2011年03月30日

デューク・エイセス、最大の謎・・・黒人霊歌のアルバムがない!

デューク・エイセス、最大の謎・・・黒人霊歌のアルバムがない!

ずーと、何十年も不思議に思っています。
デューク・エイセスは当初から黒人霊歌や
ゴールデン・ゲイト・カルテットに影響を受け
たくさんの黒人霊歌を歌っています。

テレビやステージでも、昔話はその事から始まり、
オールド・ファンは普通にその事を知っています。

5周年ごとの「周年リサイタル」の各パンフレットに
「レパートリー一覧表」がありまして、
黒人霊歌やその範疇の曲がたくさんあります。

ところが、
「ウエスタン」や「焼け跡ジャズ」のアルバムはあるのに
「黒人霊歌」のアルバムがないのです、不思議です。

仕方がないので、
架空アルバム「黒人霊歌集」を既存の音源から作ってみました。
厳密には黒人霊歌でないものもあり、曖昧含みです。

JOSHUA FIT THE BATTLE OF JERICHO\ジェリコの戦い
1988年 WONDERFUL TIME (CD)から
デュークの「ジェリコの戦い」は二つのバージョンがあり、こちらは短音階です。
あえてこちらを選びましたが、
ひとつのアルバムに二つのバージョンがあっても良いかも。

YOU BETTER RUN\駆け出しなさい
1960年 デューク・シング・シング (LP)から
レコーディングはこのアルバムだけで和田昭治さんバージョンです。

OL' MAN RIVER\オールマン・リバー
1970年 15周年 (LP)から
コーラスなしの谷リーダーのソロ、顔を黒く塗り熱唱しています。

JOHN HENRY\ジョン・ヘンリー
1962年 民謡世界めぐり (ソノシート)から
槇野さんメインです。録音はこれしかありません。
ソロもバックもアレンジはGGQのコピーです。
初期デュークの本気と、日本人でもここまで歌えるのだ・・・、
という誇りを感じ、嬉しくなります。

WHEN THE SAINTS GO MARCHIN' IN\聖者の行進
1962年 民謡世界めぐり (ソノシート)から
録音はこれしかありません。
上の「JOHN HENRY」と同じく、アレンジはGGQのコピーです。
コピーに熱気を感じます。僕はコピー物が大好きなのです。

DRY BONES\ドライ・ボーンズ
1980年 コーラスの仲間たち (LP)から
「ドライ・ボーンズ」は沢山の録音があり、中にはリズムを強調した
早いテンポもありますが、ゆっくりめが好きなのでこれを選択。
それに、嬉しいのは伴奏がデルタ・リズム・ボーイズのコピーです。

MICHAEL ROW THE BOAT ASHORE\漕げよマイケル
1964年 花はどこへいった (LP)から
小保方さんバージョンです。谷口さんバージョンもありますが、
谷口さんより半音高いキーで歌っています。この曲に関しては、
小保方さんバージョンのほうが迫力があります。

SOMETIMES I FEEL LIKE A MOTHERLESS CHILD\時には母のない子のように
1965年 デューク・エイセスのすべて (LP)から
ソロは、谷口さん、吉田さん、谷リーダーと続きます。
それぞれの声と歌い方を聴くことができます。

CARAVAN\キャラバン
1980年 コーラスの仲間たち (LP)から
「キャラバン」は二つバージョンがあります。
一つは「紅白歌合戦」で歌ったスタイル、You-Tubeで見れます。
もう一つは曲の前半を「ミルス・ブラザース」スタイルにしたバージョン。
「コーラスの仲間たち」のアレンジはミルス・スタイルで、
その後のベスト盤は、ほぼこれです。

SIXTEEN TONS\16トン
1965年 デューク・エイセスのすべて (LP)から
「16トン」としては珍しくビック・バンドの伴奏です。
メインは槇野さんのソロで、
一番低い音は瞬間、オクターブ下の「C」まで下がっていきます。

