドリッド003.jpg
そして、
同じくバリャドリードの、
国立彫刻博物館のファサード。


どちらも、
これでもか、
というぐらいの彫刻に埋め尽くされています。






リスボン002.jpg
こちらは、
リスボンの、
ジェロニモス修道院です。








リスボン003.jpg
やっぱり、彫刻だらけです...。













ポルト004.jpg
今度は、
ポルトの、
サン・フランシスコ教会。











ポルト005.jpg
中に入ると、
金箔を貼った装飾が爆発していました...。












西洋の建築は、
ギリシア・ローマ以来の、しっかりとした建築のルールがあります。
そのルールに従って、正統な様式の建築がつくられていくわけですが、
そこは、人間だからなのか、
しばらく、そういったルールに押さえつけられている時期が続くと、
何らかの欲求が噴き出してくるようで、
過剰な表現が爆発するみたいです...。


でも、しばらくすると、またルールに還っていく、というのが、
これまた、面白いところですけどね...。


バルセロナ011.jpg
こちらは、
有名な、
バルセロナのサグラダファミリア教会。











バルセロナ012.jpg
余白があることを許さないような、
現在の眼からすると、
あまりにも過剰な、その表現。











バルセロナ013.jpg
でも、
このような繰り返しの歴史の中でみると、
きちんと、
その中に納まっているようにも見えてきます。







やはり、異端のようであっても、
長い歴史の中から生まれてきた存在なんですね。
だからこそ、多くの支持を得て、
今なお、完成を目指して、工事が続けられているのかもしれないなあ、
なんて思ったりするわけです...。
Posted by k_nakama at 18:41  |Comments(8)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月27日

ガラスを通してみる

清乃フローリング001.JPG>
工事は、
ようやく窓にガラスが入りました。


おかげで、
現場の方々も、
やっと、少しは暖かいところで、
作業ができるようになりました。



そして、
風雨から守られるようになったため、
内装の作業も、どんどんと、進めることができます。


清乃フローリング002.JPG
床のフローリングも、
張り始めています。


雨が降り込んでくると、
せっかく張っても、
台無しになってしまいますからね...。







ガラスは、
人が必要なものだけを、室内に採り入れるためには、
とても便利なものですね...。


レオン001.jpg
こちらは、
レオンの大聖堂です。












レオン002.jpg
延べ1000平方メートル以上あるという、
大量のステンドグラスから、
光が降り注ぎます。











レオン003.jpg
実際の迫力の、
1%も表現できていないような、
写真しかなくて残念なのですが、
実際には、
色と光の洪水のようでした。


石積みの暗い空間に、
光を採り入れるために、
ガラスを使っています。




ミラノ008.jpg
こちらは、
ミラノのガレリアです。












ミラノ009.jpg
ステンドグラスと違って、
色はありませんが、
雨は通さず、
光を採り入れています。










バルセロナ009.jpg
こちらは、
バルセロナ・パヴィリオン。
国際博覧会のパヴィリオンです。








ここでは、
光を採り入れるというよりも、
外の景色を、そのまま、中に採り入れるために、
ガラスを使っている、という感じでしょうか。


バルセロナ010.jpg
床から天井までが、
すべてガラスになっていて、
内なのか、外なのか、
わからなくなりそうですね...。







これで、元は、80年ぐらい前の建物なので、驚きです...。


内部空間と外部空間を連続させるという、
現代の建築の考え方の、源流の一つみたいな建物ですね...。


そういった考え方が生まれてくるのには、
ガラスというものが、欠かせなかった、ということのようです。


最近では、
透明なガラスで、内部と外部をつなぐ、という考え方とは違って、
どちらかというと、先ほどの、ステンドグラスとも近いような、
ちょっと装飾的な意味で、ガラスを使っているような建築もあるようです。


メゾンエルメス002.JPG
こちらは、
メゾンエルメス。
有名なブランドのビルです。


建物全体が、
ガラスブロックで覆われていて、
夜になると、
幻想的な光を放つことになります。





メゾンエルメス001.JPG
ガラス自体は不透明なので、
内外での視線のやり取りはありませんが、
それ自体が照明器具のように、
ぼんやりと光ることで、
周囲の街ともコミュニケーションを、
とっているのかもしれませんね...。





プラダ・ブティック青山店001.JPG
こちらは、
プラダ・ブティック青山店。


菱形のガラスで覆われている、
とても不思議な建物です。








プラダ・ブティック青山店003.JPG
ガラスも、ところどころが、
鏡のようになっていたり、膨らんでいたり、
しています。








プラダ・ブティック青山店002.JPG
単純な、
光や、内外の視線のやり取りによる、
コミュニケーションとは違って、
ちょっと歪んだ景色や、
屈折した光をやり取りしているようで、
とても面白いですね。


これまでとは、
少し違ったガラスの使い方なのかもしれません...。





建築は、周囲とどのようなコミュニケーションをとるのか、
ということが問題になるように思います。


例えば、
自然現象では、何を採り入れて、何をシャットアウトしたいのか。
例えば、光は入れたいけれども、雨は入れたくない、
といった感じですね。


同じように、周囲の街に対しても、
何を採り入れて、何をシャットアウトするのか。
何を見せないで、何を表現していくのか、などなど。


外と内で、
何をやり取りするのか、どのようにやり取りするのか...。


そういったことが、ガラスの使い方にあらわれているように、思います...。











Posted by k_nakama at 15:47  |Comments(8)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月21日

