2011年08月28日

当時の劇評より

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ぜいたくな劇場でぜいたくな配役、ちょっとリッチな気分になれる。
テレビの役柄と反対に、杉浦の粗暴なほどの男くささは新発見、
石立のホモがかった役柄も楽しい。
(朝日新聞 79・1)

巧妙な筋立てである。半ぱもの同士の喜劇に風刺がこめてある。
半ぱもの同士で、他人を知るという主題を打ち出している。その
上で、結末に少々ミステリアスなところがある。三幕四場のウェル
メイド・プレイ。
(読売新聞 79・1)

この喜劇は、ネタの面白さで観せてはならないように思う。いかなる
脇役でも、芸の核心をくっきりと表現し、したたかな俳優存在を観客層
の頭の中に叩きこまなければならない。このスタッフでいくと、この類
の喜劇は、練れば練るほど、いいものになるであろう。まだ荒いところ
が目立って、ヒヤヒヤさせられる箇所が無数にあるが、出演者全員に
少なからず好感がもてた。
芝居は無数にあるが俳優に芸が生まれない日本。あくまでも芸の
存在である。
(東京新聞 79・1)

ものすごく面白い芝居。杉浦と石立が公演、ポーカー仲間の名古屋
もよく、福田演出もさえたとあって、場内、笑いのたえまがない。シャレ
た大人の喜劇である。見なきゃソンの舞台である。
(サンケイ新聞 79・1)

この舞台の面白さはいい意味で三拍子そろっていることだ。巧みな
脚本、福田陽一郎のテンポの速い小気味よい演出、杉浦直樹、
石立鉄男を中心とする達者な演技陣の三つである。新しい変化の
きざしを告げるものだ。
(朝日ジャーナル 79・2)

新春のパルコ西武劇場に、快打一発が出た。二ール・サイモン作
「おかしな二人」。おもしろいのなんのって!びっしり入った客席が
ウハハウハハ。腹の皮よじらせる。
ブロードウェイで人気の喜劇作家、二ール・サイモン。さすがに凡手
ではないのである。結婚生活14年で離婚したオスカーと、やはり
結婚生活12年で離婚したフィリックスという男がいる。オスカーは
男っぽくサッパリした人柄、一方のフィリックスは、やたらに別れた
妻を想い出してメソメソする男。
じつに対照的な二人が、同居生活に入るのだ。部屋中、散らかりっぱ
なしが好きなオスカーに対して、神経質で、部屋中キチンとしている
のが好き、趣味は料理をつくることというフィリックス。しょせん、うまく
ゆくわけない。そこがおかしい。きわめて日常的なエピソードを綴って
ドラマをつくりあげる作者のうまさ。これをテンポよく、はずんだ舞台に
杉浦直樹と石立鉄男がつくりあげる。この二人、まったくいいコンビだ。
ポーカー仲間の谷啓、ジェリー藤尾、三谷昇、名古屋章(とくに好演)
がおもしろければ、高林由紀子、稲野和子のお色気の捨てがたい。
演出福田陽一郎、今回は好調だ。おススメ品の88点。
(週刊サンケイ 79・1)

現代に生きている人間が落ち込む状況としゃれたセリフ、さりげない
日常生活のふれあい。そこから暖かい笑いが生まれる。「おかしな
二人」はほろ苦く暖かい人生の味。久々の大人のコメディである。
(モア 79・3月号)

これは快作と呼んでいい。よくはずんだ舞台に、客席はわいた。西武
劇場が、熱っぽくなった。二ール・サイモン喜劇のおもしろさ。そして
その“おもしろさの心”を、演出も出演者も、よくつかんだ。
石立の柔、杉浦の剛と、このコンビ、演技がぴったり決まったが、ほか
の出演者も、おしなべて好演。とくに名古屋章の警官マレーに、生活
のにおい、職業の味わいがあった点に注目しておきたい。女優二人は
お色気もあり、いい彩りになっている。
所見した日、日曜のせいもあってか、客の入りもよかった。そして何よ
りも、こういうシャレた喜劇に、客がよくわいていたのも好ましかった。
おとなの観客の、おとなの反応が、そこに見えるのである。
(テアトロ 79・3)
Posted by tetsumania at 02:02  |Comments(2)TrackBack(0) | 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
評価の高さは勿論のこと名古屋さんの評価も高かったのですね。特に観客がわいたという点が印象的。当時観た方々の記憶に今でも残っていると信じたいですね。
Posted by ジミー大野 at 2011年08月28日 03:50
素晴らしい評価ですね。当時の評価も気になるところ
でした。
うれしいですね。何より周りの方々も含めて作品自体の評価が高い。
皆で作り上げた!って感じがします。
Posted by 夕凪のひとり at 2011年08月28日 19:16
 
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