ANNIVERSARY SONG\アニヴァーサリー・ソング
1962年 デューク・エイセスのすべて (LP)から
これも槇野さんメインで、メロディとコーラスの哀愁が泣けます。
テレビではいつも歌っていましたが、なぜか録音はこれしかありません。
再録を望む声が多い曲です。

GO WHERE I SEND THEE\ゴー・ホエア・アイ・センド・ジー
1962年 デューク・エイセスのすべて (LP)から
録音はこれしかありません。アレンジはGGQのコピーです。
ハーモニーがリズムを刻むGGQ独特のサウンドで、
これほどの完璧コピーは、デューク以外には出来ないと思います。

SHENANDOAH\シェナンドゥ
1988年 WONDERFUL TIME (CD)から
単調旋律のこの曲が、別曲のように仕上がっています。
多彩なアレンジにより4人の声が左右から虹のように輝いて飛び出します。

SWING DOWN CHARIOT\スウィング・ダウン・チャリオット
1972年 秋場所 (LP)から
ライブでは15周年、秋場所、20周年の録音があり
4人の位置が分かる録音の「秋場所」からピックアップしました。

IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT\月影の宵
1978年 ダイレクト・カット (LP)から
この曲は沢山の録音があります。その中でもこの録音は、
エコーがなく、4人の声が左右に完全分離して記録されています。
パート旋律を採譜するにはこの録音が最適でした。

WHEN WAS JESUS BORN?\ホエン・ワズ・ジーザス・ボーン
1978年 76\45 (LP)から
この曲の録音はこれしかありません。アレンジはGGQで、
ハーモニーがリズムを刻む形式です。
古い録音と違い、45回転のこのLPは力強い高音質で聴くことが出来ます。
貴重音源です。

GO DOWN、MOSES\ゴー・ダウン、モーゼス
1978年 76\45 (LP)から
この曲も録音はこれしかありません。アレンジはGGQです。
重くスローなイントロの後、明るく歯切れの良いコーラスが
展開されます。GGQをとことんコピーしていますが
デュークは、それを楽しんで歌っているところがとても嬉しいです。

NOBODY KNOWS THE TROUBLE I'VE SEEN\誰も知らない私の悩み
1980年 コーラスの仲間たち (LP)から
残響を入れて詩情豊かに歌い上げています。基本DNAはGGQですが、
デュークらしいサウンドに仕上がっていて、とても満足します。

DEEP RIVER\深い河
1988年 WONDERFUL TIME (CD)から
有名な黒人霊歌で、沢山の録音があるように感じますが、
録音はこれしかありません。バス槇野さんのスローなソロが抜群で、
高い声から低い声まで槇野さんらしい歌唱です。お薦め!

BEAUTIFUL DREAMER\夢みる佳人
1970年 15周年 (LP)から
これは黒人霊歌ではなく、フォスター曲ですが、
なんとなく入れてみたくなりました。

「レパートリー一覧表」にはレコーディングされていない、
下のような曲もあり、音源が残っていれば入れたいところです。
・JEZEBEL
・DOWN BY THE RIVERSIDE
・JESUS MET THE WOMAN
・OH HAPPY DAY
・ALEXANDER'S RAGTIME BAND
・GEORGIA ON MY MIND ・・・ etc.

「レパートリー一覧表」は文字が小さいので見逃し?・・・あります。
それに僕は無知なので霊歌?米民謡?・・・分からないのもあります。

こうやって架空アルバム「黒人霊歌集」の収録リストを作りながら
聴きながら感じたのは、
デューク・エイセスはあえて「黒人霊歌集」を作らなかったのでは
ないかと思ったりしました。

かつて、
ゴールデン・ゲイト・カルテットをしゃぶり尽してコピーしています。
これら練習曲から早く抜け出してプロとして、独自の音楽と方向性を
目指したかったのではないかと思うのは考えすぎ・・・かもネ。