積み重ね

限られた土地を、出来るだけ有効に使って、建物を建てたい、
と考えるのは、人情というものだろうと思います。


そのような人情が後押ししたのか、
エレベーターをはじめ、様々な技術に支えられて、
建物は、どんどんと上に向かって、積み重ねられていきました。


2階、3階...と、
どんどんと上に積み重ねていけば、
同じ広さの土地も、2倍、3倍...と、
どんどんと広がっていく計算になりますからね...。


そうして、空間を上に積んでいくのが当たり前になってくると、
当然、今度は、
どのように積み重ねるか、ということが問題になってくるのでしょう。


建築では、いろいろな積み重ね方が、追求されているみたいです。


東京都庁001.JPG
こちらは、
だれでも知っている、
東京都庁。










東京都庁002.JPG
単純に積まれているだけではなく、
ボリュームが、回転したりしながら、
積み重なっています。










東京都児童会館001.JPG>
回転しながら、といえば、
こちらは、東京都児童会館。
90度回転して、
上のボリュームが突き出しています。






東京都児童会館002.JPG
もう少し横の方では、
別のボリュームが、
左右にずれながら、
積み重なっています。






テクニカハウス001.JPG
左右にずれて、といえば、
こちらは、テクニカハウス。
オーディオ機器メーカーの社屋だそうです。










テクニカハウス002.JPG
小さく分けられたボリュームが、
左右にずれながら、
積み重なっています。










ルイ・ヴィトン表参道ビル001.JPG
小さく分けられて、といえば、
こちらは、ルイ・ヴィトン表参道ビル。











ルイ・ヴィトン表参道ビル002.JPG
それぞれ異なったパターンの部分に、
小さく分けられています。
それぞれの空間は、立体的にずれながら、
積み重なっています。









クウェート大使館001.JPG
立体的にずれながら、といえば、
こちらは、クウェート大使館。








クウェート大使館002.JPG
様々な部分が、
立体的にずれたまま、
積み重なっています。
ずれて出来た隙間や、
木々が植わった庭のような、
様々なものが、
まとめて積み重なっていて、
面白いですね。


スパイラル001.JPG
様々なものが積み重なっている、といえば、
こちらは、スパイラル。
様々なかたちが、複雑に積まれています。










スパイラル002.JPG
上の方を見てみると、
円錐形や、曲面をもった立体もあり、
雑多な感じで積むことで、
街の雰囲気を表現しているのでしょうか...。







こうしてみると、
積み重ねるといっても、いろいろなやり方があるものですね。


いろいろな積み重ね方の追求が、積み重ねられている、というわけですね...。
Posted by k_nakama at 18:30  |Comments(14)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月18日

複雑だけど単純

午前中は、雪が降っていたのですが、
午後には、晴れてしまい、
少しだけ積もっていた雪も、
いまでは、すっかり消えて、なくなってしまいました。


積もると、いろいろと面倒なので、嫌だな、と思うのですが、
見慣れた景色が、きれいな雪景色に変わるところも、
ちょっと見たかったので、残念な気もしてしまいます...。


ところで、雪景色は、どうしてきれいなのかな、と考えてみました。
理由はいろいろとあるのだろうと思いますが、
風景をつくっている、いろいろなかたちが、同じ素材に統一される、
ということも理由のひとつなのかな、と思いました。


同じかたちを、同じ材質でつくったものが、
並んでいると、とても単調に見えてしまいますよね。


でも、雪景色は、
建物の屋根、壁、道、樹木、等々...、
本来別々のものでつくられている、様々なかたちが、
同じ雪という材料でそろえられています。


多様なものを、同じ材質でまとめている、というわけですね。


ポルト003.jpg
こちらは、ポルトの眺めです。
建物は様々なかたち、
様々な高さをしているのですが、
屋根の材料が見事にそろっているので、
とても美しくまとまって見えます。





グラナダ001.jpg
今度は、
グラナダの眺め。
こちらも、建物は様々なのですが、
屋根や壁の材料は、
同じようにそろっています。





グラナダ002.jpg
中を歩いてみても、
建物は様々で、高低差もあり、
迷路のように変化に富んでいるのですが、
構成している材料がそろっているため、
街並に一体感がありますね。









セビリア001.jpg
こちらは、セビリアの街路。
やはり、建物は、
すべて、ちょっとずつ違うのですが、
同じ白壁でまとめられています。










セビリア002.jpg
建物の向きも、違っていて、
街路も微妙に曲がっているので、
とても複雑なのですが、
同じような壁の素材が、
まとまった街並をつくっているようです。









こうして見てみると、やはり、
多様なかたちを、単一の素材でそろえる、というのが、
美しい街並をつくる、ひとつの方法なのかもしれませんね...。


そして、雪景色は、それをあっという間に成し遂げてしまうために、
美しいのかもしれません...。


そういえば、
このような方法を使っていると思われる、現代の建築もあります。


ヤマトインターナショナル001.JPG
ヤマトインターナショナル。


全体で、
大きな船のようなかたちをしています。






ヤマトインターナショナル002.JPG
よく見てみると、
様々なかたちが、
層をなすように、
たくさん重ねられています。







ヤマトインターナショナル003.JPG
本当に多くのかたちが重なっているのに、
全体に統一感があるのは、
やはり、
同じ素材で、
まとめられているせいだと思います。






複雑だけど、単純...。
単純だけど、複雑...。


そんな感じですね。
Posted by k_nakama at 15:50  |Comments(6)TrackBack(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする