ホステスの所得税を源泉徴収する際、報酬から差し引くことができる控除の対象は実際の勤務日数だけか、出勤しない日も含むのかが争われた訴訟の上告審判決で、勤務日数ではなく、期間中のすべての日数を指すと解釈すべきだ」との初判断を示し、審理を東京高裁に差し戻しました。
ホステスの源泉徴収は「計算期間の日数に1日5千円を掛けた額」を報酬から控除するが、所得税法施行令で定められている「計算期間の日数」の文言をどう解釈するかが焦点だった。
一、二審判決は税務署側の主張通り「実際の勤務日数」と判断したが、田原睦夫裁判長は「『期間』とは初日から末日までと解釈するのが相当」と指摘。源泉徴収額を再計算する必要があるとして二審東京高裁判決を破棄、審理を差し戻した。
控除対象の日数が増えれば源泉徴収額は減り、ホステスの実入りが実質的に増える可能性もありそうだ。
一、二審判決によると、原告は1都2県にキャバレーなどの店舗を持つ東京都三鷹市とさいたま市の2社。毎月の日数分を控除していたが、税務署が2003年、徴収不足を指摘して不納付加算税も課したため、取り消しを求めて提訴した。
ホステス「非出勤日も控除対象」 所得税源泉徴収で初判断/共同新聞
パブクラブを経営する上告人らが,ホステスに対して半月ごとに支払う報酬に係る源泉所得税を納付するに際し,当該報酬の額から,所得税法(以下「法」という。)205条2号,所得税法施行令(以下「施行令」という。)322条所定の控除額として,5000円に上記半月間の全日数を乗じて計算した金額を控除するなどして,源泉所得税額を計算していたところ,被上告人らから,上記控除額は5000円にホステスの実際の出勤日数を乗じて計算した金額にとどまるとして,これを基に計算される源泉所得税額と上告人らの納付額との差額について納税の告知及び不納付加算税の賦課決定を受けたことから,これらの取消しを求める事案である。
パブクラブを経営する者がホステスに報酬(以下「ホステス報酬」という。)を支払う場合,その支払金額から「政令で定める金額」を控除した残額に100分の10の税率を乗じて計算した金額が納付すべき源泉所得税の額となるところ(法204条1項,205条2号),施行令322条は,上記の「政令で定める金額」を,「同一人に対し1回に支払われる金額」につき,「5000円に当該支払金額の計算期間の日数を乗じて計算した金額」とする旨規定している。
ホステス報酬の額が一定の期間ごとに計算されて支払われている場合においては,施行令322条にいう「当該支払金額の計算期間の日数」は,ホステスの実際の稼働日数ではなく,当該期間に含まれるすべての日数を指すものと解するのが相当である。
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