2010年03月19日

書評 『狂った裁判官』

『狂った裁判官』 井上薫著 2007年3月 幻冬舎新書 025

を読んだ。実はかなり前に。

キャッチーな題名に思わず手が出て、そのままレジへ。

著者の経歴が良い、化学を専攻し研究所で働いていた人が一念発起して裁判官になった。

だから書けた本でもある。

 メインは、裁判官は誰にも左右されない立場で裁判に臨まなければならないのに、検事や上司の評価や栄転を気にして裁判の判決にも影響しているという事実。民事訴訟では、仕事を減らすために和解をすすめる。
 などなど、呆れるばかりの実態が述べられておりますが、よく解ったのが、裁判員制度の欠点。裁判員制度について、色々調べましたが、腑に落ちませんでした。
 井上氏は、はっきりと、


  裁判は、法律に則って行われるものだから、法律を知らない人が裁判をするというのは不可能。しかしそれを行う大儀は、プロの裁判官が一緒に(9名中、6人が素人、3人が裁判官)話し合いをするので大丈夫ということだが、それでは、裁判官の独立が保てない。

 と言います。
 恐ろしい、パイロットの資格の無い人が、旅客機を操縦するとか、資格の無い人が原子力発電所の運転をするとか、そんな感じでしょうか。人の命、人生を左右する仕事が、無免許で行われる。教わりながらやれば良いというのも狂っている。

 常識でできるというのも、おかしいですね、常識は、10人いたら、10の常識があります。極刑を望むという世論が盛り上がっている時に、法律に照らし合わせて冷静な刑量を判断するのが裁判の役目でしょう。
 

 「法律を知らない素人が裁判をしてはおかしい」p,175

裁判員制度って、一言で却下ですよねえ。
 

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