でもファンとしては、なんとかこれらの曲を
みんなで共有したいと思う次第です。

この記事へのコメント
こんばんは、小川です。てんてこ舞いさんのお薦めの曲、素敵な曲が多く私にも思い出の曲がいくつかあります。

「16トン」この曲は私の父が映画の前に放映されるニュースで黒人のコーラスグループが歌っていたと言っていました。おそらくデルタ・リズム・ボーイズだと思います。私が初めて聴いたのは、「デューク・エイセスのすべて」でした。槇野さんの低音にあこがれました。その後NHKの「♯さん♭さん」と言う番組でロイヤル・ナイツが歌っていたのを見たことがあります。「うーん、デュークよりいいかも」。
その後プラターズを父と一緒に聴いていてあまりの凄さに思わず苦笑してしまいました。

「アニバーサリー・ソング」いい曲です。たしかNHKの夜の番組
「夢で会いましょう」でデュークさんが歌っていたような記憶があります。口をちょっとへの字に曲げて歌う槇野さんを父と一緒に真似ていました。「ドナウ川のさざなみ」と言う曲名だったような記憶があります。父も私も低音にあこがれていたのでした。

「DOWN BY THE RIVERSIDE」もしかしたらデュークさんのレパートリーの中で最も気に入っていた曲かもしれません。TVで何度か聴いたことがあります。何故か2ndテナーの吉田一彦さんのセンスの良さと槇野さんの低音が印象的でした。この曲はゴールデン・ゲイト・カルテットを超えているのではと思っております。それだけに録音がないのがとても残念です。
Posted by 小川 昭 at 2011年03月30日 23:50
私もそう思っていました。
それと「クリスマスアルバム」も無いですね。
私が聴いたアルバムの中では、昭和35年の
「デューク・シング・シング」が最も黒っぽいアルバムです。黒人霊歌のジャンルを集めたアルバムは
多くあるのに、本当に不思議です。
一昨日放送されたダーク・ダックスの特集で
ダークのゾウさんが、かなりデュークを意識して
「リズムに乗り切れない」とロシア民謡の
路線を狙ったという話を聞いてニヤリとしました。
デュークはハーモニーの免疫をダークが浸透させていたのでリズムでスィングするハーモニー目指し、
そのダークがデュークの激しいビートに対抗し
美しい旋律の綺麗なハーモニーを重視した。
和田さんはカントリー&ウェスタンのギターを
弾きながら歌っていたのが原点。そのバタ臭さからして
二つのグループは同じコーラスグループですが、
同じテーブルに置いて語るのはナンセンスなのだなと
勝手に再認識しました。
日本人のアメリカのコーラスグループの研究家が
「ダークは駄目 デュークの方がまだマシ」と
話していたけど、この方こそお話しにならないよなと
いつも思っています。
この二つのグループがお互いを意識して
それぞれのジャンルで素晴らしいハーモニーを
確立した事がとても嬉しく思えた番組でした。
話が逸れてすみません。
Posted by 新潟のまさ at 2011年03月31日 12:03
小川さん、新潟のまささん、コメント有難うございます。

「16トン」いいですよね、いろんな人が・・・中には
低くない声のひとのもありましたが、やっぱ低音が一番。
「デューク・エイセスのすべて」、僕と同じ時期に聴いていたのですね。

槇野さんの「口をちょっとへの字」、そうなんです。
槇野さん出身の新潟は、寒いので「口を大きく開かない」と、
永六輔さんが何処かで言ってましたが半分冗談?
新潟のまささん、どうなんでしょう。

「アニバーサリー・ソング」は仰るとおり「ドナウ川のさざなみ」、
槇野さんの哀愁ソロが原曲を超えました。

デュークの「DOWN BY THE RIVERSIDE」は聴いたことがありません、残念。

「クリスマス・アルバム」、ほんとですね、ないですね。EPではあったようですが
オークションでは高いですね。

BS「ダーク・ダックスの特集」、僕もじっくり観ました。
ダークとデューク、お互い認め合っていました、美しい。
いい番組でした。

「ダークは駄目、デュークの方がまだマシ」という研究家ですか。
ネットを回っていると、変な人いますよね。
知識ばかり豊富で独りよがりの評論家。
悪く論評するのが生き甲斐なのでしょう。
Posted by てんてこ舞い at 2011年03月31日 19:15
京都のHIROSEです。(最大のなぞ)私も昔 (何で、霊歌集 をレコードで出してくれないのか?)考えた時期 ありました。

