その日は、仕方なく前日に泊まった“新宿歌舞伎町”の安いカプセルに泊まろうと、台風の中ずぶ濡れになりながら“歌舞伎町”を歩いていると、閉まった店のヒサシの下で寝ている上半身裸のホームレスを見かけた。
そのホームレスを良く見ると、全身に和モノの刺青が彫られてあり、その目には全く生気がなくどんよりとしていた。
大阪にも沢山のホームレスの人はいるが、あんなに暗い底に落ちたような目を見たのは初めてで、この人の今までの人生にいったい何があって、こうなってしまったんかと考えると恐ろしくなった。
ここ“新宿歌舞伎町”って、深夜までいったい何の為にこんなにネオンで光り輝いていて、その光が明るければ明るいほど、そこに落ちる“影”は濃くなるんやなって感じた。
そして、その日の夜は安い『カプセル』に泊まり、翌朝テレビを見ると、『台風』は栃木の方にあったので、『新幹線』と『飛行機』は少しずつ動きだしていたが、僕が乗る予定やった『高速バス』は高速がまだ閉鎖してたんで動かないままだった。
それなら、『新幹線』に乗って帰ればいいんやけれど、残念ながら『新幹線』に乗るほどのお金は持ち合わせていなかった。
なぜなら前に日の夜に、最後の東京やからって調子に乗って、神田で『寿司』を食べてしまったからなのだ!
この見知らぬ“東京”で一人、残りの持ち金が“一万円”を切っているという不安と絶望の中、バス会社から“お詫び”と言ってもらった『マクドのコーヒー無料券』でコーヒーを飲んでいた。
そして、天気がだいぶよくなってきていたので、もう一度『バス会社』に行って『大阪に帰れる方法』を相談しに行くと、「もしかしたら、天気がだいぶんと回復してきたので、この東京駅から出発する最終便なら走るかもしれませんよ」という案をだしてくれた。
もう、その時の僕に他の選択肢を考える余裕は無く、一か八か“東京駅”に行くと、ちょうど高速の閉鎖が解かれて、予約していたバスに乗って大阪に乗る事が出来た。
昼間の高速バスっていうのは初めて乗ったのだが、夜行バスと違ってカップルばっかりで、「キャッキャ、キャッキャ」と楽しそうに騒いでいた。
楽しそうにしていなかったのは、僕と隣りに座っていた“大男”だけだった。
その“大男”は、東京駅を出てから、大阪駅前に着くまでの10時間ぐらいずっと“ハンバーガー”やら“弁当”やら何かを食べながら、メールをしていた。
それを見ているだけでお腹がイッパイになり、バスの中では何も食べれへんかって、バスに乗る前に本屋で買った、リリー・フランキーの『ボロボロになった人』という短編小説を読んでいて、僕の東京での話しも、この本の中に追加してもらえんやろうかなんて考えながら、ようやく『東京』での話が終わりました。
長々と書いていて申し訳ない。
僕も途中でしんどなってきたけど、書きながらまた『東京』での思いが甦ってきて良かった。
そして、この『東京』で得た事を、これから生かしていこうと思っています。

東京最終日、マクドで何処から回ろうか考えた結果、最初に
