2006年11月14日

オリヴァー君のはじめての給食係  ジェイミー・オリヴァーの給食革命


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WOWOWで放映されていた「ジェイミー・オリヴァーの給食革命」。
イギリスの悲惨な給食の状況は、なんとなく察しはつていたが、予想を遥かに超えたお粗末さに唖然となった。
サッチャー政権だった20年ほど前から、公立の学校給食は民間に委託されるようになり、それにより、効率重視の傾向が助長され、質が低下。それを改善すべく、若くして「Fifteen」というレストランを経営するセレブシェフ「ジェイミー・オリバー」が立ち上がった・・・という話の流れになっていた。
でも、きっと、元々だ。イギリスに料理なんて、そもそもあるのか?ロンドンにたった3週間の滞在経験しかないけど、どこへ行っても「フィッシュ&チップス」ばっかり。私は3日で音をあげ、チャイニーズとインド料理店でなんとかしのいだ経験がある。

この、食の後進国イギリスの給食のメニューはチキンナゲットやフライドポテトなどがメイン。給食室のおばさんの仕事といったら、箱から出して揚げるだけ。おばさんたちは楽チン。子どもたちは、そのメニューとコーラやジュースで大満足。
そんなところへ、乗り込んで行った若干28歳のオリヴァー君は、日に日にやつれていく・・・このやつれ方が妙だ。どんどん不健康に浮腫んでいく。おかしい。さては、カメラがOffになると、パブでヤケ酒でも呑んでるな〜。もしくはジャンクフードをストレス発散喰いをしているか?

私もオリーヴァー君の立場だったら、耐えられるかどうかわからない。いつも2合の晩酌が5合くらいに増えるのは間違いない。
まず、問題なのが、給食のおばさんたちの意識改革と調理技術を上げなければならないということ。どこかで聞いた話だが、味の知覚のネッワークが発達するのは35歳まで。それまでに口にしなかった味は、知覚できなかったり、受け入れられなかったりするらしい。
ということは、おばちゃんたちに「これは美味しい」「これはまずい」という区別を判断する能力がつくことは期待できない。それでも、オリヴァー君は調理養成合宿をやったり、奮闘するわけだが、このおばちゃんたちは生活の為に働いているわけで、「志」の為に給食室に勤務しているわけでないから、「こんな大変なことやってられない!」と猛反発する。
そりゃ〜そうだ。調理する手元を見ると、みじん切りも出来ない様子なので、こんな腕で、80人分の料理をこなせるはずもない。手際などとは程遠い。日本人はプロでない一介の主婦でも、世界に誇る「包丁さばき」を有するので、百聞は一見にしかず。見てビックリだ。
日本の給食のおばさんたちの水準は、世界レベルで見ると富士山くらいに高い。
わが子が卵アレルギーなので、毎月、栄養士に面会し、給食室で対処できるものとできないものをチェックしているので、どの料理はどんな材料を使い、どの段階から調理するのか?などを知る機会がある。他の学校のことはわからないが、カレーもインスタントルーを使わないし、大体のものが手作り。それを400人分以上、毎日、毎日普通に作っている。(偉い!)
人数も10人くらい。オリヴァー君の出向いた学校は80人分で、調理師5〜6人。結構な割合だけど、家でも職場でも冷凍食品を揚げるくらいしかやってないだろうから、全く追いつかない。しかも、できる人たちがいるということを知らないもんだから「こんなのできるわけない!」と激昂したりする。(コラ!日本の給食室に研修に来い!)

そんなおばちゃんたち相手に、涙目になったり、こめかみの血管をピクピクさせながら、なんとか頑張るオリヴァー君だが、問題はこれだけでは済まなかった。なんとか出来上がった料理を、今度は子どもらの舌が拒絶するのだ。
野菜を食べたことがないらしい。口に入れた途端に吐き出してしまう。家でもスナック菓子とフライドポテトしか食べない子がほとんど。
子が食べないので、おばちゃんたち「こんなに苦労して作ったって、食べやしないじゃないの!」と、またしても激昂。あぁ〜。書いているだけで疲れる。
かつては自分も、子どもに料理を作っていたであろうおばちゃんたちがこの有り様ということは、生徒たちの親の意識と技術も想像がつく。
あぁ〜。考えただけで疲れる。
それでいいんなら、もういいじゃん!と言いたくなってくる。
「アングロサクソンはフライドポテトでいいということにしませんか?」

藤原新也の「空から恥が降る」の中に、アメリカがアフガニスタンに爆弾とセットで投下したHumatarioan(博愛的人道主義)Daily(日々の)Ration(配給食)、略して「HDR」という援助物資の話が出てくるが、難民で空腹のはずのアフガニスタンの皆さんは、この食料が食べられなかったという・・・不味過ぎて・・・コソボ紛争時でも、お腹を空かせた小さな子どもですら「これはいらな〜い」とお断り。なんでも
「鉄棒を握ったあとの手の匂い」がするんだとか。オエッ!

