2008年07月03日
466)アブラマツ(油松)
この「黄土高原だより」、私の本業から脱線してばっかりで、
緑化について、書いていることは、少ないですね。
本人の散漫さを、そのまま表しているよう。
で、今回は、数のうえでは、いちばん多く植えている、
アブラマツについて。

中国では、油松。
別名を、紅皮松、短葉松というそうです。
学名は、Pinus tabulaeformis Carr.
マンシュウクロマツという和名もあったよう。
ところが、皮の色は、いろいろなんですね。
でも、日本のクロマツより、はるかに赤い。
なにせ、中国で、紅皮松というくらいですから。
いつもお世話になる、神戸市立森林植物園に、
かなり大きな、「油松」があるんですよ。
それも、黒っぽいのと、赤っぽいのとが、あったそう。
で、黒っぽいのには、「マンシュウクロマツ」、
赤っぽいのには、「マンシュウアカマツ」のネームプレートがついていたけど、
それもおかしいので、マンシュウアカマツは取り外した、ということでした。
(ひょっとして、逆かな?)
というような事情で、私はこれを、アブラマツと、勝手に呼ぶことにします。
植物のなまえ、とくに日本にもともとない植物の和名なんて、
先にいった人、声の大きい人が勝ち、といったところがあります。
そこまでの力はないので、とりあえず、こう呼びます、と断っておきます。
原生地は中国北部で、かなり広いようです。
遼寧、吉林、内蒙古、河北、河南、山西、陝西、山東、甘粛、寧夏、青海、四川の北部、
そして、朝鮮半島にも広がっています。
現在、人工的にも、大面積に植えていますが、
山の奥や、仏教・道教の寺廟などで、古木にであいます。
たとえば、渾源県の北岳恒山に、樹齢数百年の、古木があります。
縦方向への成長をとっくに止めていて、
枝葉が、コウモリ傘のように、広がっています。
その逆に、若くて、生育のいいものは、
三角形というか、円錐形というか、とがってみえます。
マツにかぎらず、針葉樹は、とがってみえるものが、
健康で、生育がいいのです。
大同のような乾燥地でも、谷筋なんかの、水条件のいいところでは、
アブラマツは、1年に、70〜100cmも伸びます。
乾燥にも、寒さにも、いたって強いようです。
モンゴリマツ(樟子松)は、苗畑で3年くらい育てるときも、
その後、造林地に植えたあとも、だいたい2年は、
冬のあいだ、土をかぶせて、保護します。
そうしないと、寒さと乾いた寒風の害とで、枯れてしまいます。
アブラマツのほうは、そんなことをしなくても、
平気で、冬を越します。
痩せ地にも、強いのです。
大同県聚楽郷に建設中の、采涼山プロジェクトや、
実験林場「カササギの森」の土は、ひどく痩せています。
手っとり早く、わかっていただくには、Google Earth でみてください。
カササギの森の管理棟は、北緯40度11分00秒、東経113度32分50秒。
采涼山の「あずまや」は、北緯40度10分07秒、東経113度32分46秒。
その周囲をみると、山の土壌は流されて、
骨だけが残っているのを、わかっていただけるでしょう。
長年の観察の結果、この緯度の、この標高(1000〜1400m)の山の、
主人公になる木は、リョウトウナラ(遼東櫟)を中心とする、
落葉広葉樹だと考えています。
そこで、大同市最南部にある、霊丘自然植物園で育てた
数種類の落葉広葉樹を、カササギの森に植えてみました。
枯れはしません。
緯度が高いぶん、寒いんでしょうけど、ちゃんと越冬します。
しかし、伸びません。
植えて、6年になるのに、50〜60cmに止まっている。
セオリー通りといえば、そうなんですね。
(去年あたりから、ちょっと伸びるものも、でてきました)
同級生を、同じ年に、環境林センターの見本園に植えたところ、
こちらは3m近くに育っています。
その差は、土にあるよう。
環境林センターは、以前は果樹園で、
長いあいだ、灌漑に、生活汚廃水をつかっていました。
土が富栄養化しています。
カササギの森は、痩せきっています。
根に根粒菌がついていて、自分でチッソ固定をし、
どんな痩せ地でも、育っていくはずの、ハギさえ、
カササギの森では、ほとんど伸びません。
そんなところでも、アブラマツは、ちゃんと育ちます。
この地方の裸地の植林にとって、欠かせない存在です。
植える目的は、主として防護林建設です。
水土の流失と、砂漠化を防止します。
風砂の軽減にも、役立ちます。
将来的には、用材林として、経済効果もねらいます。
中国でも、紙パルプの需要は、急膨張していますから、
その原料としても、意味をもつでしょう。
私たちが、マツをたくさん植えているのを知って、
「マツヤニは、きわめて重要ですよ」と、連絡してくれた人があります。
再生紙の強化剤、印刷インク、塗料、IT機器、香料、薬品、粘着・接着剤……。
現代の私たちの生活に、欠かせないそう。
これを集めるには、たくさんの人手が必要ですから、
「雇用の創出にもつながりますよ」ということでした。
それが現実になれば、うれしいですね。
緑化について、書いていることは、少ないですね。
本人の散漫さを、そのまま表しているよう。
で、今回は、数のうえでは、いちばん多く植えている、
アブラマツについて。

中国では、油松。
別名を、紅皮松、短葉松というそうです。
学名は、Pinus tabulaeformis Carr.
