映画「ハンテッド
The Hunted (2003)
監督:ウィリアム・フリードキン
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ベニチオ・デル・トロ
コニー・ニールセン、ホセ・ズニーガ
軍でサバイバル術を教えていた教官とその教え子が、町で戦いを再開します。教官・L.T.ボナムをトミー・リー・ジョーンズが、教え子・アーロン・ハラムをベニチオ・デル・トロがそれぞれ演じていました。戦争が兵士に残した傷跡を、感じさせる映画です。
1999年コソボ紛争の場面から始まります。炎がたちこめ、銃撃戦が繰り広げられる中で、顔を黒く塗って、冷めた目で周囲をうかがう男がいました。アーロン・ハラム(ベニチオ・デル・トロ)です。息を殺して敵司令官に近づいて、ナイフで倒しました。
ハラムは功績を称えられ、銀星勲章を授与されます。戦争が終わった後、眠れない日々がハラムを苦しめます。疲れた顔をして大きな目を開くベニチオ・デル・トロの表情が、何とも言えません。
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L.T.ボナム(トミー・リー・ジョーンズ)は軍を除隊して、カナダで野生動物保護の仕事をしていました。白いヒゲをのばしたトミー・リー・ジョーンズは、いつもと少し雰囲気が違います。森の中に入って、ワナにかかった白い狼を助けました。ワナを仕掛けた男に殴りかかります。
オレゴン州で、2人の男がりっぱな角を持つ鹿を狙っていました。「鹿撃ちに、その重装備はハンターに見えない」とどこからか声が聞こえます。やがて2人の男は、異常な姿で発見されました。
ボナムの元へ、テッド(ジョン・フィン)がやってきます。仕事の依頼に「もう戻るのは嫌だ」と断りますが、写真を見せられて、ヘリで現地へ向います。
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現地で、FBI捜査官のアビー・ダレル(コニー・ニールセン)らが迎えます。ボナムはFBIを撤収させて、1人で森の中へ入って行きました。ボナムは足跡や木にナイフの跡などを見つけていき、妻と娘らしい写真を発見します。
背後に人影を感じて振り返ると、ハラムが立っていました。ボナムは自首をすすめますが、ハラムは拒否します。1対1の戦いが始まりました。ボナムはハラムを倒します。実戦をくぐり抜けてきた教え子と、体験していない教官との力の差です。ハラムが立ち上がったところを、麻酔矢が襲います。アビーらFBIが来ていたのです。
ハラムがFBIの取り調べを受けていると、軍のヒューイット(マーク・ペルグリノ)がハラムの身柄の引渡しを求めにやってきました。FBIのハリー(ロン・カナダ)は拒みますが、ヒューイットは「司法長官命令書」を提示します。
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ハラムは、護送中に脱走を図りました。けが人を装いながら、街中に姿を隠します。ボナムは、ニュースで知らせを聞きました。軍隊時代の記憶がよみがえります。1、2、3、4・・・と掛け声をかけながら、ナイフで敵を攻撃していきます。ボナムとハラムは、信頼しあった師弟だったのです。
ボナムとアビーは、ハラムの妻・アイリーンと娘・ロレッタに会いにいきました。アイリーンは2、3ヶ月前に出て行ったと言います。ボナムが2階へ上がるとハラムがいました。ボナムが説得しようとするところへ、アビーが来て銃を構えます。ハラムは窓から逃走しました。
追跡劇が始まります。街の中でもハラムの痕跡をかぎとり、根気強く追跡していきました。逃走の舞台となる風景が印象的です。都市の街中の路面電車、鉄塔、川へ移っていき、森の中にある滝へと場面が変わります。ボナムとハラムは、かつての訓練を思い出すように、火をおこし手製のナイフを作り上げました。ラストへ向って、ナイフをあやつった肉弾戦が始まります。銃を使わないアクションが見ものです。
この映画では、ハラムが完全な悪ではなく、犠牲者でもあると思いました。戦争が残した傷跡を感じさせる映画です。