2007年11月13日
友情にドラマはいらない:映画感想『once ダブリンの街角で』
11月9日、渋谷シネ・アミューズで「once ダブリンの街角で」(2006年アイルランド。ジョン・カーニー監督)を見る。
●once ダブリンの街角で ::::(公式サイト)
簡単にあらすじを書きますと、舞台はアイルランドの首都ダブリン。この街の路上で、一組の男女が出会う。
男は実家の仕事を手伝いながら、ストリートシンガーとして路上で歌う。女はチェコからの移民で、音楽を愛しているが生活することで精一杯の日々を送る。この二人が、やがて歌を共作する。
はじめに敢えて書いてしまうと、結構地味なストーリー(詳しくは以下に書きます)。しかし、いい話。また、主演の二人がミュージシャンなので(男はアイルランドのバンド「ザ・フレイムス」のグレン・ハンサード、女はチェコのシンガーソングライター、マルケタ・イルグロヴァ)、劇中歌もいい。個人的な感想としては、ミュージシャンを起用し、彼らが実際に曲を作ったことが、この映画の魅力の大きなひとつだと思う。
以下、詳しい内容に触れながら、更に細かな感想を。
タイトルに挙げた「友情にはドラマはいらない」というのが、見た後にまず思ったことだった。それと対照的な言葉としては、「恋愛にはドラマが必要」かなと思う。
この映画、比較的想像通りのストーリーで、あまりドラマチックな展開はない。それが、上に書いた「結構地味なストーリー」ということの意味です。
主人公の男女は、最後まで微妙なバランスを保ちながら、友情を育んで、それぞれの道を歩む。
ここからネタバレです。
実は女には、チェコに残って働く夫がいて、ダブリンに一緒に連れてきた娘もいる。男にも、かつて付き合っていて、今はロンドンで暮らす女性(妻なのかははっきりとは分からない)がいる。
そんな二人なので、最後まで恋愛と言えるような言えないような関係のまま終わるのが、印象的だった。
もっと露骨に言えば、二人は寝ない。それがやや意外に思ったし、そこを意外に思う自分が自分で意外だった。
ラスト、男と女は、ストリートミュージシャンの仲間やエンジニアとともに、曲を収録したCDを完成させる。男はそれを持ってロンドンに行き、ミュージシャンとしてのデビューを目指しながら、分かれた女性を探してよりを戻そうとする。
女は夫をダブリンに呼び、母・娘とともに生きていくことを決める。その女に、男は彼女が仕事の合間に通っていた楽器屋からピアノを買い、送るのだった。
このラストも、やや淡白だけれどさわやかで、見てよかったと思える映画だった。
途中には、話の流れがちょっとご都合主義的な部分もある。例えば男がレコーディングの準備を整えるまでは、スタジオのレンタル、資金の調達、他のバンドメンバーのスカウト、など、かなり急ぎ足。
しかし、主人公の男女の間の友情、そしてその友情と、歌への情熱から生まれた曲が、なんとも好ましくて、荒削りな部分も許せてしまう。
『ラブソングができるまで』にも似たところはあるけれど、登場人物を男女とも一般人に設定したところと、恋愛ではなく友情に近い感情を描いていることで、また違った魅力がある。見比べて見るのも面白いかもしれません。
(サントラ)
●once ダブリンの街角で ::::(公式サイト)
簡単にあらすじを書きますと、舞台はアイルランドの首都ダブリン。この街の路上で、一組の男女が出会う。
男は実家の仕事を手伝いながら、ストリートシンガーとして路上で歌う。女はチェコからの移民で、音楽を愛しているが生活することで精一杯の日々を送る。この二人が、やがて歌を共作する。
はじめに敢えて書いてしまうと、結構地味なストーリー(詳しくは以下に書きます)。しかし、いい話。また、主演の二人がミュージシャンなので(男はアイルランドのバンド「ザ・フレイムス」のグレン・ハンサード、女はチェコのシンガーソングライター、マルケタ・イルグロヴァ)、劇中歌もいい。個人的な感想としては、ミュージシャンを起用し、彼らが実際に曲を作ったことが、この映画の魅力の大きなひとつだと思う。
以下、詳しい内容に触れながら、更に細かな感想を。
タイトルに挙げた「友情にはドラマはいらない」というのが、見た後にまず思ったことだった。それと対照的な言葉としては、「恋愛にはドラマが必要」かなと思う。
この映画、比較的想像通りのストーリーで、あまりドラマチックな展開はない。それが、上に書いた「結構地味なストーリー」ということの意味です。
主人公の男女は、最後まで微妙なバランスを保ちながら、友情を育んで、それぞれの道を歩む。
ここからネタバレです。
実は女には、チェコに残って働く夫がいて、ダブリンに一緒に連れてきた娘もいる。男にも、かつて付き合っていて、今はロンドンで暮らす女性(妻なのかははっきりとは分からない)がいる。
そんな二人なので、最後まで恋愛と言えるような言えないような関係のまま終わるのが、印象的だった。
もっと露骨に言えば、二人は寝ない。それがやや意外に思ったし、そこを意外に思う自分が自分で意外だった。
ラスト、男と女は、ストリートミュージシャンの仲間やエンジニアとともに、曲を収録したCDを完成させる。男はそれを持ってロンドンに行き、ミュージシャンとしてのデビューを目指しながら、分かれた女性を探してよりを戻そうとする。
女は夫をダブリンに呼び、母・娘とともに生きていくことを決める。その女に、男は彼女が仕事の合間に通っていた楽器屋からピアノを買い、送るのだった。
このラストも、やや淡白だけれどさわやかで、見てよかったと思える映画だった。
途中には、話の流れがちょっとご都合主義的な部分もある。例えば男がレコーディングの準備を整えるまでは、スタジオのレンタル、資金の調達、他のバンドメンバーのスカウト、など、かなり急ぎ足。
しかし、主人公の男女の間の友情、そしてその友情と、歌への情熱から生まれた曲が、なんとも好ましくて、荒削りな部分も許せてしまう。
『ラブソングができるまで』にも似たところはあるけれど、登場人物を男女とも一般人に設定したところと、恋愛ではなく友情に近い感情を描いていることで、また違った魅力がある。見比べて見るのも面白いかもしれません。
(サントラ)
ワンス ダブリンの街角で オリジナル・サウンドトラック
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