マンシュウクロマツという和名もあったよう。
ところが、皮の色は、いろいろなんですね。
でも、日本のクロマツより、はるかに赤い。
なにせ、中国で、紅皮松というくらいですから。
いつもお世話になる、神戸市立森林植物園に、
かなり大きな、「油松」があるんですよ。
それも、黒っぽいのと、赤っぽいのとが、あったそう。
で、黒っぽいのには、「マンシュウクロマツ」、
赤っぽいのには、「マンシュウアカマツ」のネームプレートがついていたけど、
それもおかしいので、マンシュウアカマツは取り外した、ということでした。
(ひょっとして、逆かな?)
というような事情で、私はこれを、アブラマツと、勝手に呼ぶことにします。
植物のなまえ、とくに日本にもともとない植物の和名なんて、
先にいった人、声の大きい人が勝ち、といったところがあります。
そこまでの力はないので、とりあえず、こう呼びます、と断っておきます。
原生地は中国北部で、かなり広いようです。
遼寧、吉林、内蒙古、河北、河南、山西、陝西、山東、甘粛、寧夏、青海、四川の北部、
そして、朝鮮半島にも広がっています。
現在、人工的にも、大面積に植えていますが、
山の奥や、仏教・道教の寺廟などで、古木にであいます。
たとえば、渾源県の北岳恒山に、樹齢数百年の、古木があります。
縦方向への成長をとっくに止めていて、
枝葉が、コウモリ傘のように、広がっています。
その逆に、若くて、生育のいいものは、
三角形というか、円錐形というか、とがってみえます。
マツにかぎらず、針葉樹は、とがってみえるものが、
健康で、生育がいいのです。
大同のような乾燥地でも、谷筋なんかの、水条件のいいところでは、
アブラマツは、1年に、70〜100cmも伸びます。
乾燥にも、寒さにも、いたって強いようです。
モンゴリマツ(樟子松)は、苗畑で3年くらい育てるときも、
その後、造林地に植えたあとも、だいたい2年は、
冬のあいだ、土をかぶせて、保護します。
そうしないと、寒さと乾いた寒風の害とで、枯れてしまいます。
アブラマツのほうは、そんなことをしなくても、
平気で、冬を越します。
痩せ地にも、強いのです。
大同県聚楽郷に建設中の、采涼山プロジェクトや、
実験林場「カササギの森」の土は、ひどく痩せています。
手っとり早く、わかっていただくには、Google Earth でみてください。
カササギの森の管理棟は、北緯40度11分00秒、東経113度32分50秒。
采涼山の「あずまや」は、北緯40度10分07秒、東経113度32分46秒。
その周囲をみると、山の土壌は流されて、
骨だけが残っているのを、わかっていただけるでしょう。
長年の観察の結果、この緯度の、この標高(1000〜1400m)の山の、
主人公になる木は、リョウトウナラ(遼東櫟)を中心とする、
落葉広葉樹だと考えています。
そこで、大同市最南部にある、霊丘自然植物園で育てた
数種類の落葉広葉樹を、カササギの森に植えてみました。
枯れはしません。
緯度が高いぶん、寒いんでしょうけど、ちゃんと越冬します。
しかし、伸びません。
植えて、6年になるのに、50〜60cmに止まっている。
セオリー通りといえば、そうなんですね。
(去年あたりから、ちょっと伸びるものも、でてきました)
同級生を、同じ年に、環境林センターの見本園に植えたところ、
こちらは3m近くに育っています。
その差は、土にあるよう。
環境林センターは、以前は果樹園で、
長いあいだ、灌漑に、生活汚廃水をつかっていました。
土が富栄養化しています。
カササギの森は、痩せきっています。
根に根粒菌がついていて、自分でチッソ固定をし、
どんな痩せ地でも、育っていくはずの、ハギさえ、
カササギの森では、ほとんど伸びません。
そんなところでも、アブラマツは、ちゃんと育ちます。
この地方の裸地の植林にとって、欠かせない存在です。
植える目的は、主として防護林建設です。
水土の流失と、砂漠化を防止します。
風砂の軽減にも、役立ちます。
将来的には、用材林として、経済効果もねらいます。
中国でも、紙パルプの需要は、急膨張していますから、
その原料としても、意味をもつでしょう。
私たちが、マツをたくさん植えているのを知って、
「マツヤニは、きわめて重要ですよ」と、連絡してくれた人があります。
再生紙の強化剤、印刷インク、塗料、IT機器、香料、薬品、粘着・接着剤……。
現代の私たちの生活に、欠かせないそう。
これを集めるには、たくさんの人手が必要ですから、
「雇用の創出にもつながりますよ」ということでした。
それが現実になれば、うれしいですね。
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