2011年02月04日

『ポンヌフの恋人』〜ニュープリント版〜 ヒューマントラストシネマ有楽町 【映画】

ンヌフという橋が工事のために封鎖されている。
着工までの間、放置された橋をねぐらとして路上生活している老人と青年アレックス、そしてそこに失恋と失明の病を抱え人生の絶望の淵を彷徨う女性ミシェルが加わり共同生活をすることになる。
アレックスはミシェルに恋心を抱くがあるときラジオから偶然聞こえて来た人探しの番組でミシェルの失明の病が手術で治ることを知る。
しかしアレックスにとってそれはミシェルとの別れを意味するものだった。

「ポンヌフの〜」は初め見た時(VHS)は十数年も前。当時はなんと中身のない映画だと思った記憶が。2年前くらいにまた自宅でVHS見たときはこんなに刺激的な映画だったか!とびっくりした。なので今回の上映はぜひとも劇場で見なければと楽しみにしていた。
劇場ではまず音の迫力の違いにびっくりした。畳み掛けるように前のカットに乱入する動きとその光と音。そして時間のつなぎ方が大胆。異物感のある音声。
人のいない廃墟化した橋がまるでSFの舞台のように感じた。最初から最後まで息もつかせない。
2回目はその秘密を考えながら見たりしたのだけど、例えば橋で花火を背景とした唐突にはじまる二人のダンス(ボートを奪うシーンまで)は、BGM(テンポ)がなんと7回も小刻みに変化して飽きさせない。

退廃的な生き方をしていたアレックスは獣のようだし、人生のどん底にいるミシェルは老婆のようだ。
そして唐突に灰かぶり姫のラストのようにミシェルは若い娘になり、アレックスは人間(青年)になり。。。

あるエピソードでは奇麗なミシェルの写真を燃やすアレックス。
ケロイド状にぶくぶく泡を吹きながら黒こげになっていく写真のミシェル。美と醜の葛藤の暗示のようにも見える。

後半に様変わりしたアレックスにミシェルは「自分が好きか?」と聞く。結構これが心に残ったセリフ。

ところで、ラストでミシェルが叫んだセリフですが、今回見た字幕では「まどろめパリよ!」だったけどVHSでは「目覚めよパリ!」だった気がする。この違いって大きい気がするんだけど。。。

『ポンヌフの恋人』公式HP