でもでも、のめり込むあまり家庭も不和気味だが、オリヴァー君は諦めない。
TVカメラの前だから、多少の演出があるとしても、オリヴァー君の浮腫みなどの代償を支払った甲斐あってか、少しづつ、子どもたちは野菜をふんだんに使った給食を食べられるようになり、「おいしい!」とまで言う子どもも出てくるようになる。
この給食が受け入れられるようになった頃から、以前は疲れやすく、授業への集中も持続しなかった子どもたちの態度に改善の傾向が現れ、給食おばさんたちも理解を示しだすようになる。
この番組のおかげか、給食費の予算アップを要請する署名2万7千人分が集まり、提出。これにより、一人あたり15ペンス(低!)の予算アップが決定したのだとか。(それでもって元も低い。37ペンス日本円80円)
よかったね!オリヴァー君!

でもね、オリヴァー君。調理廻りは清潔にね。子どもをまな板にのせて、その横で鶏肉を切ったりしないでね。別に死なないとは思うけど。プロなんだから、清潔が第一だよ。イタリアに魅せられているらしいけど、一度、日本の給食室に修行においで。絶対に為になるよ。

オリヴァー君はオシャレな料理本もいっぱい出してる。




Posted by curious mama at 13:21  |Comments(4)TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
ジェイミーくん、がんばってますねぇ。
イギリスやアメリカの食事のひどさ加減は想像がつきますが
日本ほど味にうるさい国もないかもしれません。
そうは言っても、最近は日本でも食育が叫ばれてるわけですけど。
でも、味覚を表す言葉の多さから言っても、舌で味を感じる能力に長けている気がします。
虫の鳴き声が雑音に聞こえないという日本人ですからね。
野草の苦味を天ぷらにして楽しむ舌を持っていると言うこともできるかも。
家庭で作る料理にしても、一般家庭にもかかわらず
今日は肉じゃがで和食でも、明日は酢豚で中華とか
その次の日はハンバーグで洋食、そうかと思えばカレーを作ったり
なんてことが普通ですからね。
普通の主婦でも、ちょっとお料理が得意なら創作料理を作ってみたり
そうかと思えば、冷蔵庫の残り物でササっとチャーハンを作るとか。
冷静に考えれば、家庭でここまでバラエティに富んだ料理を作る国は珍しいかも。
欧米で生活した経験のある友人たちに話を聞くと
ホーム・パーティー用の持ち寄りメニューに悩むとか
毎日ディナーのあとにはデザートにケーキやパイを焼く
なんて話を聞いて、めんどうだと思ったものですが
日本で自分がやってることの方が大変だったりして…。
Posted by nbm at 2006年11月15日 00:27
>nbmさん

最近は日本も英米化してきてますよね。ジェイミー君の奥さんは、野菜を嫌がる子どもについて「きっと、嫌な思いをしたから嫌いになったのよ。だから、無理に食べさせるのはかわいそうよ」と意見してましたが、私の周辺でも、そんなようなことを言うお母さんが増えています。子どもなんて、好きなものだけ食べさせてたら、お菓子ばっかりになってしまうものです。私は、子ども時分、無理矢理、野菜でも何でも食べさせられ、その反動で、20代くらいまではジャンクフード漬けでしたが、段々、食の傾向が子どものころに帰っていきました。嫌いで、泣きながら食べた濃い味の人参が食べたくなったり、
ずっと嫌いだった酢じめの青魚とか、ラッキョウが、30歳を過ぎたあたりから大好物になったり。これは、子どもの頃に親が無理にでも食べさせてくれたお陰だと思っています。だから、私も子どもに無理矢理なんでも食べさています。薬味も、子どもだからといって省いたりしません。香りで食べる訓練です。嫌がってますが「いつか「これがたまら〜ん!」と言う日が来るから!」と言い放ってます。(気長)
Posted by c.mama at 2006年11月15日 09:22
ご無沙汰しております。kahnです。

いつも楽しく拝見させていただいてます。
本文に関係のないコメントお許しください。

しばらくお休みさせていただいてた当方のブログですが、時間に余裕もできたので再開しようと思います。

皆さんのブログを拝見したり、身の回りでいろんな事柄に触れる中で、書きたい欲求も募って参りました(汗)


これからもよろしくおねがいします。
Posted by kahn at 2006年11月18日 17:27
>kahnさん

わ〜い!おかえりなさい!また楽しみが増えます。
こちらこそ、よろしくお願いします。
(お忙しいとは思いますが、もう閉鎖なんて言わないで〜!)
Posted by c.mama at 2006年11月20日 08:26
 
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