当時 ダークは(ロシア民謡)ボニーは(日本の抒情歌)みたいな固定化された感じがありました。

両グループとも大学のグリー クラブの出身だから固定化
になってしまったのか、とか考えました。

デュークも(どこかのグリークラブ出身)と考えていたら
バラバラの集まり。不思議に思いました。

谷さんの本 読みますと、東京に初めて来られた時の印象が書かれています。その後 メンバーとデュークを実力、まとまりのあるコーラス グループに育て上げらていく経過が書かれています。GGQは最も 尊敬され、徹底的にマスターされたのですが、ミルス ブラザーズ、フォー エイセス、プラターズ どのグループであれ吸収できる実力
を持たれたので、あえて(霊歌集)は出されなかったのではと、思っています。
又バラバラだったから、長く 続けてこられたのでは、ないかとも思います。
昨日 フォー エイセスがラジオでかかっていましたが、
デュークの実力 本当に感じました。

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GO WHERE I SENND THEE これを聞くと(デュークのすごさ)
感じます。よくぞ、この歌詞、リズム マスタされたなと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーJEZEBEL これは約50年前ぐらい 大阪のコンサートで聞きました 16歳ぐらいでした。
オープニング JEZABELでした。後で知るのですが、GGQの感じではありません
でした。 パンチの効いたJEZEBELで、度胆ぬかれとこと
思い出します。この頃になり(黒人霊歌というのは何?)
意識し始めました。(霊)という字より(黒人の幽霊?)みたいなこと考えたりしました。日本で誰が 最初に (黒人霊歌)って呼んだのでしょうね。

もう50年近く経つので(デュークの黒人霊歌集)1枚 持っておきたいものです。

長くなりました。
 
Posted by HIROSE at 2011年04月01日 19:34
こんにちは、HIROSEさん、お元気だったでしょうか?

ここ1ヶ月くらいは、以前より気になっていた
GGQやロイヤル・ナイツとか、デュークの黒人霊歌について
調べたり、書いたりしていました。

デュークのJEZEBELを聴かれたんですね。
いまでは、まず聴くことが出来ないとおもいます。
凄かったみたいですね。

デュークの黒人霊歌、僕の知らないソノ・シートとかに
音源がまだ残っているかも知れません。
気長に探してみようかな、と思っているところです。

コメント、有難うございました。

てんてこ舞い
Posted by てんてこ舞い at 2011年04月02日 08:57
うーーーーん、てんてこ舞いさんがついにやってくれましたね(笑)。確かに黒人霊歌だけのアルバムがないのは以前から不思議でした。

で、私も昨年にいろんな音源を編集して私家版「デュークの黒人霊歌集 これが本家だ!」なるものを作り始めたのですが、挫折してしまいました。音源の質に差があったのが原因です。

最近知ったのが、Youtubeでの"Where was Jesus Born"。デュークとデルタリズムボーイズの歌唱が比較再生できます。パンチの効いたデュークのリズムはアメリカ本家の歌唱を凌ぎますね。
Posted by Jess at 2011年04月02日 12:05
こんにちは、Jessさん。

「デュークの黒人霊歌集 これが本家だ!」ですか、
いいタイトルですね、いただくかも・・・。

Youtubeの「Where was Jesus Born」、
いま見ました。続けて聴くと、さらに再確認できます。

黒っぽさでは当然GGQですが、
歯切れと力強さではデュークと感じました。

コメントありがとうございました。
Posted by てんてこ舞い at 2011年04月02日 19:57